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新蒸留所の話の続報が出るかなーと思ったら、この期間のニュースはニューリリースが中心でした。
今回のトップはナデューラの切り替えですかね。
バーボン樽熟成のモルト好きに指示されていた、高い完成度に定評のあるグレンリベット・ナデューラがシェリーカスクに切り替わるニュース。
先行して海外では販売されてましたし、前から聞いてはいましたが、実際に発表されると衝撃ではあります。
 
 
【トップニュース】
・ブランド初、シェリー樽熟成原酒だけのナチュラルなモルト、ザ・グレンリベットから(4/18 エコノミックニュース)
 
ナデューラの名前の意味を考えると、人工的な要素の強いシェリー樽でもその名前を引き継ぐってことに違和感がどうしても付きまといます(笑)。
使われるシェリー樽はスペイン・ヘレス製で、1stフィル100%とのこと。って1stでも2ndでもシェリーは人工的に味付けてますから、ナデューラとはいえないよなぁと。
そしてもう一つの違和感が、そもそもウイスキーは高価になってしまったシェリー樽から、安価で安定して手に入るバーボン樽にシフトしたのに、なぜシェリー樽に戻すのかということ。ナデューラに関しては人気もあるので、無理に戻す必要は無いわけです。
考えられる可能性は、シェリー樽熟成というブランドイメージでさらにシェア拡大を狙うか、あるいはシェリー樽はシェリー樽でもウイスキー熟成用にボデガで製作している疑似シェリー樽のほうが、製造から入手までが短期間かつ安定して入手できる状況になっているか。
前者はバーボン樽のラインナップを終売する理由にはならないですし、近年のボデガの動きを見ると後者なのかなぁという感じはします。
バーボン樽はウイスキーに使われるようになるまで4年~5年はかかりますが、疑似シェリー樽ならシェリー溶液を入れているシーズニングの期間が短ければ短いほど短期間で仕上がりますので、工場さえ決まれば安定供給出来る形をグレンリベットは作っていたと考えられます。
 
これが悪いとは言いません。ようするに大切なのは味です。
この新ナデューラはまだ飲めていませんが、飲んだことがあるウイスキー仲間は好印象だったようです。

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(引用:グレンリベットWEBページから http://www.theglenlivet.jp/the-whisky/?rg=na&y=no
 

【ピックアップニュース】
・マッサンが縁…堤真一さん「ウイスキー大使」に(4/23 読売新聞)
 
ドラマが終わってサントリーが静かだなぁと思っていたら・・・販売巧者というか、やっぱりという動き。
マッサンでは鴨居の大将こと、いわゆる鳥井信治郎氏をモデルにした登場人物を演じていた堤真一氏を、サントリースピリッツ社のウイスキー大使に起用して、商品等のPRを行っていくというもの。
ドラマで高まったお茶の間認知度、知名度を使うのにはこれ以外無い人選です。
というか、以前から開催していた出来レース感満載のウイスキーヒルズアワードに比べたらよっぽど・・・(以下略)。
 
ここでアサヒ(ニッカ)も追従したら面白いですが、あまりにも露骨なんでやらないかな。
こういうことを先立ってやる、サントリーらしいですよね。
 
 
・マッサン効果は今も!氷点下のハイボールが人気にニッカウヰスキーのチーフブレンダーが胸を張っておススメする理由(4/22)
 
サントリーの話があったらニッカのニュース。
ブラックニッカクリアブレンドのフリージングハイボールの話です。
スーパードライ・エクストラコールドの技術を使って作られた、凍る温度ギリギリのキーンと冷たいハイボール。
アルコール感も抑えられて、ごくごくとビール感覚で飲めてしまう。
そのためビール以上に酔うワケで、夏場は特に飲み方に注意しないといけない商品です(笑)。
 
まあ特にニュースでもない特集記事ですから、ピックアップしなくても良かったんですが、読んでいて昨年からひっそりと販売されていたディアジオの新製品、オールドパー・シルバーを思い出したので、こちらで合わせて掲載します。
オールドパー・シルバーは九州地区限定で昨年10月から販売されていました。
まぁ限定といってもWEBでは通販可能ですし今更感あるのですが、このオールドパー・シルバーがこの度全国展開されるそうです。 (4/23日現在で、すでに八重洲に並んでました。)

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香味を残すためにノンチルフィルターを仕様にするボトルが増えている昨今、あえて強烈にチルフィルターをかけることでクリアな味わいとしたのがこのボトル。オススメの飲み方は"キンと冷やして1:3のハイボール"だそうです。
うーんどこかで見たような話ですね(笑)
まぁ確かに、何でもかんでも香味を残せば良いってモノじゃないですし、そういう方向性もアリだなと。
九州でBARを営業されている知り合いからの情報では、中々イケるとのことです。


・Distilling legend Jim McEwan to retire in July(4/22 ブルイックラディWEBページ)
参照:http://www.bruichladdich.com/article/distilling-legend-jim-mcewan-to-retire-in-july

ブルイックラディのジムマッキュワン氏が今年の7月に引退されるそうです。
2012年に同蒸留所がコアントローに買収された際にも引退を宣言していましたが、その後撤回。
なんか宮崎駿みたいですが、お歳でもありますし、今回は本気のような気がします。
(まぁイベントとかには来るんでしょうw)


ジム氏については、ボウモア蒸留所の蒸留機にレモン石けんを投入して魔の時代をもたらし、それに満足せず再稼働させたブルイックラディ蒸留所もかつての清楚で瑞々しい果実感があった味わいを、荒々しくピーティーで、その最たるものとしてオクトモアというピート水まで世に送り出し、またしてもレモン石けんを求めて「殿!ご自重ください!」として干された奇才中の奇才。
というのはウソと誇張にまみれたアンサイクロペディア的な表現で
実際のところ彼の功績は偉大です。蒸留所再稼働から始まって、麦芽から蒸留方法、樽に至るまで多くの試験的な取組の数々、まさにミスターウイスキー。レースカーをラディのスピリッツで走らせるなんてアホなこともやってましたね。
商売っ気が強い印象がありましたが、その強さが衰退していたブルイックラディをここまで復活させたと言っても過言ではありません。

試験的なリリースの多かったラディですが、彼が仕込んだ"20を越える遺産"はまだ熟成中とのこと。
今後はレジェンド"マッキュワン"シリーズとしてリリースされていくことでしょう。
 
 
【その他のニュース】
・アードベックデー、2015年は5月26日。200周年記念ボトル販売情報も。
参照:https://www.facebook.com/ardbegjapan?fref=ts (4/22 FBアードベックのタイムラインを参照)

→毎年5月最終週に開催されているアードベックデー。今年は5月26日にイベントを開催するそうです。
200周年記念ボトルの販売開始もあわせて告知されていますが、実際はアードベックデーの前n・・・(うわまてやめろ何をする ・・・
きになるお値段は意外と良心的な設定(禁則事項のためこれ以上は)がされており、味からすれば相応って感じです。
200周年ボトルの紹介はこちら

・NY流ウイスキーの愉しみ方。業界の牽引役に聞く(4/22 マイナビニュース)

→ドラマで火がついてるのは日本だけじゃないんですね。また24とかみたいに日本に入ってくるのかな。 
 
・シングルモルトのロールスロイス「ザ・マッカラン」の限定モデル登場
 
→中身以上に外側が高いボトルw 誰が買うんだとか話題になってますが、世界規模だと普通に居ますよこれくらい買う人は。
また、都内の某BARもがっつり買われるとか・・・。
確かに以前売られてた1本50万のマッカランとか、今ヤバイことになってますからね。これはもう資産です(笑)