カテゴリ:
評価急上昇中のカヴァラン・・・というより、そろそろ頭打ちになってきたかな?w
日本には入ってきて居ませんが、現地で販売されているピーテッドカスクのサンプルを頂きましたのでテイスティングです。
実はこのボトルを飲むのは3度目。1度目はメインモルトで、2度目は持ち寄り回で中身がオッサンだけど素敵な女性から、そして今回が3度目。
とはいえ家でじっくりってのはありませんでしたから、ありがたいことです。

KAVALAN
Distillery reserve
PEATY CASK
Distilled in 2007
Bottled in 2015
55% 300ml

nzuF-4OA

評価:★★★★★(5)

”鋭いアルコール感、松の木のような木香に加えて粘性のある熟したパイナップル、シロップ漬けのチェリーのような甘いアロマ。
口当たりはオイリーでパワフル。熟したオレンジを思わせる果実感、紅茶、乾いたオーク材、微かなえぐみ。
後半はピリピリとしたハイプルーフらしい刺激とピートが現れて、フィニッシュに繋がる。
余韻ははピーティーでべた付きが無い。フレーバーはすぐに消えてあっさりとして短い。
加水するとアルコール感は和らぐが、バランスが向上する印象は無く引き出しは少なめ。”

 
ピートカスクといいながら、体感的にはライトピートという構成。
第一印象としては、新樽長熟の余市や、ハイプルーフのバーボンに共通するフレーバーがいくつかあるなという印象を受けました。
特に全体を通して感じられる新樽のような木香、エステリーさと松の香りが混じったような香味がそれ。
(神戸の巨匠はベンリアックに似てるんだよ、樽使ってるのかなぁ。とも言ってました。)
ボトル単品で見れば、カヴァランらしくまとまってるシングルモルトだと思います。
 
さて、ここから先はカヴァラン蒸留所に関する全体的な印象の話になります。
カヴァランに対する評価は、若いのに、アジアなのに、というネガティブからスタートしてプラスに至る、
言わば不良が子猫を助けたみたいなものです。勿論単体で純粋に評価しても出来の良い蒸留所であることは否定しませんが、
では、この「若いのに」という要素が消えたらどうなるのか。
 
カヴァランが作りわけをしていれば可能性も残りますが、今の原酒はその蒸留所の時間軸で言えば決して若いというわけではなく、10年未満のこの状況が一つのピーク、これ以上熟成させても樽感が強くなって度数が落ちていくだけかなと感じます。
それは詰めている原酒の性質や熟成方法によるところで、ただ寝かせれば旨くなる訳でも無い、難しい話です。
 
蒸留所毎の将来性と期待値は、また追って記事にまとめようと思います。