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個人的に予算5000円以内は、シングルモルトウイスキーを楽しむためのボーダーラインです。
2015年4月現在、だいたいの蒸留所のオフィシャルスタンダードはこの予算内で手に入るため、3000円に比べて選択肢がぐっと広がります。
まったく、新渡戸稲造しかり、与謝野晶子はよほどウイスキー好きと見える・・・。

しかしそれだけ多数候補がある中でも、総合的には竹鶴17年一択になってしまいます。
芸が無いのでヒントを求めて酒屋のサイトを見て回りましたが、無いモノは無い。
いや「ピーティーな味で」とか、「シェリー樽熟成系で」とか条件をつければ他に出てくるモノもありますが、
予算5000円以内という条件のみなら、このウイスキーは外せません。



竹鶴17年のテイスティングは以前記事にしていますので、他の飲み方を紹介すると、
ハイボールもさることながら、意外とロックが旨いんです。
ねっとりとした甘みにピートが立ってくる、冷えたウイスキーが口の中で暖められた時にふわりと樽香が鼻に抜ける。
製氷機の氷ではなく、是非ロックアイスで試してみてほしいです。


さて、竹鶴17年と言えばマッサンによるブームに加え、WWAのワールドベストブレンデットモルト受賞や、
中国人観光客のお土産として爆買いの対象にもなっており、国内市場は品薄状態です。
なのでアマゾンの某ショップやらでは7000~8000近くまで値上がりしているケースもあり、オイオイ5000円じゃ買いたくても買えないよと、原酒も足りないんじゃなかったか? そういう意見もあると思います。

酒販関係者から聞いた話でもありますが、そもそも竹鶴が品薄である理由はニッカの生産(ボトリング)能力にあります。
ニッカはウイスキーのボトリングを柏ウイスキー工場で行っていますが、生産ラインの規模的に全国の需要に対応仕切れていないのが現状で、現在休日返上でフル稼働させているものの、限定品など優先すべきボトリングもあったことで竹鶴のボトリングが追いついていないということなんです。
調べてみると、確かにそういう記事もありました。昨年の記事ですが、原酒は在庫で足りているとも。


ご存知のとおり、ニッカからはブラックニッカにハイニッカ、そしてスーパーニッカと限定品の製造、出荷があったばかりです。
また、最近いくつかラインナップを終売(休売)させているのも、原酒的な問題だけでなく、生産能力を売れ筋商品や限定商品に振り分けるためで、少なくとも竹鶴シリーズに関しては今後流通しないということはなく、むしろいくつかのリソースが戻るため多少改善される可能性もあります。
(ニッカ側がボトリング設備の拡張を予定していないため、抜本的な改善とはならなさそうですが。)

ちなみに竹鶴シリーズが良く入荷している酒屋の筆頭に、ビックカメラの酒販があります。
やはり大手は強いですね。ウチの近くも先日入荷しているのを発見しました。もちろん定価です。