The Dragon Awakes 長濱 5年 2020-2026 5年 ミズナラ 54.2% For Lucky Choice & The Antelope

NAGAHAMA
JAPANESE SINGLE MALT
The Dragon Awakes Vol,6
For Lucky Choice & The Antelope
Aged 5 years
Distilled 2020.6.25
Bottled 2026.2.26
Cask type Mizunara (Islay quarter Cask 3 years, Mizunara Cask About 3 years)
500ml 54.2%
香り:ウッディで甘い濃厚なアロマ、微かにスパイシー。クリームブリュレや天津甘栗、微かにリンゴのカラメル煮のニュアンス。奥には香木のニュアンスもある。時間経過で長濱らしさが顔を出してくる。
味:リッチでウッディ、とろりとした口当たり。干し柿や甘栗、あるいは栗の渋皮煮、スパイシーな味わいが広がる。 余韻はビターでかすかにスモーキー。お香のような含み香が鼻腔に抜け、キャラメリゼのように甘くビターな樽由来の要素がしっかりと長く続く。
短熟ながら適度な熟成感とミズナラらしさもあり、味わい深い1本に仕上がっている。熟成に用いられたのはミズナラの新樽ではなく2nd以降のミズナラか。樽感は濃いものの、過度なスパイシーさはなく、渋みも適度。和のニュアンスとベースにあるラフカスク由来の要素とうまくマッチしている。
ストレート以外ではロックも良い。紫煙との相性もいいだろう。長濱蒸溜所らしさと一歩進んだ熟成感、色濃いミズナラ香が特徴の1本。

The Dragon Awakes は、乾杯会が所属するグローバルなカスク調達グループ「The Lucky Choice」が、日本国内にある蒸留所の中で、素晴らしい個性や味わいを持つ原酒を調達し国内外向けにボトリングするシリーズ。
6月13日発売、第六弾となる長濱蒸溜所からのリリースは、アイラクォーターカスクで3年強、その後ミズナラカスクで3年弱熟成させた、ミズナラカスクマチュアードです。例によってコメントは自分が書かせていただきました。感想は書いた通りですが、実はかなり心配していたリリースだっただけに、思いがけずバランスのいい仕上がりに驚かされました。
長濱蒸留所に関する詳しい紹介は…もう不要でしょう。
乾杯会では自社の1stリリース、Dream of Craft Distillery を長濱蒸溜所の協力で実施。そこから定期的に原酒を調達し、複数回リリースを実施してきました。2024年はシェリーカスク、2025年はワインカスク、といった具合ですね。どれも長濱蒸溜所が国内外の品評会で高い評価を受けた樽構成との組み合わせです。
そして次なるリリースが、長濱の個性を語る上で外せない組み合わせであるミズナラカスクです。

※乾杯会からリリースされたシングルモルト長濱。シェリーカスク(左)、ワインカスク(右)
同蒸留所が2016年に創業した際、最初の蒸留で樽詰めしたのがミズナラカスクでした。また、オフィシャルのシングルモルトリリースでは、期せずして同じ第六弾リリースがミズナラ樽メインの構成。ウッディでスパイシー、干し柿や焼き栗などの和のフレーバー、お香のようなニュアンス。長濱蒸留所の原酒は、クリアな中に個性的なスパイシーさがあるため、樽由来の個性がわかりやすく、一方で温暖な熟成環境から非常に濃厚な味わいに仕上がる傾向があります。
ここが難しいところで、ミズナラ樽は非常に多くのエキスを出す樽材であるため、新樽状態では独特のスパイシーさと焦げたようなウッディネスが先に出て、原酒の個性そのものを圧殺するような仕上がりになりがちであること。さらに短期間でそうした変化が出るため、原酒の熟成年数は若くなりがち、粗さの残った原酒に濃い樽のソースをぶっかけている感じになることもしばしば。
熟成の原酒が、華やかさ、甘さ、そしてオリエンタルな要素をバランスよく纏うには、通常は何度も繰り返し樽を使ったうえで長い熟成期間が必要となるため、新樽系のミズナラカスクかつ温暖環境&短期熟成のリリースでそうしたフレーバーまで出すのは難しいわけです。
ただし、抜け道がないわけではありません。例えばミズナラヘッドという側面はアメリカンオーク、鏡板だけミズナラを使う。こうすることでアメリカンオークの華やかさを出しつつ、ミズナラの要素も適度に出そうという使い方。
もう一つが、バーボン樽である程度熟成した原酒を用意し、ミズナラ樽で半年~1年程度の短期間のフィニッシュをすること。15年熟成程度しているスコッチバルクをこの方法で仕上げたりすると、フルマチュアードの長期熟成には及ばないものの、疑似的にフルーティーで華やか、かつオリエンタルな感じに仕上がります。
今作はベースにアイラカスクを用いることで、甘さや柑橘感、微かなスモーキーさを下地に持ち。ミズナラカスクも2nd以降なのか、くどすぎない適度なミズナラ要素が付与されることで、今までのリリースより 1歩熟成が進んだような仕上がりとなりました。
自虐的なことを言えば、色の濃い長演モルトは強いウッディネスを警戒してしまいますが、これはなかなかどうしてバランスの取れた味わいです。






