Twitter スペース放送のご案内 1月16日 22:00~ OKIBA -ON AIR- 5th

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OKIBA -ON AIR- 5th
1月16日(日)22:00~
@WarehouseWhisky
https://twitter.com/WarehouseWhisky

毎月恒例のTwitter スペース放送の告知です。
今回のメイントピックスは、福島県郡山市の安積蒸溜所の紹介です。

安積蒸溜所については2016年の再稼働後から紹介してきているくりりんですが、界隈において安積といったら今やこの人。「安積(あずみ)じゃないよ安積(あさか)だよ!」で話題をさらい、公式アカウントまで狂わせた、@DrinkersLounge(ドリンカーズラウンジ)さんをゲスト招いて、最新の動向含めて発信していきます。
ドリラジさんとのコラボは昨年のクラブハウス以来になりますね。


【放送内容】
⓪冒頭:近況報告など
①最近の注目ボトル:タリスカー10年 新ラベル&旧ラベル
②日本のクラフトウイスキー蒸溜所紹介:福島県 安積蒸溜所 (笹の川酒造)
 -蒸溜所最新動向やハウススタイルなど
 ‐最新リリースのテイスティング
 ・シングルモルト 干支ラベル”虎” 
 ・ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー 山桜 シェリーウッドリザーブ
 ・シングルモルト The First ピーテッド
③質問受付、フリーセッション

※spaceの参加方法:くりりんのウイスキー置場 Twitterアカウントをフォロー頂ければ、定刻になるとTwitterアプリの画面上にスペース情報が表示されます。
または、時間になりましたら以下のURLから参加ください。https://twitter.com/i/spaces/1LyGBokyDayJN

※この放送は洒落たBGMなんてなく、スピーカーがひたすら1時間強話し続ける放送です。
参加頂く皆様は、各自お手元に飲み物と、そして別途BGMを調達してご参加いただけますと幸いです。


~以下、参考資料~

①最近の注目ボトル:タリスカー10年 新ラベル&旧ラベル
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2021年にリニューアルした、タリスカーオフィシャルボトル。
ラベルがリニューアルしたということは、中身も当然変わっているわけですが、感じ方は人それぞれ。今回はゲストテイスターも参加していますので、そのスタンダードレンジと言える10年の変化について、お互いにボトルを調達してレビューします。

個人的にはハイボールで食中酒にするなら、新ラベルも良いなという感じですね。正月の料理全般にマッチする、ユーティリティープレイヤーでした。


②日本のクラフトウイスキー蒸溜所紹介:福島県 安積蒸溜所 (笹の川酒造)
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‐最新リリースのテイスティング
・シングルモルト 干支ラベル”虎” 2022年リリース 50%
・ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー 山桜 シェリーウッドリザーブ 50%
・シングルモルト The First ピーテッド 50%

-蒸溜所最新動向やハウススタイルなど
安積蒸溜所は、柔らかく甘みのある麦芽風味に、厚みはミディアムボディ程度、そしてやや強めの酸味が個性となっている酒質です。

夏暑く、冬寒い。安積蒸溜所がある郡山市は、見事なまでの盆地気候の中にあるだけでなく、四方を山に囲まれる関係でおろし風が1年中吹き付ける(特に春と冬は強烈…)、特徴的な環境にあります。
安積蒸溜所が”風の蒸留所”を名乗るのは、この地域の特色があるわけです。
風の強さは、室内で熟成が進むウイスキーにはあまり影響がないと思われるかもしれませんが、温度に続いて熟成に影響する重要な要素”湿度”が、郡山市は夏でも比較的乾燥した気候となるため、他の地域には無い熟成環境に繋がっています。

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※2019年10月に発酵槽を木製に入れ替え、2020年から本格的に木桶発酵槽で仕込みを開始している。発酵時間は約5日、酵母は蒸溜所酵母。季節や発行状況を見ながらコントロールする。生産量は、1回の蒸留で200リットル。

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※第1熟成庫が満杯になったことを受け、2021年に第2熟成庫を新設。メインはバーボンバレルだが、それ以外にブランデー、シェリー、ワイン等様々な種類の樽があり、ミズナラ樽も目立つ。(おや、この+Cは…ん、誰だこんな時間に)

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※木桶仕込みが始まり、ノウハウも溜まってきた2021年蒸留のニューメイク2種。
木桶によって乳酸発酵が進む関係か、安積酒造の酒質の特徴にある”酸味”に、フルーティーさ、複雑さが加わり、特にピーテッドの変化が大きい。熟成による成長が楽しみ。
おそらく3~4年程度の熟成から楽しめるものになると思うが、奥行きや複雑さ、全体のバランスで考えると、バーボンバレルで7~8年程度の熟成で、ピークを迎えるのではないかと予想。

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※オマケ:公式があずみ症状末期。
「おかしなことになってるだろ?ウソみたいだろ?公式アカウントがやったんだぜ、これ…」


③質問受付、フリーセッション
今回はウイスキーブロガー:ドリンカーズラウンジさんがゲストとして参加…しているはずなので、くりりんだけでなく、ドリラジさんへの質問も募集します。
事前にメッセージ等を頂ければ当日優先して取り上げさせていただきますが、当日はスピーカーに入って頂く、あるいはくりりんのTwitterアカウントにメッセージを送って頂ければ、適宜質問を取り上げさせて頂きます。

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はい、ということで皆様大変お久しぶりです。
昨年スペースの告知記事を投稿してから、すっかりブログの更新を放置してしまいました。
2021年を振り返ると、ウイスキー業界としてはジャパニーズウイスキーの基準制定に始まり、蒸溜所の新規開設は留まるところを知らず、国内に新規ボトラーズブランドが複数立ち上がるなど、2020年以上に話題の多い1年だったと思います。

そんな中で、グレンマッスルのリリースだけでなく、キルホーマンのリリース、さらにはウイスキー本やイベントにも関わらせて頂いたり、まだオープンになっていない話もいくつか進めさせてもらったりと、コロナ禍にあって活動が制限された中でも色々機会を頂き、新しい繋がりが生まれ、形になることが多かったように感じます。
特に、クラブハウスに始まり、Twitterでの発信を始めたことで、愛好家の皆様と今まで以上に広く交流させて頂けるきっかけになり、大きな刺激になりましたね。

一方で、こうした繋がりはブロガーくりりんである以上、ブログがあってこそ。新しい情報の更新がないとそろそろ成り立たないなと。今年は原点回帰、ブログの更新に戻りつつ、ウイスキー活動を細々と色々やっていきたいなと思います。
皆様、よろしくお願いいたします。

goaisatsu

Twitter スペース放送のご案内 12月5日 22:00~ OKIBA -ON AIR- 4th

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OKIBA -ON AIR- 4th 
12月5日(日)22:00~ 
@WarehouseWhisky 

https://twitter.com/WarehouseWhisky  

毎月恒例のTwitter スペース放送を今月も開催します。
開催日は、今日、今夜です!
ほんとは昨日までにはブログ記事UPしようと思っていたんですが、寝落ちしましたスイマセン…。
さて、今月も前回同様に以下の流れで話題のボトルや蒸留所の情報、ちょっとした裏話等を含めて取り上げていきます。

【放送内容】
⓪冒頭:近況報告など
①最近の注目ボトル:厚岸蒸留所 シングルモルト 立冬

②日本のクラフトウイスキー蒸溜所紹介:三郎丸蒸留所
③今月のホットトピックス:京都Fine Wine & Spiritsさんの最近のリリース紹介
④質問受付、フリーセッション

※spaceの参加方法について、わからない方は適当にぐぐってください。上述のTwitterアカウントをフォロー頂ければ、時間になるとTwitterアプリの画面上にスペースの情報が表示されるかと思います。

※トップの画像にも記載してありますように、この放送は洒落たBGMなんてなく、くりりんがひたすら1時間強話し続ける放送です。

参加頂く皆様は、各自お手元に飲み物と、そして別途BGMを調達してご参加いただけますと幸いです。


~以下、参考資料~

①最近注目のボトル:厚岸蒸溜所 シングルモルト 立冬
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厚岸蒸溜所から11月末に発売された、24節気シリーズの最新作。第5弾となる立冬です。

既に飲まれた方も多いのではないでしょうか。
今作は、事前情報として、北海道産ミズナラ樽原酒をキーモルトとしていること、シェリー樽の原酒を多く使っていることが明かされていましたが、そうした事前情報から色濃い味わいのリリースになるかと思いきや、色合いは薄紅色を帯びたライトゴールド、香味も予想と傾向が異なっていました。
この辺りについて、レシピの予想も含めて話をしていきたいと思います。


②日本のクラフトウイスキー蒸留所紹介:三郎丸蒸留所
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先日、2018年蒸留の原酒を用いた三郎丸Ⅰ ”THE MAGICIAN” がリリースされ、いよいよその本領を発揮してきた、三郎丸蒸溜所。
三郎丸蒸溜所は毎年なんらかのリニューアルを行っているため、どの段階がとは整理しづらいですが、ポットスチルを蒸溜所の象徴とするなら

・2016年以前(旧設備時代)
ーーー大規模リニューアルーーー
・2017-2018年(改造スチル時代)
・2019年〜(ZEMON時代)

として整理できます。
3年前のブログ記事にニューメイクのレビューを掲載しましたが、この大規模リニューアル後、特にマッシュタンが置き換わり、酒質が大幅に向上した2018年からが真の意味で旧世代から脱却したと言えます。

それもあって三郎丸のリリースは2017年がゼロ、2018年が始まりのイチとなっているわけで。
今回の放送では、その酒質の変化や蒸留所の最新動向について、THE MAGICIAN のテイスティングも交えて紹介していきます。

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※2018年から導入された三宅製作所製マッシュタン。三郎丸Ⅰ販売時のクイズにもなったが、左側に映る制御盤は稲垣氏の自作。またサイトグラスがない事が特徴であるが、覗き窓があるため分かりづらく、正答率1割を切る難問となった。

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※2021年の仕込みから、発酵層に導入された設備。酵母をあえて飢餓状態にすることで、乳酸発酵をコントロールする。

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※2020年から貯蔵を開始した第二熟成庫。左側にはバーボンバレル、右側には三四郎樽(ミズナラ樽)が見える。

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※原酒のチェックをする稲垣マネージャー。同蒸留所は様々な樽を有しており、実験的な熟成も行う。スパニッシュオークのシーズニングシェリー樽に可能性を感じる…。

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※三郎丸蒸溜所同様、今後の展開が楽しみなT&T TOYAMA。Breath of Japanのリリースが待ち遠しい。


京都Fine Wine & Spiritsさんの最近のリリース紹介
今ウイスキー愛好会の中でブランドを確立し、京都さんのリリースなら間違いないとも評価される、インポーター兼酒販の同社。元々愛好家が立ち上げたブランドだけに、ウイスキー以外のリリースでも視点が愛好家に合いやすいのでしょう。

代表(自称・雑用兼ボトル発送係)の王子さんとはブランド立ち上げ以前から交流があり、なにかと気にかけて面白がって頂いて、唐突にサンプルが届くことも。。。
そんなわけで、今回はメイントピックスとして、同社の最近のリリースをレビューさせて貰います。

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※上段左から
・Aurian 1979 for Wu Dram Clan 46.5%
・Aurian 1967 for Wu Dram Clan 48%
・Château de Gaube 1962-2020 for Wu Dram Clan 48.6%
・Cognac Grand Champagne VALLEIN TERCINIER 1970 for Wu Dram Clan
・Cognac Grand Champagne PRUNIER 1967 for Wu Dram Clan
・Cognac Grand Champagne Grosperrin 1933-1939 Heritage for Wu Dram Cran 700ml 47.4%

アルマニャック3種とグランシャンパーニュ・コニャック3種。
今回リリースされたAurian1979は、一昔前のカラメルシェリー系のニュアンスを思わせるリッチな味わい。Aurian1967はリフィルシェリーホグスヘッド樽で長熟したスペイサイドモルトのような、甘酸っぱさと華やかさがある、どちらもウイスキー好きに刺さるだろうフレーバーが魅力。言い換えればアルマニャックらしさの少ない2種に対して、
Château de Gaube 1962は土っぽさというか、葡萄の風味に野生味が混じるというか、アルマニャックらしさがある。傾向の違いも面白いです。

一方で、グランシャンパーニュ3種は、
VALLEIN TERCINIER 1970がリッチなフルーティーさ、PRUNIER 1967は華やかでいかにもこの地方のコニャックらしさ。Grosperrin 1933-1939は80年を越える長期熟成でありながら香味が繊細で、しかし奥行き、余韻は段違いに長い。。。
それぞれ銘柄、蒸留所が異なるため、酒質と樽の違いも感じられるのが面白さだと言えます。

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・ARDBEG 2001-2021, Wu DRAM Clan's Private Reserve KFWS cask no.348
・Finest Jamaican Rum Over 25 years old 50.1%
・BenRiach 1997 63.1% & 55.7%

京都Fine Wine & Spiritsさんは、ラムやコニャックなど、ウイスキー以外のリリースにも精力的であるところが面白さ、インポーターとしての魅力ですが、ウイスキーそのものも尖ったリリースが多くあります。
話題のアードベッグ2001レアカスクや、ベンリアック1997の別仕様についても紹介していく予定です。


④フリーセッション
ラストは質問コーナーと、飛び入り参加可のオープンセッションです。
今回は、「え、そんなこと自分に聞くの?」というような質問も頂いています。
明日は平日ですから、ゆるっと寝不足にならない範囲でトークしましょう!

それでは皆さま、今夜もよろしくお願いします。

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安積蒸留所 山桜 ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー 50% シェリーウッドリザーブ

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ASAKA DISTILLERY 
YAMAZAKURA 
BLENDED  MALT JAPANESE WHISKY 
SHERRY WOOD RESERVE 
700ml 50% 

評価:★★★★★★(6ー7)

香り:ウッディで甘くフルーティーな香り立ち。麦芽や胡桃の乾いた要素に、アプリコットジャムや林檎のカラメル煮を思わせるしっとりと甘いアロマ。微かにスパイシーな要素が混じり、さながら洋菓子にトッピングされたシナモンやマサラを連想する。

味:リッチでコクのある口当たり。林檎ジャムや洋梨の果肉の甘み、栗の渋皮煮、紅茶を思わせるタンニン。微かに乾いた麦芽のようなアクセント。樽由来の要素がしっかりあり、それが果実の果肉を思わせるフルーティーさと、程よい渋みとなって口の中に広がる。
余韻はオーキーで華やか、スパイシーな刺激。黄色系のフルーティーさが戻り香となって長く続いていく。

まるで熟成庫の中にいるような木香と、しっとりとして熟成感のある甘いアロマが特徴的。追熟に使われたシェリーカスクは2〜3回使われたものか、全体を馴染ませている反面、シェリー感としては控えめで基本はバーボン樽由来の濃いオークフレーバーが主体。
構成原酒はおそらく2種類。一つは「かねてより弊社が貯蔵熟成しておりました原酒(背面ラベル記載)」で、10年程度の熟成を思わせるフルーティーさ。もう一つが4〜5年熟成と思しき安積蒸溜所のスパイシーで骨格のはっきりとした原酒。これらが混ざり合い、複層的な仕上がりを感じさせる。個人的にかなり好みな味わい。

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安積蒸留所を操業する笹の川酒造が、第二熟成庫の建設を記念してリリースした1本。440本限定。
本製品は安積名義ですがブレンデッドジャパニーズの区分であり、安積蒸留所の原酒に加え、背面ラベルに記載の通り「同社が貯蔵してきた原酒(国産)」がブレンドされ、シェリーカスクで18カ月のマリッジを経ているのが特徴となります。

本リリースについてはこれ以上明確な情報がなく、同社山口代表の言葉をそのまま伝えれば「シークレットリリースについて公式に情報を発信できませんが、そこも含めて予想しながら楽しんで頂きたい。」と。
また「愛好家がそれぞれの視点から予想を発信することは止めない」とのことなので、当方もいち愛好家として、本リリースの構成原酒等に関する予想を、以下にまとめていきます。

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予想の結論から言えば、構成原酒は
・安積蒸留所ノンピートモルト バーボン樽 4年程度熟成原酒
・秩父蒸留所ノンピートモルト(安積蒸溜所熟成) バーボン樽 10年程度熟成原酒
この2種類を1:1程度か秩父側多めの比率でバッティングして、リフィルシェリー樽でマリッジ。シェリー感は明示的にこれという色濃いものは出ていませんが、繋ぎとなるような品の良い甘さが付与された上で、50%に加水調整したものではないかと。

フレーバーとしては、秩父蒸溜所が昨年リリースした秩父 THE FIRST TENに似た、熟成を経たことで得られるフルーティーさと濃いオーキーさがあり。そこにほのかな酸味、骨格のはっきりしたスパイシーさと麦芽風味…これは安積蒸溜所のノンピート原酒でリリースされた、安積 THE FIRSTの延長線上にある個性。
既存のリリースからも感じることが出来る個性が、混ざり合ったブレンデッドモルトであると考えています。

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また、今回のリリースの特徴であり、そのヒントではないかと思うのが、シングルモルトではないのに安積(#あずみじゃないよあさかだよ)名義となっていることです。
笹の川酒造のウイスキー貯蔵庫には、蒸溜所の操業前から秩父蒸留所の原酒が10樽ほど保管されており、私の記憶が確かなら、該当原酒は蒸溜所を見学した2018年時点で8年熟成だったはずです。

その時点で今回のリリースに通じるフルーティーさが既にあったわけですが、2021年までマリッジ期間の18か月を含め3年強の熟成を経たとすれば、今回のリリースの構成原酒として違和感はなく。
何より蒸溜所は異なるとしても、ウイスキーの熟成で重要なファクターである”熟成環境”が、ほとんどの期間を安積蒸留所の環境下にある原酒なら、安積名義としてリリースするブレンデッドモルトウイスキーであっても同様に違和感のない構成であると言えます。

以上のようにいくつかの状況材料と、こうだったら良いなと言う願望が混ざった予想となっていますが、少なくともブレンドされている原酒の片方は10年前後の熟成期間を彷彿とさせるものであることは違いなく。そうなると、国内蒸留所でそれだけの原酒があって、しかも笹の川酒造が”かねてから熟成させていた”となる蒸溜所は、おのずと限られているわけです。

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(建設中の安積蒸留所の第二熟成庫。画像引用:笹の川酒造安積蒸留所公式Twitter

さて、ここからは仮定の話の上で、自分の願望というか、笹の川酒造とイチローズモルトの繋がりについて紹介します。

今や世界的なブランドとなったイチローズモルト。その設立前、肥土伊知郎氏が東亜酒造・羽生蒸留所の原酒を引き取った際、笹の川酒造がその保管場所を提供したという話は有名です。
ただしこれは微妙に事実と異なっており、日本の酒税法の関係から原酒を買い取ったのは笹の川酒造であり、イチローズモルト(ベンチャーウイスキー)の体制が整うまでは、笹の川酒造がイチローズモルトのリリースを代行していたのです。

ウイスキーブームの昨今なら、こうしたビジネスも受け入れられるでしょうが、当時は2000年代前半、ウイスキー冬の時代真っ只中。ほぼ同時期、余市蒸留所ですら1年間創業を休止した時期があったほどで、日本のウイスキー産業は明日もわからぬ状況でした。
そんな中大量の原酒を買い取り、血縁があるわけでもない1人の人間のチャレンジに協力する。なんて男気のある話だろうかと、思い返すたびに感じます。

さらに、笹の川酒造に保管されていた秩父蒸留所の原酒10樽。これは確か2010年頃に蒸留されたもので、ブームの到来はまだ先であり、蒸留所として製品がリリースされる前の頃のもの。
原酒を購入した経緯もまた、両者の繋がりの強さ、冬の時代を共に超えていこうという助けの手であるように感じます。

一方で、笹の川酒造が安積蒸留所として2016年にウイスキー事業を再開するにあたっては、秩父蒸留所と伊知郎さんが協力したのは言うまでもありません。
今回のリリースの構成原酒を秩父と安積とすれば、それは単なるブレンデッドとは言えない、熟成期間以上に、長く強い繋がりが産んだウイスキーであると言えます。個人的には待望の1本ですね。
単純に日本のブレンデッドモルトとして飲んでも美味しい1本ですが、是非そのバックストーリー含めて考察し、楽しんで貰えたらと思います。

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