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【イベント報告】第2回史上最大(?)のウイスキー持ち寄り会への参加御礼

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さる2015年12月13日。告知の通り、ウイスキー持ち寄り会を開催させていただきました。
当日は微減微増あったものの、予定通り約90名の方が参加され、持ち込まれたボトル本数はウイスキーのみならず、コニャックやラム、テキーラなども合わせて200本近くを数えました。
まずはこうして無事に会を開催し、終えることが出来ましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。
関係者各位、ならびに参加者の皆様本当にありがとうございました。

本当は翌日中に御礼記事をUPするつもりでしたが、後述する事情で自分が結構堪えてしまったことや、日曜日から妻子が風邪でダウンしており、イベント後に作業の時間が作れなかったこともありました。
何れにせよ、1日遅れてしまいましたが、イベント開催後の報告をさせていただきます。
持ち寄り集合

「またやりたいよね」「やってみるかぁ」と凄くアバウトな流れで、特に打ち合わせもないまま、大半は自分が勝手に決めて告知をしたこの会。今回は前回と比較して、会の規模を1.5倍以上にしてみました。
前回の経験から、ケアできるのは70~80名くらいまでだろうなとアタリはついていましたが、どうせならその限界人数でやってみようかと。枠を広げたところ、1回目を楽しいと思ってくださった方の口コミもあって、即70名の枠が埋まり、ドタキャン分も含めて募集した結果90名近くになってしまったわけです。
どうなるか不安なところもありましたが、やはりちょっとオーバーキャパだったなと思うところがありつつも、その人数での進行を経験できたことは貴重な勉強になりました。

持ち寄りそのものは多くの交流や新しいボトルとの出会いに繋がり、会そのものを楽しんでいただけたことと思います。私自身の出会いはもとより、特に20~24歳という若手の参加も見られ、次の世代への架け橋となる機会を作ることが出来たのは非常に意味のあることだったなと。
また、スペシャルステージではWhisky linkのタケモトさんから今回もすさまじいボトルが提供されただけでなく、The Whisky Diversのテイスティング勉強会も評判上々、参加された皆様は充分楽しんでいただけたことと思います。
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ブラインドテイスティングでは予選で以下の現行品のアードモア トラディショナルカスクを、決勝戦(といいつつ実はこれが正解の賞品)では通称サマバンクを、出題いたしました。
予選のアードモアについては後日ブログ記事もUPしますが、一時期輸入が途絶えたものの平行品として再開した現地流通品。
以前飲んだモノより飲み応えがあってピートもしゃっきり、クオーターカスクで2回目の熟成を行うためかボディも厚く、カリラやボウモアと答えた方が多かったですね。
回答方法は所定の様式での選択式による回答、とは言ってもアードモアはかなり極悪な出題だったと思います。
それがまさか9名も正解者が出るとは思いませんでした。皆様のテイスティング能力、脱帽です。

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こうして全体的に見てみると、自画自賛気味ですが開催する意味のあるイベントだったと思います。
ただ細部にわたっては色々あり、反省点など考えさせられる事が多かったです。
例えば今回は前回以上にボトルが集まったことや、会の時間を30分だけ長くしたこともあってか、前回以上に飲まれてしまう方が多かったと思います。
酔いつぶれてその場で寝落ちするのはまぁ100歩譲って良いとしても、倒れる、モノを破損させる、泥酔~昏睡一歩手前まで行くなど、会の終盤はとても進行を出来るだけの余裕がありませんでした。
寝落ち、トイレ篭りは前回もありましたが、それを越えてくるケースが目立ったのは、こうしたアルコール絡みのイベントを開催する側の課題を改めて感じた次第です。
一言苦言を呈させていただければ、良い大人なんだから、酒に飲まれるほど飲むんじゃないよと。もっと交流の場として紳士的に楽しんでください、ってことでしょうか。


この会ではプラカップではなくテイスティンググラス必須での試飲を行っております。使用したグラスは、富山のイケメンウイスキープロフェッショナルこと、ウイスキー通販のモルトヤマからお借りしました。
100個近いグラスのレンタルに加え、一部参加者のボトル選定の相談にも乗っていただいたとのことで、本当に心強かったです。

シングルモルト通販 モルトヤマ
http://e-singlemalt.co.jp/

誤解の無いようにしたいのが、この会については事前準備の段階から特にお願いしたわけでも無いのに、率先して「いいよ」と色々やってくれる仲間がいるからこそ開催できるのであって、自分ひとりの力でやっているわけではありません。
賞賛を受けるべきは本来仲間のほうなんです。自分はただ情報を公開して煽っているだけに過ぎません。
本イベントは、ボトル提供だけでなく率先して各種準備や雑務、上述のぶっ倒れケアをしてくださった方々の善意で成り立っています。
参加費2000円で我々が提供できるのは空間のみです。後は参加者全員が、お互いのことを考えて、ボトルを持ち寄って、ケアし合って、「良いボトル飲んだスゲーでも記憶なくしたー」ではない交流をしてほしいというのが、主催である自分の願いです。

次回については前回、今回と使用した会場が使えなくなるため、諸々再検討した上で決めようと考えています。
ただ、そろそろ自分以外の方が開催する大規模会に、いち参加者として行ってみたいなと思うところでもありますね(笑)。
皆様本イベントへの参加を頂きまして本当にありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします!

ハイランドパーク 13年 1974年蒸留 1987年ボトリング インタートレード

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HIGHLAND PARK 
Years 13 old 
Distilled 1974 
Bottled 1987 
750ml 58.4% 

【ブラインドテイスティング】
地域:ハイランド
蒸留所:ダルユーイン→ハイランドパーク
蒸留年:1970年前後
熟成年数:20年程度
熟成樽:リフィルシェリーカスク
度数:57%程度のフルストレングス
評価:★★★★★★★★(8)!

香り:上品な甘さのある麦芽香、和三盆、徐々すりおろしリンゴの甘さ、柔らかいスモーキーフレーバーも感じられる。瓶熟の影響かアルコールの角は丸みを帯びて、高度数を感じさせない香り立ち。なんとも芳しい。

味:口当たりから濃厚な麦芽風味、中間から後半にかけて舌の上に蜂蜜の甘さが湧き出るように感じられる。まるで極上のコンソメスープ。味からすると香りは穏やかであり、特にこの後半の広がりは予想できない。
フィニッシュは存在感のあるピート香、微かに乾いた草、スモーキーでほろ苦くリンゴの甘味を伴って長く続く。


持ち寄り会事前打ち合わせの席にて。タケモトさんからのブラインドテイスティング。飲むまでは真面目に打ち合わせしていたのに、これが出た瞬間どうでもよくなってしまいました(笑)。

一言で、基本の塊のようなモルトウイスキー。麦芽、蜂蜜、ピート、飲んだことがある人ならこの3単語だけで特徴が伝わるボトルだと思います。
もちろんそれだけではなく、合間に感じる複雑さ、ボディの盛り上がりなどテイスティングノートに記載した素晴らしい要素もあるのですが、それだけ際立った特徴が感じられるボトルです。
この外連味の無い味わいは、塩胡椒だけで焼き上げた極上の赤身の肉のように、いかにもウイスキーだと納得させられてしまう説得力があります。


1974年と言えば、その後1977年にはハイランドパークのバイセンテナリーのビンテージであったり、1973年にはマシューDフォレスト氏の通称ヤクザラベルハイパもある、非常に評価の高いビンテージに当たります。
こんな酒質にシェリー風味が乗ったら・・・そりゃ旨いワケですよ。調理する前の素材がこれだけ良いんですから。

ちなみにブラインドテイスティングでは、当初は麦芽風味からダルユーインの1970年前後を予想。プレーンな味わい後半に粘性を感じるところなどから、樽はリフィルシェリー系だろうなーと。
ただ後半の濃厚な蜂蜜風味や、アイラとは異なるピートフレーバーに違和感を感じ、なんだろうなぁと頭を抱えていたところ、隣で同じものを飲んでいたGSさんが「うーん、ハイパとも違うような。。。」と呟き、「そうなんだよなぁ、ハイパはこういう感じには・・・いや、あるわ、これハイパじゃないのか」と、ごっつぁんゴールでするすると関連付けが行われていきました。
そしてそこで初めて、タケモトさんが先日このボトルを開封してコルクをへし折っていたことを思い出したわけです。

以前同イントレのハイパの17年も飲んでいましたが、淡麗系というかそこまで心に響く味ではなく、しかしコイツは別格です。味わいのベースとうい貴重な要素があるだけではなく、ボトルそのものの完成度という点は満点に近いレベルです。
本当に素晴らしいボトルでした!

シャトームートンのカシスリキュール リケール・ド・カシス・ド・ムートン・ロートシルト

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昨日、日本はボジョレーヌーヴォーの解禁日でしたが、自分は飲みに行くほど興味もありませんので、ワイン繋がりのリキュールネタで。

 
Liqueur de Cassis de Mouton Rothschild
22% 700ml
 
ワインを飲まない人でも一度は聞いたことがある、超有名ドメーヌのシャトー・ムートンが、プライベート用に作っているという少量生産のカシスリキュール。
先日のWL最古参会で、ふらっと出てきたタケモトさんの持ち込みボトル。
ムートンだから素晴らしいのか、作り方が違うのか、普段カクテル用に使われている安いカシスリキュールとは味の広がり方も口当たりも段違い。上品で艶のある果実感はストレートで飲んでも素晴らしく、すっかり高まってしまいました。勿論シガーとの相性もバッチリです。
 
また近くのジュースバーで生絞りオレンジジュースを買い付け、究極のカシオレづくりも実施!
レシピはネットのもので適当に作っただけでしたが、ゴールデンレシピのひとつだけに不味いわけがないんです。普通に旨い。ちゃんとプロに作ってもらったらもっと完成度高いはず…。
リキュールはコアントローやトリプルセック、あるいはキナ系など結構好きなものは多いのですが、これまで積極的に手を出してきませんでした。
しかしウイスキーがこうも高騰してくると、こういうジャンルも見ていこうかなと悩んでしまいます。
 
 
さて、話を最初に戻してボジョレーヌーヴォーですが、ここ数年同ワインの日本市場縮小が目立っているみたいですね。ワイン全体を見ると日本での消費量は年々増えている中で、ボジョレーヌーヴォーの輸入量は2013年から3年連続縮小。それでもフランスからの輸出量の6割が日本で消費されているとのことで、依然として多いは多いのですが、長きにわたり続いてきたボジョレーヌーヴォーブームも、ついにターニングポイントを迎えたと言えそうです。

自分はワインのことなんてほとんどわかりませんが、その筋の方々が散々言われ続けているように、日本のボジョレーヌーヴォーブームは異常です。
元はいち早く飲めるという情報価値で根付いた、言わばバブル時代の名残り。
今年のワインの出来の指標を知るために飲むとか、生産者を意識するとか、そういうこともなく。ヌーヴォーは飲むけど、通常のボジョレーは飲んでないなんてことはざら。流れとは実に恐ろしきものです。
しかしそれもようやく風向きが変わりつつあるようです。市場でよく見る同ワインの価格は1980円から2980円。これだけ出せば、デイリークラスでも充分コスパが良いモノが買えます。フランスのみならず、イタリアやスペイン、あるいはニューワールド系も面白い。
ボジョレーヌーヴォーを足がかりに、ワインの知識を広げていくことは、競争の創出にも繋がり、飲み手にとっても業界にとっても大変良いことだと思います。
 

ちなみにこれはウイスキーに言えることでもあるんですよね。
最近は落ち着き始めていますが、一部新鋭蒸留所に対する偏った熱気を見ていると、同じような空気を感じてしまいます。
その熱気が業界を後押しして、蒸留所側の成長につながるのも事実ですが、世界最高とか必要以上に煽ったり、諸手をあげてウェルカムはちょっと違和感。
先入観を持たず、流れは流れとして、広い目でいろいろ楽しんでい行きたいものです。

グレンドロナック40年 1972年蒸留 2012年ボトリング #710 オフィシャルボトル

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GLENDRONACH 
Aged 40 Years 
Distilled 1972 
Bottled 2012 
Cask #710 Oloroso Sherry Butt 
49% 700ml 
暫定評価:★★★★★★★★(8)

WL最古参会でのテイスティング。タケモトさん持参ボトル。
近年リリースされたシェリー系長期熟成の中でも、多くの飲み手が評価するであろうグレンドロナック1972ビンテージ、オフィシャルリリース。
濃厚なシェリー系ですが嫌味はなく、ややわざとらしいほどのベリー感、ライチ、白玉のような白っぽい甘さ。余韻には歳月の積み重ねを感じるウッディネス、タンニンが長く続きます。
現在同シリーズのリリースの中心となっている1990年代のシェリー風味とは別物、次元が違います。

同シリーズは、710番前後のカスクナンバーを中心に、かつては3万円ほどで販売されており、それでも若干の売れ残りまであったくらいでイベントでは無料試飲まで出ていました。自分と同じ頃から飲んでる人なら、結構口にしてるシリーズだと思います。
カスクによる評価の差は当然ありますが、自分が飲んだ中ではどれも素晴らしいシェリー感でした。

それが大陸方面からの引き合いが強くなると途端に強気の価格設定。今も同時期蒸留のリリースはありますが、10万円の大台を超えてしまいました。
「この価格でこれを飲めるのは今だけ」なんてみんな言い合ってたのに、当時にしては微妙に高い設定だった価格に躊躇して買っておかなかったことを後悔してる人は、きっと少なくないはずです。(もちろん私もその一人です(笑))。

ちなみに、素晴らしい長熟シェリー系であることに違いはないですが、開けたて直後のほうがベリー風味やランシオ系の熟成香は強く、徐々にこなれていく印象です。
また、今回のWL最古参会では多くの高レベルなシェリー系ウイスキーがラインナップとしてあり、いろいろ飲み比べた結果からか、レベルの高い中にも仕上がりの粗さというか、フルーティーさが浮ついているような、アラが見えてきたのは面白いところです。

テイスティング:開封時期不明
使用グラス:木村硝子 古酒

ロングモーン22年 1969年蒸留 1991年ボトリング インタートレード ハイランダーラベル

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LONGMORN
GM for Intertrade
Highlander label
22 Years old
Distilled 1969
Bottled 1991 
750ml 61%
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:ドライパイナップルを思わせるオーク香、麦芽、微かに灰っぽいミネラル感、グラスをスワリングすると奥からトロピカルフルーツ、黄桃等の熟した黄色いフルーツが顔を出してくる。香りは発散するイメージでどんどん広がる、実に充実している。

味:アタックはしっかりあるが、アルコールの角は丸く、テクスチャーは整地されている。瓶熟ゆえの程よい古酒感。
序盤は香り同様のオークフレーバーと麦芽風味、蒸かした栗の甘み、中間以降は微かなスモーキーさと共にどんどんフルーティーなフレーバーが広がる。熟したパイナップル、黄桃、ドライアプリコット。
余韻は柔らかいハイランド系のピーティーさとフルーティーさが混然となって2段階、3段階と非常に長く続く。


WL最古参会でのテイスティング。タケモトさん持参の1本。
知ってる人はラベルを見るだけで高まってしまう、最強クラスのロングモーン。
このボトルもまた複数回飲ませていただいているのですが、特に今回は最初からいかせて頂いたことで、かなり印象に残ったボトルでした。
最初はグラスの特性かオーク系のニュアンスが強く感じられましたが、その裏からどんどん出てくるフルーティーさ、味も余韻にかけてぐんぐん広がり、変化しながら長く残る余韻。
いやーたまりませんね。これぞロングモーンという感じです。 

最近リリースの多い1980年代、90年代のロングモーンは、シェリーは難しくとも、バーボン系なら樽感は共通するモノが出ることもあります。
しかし樽要素とは違う部分、酒質そのものと言える味わいに大きな差があります。具体的には味わいの底支えになる部分、中間から広範にかけて広がるフレーバー。そのフレーバーは所謂トロピカルフルーツと称される熟成香。それも熟したそれが発する、妖艶と言うか人を虜にするのに充分すぎる味わいがこのボトルにもあります。 

また4〜5年前に集中的にリリースのあった60、70年代蒸留の長期熟成については、素晴らしいボトルも多いのですが個性が弱っていたり、枯れてドライな風味が強くなっているケースも見られ、こうした60年代蒸留で20年程度の熟成というスペックの素晴らしさを思い知らされます。
なおラストショットだったこともあり、前飲んだ時よりフルーツ感が落ち着いていた印象でした。潜在的には★9クラスの高いレベルにあるモルトウイスキーです。

テイスティング:ラストショット 及び 途中複数回。
使用グラス:木村硝子 古酒

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