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通勤電車と昼休みのニュースチェックには、ウイスキー関連の項目も含まれているダメ会社員くりりんです。
今日はBBCさんが面白くも時代の流れを感じさせるニュースを掲載していたので、まずはそのニュースから。

BenRiach Distillery Company to invest £25m in business
http://www.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-business-33411450

"前例が無いくらいの需要があってウハウハだからベンリアックグループは増資を発表するよ。主に貯蔵関連増強するよ!"というニュース。
また、2014年のベンリアックグループの売り上げトップ5が、台湾、ドイツ、イギリス、アフリカ、アメリカだったそうで、その背景から"プレミアムブランドに高い関心を持っている台湾とは仲良くしたい!マジ親密でいたい!(意訳)"と、今後益々台湾向けのリリースが増えていきそうなニュースでもありました。

市場があるところはやっぱり優遇されますよね~。
まぁ日本も同様に注目された時期があり、日本限定の製品も販売されたり、ボトラーズが数多く展開したり、マガジンライブが開催されたり・・・これまで色々あったワケですから、複雑な気持ちですが不公平とはちょっと違いますね。
ゲートが開いていたという意味では、1968メインモルト、各種1976等のファン垂涎のボトリングに繋がったとも言えるわけです。足元見られたそうですがw)
今日はそのベンリアックで、先日の持ち寄り会で飲んでいたボトルをUPします。
BBIのボトル紹介は今更感がありますから、メゾン向けの1976で。

BENRIACH
"For La Maison Du Whisky"
30 years old
Distilled 1976
Bottled 2006
cask #3557, 222 btls.
53% 700ml

暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:程よくドライで桃やライチを思わせるフルーティーさ、乾いた香りはくるみやパイ生地のような香ばしさを伴う。微かにシナモンのようなスパイスもある。フルーツ感とのバランスが良く、味への期待度が高まる。

味:枯れた印象のない力強くフルーティーな口当たり。桃や白ぶどう、微かにケミカルなニュアンス。中間からオークとスパイス。余韻はドライ、煮た林檎を思わせる華やかでフルーティーな戻りがあり長く続く。


日本向けボトリングとしては、時期的に度数落ちやウッディーさの強い、いわゆる過熟気味なボトルが多い1976ビンテージですが、このメゾン向けは度数も高く樽感はほどほど。流石いい時期に詰めてるな、という印象です。
確か最初に飲んだのは今年の1月で、今回は約半年ぶりの再開でした。
1月の段階では作為的なほどのフルーティーさ。ベンリアックらしい若干のケミカルさ、ピークに近い熟成具合と合わさって「おばさん的な厚化粧(オブラート的置換)」とコメント。
それが今回のテイスティングでは、フルーツ感が落ち着き、ほどよくドライでオーク香には微かなクルミなどのナッツっぽさも漂う、見違えた仕上がりに驚きました。実際言われるまでわからなかったですし(笑)。

元々長熟のベンリアックは開くまで時間がかかったり、樽香が強かったりと一手間かかるモノが多い印象。このボトルも例に漏れずでした。しかし良いポテンシャルは持ってますね。
持ち主いわく「まだ俺の求めてるレベルじゃない」と言うことですが、80年代に見られるような軽さもなく、適度な厚みのあるフルーティーさは、この時期のベンリアックらしさとして堪能できました。


さて、長熟ベンリアックといえば、お約束のハイボールです。これが旨いんですよ。
ベンリアックのハイボールスタイルに出会ったのは、今から5年前のWhisky linkのイベントにて。
ハイボール研究会と称してブローラやらタリスカー30年やら、とにかく片っ端からハイボールにしたことがあり、その時のこと。
1968しかり、1976しかり、ハイボールにすると氷で冷やされた爽やかな飲み口から、余韻にかけてベンリアックらしいフルーティーさが喉の奥から口内、鼻腔にわき上がってくる。
ハイボールというか、もはや完成度の高いカクテルと言う方が適切でしょうか。



勿論今回もベンリアックハイボールスタイルをやらせて頂きました!
ベースとなるベンリアックはBBIの1976、ここに上述のメゾン向け1976の30年をフロート。
そしてさらにメゾン向け1976の30年単体でも、計2種類を作成(笑)。
作り手が麻布の名店ウォッカトニック、プロ中のプロということもあって、ことのほか旨かったですね。


この飲み方には異論を唱える方も居るかもしれません。
そんな貴重なウイスキーを割ってしまうなんてもったいないと。
心情的には非常に理解出来るのですが、美味しいものを更に美味しく味わうのは良い事じゃないかという考えもまた、嗜好品の楽しみ方としてはアリだと思うのです。

近年の流通価格、リリース状況では難しいかもしれませんが、機会がありましたら是非お試しください!

(Gさん、いつも素晴らしいボトルをありがとうございます!)