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バランタイン 12年 1960年代流通 特級表記

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BALLANTINE'S 
Aged 12 Years 
Very Old Scotch Whisky
1960's 
760ml 43% 

グラス:木村硝子
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:カステラやスポンジケーキを思わせる甘いアロマ、乾いた穀物のほろ苦く香ばしいニュアンス、土っぽいピートフレーバーが開いてくる。奥にはエステリーなリンゴなどを思わせる熟成香。アルコールの立ち具合、ヒネの少なさ、非常に状態が良い。

味:スパイシーな麦芽風味、香ばしさとほろ苦さに加え、蜂蜜を思わせる甘みも感じる。香り同様徐々にエステリーで、中間からは土っぽさと染み込むピート。余韻はスモーキーで麦芽、干し藁を思わせる乾いたほろ苦さが長く残る。

多くのウイスキードリンカーを虜にする、バランタインの赤青紋章時代。個人的にはバランタイン沼の入門ボトル。ストレート以外の飲み方は、ロックはあまりプラスに感じる要素はないものの、少量加水、ハイボールは良い仕事をしてくれる。


あれ、似たようなボトルを前にもこのブログで見たぞ、という読者の方、いつも閲覧頂きありがとうございます。
先日バランタイン12年の1970年代流通を掲載しましたが、この2本は時期によっては表ラベルの1箇所を除いてデザインが同じなので、パッと見同じモノに見えるのです。

その違いは、これもこのブログを閲覧頂いている方々には冗長な話ですが、バランタイン表記を何年使っているかを書いた IN USE FOR OVER XXX YEARS ESTABLISHED 1827 のXXXに135が入るか、145が入るかという違い。1970年代でも後期ではBallantine'sの下にあるTWELVE YEARS OLDの表記が微妙に下にずれたりして判別しやすくなりますが、オークションでこの箇所が欠けていたり見えなかったりすると、「どっちだ・・・」と中々悩ましいことになります。
その他、写真のようにボトル背面にBallantine'sの加工がされているので、これがあれば1960年代流通は確定なのですが、なかなかここまで見せてくれないんですよねぇ(笑)
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見分け方はこのくらいにして(というかもうお腹いっぱい)、香味の比較に移りましょう。
1970年代と比較すると、今回は年次が近いロットであるためか60年代のほうが香味に厚みがあり、特にピートはどっしりとしていますが、70年代も同様の構成で、よりハイランド的なモルティーさにバニラっぽい甘みを感じます。
原酒の蒸留時期は流通時期から逆算すると1940年代から50年代。第2次世界大戦中は石炭の価格高騰からピートを使用する蒸留所が増えたというだけでなく、そうでなくても古くはスペイサイドもハイランドもピーティーな原酒が多かったわけですから、今回のボトルのどっしりと存在感のあるピートフレーバーは、そうした時代背景によるものかと、当時のスコッチモルトのスタイルを感じることが出来ます。

17年以上のバランタイン1960年代流通は中々手も出しづらいですが、12年はそこそこ物量も多くまだ手に入りやすいボトル。興味がある方は是非今のうちに。

バランタイン30年 1960年代流通品 赤白紋章ラベル

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昨日は朝から子供をプールに連れて行って、子供が寝たら溜まったメッセージを返させていただいて(レス遅くて申し訳ないです。)、そして夜は風呂入って妻と子供を寝かしつけていたら・・・寝落ち。
今夜は一緒に飲もうか、なんて話をしていたのに大変申し訳ない。
で、そのまま寝ておこうと思って12時過ぎ、携帯見てちょっと眠気が覚めて今(午前3時)に至るわけですがw
まぁせっかく起きてしまったので、ブログのひとつでも書いておこうと思います。

話は変わりますが、最近連載を再開した"神の雫"という漫画。
あれのテイスティングについては賛否両論あるところ(テニスの王子様がテニヌと呼ばれているように、あれはテイヌティングだと思っています。もうベツモノ)、しかしワインを今まで以上に注目させたという功績に疑いは無く、市場を見れば賞賛されてしかるべき1冊だと思います。
その神の雫の中で、100年もののシャトーマルゴーを飲むシーンがあります。
グラスに注ぎ、くるりと1度スワリングすると色合いが戻っていき、ワインが目覚めていく描写。今回飲んだウイスキーは、まさにそのシーンにぴったりはまる変化をグラスの中でしてくれました。

Ballantine's
30 Years old
43% 750ml
1960's
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評価:★★★★★★★★(8)

香り:グラスに注いだ瞬間はくすんだ香りだが、スワリングすると麦芽の香ばしさ、熟したベリーやメロンの艶のある甘い香りが立ち上ってくる。多層的で複雑。時間での開きは驚きの一言で、この記事を書いている最中もどんどん香りが開いてくる。

味:甘く麦芽糖や蜂蜜のようであるが、麦芽の香ばしさと紅茶感、ドライアプリコット、そして土の香りを伴う柔らかいピートの苦味が感じられる。中間は分厚いフレーバーの複合体で、ピートスモークが鼻に抜ける。
余韻はじわじわとピートフレーバーが盛り上がってくる。ビターだが和三盆系の甘さもあり、長く残る。

少量加水すると香り、味共に多くのフレーバーを引き出せる。ナッティーなアロマ、麦芽香、粘土質の土っぽさを伴うフルーティーさ、りんごの白い部分、ベリー・・・。そして余韻のピートがさらに強調される。余韻はヘタらず長くしっかりと残る。
可能であればじっくり1ショットを時間をかけて飲んだ上で、加水も試してほしい。


どう見ても1960年代流通です本当にありがとうございます。という存在感抜群のバランタイン。
ラベル表記から1962年以降の流通で、1970年代の赤青紋章へとラベルチェンジが行われるまでの間の流通。
1960年代流通というだけでも貴重ですし、マイナス30ということで、原酒は1930年代蒸留ということになるわけです。
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(右が今回の赤白紋章ラベル。左が1970年代流通の赤青紋章ラベル。Over 135 yearsに注目。)

1930年代は
1937年、バランタイン17年の販売開始。
1938年、ダンバードングレーンウイスキー蒸留所建設、紋章認可。
など、バランタイン社にとって節目となる時期。このボトルの流通が1968年以降ならグレーンはダンバードンの初期の原酒ということになりますが・・・。まぁここまでくるとどうでもいい話でもあります。
(ちなみにバランタイン17年というと魔法の7柱ですが、17年販売当初でも閉鎖しているところがあったりで、実は7柱が維持できていなかったりする謎があります。この辺はまた追ってまとめることにします。)

バランタイン30年1960年代流通を初めて飲めたのは、3~4年ほど前にとあるBARで。素直に旨いなと感じたブレンドでした。
ただし飲んだ量も少なく、時間も今回ほどかけなかったので、大きな感動があったかというとそうではありませんでした。
そして2度目の遭遇は昨年末のウイスキー仲間宅でのモルト会。このときは期せずしてブレンデット大会になり、様々なレアウイスキーを飲めたわけですが、愛知のウイスキー仲間が持参されたのが、この赤白ラベル。
じっくり飲めたこともあって「やっぱこれうめぇなと」感動していたところ、つい2ヶ月前の4月。小瓶というにはいささか多い量で同じ方から頂いてしまったわけです。
ストレートだと最初にくすんだオフフレーバー系の香味がありましたが、徐々に開いていく香味に感動。さらに加水の伸びも素晴らしい。この時期であれば冷えた水を少量加えると良いと感じました。

スコッチのブレンデット最高峰の評判に偽り無しです。
いやーじっくりどころかがっつり堪能させていただきましたよ!紅茶さん、ありがとうございます!


それにしても、この時期から考えても半世紀、50年間にわたり30年物をリリースし続けてるってのもすさまじいことですね。この原酒のマネジメントはどこかのメーカーも見習ってほしいものです(笑)。

ピンチ(ディンプル) Haig & Haig 1960年代流通品

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今夜はちょっとブラックニッカディープの確認をした後で、同じく最近確認していなかったブレンデットの様子を見てみます。
開封してオフフレーバーがあったので、放置していた1本。
このボトルは自分も妻も好物で、いくつかストックしてあるのため、ながーく付き合うことになりそうな銘柄です。

PINCH
HAIG & HAIG
86Proof 4/5QUART
(43% 760ml)
1960's

評価:★★★★★★☆(6)
(香りに金属臭がちょっとあるのが・・・無ければ文句なし★7なんですが。)

香り:微かな金属臭があるが、時間で軽減される。その裏にオレンジママレード、モルティーな麦芽風味とバタークッキーを思わせるコクのある甘い香り。ひねたカラメルっぽさも感じられる。

味:口当たりは香り同様にモルティーでコクがある。お菓子のカスタードパイの焼いた生地の香ばしさ、オレンジピールの苦み、そしてとコクのある甘さ。徐々にスパイシー。
フィニッシュはビターな麦芽風味と蜂蜜入り紅茶の甘さ、そしてハイランドタイプのピート香、微かなスモーキーさが余韻に香る。


ヘイグの上位版であるディンプル(ピンチ)のアメリカ・グアム流通品。
ヘイグ家のブレンデットに対する功績、「ヘイグを飲まずしてブレンデットを語るなかれ」については・・・もうコピペになっちゃうんで、ぐぐってください。もしくはツッチーのブレンデット大全を参考のこと。

ディンプルの構成原酒はグレンロッシー、グレンキンチー。どちらがこのコクと余韻のピート香を生み出しているのかはわかりませんが、状態さえよければかなり旨いブレンデットです。たぶんロッシ―だと思いますが、昔のキンチーもめちゃ旨いので一概に判断できません。
当時ディンプルはイギリス方面、ピンチはアメリカ方面の流通としてブランドが分かれており、1980年代ごろにディンプルに統一されました。"くぼみ"という独特なボトル形状を指した意味である一方で、アメリカ方面では"危機"のピンチと語呂が同じだったため不評だったという説は有名な話。まぁだったらなんで発売から10年以上ほっといたんだという疑問もあるわけですが(笑)。

1960年代以前のディンプル(ピンチ)は、通常ティンキャップですが、このボトルのようにスクリューキャップのものも存在します。ティンキャップのボトルは一目でわかる特徴や、マニア心をくすぐる仕様だからかオークション等で高値が付きやすい傾向にありますが、こちらのスクリューキャップ版1960年代流通はその半値以下で取引されることが多いです。
特徴はシルクプリントの文字。キャップは金塗りのプラキャップか、数は少ないですがメタルスクリューキャップの仕様のモノも存在します。これらもまたれっきとした1960年代流通ですので、中身重視の方はこちらの方が断然お得です。

ピンチディンプル3種
"ピンチ及びディンプル。左のピンチはサントリー正規だがJAPANTAX付き。おそらくサントリーに輸入が移った1970年代初頭の頃のモノ。右のDIMPLEは1968年通関の通関印が押されている。真ん中のDIMPLEは通関印がブレて読めないが、キャップ等の形状から、おそらく今回のPINCH及び右側のDIMPLEと同じ時期の流通と推察される。"

 

注意事項として、ディンプル(ピンチ)のボトルは一部例外の仕様を除いてキャップの裏面に鉛と思われるシールが張られています。
以前チェッカーズの記事でも書いたあの悪名高い鉛シールです。
これは1970年代に入ってサントリーが流通させているボトルにも引き継がれてしまっているのですが、テイスティングノートに記載した「金属臭」、付いてしまうことが多いんですよね。まぁ鉛シールはティンキャップのボトルで標準装備ですので、仕方ないと割り切るのも手ではあります。

ただ、状態が良いボトルの味わいは素晴らしいの一言。オールドブレンドの良さを味あわせてくれるボトルのひとつです。
おまえオールド好きだからひいきしてるんじゃないよこの懐古厨め、なんてご意見は甘んじてお受けいたしますが、まぁちょっと飲んでみてくださいよと。
ストレート、ハイボール、そして水割り。何でもござれの素晴らしいクオリティを堪能させてくれます。

安いうちにもうちょっと買っておこうかな(笑)。

バランタイン・ゴールドシール 明治屋正規 1960年代流通

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夜起きてられなくなったなと感じるくりりんです。2時過ぎるともうだめですね。その代わり朝はスッキリしていることが多い。…歳かな?( ̄▽ ̄)

今夜はオールドブレンデット。
特に中毒者を出しやすいと感じるバランタインシリーズのレアボトル。
バランタインのラベルデザインは洗練されてる印象ですが、このトレードマークの色は時代を感じさせます。

BALLANTINE'S
GOLD SEAL
750ml 43%
1960's

評価:★★★★★★(6)

"篭ったような香り立ち。胡桃を思わせるナッティーなアロマ、スワリングすると麦芽香の甘く香ばしいニュアンス、複雑で華やか、そして強めのピート香がある。
口当たりはモルティーで舌先にピリピリとした刺激。少量の蜂蜜を感じた後はすぐ強いピート、ビターなフレーバーが現れる。コクがありピートに押され気味だが、麦芽やビスケット、サルタナレーズンの甘さが裏に見える。
フィニッシュは強くスモーキー、ビターで心地よくドライ、キレが良い。 "

1960~70年代流通のバランタイン。品質の証、金の封印ゴールドシール。
明治屋の正規品でJapanTaxと特級表記有り。 
今から10年くらい前にバランタイン12年がリニューアルする際、ゴールドシールのストーリーが引き合いに出されており、一度飲んでみたいと思ってました。
ただ、元々この年代のバランタインは国内流通量が少ない中、このボトルはさらにモノが少なく、なかなか見かけません。(ヤフオクだと1年に1本出るかという頻度か。)

当時のバランタインのノーマルラインナップはファイネスト、12年、17年、30年とくるわけですが、ボトルは12年の流用、ラベルはファイネスト用の紙に印字と、同時期の12年に比べて安っぽい…しかし裏ラベルはボトル番号付きで位置づけがよくわかりません。
しかし味はこれらに比べてよりピーティー、スモーキー。そうした原酒、例えばアードベッグなどの比率が高いものと思います。

惜しむらくはこのボトル、微妙に状態が・・・味は問題ないのですが、香りが少々こもってます。
とりあえずプラキャップからコルクに変えてリカバリー中、そういえば冷蔵庫で冷やして常温に戻すと改善されるなんて話を聞いたことがあります。
今度ためしてみようかな。

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