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グレンアルビン34年 (1967-2001) オールドモルトカスク

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子供と一緒に電車に乗って移動する。
「まぁ外でも見せておけば楽勝だろ」
そう思っていた時期が私にもありました。
いやこれめちゃくちゃ大変ですね。最初は外の景色を見て、手元のおもちゃで遊んで、お弁当を食べてで1時間くらい消化できるんですが、そこから残りが厳しい(笑)
でもよたよたと車両の中を探検するわが子はかわいいし、みんなも"ほほえましい笑顔"を向けてくれるのは救いでした。

そうして自宅に帰ってきた夜。週末はジャパニーズ漬けだったので、箸休め的にスコッチモルトです。

GLEN ALBYN
Old Malt Cask
Aged 34 years
Distilled 1967 Jun
Bottled 2001 Oct
47% 700ml

評価:★★★★★★(6)

香り:アーモンドや胡桃を思わせるナッティーな香ばしいアロマ。木材、微かなハーブ香、バナナ、薄めたメープルシロップの甘さ。飲み進めていくとハーブの香りが強く感じられるようになってくる。

味:さらりとした口当たりだがボディーにはコクがある。ブラウンシュガーの甘さから後半にかけて徐々にビターな香味。ウェハース、ナッツ、焦がした樽。フィニッシュはドライでウッディー。甘みはしっかり感じられるが、トーンの高いタイプでべたつかず、さっぱりとしている。


OMCでは珍しく50%を下回ってボトリングされている1本。想定外に度数が下がってしまったのか、たまにあるんですよね。
まず全体的に果実感には乏しく、酒質そのものの味というタイプ。ナッティーなフレーバーなど伝え聞くアルビンの個性に一致する内容が幾つか感じられます。

グレンアルビンは1960年代前後で秀逸なボトルがいくつかあり、同じOMCのビンテージ違いの1966や1967ではキングスバリーからケルティックシリーズで評価の高いボト ルがリリースされています。
ただ、このボトルはちょっと方向性の違う味わい。濃厚なシェリー感というわけでも、バーボン樽のバニラやハチミツ系というわけでもない。おそらく樽は2ndリフィルシェリーでホグスヘッドだと思うんですが…。

決して悪くはありませんが、リフィル系の香味であるならば当時のハイランドらしいスモーキーさが強く出ていてもよかったなぁと思います。
これもまた今は無き閉鎖蒸留所、復活の可能性もゼロで、樽のストックがボトラーにあればというところですが…もう60年代は無いでしょう。
そんなボトルが自分の手元にある事に感謝しつつ、残りはじっくり妻と二人で飲みたいと思います。

(博多のBAR某K様、その節はありがとうございました。)

グレンアギー20年 (1984-2004) オールドモルトカスク

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ニュース、値上げ情報と続きましたので、今回はテイスティング。
閉鎖蒸留所のボトルにはそれだけで魅力を感じるミーハーな自分ですが、このボトルは閉鎖どころか"本来ありえないボトル"。
酒屋巡りで見かけた時には、自分の生まれ年&生まれ月の蒸留だと喜び購入しましたが、冷静に考えてオカシイぞと。
なんというか、こういう偶然の産物的なボトルもたまには面白いと思います。

Old Malt Cask
GLENUGIE
Distilled 1984? March
Bottled 2004 August
Aged 20 years
700ml 50%

評価:★★★★★★(6)

"粘性のある甘さ、オーク由来のフルーツ香、バタークッキーを思わせるアロマ。
香り同様に口当たりは粘性がある。甘く微かな酸味を伴うオーク主体のフレーバーは、麦芽やドラフルーツ、黄桃を連想させる。
フィニッシュはドライでウッディ、粉っぽいピート香も感じる。"


ロングジョンなどの原酒として使われていた、今はなきグレンアギー蒸留所。
シングルモルトとしてのリリースは少なく、基本的にボトラーズからのリリースが中心となります。
しかしこの蒸留所は素晴らしい出来のボトルがいくつかあり、以前飲ませて頂いた雷鳥ラベルのグレンアギー20年はまさに"完璧なハイランドモルト"、感動の1本でした。
今回の1本は1980年代蒸留とあって流石に個性は乏しく、いわゆる近年系の樽香主体な味わいです。
しかしジャムとまではいかない粘性に、好ましいオーク香、バニラ、フルーティーさを感じる、決して悪くない仕上がり。
ボトラーズでは樽などの関係から蒸留所の個性がわかりにくいものもありますが、これは素に近いところをいってるボトルだと思います。
個人的な好みを言えば、もう少し重みのあるピート香があると良かったんですけど。

で、上述の「オカシイ点」についてです。
既にお気づきの方も、ご存じの方もいらっしゃると思いますが・・・。
グレンアギー蒸留所は1831年操業、紆余曲折を経て1983年に閉鎖。
重要なことなのでもう一度言いますと、1983年に閉鎖。

このボトルの蒸留年数を見ると1984年3月蒸留となっています。
グレンアギーは1983年の閉鎖の際に蒸留器の取り外しまで行われたと記録にあり、再稼働もありません。本来存在しない原酒がココにあるということになります。
いやーロマンを感じますね。

まぁ長引かせるほどの話でもないのでオチを書きますが、これは単なるミスプリントなんだそうです。
実際は1983年3月蒸留で、熟成年数は21年が正解。
わかってしまえばなんだという話ですが、このミスプリントで本来無いはずの時代に命を得たグレンアギー。
グーグルマップのストリートビューを見たら、亡くなったおじいちゃんが写ってたような感じでしょうか。
なんとなく得したような気持ち。こういうミスプリントは、たまにあっても良いと思います。

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