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アベラワー ハンドフィル 13年 2017年詰め バーボンバレル 58.1%

カテゴリ:
ABERLOUR
HAND FILLED 
Aged 13 years
Distilled 2004
Bottled 2017
Cask type Bourbon
700ml 58.1%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅テイスティング会
開封時期:開封後1-2ヶ月
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ツンと鋭くスパイシーな刺激を伴う香り立ち。焼き芋のような甘いアロマ、べっこう飴、バニラ、乾いたウッディネスのハーブや華やかなアロマもある。

味:スパイシーでハイトーン、乾いた木材のニュアンスを感じる。刺激に舌が慣れるとバニラ、砂糖漬けレモンピール、微かにニッキ。
余韻はヒリヒリとしたアルコール感、乾いたウッディネス、ドライなフィニッシュ。

度数以上に強いアタック。ウッディでドライ。加水するとオーキーな華やかさとスパイス、ミントのアロマ に加えてバニラを思わせる甘みが引き立つ。
ストレートより、少量加水しながら変化も楽しみたい。


アベラワー蒸留所で購入することができるハンドフィルボトル。バリンチとも言われるこの手のボトルは、蒸留所で買う瞬間に樽から詰めるタイプもあれば、すでに瓶詰めされた状態で置いてあり、ラベルだけ手書きするタイプなど、蒸留所によって様々な形式で販売されています。

アベラワーは前者側、樽に専用の装置が取り付けられていて、ボトルをセットすると700ml程度決まった量がボトリングできるタイプだったと記憶していたのですが、最近は後者側の形態に変わったという話も。
シェリー樽とバーボン樽があり、どちらがあるかはその時次第。出来れば自分でボトリングしたいという思いが消費者意識ですが、限定品が無いよりはマシというものです。

(古典的であり美しい外観のアベラワー蒸留所。Photo by T.Ishihara)

前置きが長くなってしまいましたが、アベラワーはボディこそミディアム程度で、ドロナックのような厚みがあるタイプではありませんが、ハイプルーフのものにはアタックや刺激が強めにあり、シェリーのような濃いめの樽感か、加水でバランスが取れるタイプの酒質と言えます。

今回のボトルは、まさにその普段は隠されているアベラワーの素の部分が強く出ており、樽感もそれを後押ししています。
完成度として考えるなら、あと5〜10年の熟成を経て、蜜っぽい味わいが出るような変化があれば、このカスクもかなり出来が良いと思うものの、今はやんちゃでフレッシュで、若者という表現がぴったり当てはまる気がします。
美味しいボトルが第一であるものの、こういう蒸留所の個性を楽しめるリリースも限定品としてあると面白いですね。

グレンマレイ 1994-2016 シェリーカスクフィニッシュ ディスティラリーエディション 56.7%

カテゴリ:
GLENMORAY
SHERRY CASK FINISH
Distillery Edition 
Distilled 1994
Bottled 2016
700ml 56.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:焦がしたウッディネス、キャラメルの甘み、濃厚なチャーオーク香にセメダイン系の溶剤感、鼻腔を刺激するスパイス。

味:コクのあるウッディーな甘み。プルーン、ドライベリーやメープル、キャラメリゼを思わせるほろ苦さ。樽感強く粘性もある口当たり。
フィニッシュはドライでウッディ。カカオチョコレートのような濃厚な甘み、タンニンを伴うほろ苦い余韻。

香りはチャーオーク系のバーボン香、しかし味は濃厚でウッディなシェリー系の仕上がり。ベースとなった原酒の構成とフィニッシュの影響が、香味にはっきり分かれて感じられた面白いボトル。
酒質は素直で大人しく、樽感主体。加水すると飲みやすくはなるが、個性がぼけてしまう。ストレートが面白い。



グレンマレイ蒸留所で販売されている、限定品(?)のシェリーカスクフィニッシュ。ウイスキー仲間が現地を訪れた際に調達してきたものです。
海外サイトの情報では、6年間シェリー樽でフィニッシュしているとのことで、比較的長期の追加熟成を経ています。

フィニッシュのベースとなった原酒は、その香味からヘビーチャーのバーボン樽熟成によるものと推察。
口開け直後だったためかテイスティングで感じた チャーオーク由来の焦げ感、バーボンそのものとも言える樽由来の風味が香味で分離していて、中々珍しい仕上がりだと感じました。
というか濃い味プラス濃い味で残念な事になりかねない組み合わせにあって、普通に美味しいと思える味わいです。

グレンマレイはブレンデッド用の原酒供給が主たる蒸留所でしたが、シングルモルトもオフィシャル、ボトラーズ問わず一定以上の評価を受けています。
近年はオフィシャルスタンダードが安価で販売され、日本でのセールスにも力を入れつつあるようです。
ただし同価格帯のスペイサイドモルトであるグレンフィディックやグレンリベットに比べるとメジャーではないこともあってか、色々リリースされているラインナップが目立ってないように感じます。

同じディスティラリーエディションとしては、ピーテッドカスクやバーボンカスクも同一ビンテージで発売されており、今回のシェリーカスクフィニッシュのように面白いボトル&美味しいボトルであることを期待したいです。 

キリン 富士御殿場蒸留所 ピュアモルトウイスキー 40%

カテゴリ:
KIRIN FUJIGOTENBA
PURE MALT WHISKY
2017's
600ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(サウスパーク)
時期:開封後1ヶ月以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:フルーティーで熟した洋梨を思わせる柔らかさに、バニラの甘み、ナッツ。華やかだが軽めのアロマで徐々に乾いた木材っぽいドライなニュアンスに振れていく。

味:とろりとした口当たり、はじめは乾いた麦芽、干し藁、ナッティーなニュアンス。すぐにオーキーなフルーティーさ、林檎のコンポートーや洋梨、バニラなどの甘み。熟成感あり。
余韻はドライでエステリー、華やか。染み込むように消える。

突き抜ける強さはないが、嫌味が少なくバランスが良く仕上がっている。
富士御殿場らしさは余韻にかけて感じられる。加水の必要性はあまりなく、そつなくうまいモルトウイスキー。


キリンがDrinx限定で販売を開始していた、"新しい"ピュアモルトウイスキー。元々は蒸留所創業20周年記念として1992年にリリースしたピュアモルトが、「評判いいので(スタッフ談)」と定番ラインナップとして定着していたところ、これをリニューアルした限定ボトルになります。

前述の20周年ピュアモルトからの変更点は、容器が旧富士山麓のボトルが流用されて100ml減の600mlとなったことと、当たり前ですがその中身。
旧ピュアモルトはブラインドで飲んでも、「富士御殿場」と言えるドライでエステリーな個性がメイン。硬さがあるというか、甘みが取りづらく、人によっては飲みづらいと感じることもあったようです。
実際過去には、ウイスキー仲間が飲み進まんとウチに置いていったことも。。。

(富士御殿場蒸留所 20周年記念ピュアモルトウイスキー。定番化したことが記録になく、いつまでも発売し続ける20周年として、ちょっとしたミステリーでもあった。)

しかしこの新しい富士御殿場蒸留所ピュアモルトウイスキーは、柔らかくフルーティーな香味が主体的。御殿場らしい個性もある中で、飲み疲れないバランスのとれた構成。これで旧ボトルと同価格(700ml換算でも3000円後半)は、今のジャパニーズでは嬉しい設定です。
何も知らずに飲んで、コスパの良さにびっくりしました。(竹○さん、これはうかうかしてられませんよ!?)

キリンDrinx 富士御殿場蒸留所ピュアモルトウイスキー

ピュアモルトウイスキーということは、一般的には複数蒸留所のモルト原酒が使われている事になります。
飲んだ感じ、前半にある味わいは、富士御殿場蒸留所のキャラクターとは異なるイメージ。メーカー表記では「タイプのの異なる蒸留器で仕込んだ原酒をバッティング」とありますが、連続式蒸留機で仕込んだモルトウイスキーに、別な蒸留所のそれか。
後者については、富士御殿場以外に蒸留所を持たないキリンが、一体どこから調達してきたのかは気になるところです。

ただまあ本音を言えば、美味しければ良いんです。うん、美味いは正義。
飲みごたえを求める人は、同じくDrinx限定の富士山麓シグネチャーブレンドという選択肢になりますが、バランスという点ではピュアモルトに軍配。ウイスキーを飲み慣れない方でも飲みやすいだけでなく、某蒸留所のマネージャーが見学した際もこのコスパの良さを絶賛していたとか。自分もこちらの方が好みでした。
キリンウイスキーの新しい試み、今後も何がリリースされるのか楽しみにしています。

富士御殿場 ディスティラーズセレクト 2016 シングルモルト 蒸留所限定 49%

カテゴリ:
FUJIGOTENBA
DISTILLER'S SELECT 2016
Single malt whisky
Limited edition 
500ml 49%

【ブラインドテイスティング】
蒸留:富士御殿場
年数:10年未満
樽:バーボン
度数:50%程度

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:50ml
場所:自宅(サンプル@Sさん)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5)

香り:注ぎたては甘い樽香、メープルシロップ、ドライオレンジ、ミント、軽く焦げたオークのバーボン香。徐々にツンとドライでエステリーなアロマとアルコール感が強くなってくる。

味:バニラシェイクのような甘い口当たり、淡くオーキーなフルーツ、ドライアップル。一呼吸置いてホワイトペッパーのピリッとした刺激から、ウッディーなニュアンス、バーボンを思わせる華やかさが鼻腔に届く。
余韻はドライで単調。若い原酒の粉っぽさ、ザラメの甘さ、樽由来の香味が少し残るがスッキリとしている。

明確にバーボン樽を思わせる香味に加え、エステリーな特徴があるモルト。加水しても香りにあるアルコール感は変わらないが、土っぽいアロマが顔を出し、味はまったりとした甘みが強く感じられるようになる。


宮城のSさんから頂いた、ブラインドサンプル第3弾。
キリンが昨年から富士御殿場蒸留所で販売を開始した限定ウイスキー、ディスティラーズ・セレクト。シングルモルトウイスキーの他にグレーンウイスキーも発売されています。

存在を知ったのは、昨年のモダンモルトウイスキーマーケットのキリンブース。
試飲した印象では、グレーンはドライで若さが強い印象であったものの、モルトは樽由来の香味が備わって若いなりに飲めるだけでなく、酒質はクリーンでらしさもある。
それはブラインドで飲んでも変わらず、このボトルであるかはわかりませんでしたが、まずここだろうなと、蒸留所のキャラクターをしっかり感じ取ることが出来たのは収穫でした。

(富士御殿場蒸留所の初留スチル。繋がりの深いストラスアイラと同じ形状が採用されており、ラインアームは5度上向き。これがクリーンで雑味の少ない原酒に繋がるという。Photo by T.Ishihara)

さて、今回紹介した蒸留所限定モルトウイスキーですが、そのバッティングには5PPMのライトリーピーテッドモルトが全体の1/3程度使われています。
ブレンダーは先日ウイスキーマガジン社からワールドベストブレンダーとして表彰された田中氏が務めていますが、本リリースにおける原酒のチョイスはスティルマンの中村氏のアイディアで、構成原酒に反映されているのだそうです。(同氏はアイラモルトのファンなのだとか。)

富士御殿場の原酒は"クリーン"なキャラクターからついついノンピートをイメージしてしまいますが、終売になった18年や蒸留所限定のシングルカスクなど、結構ピーティーなフレーバーが見られるリリースがあります。
ではこのディスティラーズセレクト2016に自分がピートを感じたかというと。。。ストレートだと拾えてないですね(汗)。
ウイスキー仲間経由の情報では、次週5月13日には2017年バージョンがリリースされる予定とのこと。実に良いタイミングでのテイスティングになりました。次作はピートも意識して飲んでみたいと思います。


最後に富士御殿場繋がりでニューリリースの話をもう一つ紹介し、記事を締めます。
先日4/27、キリンから富士山麓ブランドの上位グレードとなる、シグネチャーブレンドがDrinx限定で発売されました。

樽毎に異なる原酒のピークを見極め、ブレンドしたブレンデッドウイスキー。マスターブレンダーの田中氏曰く、富士御殿場蒸留所の原酒が個性を発揮する熟成期間は、バーボン樽で8年から15年との話なので、おそらくそのレンジの原酒が使われているのではないでしょうか。
通常の富士山麓にある若いニュアンスを除外する方向でブレンドしている他、モルト比率は40%程度、ピーティーな原酒も使われているそうです。

ジャパニーズウイスキーで原酒不足が叫ばれる中、限定品でもリリースがあるのは嬉しいですね。新商品もテイスティングが今から楽しみです。

フォアローゼス シングルバレル プライベートセレクション 10年 OESO 56.5%

カテゴリ:
フォアローゼス プライベートセレクション
FOUR ROSES 
SINGLE BARREL 
Private Selection 
Specially Selected By LIQUOR BARN 
Recipe Selected OESO 20% Rye mashbill / Rich Fruitiness 
Aged 10 years 8 months 
Bottled 2015 Jury 
56.5% 750ml 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
評価:★★★★★★★(7)

香り:スパイシーで華やかな香り立ちから艶のある甘いウッディネス。ほのかに焦げ感、濃く入れた紅茶、シロップ漬けのチェリーやベリー。陶酔感あり。加水すると華やかさが増すが、少し溶剤系のニュアンスも。

味:コクのあるリッチな口当たり、スパイシーで甘酸っぱいオークフレーバーはアプリコット、ドライオレンジにハーブのニュアンス。ウッディーなチャーオークフレーバーと爽やかさが鼻に抜ける。
余韻はウッディーでビター、スパイシー。少量加水するとバランスが良くなる。


フォアローゼス蒸留所の限定品であり、一部現地酒販でカスクチョイスされたものが限定的に販売されているプライベートセレクション。今回のボトルは現地のリカーショップ、LIQUOR BARNがフォアローゼスから買い付けてリリースしているボトルになります。
先日、ウイスキー仲間のIさんから頂いた(強奪した)同ボトルのレシピOBSK・2014年ロットが予想以上の美味しさで、次回アメリカに行かれるときは蒸留所で大人買いしてきて欲しい旨を伝えたところ、蒸留所限定品2本、LIQUOR BARN詰め3本、計5本のプライベートセレクションを調達して頂きました。

ラベルは通常のフォアローゼスシングルバレルと異なり、金地に真紅の薔薇の花。薔薇の色は同じはずですが、プライベートセレクションのほうが映えるように見えます。
同銘柄はシングルカスクでのリリースで、熟成年数や度数がボトル毎に異なるのはもちろん、ライ麦比率など製造行程の違いから10種類のレシピで分けられており、それぞれ異なる味わいが楽しめるのも特徴。そして何より、近年バーボンウイスキーのライトフレーバー化が著しく、樽の質も芳しく無い中で、一定以上の品質を保っている"旨いバーボン"であるのが最大の特徴と言えます。
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市販されている現行品のフォアローゼス シングルバレルも悪くは無いのですが、飲み比べるとその差は歴然。例えるならプライベートセレクションが画家本人が書いた絵画であるのに対し、市販品はそれを愛好家が模写したものという印象。   
先述の現地調達品5本を現行品と共に飲み比べましたが、それぞれのレシピの違いを楽しめつつ、完成度はどれも頭1つから2つ抜けている。
価格も60~70ドル程度で、現地では普通に売っているのですから、日本に入ってくるバーボンの質と現地の物量の差に、ちょっと嫉妬してしまいます。

今回テイスティングしたプライベートセレクションのレシピ、OESOの特徴は、Frutiy(Red Berries) Medium Body。見るからに美味そうな赤みがかった色合い。香味にそれぞれ甘酸っぱさがあり、良質なオーク由来と思しきコクのある甘みと、酒質由来と思しきスパイシーな口当たりで完成度の高いバーボンに仕上がっています。
ちなみに現地での一番人気はOBSF(Mint Fruity Spicy, Full Body)、これは今回の買い付けでは入手できなかったとのことで、いつか飲んでみたいものです。

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オマケ:先日自宅で開催したバーボン会での1シーン。フォアローゼス プライベートセレクション 飲み比べ。
右奥は参考品として日本流通のシングルバレル、流通時期違いで2種類。
どれが一番高評価かは意外と分かれて面白かったですが、どのボトルもローゼスらしい華やかさが素晴らしい。
日本では中々出来ない試みが実現できたのも、ひとえにIさんのおかげ。感謝!

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