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BALLANTINE'S
21 years old
Bottled for 90th anniversary MEIDIYA
1975's
760ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月未満
評価:★★★★★★★(7)

香り:熟成感のある華やかでスモーキーな香り立ち。林檎のコンポートやマスカット、蜂蜜、乾いた麦芽香、モルティーなアロマ。徐々にスモーキーフレーバーが強くなっていく。 

味:とろりとしてコクのある口当たり。熟した洋梨、ナッツ、タルト生地を思わせる香ばしい麦感、ほのかにべっこう飴を思わせる古酒感。徐々にピートフレーバー。 
余韻はピーティーで、土っぽさとほろ苦い麦芽風味が染み込むように長く続く。

熟成感があるハイランドモルト由来の華やかなモルティーさ、そしてスモーキーなピートフレーバーがしっかりと主張し、融合しているオールドスコッチのお手本のような1本。
バランタイン系列の特有とも言えるキャラクターもあり、完成度は高い。
ストレート以外に、ロック、ハイボール、様々な飲み方で楽しめる。


バランタインの正規輸入元だった明治屋が、自社の創立90周年を祝い、関係者に配布?したと思しきボトル。表ラベルにはバランタインのトレードマークが無い代わりに"感謝"の2文字と明治屋のロゴ、裏面のシールには(非売品)の表記があります。 
バランタイン30年の正規価格が約70000円だった当時、普通に販売すればそれなりのお値段だったであろう21年を記念に配布するのは、普通に考えて相当な大盤振る舞いです。

それ以上に、そもそも公式には1993年発売であるバランタイン21年は、当時まだスタンダードラインナップに無いはず。海外の一部地域で販売していた在庫を引っ張ってきてラベルだけ替えたのか、あるいはこのためだけにバランタイン側に作らせたのか。高度経済成長から洋酒ブームでウイスキー消費量がピークを迎えていた時期だったとはいえ、当時の明治屋の影響力の強さを如実に物語っている1本だと思います。 

さて、その中身はブレンダーの技が光る、まさに当時のスコッチのお手本の一つとも言うべき熟成したモルティーさとピートフレーバーのバランス。同時期のジョニーウォーカーブランドのように樽やカラメルを効かせたタイプではないので、使われた原酒ベースの味わいが光ります。
バランタインとして引き合いに出されることが多い蒸留所で考えると、ミルトンダフやバルブレア、グレンカダムあたりのハイランドモルトを中核としているイメージ。香味から結構しっかりピートの主張が感じられますが、原酒仕込まれた1950年代当時はハイランドモルトが充分ピーティーだった時代ですから、アイラの比率は低いように思います。


バランタインブランドは長らくNA、12年、17年、30年というラインナップで販売されてきたというエピソードで語られがちですが、実際はアメリカ向けなどで、20年、21年、25年、28年という17年から30年の間を埋めるグレードが展開されていました。
スタンダード的な扱いではなかったためか量は出回らなかったようで、モノがあるのは現地。国内ではまずお目にかかれません。

昔一度だけ赤青紋章(1970年代)で角瓶の21年アメリカ流通品を、ヤフオク出品物で見かけたことが有り。競り合いの末、関西方面在住の某氏らしきIDが落札されていたようですが、果たしてあれがこのバランタイン21年のベースとなっているボトルなのか、まるきりベツモノなのかは、ちょっとだけ気になっている話だったりします。


以下余談。
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