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キングギドラ 24年 1993-2017 アイリッシュシングルモルト 信濃屋×ゴジラ 50.7%

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KING GHIDORAH 
IRISH SINGLE MALT WHISKY 
Shinanoya for Godzilla 
Aged 24 years 
Distilled 1993 
Bottled 2017 
700ml 50.7% 

グラス:グレンケアンテイスティング
時期:開封後2週間程度
場所:BAR Eclipse first
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで溶剤系の刺激のある香り立ち。ややチーズのような乳酸系の酸に、バニラやバナナの甘み、ほのかにキウイのような青い果実のアロマも伴う。

味:乾いたウッディネスが口内を刺激する強い口当たり。オーキーでココナッツとドライパイナップル、口のなかで転がすとトロリとしたシロップ、加熱したリンゴのような甘みも感じられる。
フィニッシュは華やかなオーク香と共に、スパイシーでドライ、ハッカのようなスーッとする口内への刺激と微かにケミカルなニュアンスも感じつつ長く続く。

樽はバーボンバレルだろうか。らしいオークフレーバーがドライでアタックの強い酒質と共に感じられる。アイリッシュらしさはあるが、ブッシュミルズのようなケミカル強めではなく、クリアで淡麗なタイプである。ハイボールにすると爽やかで軽やかな飲み口、スパイシーでオーキーなウッディネスがアクセントに。真夏に飲めばなんとも贅沢この上ない。

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信濃屋が、映画「ゴジラ・キングオブモンスターズ」の公開に合わせて、登場する4体の怪獣をそれぞれラベルにしてリリースしたシリーズ。
今回のテイスティングアイテムは、そのうちの1本、アイリッシュウイスキーの”キングギドラ”です。

4本の中身は各キャラクターのイメージ合わせ、信濃屋が確保している原酒の中からチョイスしたとのこと。スコッチモルトは長期熟成のアイラモルト(ラフロイグ)、アイリッシュも同様に20年以上の熟成年数。それ以外にバーボン、ラムとジャンルの垣根を越えてのチョイスは、同社が長きに渡り様々な生産者、ボトラーズとコネクションを築いてきたからに他ならないと感じます。

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(信濃屋「ゴジラ・キングオブモンスターズ」シリーズ4種。左から
・モスラ ヴェネズエラ ラム 2006
・ラドン ヘブンヒル 2009 
・ゴジラ キルブライト 1989 
・キングギドラ アイリッシュシングルモルト 1993
ヘブンヒル以外蒸留所が明記されていないのは、原酒買い付け元との関係だろうか・・・。ちなみにエクリプスはオーナーが恐竜好きで、スリーリバースのダイナソーなど恐竜系リリースが豊富に揃っている。)

さて、話を今回のキングギドラにフォーカスすると、このボトルは”アイリッシュシングルモルト”表記のみで、蒸留所は明記されていません。24年熟成というスペックからティーリング関係、つまりブッシュミルズあたりかと思っていましたが、飲んでみると印象が違うのです。

というのもティーリングの長期熟成の特徴とも言える、ケミカルなフルーティーさが控えめ。むしろバーボン樽を思わせるアメリカンオークの乾いたウッディネス、オークフレーバーが主体。酒質は淡麗でクリアなタイプのようで、ティーリング(ブッシュミルズ)やミドルトンよりクーリーあたりに共通項があると感じました。
一方キングギドラは3つ首の竜ですから、アイリッシュの3回蒸留ってところから選んでるんじゃないかとも考えられる。酒質的に刺激があり、キングギドラが吐き出すブレスのようといわれたらそれもそうなのですが、香味の系統から感じたクーリーは2回蒸留が特徴で。。。なんだろう、ブッシュでたまたまドライで淡麗タイプなのでしょうか。

ただまあだからといって不味いとか、悪いというわけではなく、普通に美味しいボトルです。
自分はアイリッシュの経験値がそこまで高いわけではないので、是非他の愛好家の意見やレビューも参考にしたいですね。

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今回のテイスティングは神田のエクリプスさんで実施しました。
エクリプスは今日がまさに開業4周年の当日。同店オーナーの藤井さんとは自分が丁度ブログ活動を再開した年、2015年の7月に川口のアラサイドで知り合い、よもやその後夜通し飲んだり、ブラインドテイスティングで競いあったり、一緒にボトリングに関わったりするようになるとは思っていませんでした。
ウイスキーに関する活動以外にシードルで新しい動きもあるようで、5年目のエクリプスがどんなサービスを展開してくるか楽しみです!4周年、おめでとうございます!

ギィピナール 2007-2019 フォルブランシュ 43% ドラス&信濃屋向け

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Guy PINARD & Fils 
FOLLE BLANCHE 
Distilled 2007 
Bottled 2019 
For BAR DORAS & SHINANOYA 
500ml 43% 

香り:ややドライで鼻腔を刺激するスパイス、微かに溶剤のようなニュアンス。奥には若い白葡萄や白桃、白系の果実の品の良いアロマもあるが、開いてくるのに時間がかかる。

味:少し水っぽさのあるスウィートな口当たり。香り同様の刺激があるが、後半から余韻にかけて黄桃や林檎のコンポート、そして熟したライチのような南国感と角のとれた酸味が、若い原酒の勢いそのままに広がる。余韻は非常に長く、スパイシーで張り付くような樽感を伴って長く続く。

加水されてなお適度な勢いを保った原酒の若さが、フルーティーな要素を後押しする余韻が最大の魅力。長期熟成コニャックだと余韻にかけて甘みがべたつくようなものもあるが、このボトルは勢いとフレッシュさを維持しており、アメリカンオークホグスヘッドで20年程度熟成したスペイサイドモルトのようでもある。
ネガを見ればきりがなく、良いところに注目したい1本。ハイボールが美味だが500mlをすぐに飲みきってしまうので注意が必要。

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スピリッツにおけるトロピカルフレーバーを分類すると、ウイスキーのみならずコニャックでも該当するフレーバーを感じられるものがあります。
ポールジロー、ジャンフュー、ラニョーサヴォランなど、特にグランシャンパーニュ地方の銘柄が代表的。ただ、それらは総じて長期熟成品に多く、若い原酒だと片鱗くらいは感じられるのですが、例えるならトロピカルのトぐらいのイメージ。10年前半の若い原酒だと難しいという印象でした。

そこにきて今回のリリースで驚かされたのは、香りはさておき味での余韻にかけてのフルーティーさ。
マンゴーというよりは、オーク要素由来の黄桃や加熱した林檎のような香味が主体ですが、合わせてライチなどの温暖な気候の中で熟した果実の香味が発散するような、ある種のフェロモンとも言うべきニュアンスも備えているのです。


このコニャックの原料には、絶滅危惧種とも言われる葡萄品種、フォルブランシュが使われています。フォルブランシュは1863年から始まったフィロキセラ大繁殖以前は主要葡萄品種だった、言わば古代種。その後フィロキセラの影響がない品種へ切り替わっていくなかで、一部蒸留所ではフォルブランシュを好み、ギィピナールでも少量復活させていました。

現在の品種と比べて何が良いかと言われても、正直コニャックの原料の違いに伴う香味の変化は経験不足でよくわからず。知人いわく濃厚な味わいを得やすいとのこと。
そこで指標になると感じているのが、2015年にリリースされた、同蒸留所2005年蒸留のフォルブランシュ。こちらも近い熟成年数でしたが、フルーティーというより酒質に勢いがあり、コニャックらしい葡萄由来の甘みと共に余韻は辛口な構成だったと覚えています。
今回のテイスティングでも、香りや味の序盤には相応に荒さも備え、所々で鼻腔や口内を小突いてくるような刺激もあり、この辺は若い原酒の共通点。熟成を続けていけば、角がとれて樽を受け止め、芳醇な香味に変わっていく要素だと思いますが。。。
ただ、大きな違いがフルーティーさです。熟成に使われた樽の影響でしょうか。例えば新樽で、強めに出た樽要素が原料由来の要素と融合し、該当する要素が感じられやすくなったのかもしれません。


今回のテイスティングアイテムは、”浅草の黒豹”あるいは”旅するバーテンダー”で知られる、BAR DORASの中森氏と、信濃屋の共同ボトリング。
ウイスキーに限らずコニャックでも長期熟成原酒が高騰するなかで、コストを押さえた若い原酒で、我々飲み手が好む要素をピンポイントで押さえて来た。自身が作ってきた蒸留所との繋がりはもちろん、日々お酒を提供するバーマンとしての確かな目利きが感じられる、グッドリリースだと思います。

以前は家が近かったので伺っていましたが、最近はご無沙汰な浅草DORAS。また機会をつくって伺いたいです。

グレンファークラス ファミリーカスク 1990-2014 信濃屋向け 52.9% #7067

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GLEN FRACLAS
THE FAMILY CASKS
For Shinanoya
Distilled 1990
Bottled 2014
Cask type Refill Sherry Hogshead #7067
700ml 52.9%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:BAR エクリプス
暫定評価:★★★★★★(6-7)

味:ドライで香ばしさを伴う、ブラウンシュガーとオレンジママレード、ドライプルーンのような甘いアロマ。乾いた牧草を思わせるウッディーさも伴う。

香り:スウィートでマイルドな口当たり。紅茶シロップのような蜜っぽい甘み、黒砂糖、レーズンチョコ、心地よくドライで余韻にかけてプレーンカスクにあるような黄色い果実感も伴い、フィニッシュはしっかりと長い。

リフィルホグスヘッドだが、シェリー感はしっかり感じられる。何より、余韻にかけてのフルーティーさがこのウイスキーの強みである。じっくりと時間をかけながら楽しみたい。


信濃屋さんが、2015年にリリースしたファミリーカスクの1本。リリース直後以来のテイスティングとなる、ちょっと懐かしいボトルをオーダーしました。
改めて飲むと今年の初めに丸亀のサイレンスバーが30周年を記念してリリースした、同1987と近い系統にあるように感じます。
好みの差はありますが、自分はこういう余韻でピートかフルーティーさが感じられるタイプが好みなのです。


近年リリースされたものも含めて分類すると、樽の種類の違いと合わせ、グレンファークラスの1990年前後のビンテージは、 
・スパニッシュオーク感満載のこってりと濃厚なタイプ
・このボトルのようにシェリー感の奥に黄色系の果実味が潜むタイプ
・アメリカンホワイトオークのシーズニングと思しき、ひりつくような強いアタックに乾いた草や焦げた木材のようなニュアンスを伴うもの
と、だいたい3パターンが傾向としてあるように思います。(あとたまにお猿さん。)

先日、とある限定ボトル選定用のカスクサンプル5種類を飲み比べる機会があったのですが、やはりこんな感じに分類できる中で、蒸留所側のイチオシは2番目の果実味が潜むタイプ。
そう言えばこの1990も、確認のためにテイスティングした蒸留所関係者がこの原酒は出したくなかったと、そう呟いたエピソードがあったのではなかったでしょうか。
事実とすれば、グレンファークラスは台湾など海外からの引き合いも強い中で、評価される原酒が今尚日本に入ってきている事でもある。今年は日本向けカスクストレングスもリリースされましたし、ちょっと嬉しい話ですね。

このフルーティーな香味が出る理由は定かじゃありませんが、個人的にはファークラスがシェリーカスクのスタイルの一つとしている1979などのプレーンカスクにヒントがあるのではないかと考えています。つまり鏡板や、樽材の一部にそうした香味につながるオーク材が使われているとか。。。
いずれにせよ、自分が求める近年ファークラスもこの通りで、今後も定期的にリリースされることを願うばかりです。

インチガワー 18年 2000-2018 信濃屋銀座店24周年記念 53.3%

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INCHGOWER
SHINANOYA GINZA 24th Anniv
Aged 18 years
Distilled 2000
Bottled 2018
Cask type Hogshead #804706
700ml 53.3%

グラス:グレンケアンテイスティング
場所:Jam Lounge
時期:開封後2週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで華やかなウッディネス。干草、ビスケット、バニラや洋ナシ、そしてパイナップルを思わせるフルーティーさが徐々に開いてくる。奥にはケミカルなニュアンス。

味:スムーズで少し青みがかったフルーティーな口当たり。瓜やすりおろし林檎、そしてパイナップルキャンディ。奥には微かにおしろいっぽさを含む麦芽風味。
余韻はオーキーな華やかさと、乾いた植物。ケミカルなニュアンスを伴うフルーティーさとシロップの甘み。軽いスパイシーな刺激を伴うフィニッシュ。

ボディはミディアム程度のハイランドタイプのモルトに、ホグスヘッドらしいフルーティーさが合わさっている・・・のだが、アイリッシュっぽい要素も含んでいる。少量加水すると樽感と酒質由来の要素が混ざりありバランスが整う。


信濃屋銀座店のオリジナルボトル。ラベルのベースとなったイラストの描き手、アルフォンス・マリア・ミュシャから通称"ミュシャラベル"と呼ばれるリリースです。
2016年にリリースされた前作は、2000年蒸留のグレンギリー15年。このリリースは蒸留所のキャラクターが判りやすいだけでなく、バーボン樽由来のフルーティーさが合わさって内容的にも価格的にも満足度の高い1本に仕上がっていたところ。

そして同店の24周年を記念して今年再びリリースされたミュシャが、同じ2000年蒸留のインチガワー18年です。
インチガワー自体はベルなどのブレンド向け原酒であるため、ボトラーズのリリースはそう多くはなく、オフィシャルも花と動物シリーズの14年が代わりにある程度。シングルモルトとしてそこまで個性に馴染みがある蒸留所ではないのですが・・・、微かな塩気を伴うハイランドタイプのモルトというのが、広く認知されているハウススタイルでしょうか。


今回のボトル、リリース時に銀座店店頭で選定用のカスクサンプルもテイスティングさせてもらっています。
そのサンプルではホグスヘッド由来のフルーティーさとバニラ、ビスケットのような麦芽風味があり、ボトラーズのハイランドモルトとして、そしてインチガワーとしても、納得できる作りが感じられました。

ところが、リリースされたボトルを飲んでみると、フルーティーさにケミカル系のアイリッシュっぽい要素が加わっており、キャラクターの違いに少々驚かされました。
サンプリング時とボトリングまでの間の経過に伴う熟成を通じた変化。加えて樽の中の味わいは均一ではないということと、場合によってはボトリング設備の影響を受けることもある。この違いは樽買いの難しさだと思います。



(信濃屋WEBサイトより引用。インチガワー蒸留所外観の一部とポットスチル。)

想定とはちょっと異なったのではないかと思いますが、いずれにせよ純粋に美味しいボトラーズリリースです。
今回のサンプルは、信濃屋バイヤー陣が現地で調達、同店副店長かつハードリカー担当の堤氏が選定したもの。 ウイスキー高騰が続く中で、前回のグレンギリー同様に内容的にも価格的にも納得感あるリリースを選べるのは、同店がこれまで作ってきたコネクションがあるからこそですね。

リリースから紹介が遅くなってしまいましたが、信濃屋銀座店は来年の25周年、そして30周年に向け、今後も日本のハードリカーシーンを牽引する拠点の一つであってほしいと感じています

東京インターナショナル バーショー 2018 で遊んでました

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今日はTokyo International Bar Showに参加してきました。
かつてはウイスキーマガジンライブとして、1年に1度のウイスキー好きのお祭り・・・だったのですが、Bar Showとなってからは徐々にウイスキー色がフェードアウトしてる感のある本イベント。今年はタイトルから「ウイスキー」の文字が消えて、ウイスキー色がさらに薄いなんて話も聞くところ。。。とりあえず飲めるだけ飲んできましたので見ていただければ。まあ近年、日本全国でウイスキーフェス的イベントがどんどん増えている中、差別化という意味では正しいのかもしれません。 

記念ボトル狙いの方は早朝から並んでいるらしいのですが、興味の無い自分は開場ギリギリ到着コース。行列を尻目に写真パシャパシャ、スタートダッシュも必要有りません(笑)。
そんなわけで、今回はちょっと実況生放送気味に、回ったブースの情報を更新しながらイベントを楽しんでみました。


【ウイスク・イー】 
ベンリアックグループラインナップがなくなってしまったウイスクさん。しかしキルホーマンとアランに加え、今年は新商品のグレンアラヒーのサンプルが登場!
オフィシャルスタンダードの筆頭となるグレンアラヒー12年は、癖のない酒質にバーボンオーク系のフルーティーさが主体。そこにシェリーオーク由来のコクがバランスを取って上品な味わいで、シェリー樽の比率は全体の3割程度という話。。。には思えない構成(笑)。
ですが決して悪いワケではなく、むしろ今回のイベントで好評だったリリースでした。これはハイボールにしても美味しそうです!
この他、18年は突き抜けた樽感こそないものの、全体的にまとまったマイルドで呑みやすいバランス型、余韻にしみるウッディさが熟成を感じますね。
10年カスクストレングスはバニラと乾いた麦感、あるいは牧草、むせるように納屋の香り。スウィートでモルティ、余韻のオークフレーバーが心地よく感じます。
そして13時から数量限定で試飲が展開された25年は、ナッティーで湿ったオーク、アーモンドやはちみつを思わせる甘く香ばしいアロマ。ややドライながらスムーズな口当たりから、余韻にかけてオーキーなトロピカルフレーバーが広がっていきます。
グレンアラヒーのニューリリース、全般的に癖のないとっつきやすい味わいで、どれを飲んでも美味いシングルモルトです。

【ベンチャーウイスキー(イチローズモルト)】
今年も当然話題になるイチローズモルト。有料ですがWWA2018でワールドベストブレンデッドに輝いたモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドの試飲が出来ます。そのほかは通常ラインナップに加え、ヘビーピーテッドとノンピートのニューメイク。ラムカスクなどのサンプルが用意されています。 

2018年に仕込まれたばかりの原酒2種。イベントでは普段飲めないニューメイクなどを飲んで貰いたいと言うのは、ブースに居た吉川さんの話。
ノンピートは乾燥させた麦芽香と乳酸系の柔らかい酸味、日本酒のようなコクがあり、クセの少ない素直なニューメイク。
熟成に耐える酒質を作り出すため、発酵時間を変えるなど色々試行錯誤しているとのこと。70時間程度かと思っていたら、今は90時間以上発酵させてるんですね。この乳酸っぽさはそこからきてるのかという理解。
ピーテッドはそうした酒質の上にしっかりとピート、スモーキー。短熟でも仕上がる可能性がある素性のいい原酒です。
昨年のニューメイクとはまた違う仕上がりで、日々の進歩と研究の成果を感じます。

【株式会社都光酒販(ロッホローモンド、グレンスコシア、長濱蒸留所)】
個人的に近年のラインナップで成長著しいと感じるのがロッホローモンド蒸留所。インチマリンの衝撃は記憶に新しいところで、今後の展開に期待。グレンスコシアはオーキーでフルーティーな18年が良い感じですね。 
また台湾のナントウ蒸留所、スタンダードのシェリータイプとバーボンタイプを久しぶりにテイスティング。価格が強気なのは相変わらずとして、クオリティは年々上がっている印象。カヴァランもありますし、日本もうかうかしてられませんよ。

そしてその日本のクラフト蒸留所ですが、昨年夏に訪問した長濱蒸留所。バーボン、シェリー、ミズナラなど各種原酒サンプルと共に、ひっそりと都光さんのブースに隣接する形で出展しています。
ニューメイクのヘビーピートが悪くない仕上がりだったので、後は樽と熟成場所ですねという話。色々試行錯誤している ようで、先日はソレラ出のフィノカスクが入っていたようですし、今後のリリースと蒸留所としての成長が楽しみです。

【田地商店(信濃屋食品)】
田地商店さんは信濃屋食品の関連会社で、現地から酒類を調達するインポーター。これまでのバーショーは信濃屋食品がウイスキー中心に出展していましたが、今年は田地商店が同社取り扱いのウイスキー以外のリキュールやカルヴァドスなどを展開しています。
カルヴァドスは昨日記事に投稿したアプルヴァル、有料試飲の1974とヴィクトール含め各種揃っています。 

スタッフ一押しがこのシャマレルのラム。モスカテルフィニッシュとシングルバレル。スタンダードなVSOPも良かったですね。
VSOPは、ヤギューチャレンジならぬクリリンチャレンジで熟成年数当てクイズ。ウイスキー的にはミドルエイジ以上かと思ったら、まさか4年熟成とは。。。そう、若さを感じさせない味なんです。
モスカテルカスクフィニッシュはラム系のブラウンシュガーやハーブのアロマ、コクと粘性のある甘みのある味わい。ウッディな余韻が心地よい。 
そしてシングルバレル。コクと深み、度数を感じさせないウッディさが長い余韻に繋がっています。あーこれはシガーが欲しくなります。 

また、同じラムで今回の出展の中で結構いいバランスとコスパだったのが、レイジドードー。3年、6年、12年の原酒のバッティングらしく適度な深みも感じるバランスのよさ。
トニックで割って、ビターズを垂らしてマジうま。後は塩とグレープフルーツソーダで何このスポーツ飲料的爽やかさw
これはレディーキラーです。田地さんは相変わらず悪い酒を扱われます(笑)。


【フードライナー】
昨年のバーショーで最も気合が入っていたとも言えるフードライナーさん。今年も気合入ってますね!
同社取り扱い、グラッパの有名ブランドであるベルタのほぼ全ラインナップを試飲できて、現地の情報まで聞くことが出来る、グラッパってあまり知られて無いですが、ウイスキー好きに琴線のあるジャンルだと思うんですよね。やはり今年もオススメのブースです。


【キリン】
ウイスキー関連の出展が縮小している中、逆に内容が充実してきていると感じるのがキリンさん。昨年のフェスなどで好評だった樽出しグレーン、今年もやってます。
スペックはバーボンバレルサイズのアメリカンホワイトオークの新樽で、2.5年熟成とのこと。
ヘビータイプのコクが強いグレーンで、ウッディで蜜のような甘みが強く美味い。というか、新樽熟成のグレーンってほぼバーボンに近いんじゃ。
実はスペックは後で知ったのですが、目立った若さもなく、とても2.5年とは思えない味わいですね。

キリンが正規輸入を手がけるジョニーウォーカーブースでは、ジョニーウォーカーが持つフレーバーの要素を加えるハイボール講座を実施。受講するとジョニーウォーカーの帽子(シルクハット)が貰えた粋な計らいも。頂いた帽子、今後のイベントで使う機会が増えそうです(笑)。

【サントリー】
先日発売されて話題となったエッセンスオブサントリーの有料試飲に加え、今年は限定の山崎原酒がエントリー。 
セミナーでは山崎シェリーカスクの2013と2016の比較テイスティングも出す大盤振る舞いだったみたいです。
ニューリリースとなるボウモアNo,1も試飲が出ています。
早速飲んでみると予想以上に軽い香り立ちで淡いスモーク、燃え尽きた灰、ほのかに柑橘、和紙のような紙っぽさ。若干のフローラル。口当たりも軽くスムーズ。余韻にかけてバーボンオークのフルーティーさ。
すごく呑みやすいですね。。。突き抜け感はないですが、バランスはいいと思います。 

ただ若干パフュームにも振れそうな要素があったのは気になりました。んーこれが例の時代に逆戻りなんてならなければ良いのですが。


【アサヒビール】
ブラックニッカの新商品の試飲が出てるのかなと思ったら、意外なことになかった件。リキュール系主体でカクテルブースでした。ただウイスクイーでの取り扱いを終了した、ドロナック、ベンリアック、グレングラッサが6月からアサヒでの取り扱いになるみたいですね。
特に試飲はしませんでしたが、これが今後どのような形で展開されるのか注目です。

【ミリオン商事(EMILIO LUSTAU)】
グレンファークラスでおなじみのミリオンさん。同ブースではグレンファークラスに加えてルスタウのシェリー酒も提供中。ベネシアンドールからの樽出しが楽しめる粋なサービスも!
ナッツ、カラメル、ドライフルーツの酸味。スタンダードのオロロソですが、こうして飲むと香味が開き染み込むような旨さです。

このブースは学ぶことも飲むものも多く、ウイスキーそっちのけで今回一番長く居たかもしれません(笑)。
印象に残っているのが、シェリーブランデーのニューメイク(1回蒸留時点40%)と、同社シェリーブランデーリゼルバの飲み比べ。そしてヴェルモットのベースとフレーバー後の飲み比べ。
シェリーブランデーのニューメイクはウイスキーと違って要するにグラッパ系、香り立ちは多少ツンとしますが、味はフルーティー。
そしてベルモットは普通にベースで美味い。ハーブと柑橘、シロップの甘さ、これはいいリキュールですよ。

ブースにはシェリー委員会の日本代表を勤められる明比さんと、ルスタウのマスターブレンダーであるペレス氏もいらっしゃって、シェリー酒そのもののみならずウイスキー向けシェリー樽の件とか、いろいろ話を聞くことが出来たのも良かったです。
「次はこれを飲んでみろ」と、ペレス氏による本家本元のベネシアンドール?w
ちょうど先日ルスタウ・アルマセニスタのオールドボトルを購入したのですが、流通時期がわからなかったんで「これ知ってる?」と質問。それをきっかけに「よし俺がルスタウについて教えてやる」と言わんばかりにシェリー酒のみならず、シェリーブランデーや熟成による香味構成など、熱く語っていただきました。
これは貴重な経験だ。。。質問したボトルについても「シェリーは長く置くと澱がでるが、それは悪いものではない。度数も高いから問題ないよ」と太鼓判。むしろボトル持っていけば良かったかな(笑)。

【本坊酒造(マルスウイスキー)】
新商品のしなのたんぽぽと、ダブルセラーズ含め、通常ラインナップを出展。
しなのたんぽぽはバーボン樽や新樽系の風味とコクのある味わい。古酒がバランスとってますね。信州の長熟は樽が強い感があるので、むしろこのシリーズのようにブレンドで使うことで活きている気がします。
対してダブルセラーズはフレッシュで若いながら、スモーキーなニュアンスがいいアクセントに。対極にあるボトルですが、よくまとまってこういうウイスキーはハイボールで呑みたいです。

この他、ブースでいくつかサンプルを飲ませて貰っていると、「くりりんさん、次のウイスキートークは参加されるんですよね。現地で待ってますよ〜逃しませんよ〜」と、悪魔のささやきが。
お許しもらえるかなー。是非とも参加したいんですが。。。

【デュワーズ】
ブースとしては12年のハイボールをオススメしていましたが、各レンジの試飲もOK。15年は少々プレーンですが、18年のスムーズな口当たり、オーキーで華やかな熟成ハイランドモルトを思わせる余韻は、長く負担なく楽しめる美味しさです。

【ディアジオモエヘネシー】
MHDさんはラグジュアリーモルトのいつものラインナップ。今年は去年はアードベッグのVRがありましたが、今年は完全にカクテル系。
ウイスキーは200周年のラガヴーリン8年がスタンダード化に伴い積極的に展開。ハイボール美味しいです。
ラガヴーリン8年は今月発売、定価は6100円ってつまり16年と同価格帯なんですが、その辺の整理はどうなるんでしょう。今度教えてボブー!(笑)。

【スコッチモルト販売】
ウイスキーはウルフバーンとコーヴァルを中心に出展。(何気にビールも面白かったという。。。そう、スコモルさんの事務所がある板橋のM's両隣では、なんだか怪しいこと一杯やってるんですよね(笑))
一連のウルフバーンのラインナップを飲んでみると、北ハイランドでスタンダードを取っていけるような、プレーンで丁寧な作りを感じさせる。
また某蒸留所から使用後のクオーターカスクを買い付けているようで、使われた原酒は淡くピーティー。これが意外にいいバランスで、今後も楽しみになりました。


【まとめ(帰宅後追記)】
全てのウイスキー関連のブースを紹介仕切れませんでしたが、気がつけばスタートからラストまで7時間。ぶっ通しで遊ばせて貰いました。普段はWEBで絡むウイスキー関連の知り合いとも会えましたし、充分楽しいイベントだったと思います。
イベントとしては昨年同様にバーショーという名前そのままにブースもエンターテイメント色が強く、バーカウンターを再現したような、かなり凝った造形のものも見られました。
一方ウイスキーはオフィシャルスタンダード中心。マニアックなリリースを求める方には、確かに需要に応えられないと感じるところはあります。ただウイスキー以外の酒類も含めて総合的に楽しむのであれば、上記のように面白さはありましたし、関係者との話の中で勉強になることも多々ありました。

なお一部の出展者からは「こういうイベント構成なら、逆にボトラーズとか持ってきても良かったかも」なんて話もあり、今年をきっかけにまたウイスキー関連の出展が増えるかもしれません。
昔からの参加者としては、やっぱりバーショーはウイスキーマガジンライブであって欲しいんですよね。
そんなわけで出展者の皆様、2日間連続での長丁場大変お疲れ様でした。個人的には今年のイベントもバッチリ楽しませて貰いましたし、来年も参加したいと思います。

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