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昨日は台風の影響でムシムシした帰り道。
帰宅後はビールで体の中の汗を流してさっぱりしたら、次は夏場に強いトーンの高い系を。

自分のテイスティングで使っている"トーンの高い甘さ"という表現。これはレアモルトやグリーンケイデンなどに多い、クリアでべたつかないハイプルーフな香味のこと。
特にレアモルトは熟成方法の関係かバリバリのハイプルーフが多く、湿度が高い暑い日は、この手の香味を重宝します。
このオードも例に漏れず期待通りの味わいでした。

GLEN ORD
RARE MALTS
23 years old
Distilled 1974
60.8% 700ml
評価:★★★★★★☆(7)

"クリーンでハイプルーフらしいトーンの高い甘さ、鼻の中がピリピリする。微かにバニラとワクシー。
口当たりはオイリーで酸味のある麦芽香、パワフル。香り同様にクリアでナチュラルな構成。
フィニッシュは程よくビターで、アルコールが喉の奥を刺激する。
少量加水すると麦芽感が増し、蜂蜜の甘さや柑橘系の爽やかさも。厚みがあってナチュラルな香味は1飲の価値あり。"


1970年代前半流通でありながら、23年というピチピチ、適度な熟成期間。
さらにリリースが少ないオードのオールドビンテージに、レアモルトシリーズ。
ウイスキー好きとしてはラベルだけで「ウホっ、イイモルト」となるのは仕方ない話。

その中身は一言でレアモルト味、と言えばそれなりに飲んでいる方には伝わるであろう香味です。
ただ度数が強く全体的にパワーがあるため、飲み進めるとコクというか複雑さを加えている要素がちらほらと見えてきますが、後一歩踏み込めない。
そこで少量加水。すると見事にオードらしい厚みのある麦芽感や柑橘系を思わせる爽やかな味わいが前に出て来ます。このポジティブな変化は加点対象ですね。

ウイスキーを本格的飲み始めた時はカスク至上主義に走り、加水調整を軽視していた時期もありました。
なんでこのボトルは43%にしたのか・・・とか、そのボトルの香味を一番感じるためには加水やトワイスアップは不要、とか。
しかしこういうボトルに出会うと、そのボトルが持つ香味を引き出す手段として、あるいはより旨く飲むための手段として、加水の重要性を認識しますね。
自分のオススメはハーフ15mlに対して3mlくらい。適度なアルコール感を残しつつ薄くなった印象も無く香味が開きます。


このオード、実は自分のボトルではなく愛知方面のモルト仲間から強奪したモノ。
いつもお世話になっております(笑)