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グレンマレイ 30年 リミテッドエディション 43%

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GLEN MORAY 
Aged 30 years 
Limited Edition 
Botted 2004/11/22 
One of 6000 Bottles 
700ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1年未満
場所:自宅
評価:★★★★★★★(7)

香り:ナッツや乾いた麦芽、ビスケットを思わせる軽やかな香ばしい香り立ち。合わせて角のとれたピート香。奥には蜂蜜、アプリコットや熟れた果実のフルーティーさもある。

味:軽い口当たりだが樽感は強く、ほろ苦い枯れたようなウッディネス。ピリピリとした刺激の後、土っぽさと共にドライアップル、アプリコット、セクシーでトロピカルなフルーツ香が余韻にかけて口内に広がり、ドライでビターなフィニッシュのなかで鼻腔に抜けていく。

ストレートでは樽感が強く、枯れたようなウッディさなど度数落ちの原酒にある特徴を備えているが、一方で魅惑的な熟成香、フルーティーさも備えている。少量加水すると後者の60年代蒸留のモルト原酒に見られるトロピカル香、熟れた果実のフェロモンのようなニュアンスが開き、古き良き時代の個性を楽しめる。

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グレンマレイのオフィシャルリミテッドリリース。なぜ2004年という時期にリミテッドが、それも単発でリリースされたかというと。。。ちょうどこの時期、グレンマレイ蒸留所らを傘下としていたグレンモーレンジ社がルイヴィトン・モエ・ヘネシー社によって買収されたことに由来します。

当時、同社ではシングルモルトのブランド価値向上を目指した取組として、多くの銘柄でリミテッドリリースが行われていました。2004年だけ見ても結構な量が発表されており、グレンモーレンジは30年シェリーフィニッシュ、アードベッグは長熟モノに加えてベリーヤングがリリース。
グレンマレイも他の銘柄同様に今回のボトルがリリースされたのですが、あまり評判が良くなかったのか。ウイスキーブーム前の当時、この系統のブレンデッド向け原酒は間に合っていると判断されたのか。買収から僅か4年後の2008年には、グレンマレイは再び他のメーカーへ売りに出されて現在に至ります。

改めてこのボトルの構成を香味から推察すると、樽はリフィルシェリーバットやホグスヘッド。30年熟成表記ですが、それを越えて40%台まで度数が落ちたような原酒が一部使われているのでしょう。樽感が枯れた過熟気味の原酒にある、削り取られて尖ったような酒質とウッディネスが備わっています。
勿論それだけではなく、とろりとしたアプリコットや加熱した林檎のような甘みも感じられることから、このリリースは枯れた原酒にボディの残っている原酒を加え、45%前後くらいの度数になったところを加水調整したものと考えられます。バッティングと加水の妙で、ギリギリのところを補ったような香味です。

熟成年数から単純計算すると蒸留時期は1974年以前、これはグレンマレイがまだ自前で精麦(サラディン式)を行っていた当時のものです。また上記の熟成の方向性から35~40年熟成、1960年代のものが一部入っているようにも考えられ、香味の中にあるトロピカルなフレーバーやしっとりとしたピーティーさが、麦芽品種まで異なる当時のキャラクターとして感じられるのです。

カリラ30年 リミテッドリリース 2014年ボトリング

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オフィシャルのカリラの中では、最長熟成品となる30年。
リミテッドエディションのナチュラルカスクストレングス・シングルモルト。
カリラは安定して旨いので、このボトルも「どうせそこそこ旨いんでしょ」と思っていたのですが、それ以上の完成度でびっくりしました。 
 
CAOLILA
AGED 30 YEARS
Limited release
Distilled in 1983
Bottled in 2014
700ml 55.1%
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暫定評価:★★★★★★★★(8)
 
"柔らかいが存在感のあるスモーキーさ、消毒液、花の香り、奥から微かなカラメルの甘さも感じられる。
透明感のある口当たりからピリピリとしたスパイスと旨みが盛り上がってくる。コク、厚みのある麦感、うっすらと蜂蜜。フィニッシュはドライで微かに乾いたオークの香り、ピーティーで長い。
嫌味な点が無く、度数を感じさせない上質な味わいで完成度の高いウイスキー。"
 

今回のMHDニューリリースで飲んだ中で、一番好みだった1本です。(ブローラとポートエレンは飲めてません(汗))
長期熟成らしくスムーズですが、へたれた感じや樽負けした味は無く、それでいてカリラの個性がしっかりと主張してくる。芯が一本通ってるというか、やさしいけれども力強いというか、相反する要素を内包するこういうボトルをバッティングで作ることこそオフィシャルの真骨頂だと思います。
 
構成は、リフィル・ヨーロピアンオーク樽とリフィル・アメリカンオーク樽の原酒とのことで、露骨なオーク系のフルーツ感やえぐみ、タンニンも無く、素晴らしいバランス。
狙ったのかたまたまなのか、とにかく久々に素で旨いカリラを飲みました。
 
ロストビンテージとも言われる1980年代においてなお、その力を発揮してくれるカリラ蒸留所。
同時期産まれの自分としても、うれしい存在です。

クライヌリッシュ セレクトリザーブ 1stリリース 54.9%

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根強いファンの多い、クライヌリッシュからリミテッドリリースとしてセレクトリザーブがリリースされました。
複数樽バッティングのナチュラルカスクストレングスで、同蒸留所としては初のスペシャルリリース。
あれ、出てなかったのかと思って記憶をほじくり返してみても、確かに出ていない・・・。
1stリリースの今回は、限定2964本のみのボトリングだそうです。
 
CLYNELISH
SELECT RESERVE
Special Releases 2014
700ml  54.9%

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暫定評価:★★★★★★★(7)
 
"フレッシュで酸味のある麦芽香、おしろい、微かな柑橘系のアロマを伴う品の良い香り立ち。
口当たりはオイリーでワクシー、その中にリンゴや熟し切ってない洋梨に共通する酸味とフレッシュな果実香。
フィニッシュはスパイシーで厚みがある。ドライな余韻。
加水すると乾いた木のアロマと、すりおろしたリンゴのような甘さを引き出せる。"
 

あぁクライヌリッシュ、お前はどうしてクライヌリッシュなの?
と言いたいくらい、スペシャルリリースでも全くぶれないクライヌリッシュ味。
確かに上品というか、完成度の高さはありますが、至って普通にクライヌリッシュです。
(むしろこれがリミテッドリリースのあり方として正しいのかもしれません。)
 
原酒構成はリフィルバーボン樽にヨーロピアンオークのリフィルシェリー樽、さらにはアメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽(恐らくウイスキー熟成後の樽)を使った、複数樽バッティングのナチュラルカスクストレングス。
熟成年数が記載されてないので、人によって様々な印象を持つかもしれませんが、中身は最低15年以上の原酒が使われているとのこと。値段からも察するに相当古酒も入ってるんじゃないでしょうか。
個人的な感覚では、味のワクシーさから1980年代あたりの原酒の傾向を感じますので、30年クラス主体かなと思います。
 
ちなみにこのスペシャルリリースはシリーズ化が決定しており、今回は1stリリース、来年は2ndリリースが出るそうです。
気になるお値段は、日本流通正規価格で1stが90000円、2ndが160000円になります(笑)。
Whisky exchangeでは1stが415ポンドですか、まぁちょっと安いかな。
それにしても強気というか、なんかもうすごいことになってますね。
 

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