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リトルミル 25年 1988-2014 パールズオブスコットランド #136 49.9%

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LITTLEMILL 
The Pearls of Scotland 
Rare Cask Selection 
Aged 25 years 
Distilled 1988 
Bottled 2014 
Cask No, 136 
700ml 49.9% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1年程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:ケミカルで和紙っぽさを伴うドライなアロマ。合わせてオーキーな華やかさ、バニラ、パイナップルキャンディを思わせる人工的な甘みとフルーティーさ。また、微かに青みがかったようなニュアンスとハーブの爽やかさ、乾いたウッディネスを感じる。

味:ややオイリーで香り同様にケミカルなフレーバーと、若干青みがかったフルーティーさ。蜜のような甘味と粘性を感じた後で、余韻はウッディでほろ苦く、微かにナッツを思わせる香ばしさとハーブ香を、オークフレーバーに伴う張り付くようなフィニッシュ。

いかにもボトラーズリトルミルらしい個性。アメリカンオークとの組み合わせがケミカルなフルーティーさを底上げして、良い方向に作用している。加水すると柑橘系、あるいはビタミンCタブレットのような甘さ。少し粉っぽいような人工的な質感が香りに感じられ、ジェネリック系統のトロピカルなフルーティーさもじわじわ広がる。一方でボディは緩くなりやすく、加減が難しい。ハーフに数滴が適量か。

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最近見なくなってきたボトラーズ・リトルミル。ローズバンクやブローラなど、現在高額で取引される閉鎖蒸留所も、ほんの5~10年くらい前はボトラーズリリースが豊富にありましたが、近年一気に高騰した背景を考えると、リトルミルもいよいよその時が近づいているのかもと感じます。

閉鎖or稼働のどちらにあっても、高騰する蒸留所とそれなりな蒸留所の線引きは、オフィシャル側の後押しの影響が強い、というのが自分の理解です。
価格はブランド力に直結するバロメーターです。ブランドを作るのはボトラーズ、オフィシャルどちらもあり得ますが、販売網とPR力はやはりオフィシャルの方が強く。特に大手が何十万円という値付けで限定リリースを出し、それが市場に受け入れられた瞬間、その前例に引き上げられる形で、安価に取引されていたボトラーズ側の高騰が始まるという流れが近年多く見られます(逆にロングモーン等は、ボトラーズとユーザーがブランドを作った例)。

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リトルミルは先日レビューさせていただいた、セレスティアルエディション1977(写真上)が、6000ポンドととんでもない価格設定でリリースされましたが、日本市場に入る間もなく完売したという流れを見るに、いよいよ・・・という訳です。
リトルミルが?という意見もあると思いますが、この手の流れに味や個性はあまり関係ないんですよね。そういう疑問点がありながらも高値で流通するボトルがリトルミルだけではないことは、周囲をちょっと見れば事例に当たるように思います。

またリトルミルといえば、紙っぽさやハーブのような癖が特徴としてあげられる一方で、近年に限らず熟成したものはトロピカルなフルーティーさを持っているボトルが多く見られ、最近だとNGという声もある反面、好む声も多くなったように認識しています。
60年代、70年代は麦由来の要素を含む真の意味でトロピカルと言えるものが。80年代からはケミカルな要素を含むアイリッシュウイスキーを思わせるタイプが主流。ネガもありますが、今回のボトル含めてキャッチーな要素が備わっているんですよね。

余談ですが、今回レビューする1988年あたりの蒸留所の遍歴を見ると、リトルミルの閉鎖は1994年。加えて1984年から89年まで創業を休止したという情報もあります。
当時のウイスキー需要減から生産調整に入っていたとしても違和感はありませんが、ボトラーズリリースが84,85,86、そして今回の88と続いていて、確認できないのは1987年のみであることを考えると、実際は少量生産されてそれがボトラーズメーカー(ボトラーズに転身する前のブレンドメーカー)に買い取られており、近年の集中的なリリースに繋がったのではないか。
87年については、蒸留所の親会社がギブソンインターナショナル社に変わった年であることから、この年の一時期だけ稼働していなかったのでは。。。と推察しています。

ブリタニア 8年 ピュアモルト 1970年代流通 特級表記 43%

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BRITANNIA 
YEARS 8 OLD 
Pure Malt Scotch Whisky 
1970's 
760ml 43% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:不明
場所:お酒の美術館 神田店
暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:干し草っぽさを伴う、熟した洋梨やべっこう飴のスウィートなアロマ。ハーブや紙系のニュアンス、古酒感の一つとしてほのかに沢庵っぽい酸もある。

味:やや尖ったような口当たり。軽やかな刺激、香ばしくナッティでほのかに洋梨のような蜜っぽさ。余韻は干し草や紙系のニュアンスを伴いつつドライでピーティーなほろ苦さが染み込むように続く。

評価が難しいウイスキー。華やかではないがモルティーな甘み、ブレンドにはない厚みと複雑さがあり、フレーバーのレイヤーは豊富である。ただ、いかんせん紙や植物系統を含み通好みな部分があり、人によっては苦手な要素を強く感じてしまうかも。

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キーモルトはグレンスコア、そしてリトルミルだろうと言われている昭和の洋酒業界によくある謎ブレンデッド。
この点については作り手の素性としても、テイスティングで感じた香味の観点からも、伝え聞く情報に違和感なしといったところ。
特に今回テイスティングしたピュアモルトからは、それらの蒸留所に似た個性が感じられます。

勿論この手のブレンドには、大手が販売した所謂バルク扱いの原酒や、当時調達できた他蒸留所のものも当然使われているはずで、キーモルトのみで議論するのは難しくあります。
実際今回の8年からも、内陸の熟成した原酒とおぼしき蜜っぽい甘さが備わっていたりしますが、納得できる個性があるということは重要だと思います。
特に香味とも序盤で感じる植物系のニュアンス、紙っぽさはリトルミルやロッホローモンド系列でまさにといった個性ですし、NAS仕様のブレンドの軽さはローランドらしさでもあります。また、余韻に感じられる強く主張しないほろ苦いピーティーさが、グレンスコアというのも違和感ありません。

ブリタニアは当時海外への輸出が中心のブランドだったようですが、調べてみると現在も似た名前のものがリリースされています。
当時日本に流通したのは、NAと8年のブレンデッド、8年と25年のピュアモルト。(この中では25年のみ未経験。。。)
ブレンデッドのほうはピュアモルトより色が濃いように見えますが、ボディが軽くライトで、妙にグレーン系の甘味が残るためハイボールにするならあるいはですが、飲み応えは流石にピュアモルト8年に及ばない。
モルト100%だけあってなかなか複雑さがあり、純粋にテイスティングを楽しむことが出来ました。

人気のなさから流通価格は安価な部類であり、今回のボトルはオールドボトルのピュアモルト入門として丁度良いかもしれません。

リトルミル 40年 1977-2018 セレスティアルエディション 46.8%

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LITTLE MILL 
Aged 40 years 
Celestial Edition  
Distilled 1977 
Bottled 2018 
Bottle No,1 of 250 
30ml(700ml) 46.8% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:ー
場所:自宅@試飲サンプル
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ややドライな香り立ち。花の咲いたハーブのような植物感と紙っぽさに加え、キャラメルコーティングしたナッツのようなメローなウッディネス。加熱したリンゴや熟した白葡萄、奥からトロピカルなフルーティーさ。時間経過でケミカルなニュアンスと、インクっぽさも微かに。

味:若干青さのあるケミカルな甘みと紙っぽさ、リンゴの蜜や杏のジャムのような粘性のある樽由来の風味。後半にかけてじっとりと、オーキーな華やかさと熟したトロピカルフルーツのような甘い香味が現れ、ウッディでほろ苦いフィニッシュのなかで長く残る。

角の取れた長期熟成の原酒に、多少枯れた要素も伴うが、メローで多彩な熟成感のある樽由来のフレーバーが全体をまとめている。樽感は重くなくバランス良い綺麗な仕上がり。またベースは良くも悪くもリトルミルらしい個性が感じられる。オフィシャルハイエンドに相応しい完成度の高いシングルモルトである。

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近年、閉鎖蒸留所であることからプレミアが付きつつあるリトルミル蒸留所。完全に閉鎖されたのは今から約25年前の1994年。2004年には火災も発生して設備が焼失し、敷地は既に荒れ地になっていますが、原酒の残りは第2蒸留所ロッホローモンドに移されていました。

その旧リトルミル蒸留所の数少ないオフィシャルリリースで、今年2月にリリースされたのが「リトルミル40年 セレスティアルエディション」。1977年蒸留の原酒をアメリカンオーク樽とファーストフィルバーボン樽で熟成し、バッティングした後3ヶ月間オロロソシェリー樽でフィニッシュした、リトルミルのオフィシャルリリースで最長熟成となるシングルモルトです。

ボトリング本数は250本。イギリスでは6000ポンドと、そのプレミアを証明するような価格設定でリリースされましたが、驚くべきことに既に完売しており日本に入荷することはなかったそうです。
一方、ロッホローモンドグループの日本正規代理店として製品を輸入・販売している株式会社都光が、非売品の販促サンプルを複数セット作成。今回ご厚意により、その一つをテイスティングする機会を頂きました。

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(リトルミル40年のサンプルセット。「飲まないか?」と聞かれ、ホイホイ承諾したは良いが。。。後日届いたブツの豪華さにビビったのは、自分だけではないはず。)

今回のリリースの背景に位置づけられているのが、リトルミル蒸留所の元マネージャー、ダンカン・トーマス氏です。
同氏は1931年にリトルミルを3回蒸留から2回蒸留に切り替え、整流器付きのヘッドを持つ特殊なハイブリットポットスチル(ローモンドスチルの原型)を考案・導入。現在のリトルミルやロッホローモンドの個性を確立するきっかけとなった、ハウススタイルの産みの親と言える人物です。

銘柄名である”CELESTIAL”は、空、天上、あるいは、この世のものとは思えないほど素晴らしいという意味。今回のリリースはトーマス氏の"遺産"として位置付けられるストックの中から、スコットランド・グラスゴーの上空で、特定の星が真っ直ぐに、同蒸留器のネック部分にある覗き窓のような配置で直線に並んだ1977年の仕込みである、特別な原酒のみを使用。セレスティアルの銘に相応しいシングルモルトに仕上がっているそうです。(ロッホローモンド、マスターブレンダー談)

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(付属冊子に書かれた、1977年10月11日スコットランド・グラスゴー上空のスターチャート。太陽、月、金星、土星、火星、木星が連なるように並んでいる。ドライなことを言うと、これがウイスキーの出来に影響したのかは不明。ただし彗星が来た年は素晴らしいワインが出来るというジンクスから考えると・・・。)

自分の知っているリトルミルという蒸留所のハウススタイルを考えると、壮大な前置きに期待と緊張感を覚えつつ、体調を万全にしてテイスティング。
香味ともやはりリトルミルらしい、時にダンボールとも例えられる紙系の要素や植物感がありつつ、余韻にかけては若干ケミカルなニュアンスも伴うトロピカルなフルーティーさ。現在のインチマリンやロッホローモンドにも似たようなニュアンスは備わっていますが、それはもっと人工的で、これも当時のリトルミルらしさと言えます。

また、今回のリリースは40年を越える長期熟成原酒ですが、樽感は圧殺するようなキャラクターではなく、ディアジオのスペシャルリリースにあるハイエンドシングルモルトのような綺麗な構成。むしろ樽由来の香味が酒質と混ざりあって多彩さにも繋がって、全体の完成度を高めています。
アメリカンオーク(おそらく3rdフィルクラスのシェリーカスクかウイスキーカスク)樽とバーボン樽、ボトリング本数から推察するに4樽ほどと思いますが、複数樽のバッティング故の多彩な樽由来の要素。これが
”紙”と”トロピカル”の2つのハウススタイルを繋いでいるのです。
いやいい仕事してますね。ブレンダーの気合いが伝わってくるようでもあります。

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元々好みが別れる蒸留所ではあり、このボトルもそういうキャラクターはあるのですが、それを抜きにしてレベルの高いボトルだと思います。

この40年以外には25年、27年、そして今後29年がリリースされる予定で、こちらは日本にも少量在庫があるとのこと。関西のほうではテイスティングイベントも開催されるようですね。
あのリトルミルが・・・なんて自分のような世代の飲み手は思ってしまうのですが、それだけ閉鎖蒸留所として注目を集めつつあるということなのだと思います。そして今回その一連のシリーズのトップに君臨する1本のテイスティングという、愛好家垂涎の貴重な機会を頂けたこと、改めまして感謝申し上げます。

ボトル画像引用:https://www.whiskyshop.com/

BAR Caperdonichでブラインドテイスティング三昧

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先日、新橋でとあるウイスキー関係な方々と打ち合わせをした際に、打ち合わせスペースとして使わせてもらったのがBAR キャパドニック。
個人的に一度訪問してみたかったBARであり、やっと伺うことができました。

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BAR CAPERDONICH(キャパドニック)
東京都港区新橋2-11-8 小倉ビル4F
営業時間
18:00~28:00(月~金)
18:00~24:30(土)
17:00~24:30(日)
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13168890/

マスターはウイスキーの状態に関して、良い状態のウイスキーをサーブすることを心がけていると伝え聞いて、勝手に興味を持たせてもらっていました。(オールドボトルのヒネ関するセンサーも相当感度の高いものを備えられているとか。) 
ただ、先述のとおり打ち合わせでボックスシートを使用していたため、マスターとの会話はあまりできず、濃い話は次回に持ち越し。ボックス席の注文は全品お任せのブラインドテイスティングで、ボトルを通じてマスターと会話させてもらいました。


1問目:フレンズオブオーク キャパドニック21年 (1992-2014) 46%
回答:フレンズオブオーク キャパドニック22年(1991-2014)46%

マスターから、まさに名刺代わりという出題。
ほのかに青みがかったオークと麦芽香、植物感とオーク由来のフルーティーさに、後半は淡いピートフレーバー、ほろ苦い余韻。実は飲んだことがあったボトルで、ラベルを記憶違いで覚えていた結果の回答。加水、20年熟成、1990年代蒸留あたりでこのフレーバーのボトラーズ・・・と絞り込むと、自然とフレンズオブオークが出てきて、まああとはBARの名前とかけてるのかもと、ちょっと邪推してしまいました(笑)。
凡ミスでニアピンになってしまいましたが、こちらとしても名刺を返せたかなという回答でした。


2問目:アラン プライベートカスク 18年 (1996-2015) 51.7%
回答:スペイバーン 21年オフィシャルボトル

オフィシャルでシングルカスクですよ、と大ヒントがあった上での出題だったのに、ボトルはおろかアランにすらたどり着けなかったボトル。個人的に認識しているアランらしさが無く、逆に10年程度瓶内でこなれたような麦芽風味があり、2000年頃にリリースされたオフィシャルの高度数かなと迷走してしまいました。
樽感は淡く、熟成はリフィルシェリーホグスヘッドによるものと思います。


3問目:ダグラスオブドラムランリグ ラフロイグ14年 (1999-2013) 46%
回答:ラフロイグ、15年程度の熟成、46%程度、リフィルホグスヘッド

マスターからはこれは蒸留所だけでいいんじゃないですかねーというコメントと共に運ばれてきたボトル。
確かに香りの段階であらかた絞られますし、飲めば度数や熟成年数はそこまでひねりのある要素でもないので、一口飲んで確かになと。その蒸留所当ては、ラフロイグか、アードベッグか、この2択で悩みました。
ラフロイグのボトラーズだとフルーティーなタイプを期待するところ、このボトルはピートが前に出ており、そこからヨードやグレープフルーツ系のフルーツ。アードベッグでも似たようなボトルが出てきそうなのです。以前飲んだカーディスにも似た傾向があったため、直感を信じてラフロイグとしました。加水で調整されているため、染み込むような余韻が好印象、良い状態だと感じるボトルでした。


4問目:クーパーズチョイス リトルミル30年 (1985-2015) 44%
回答:ベンネヴィス、20年熟成程度、46%程度、ホグスヘッド

非常に悩まされたボトル。香りは落ち着いた熟成香から徐々にケミカルなニュアンス、少しの紙っぽさ。味は香り同様ケミカルな部分があるものの、官能的な要素も感じるフルーティーさが全開で、なんだこれはと素直に驚きました。
アイリッシュとは違うと感じだったのでスコッチでこの辺が出そうなところ・・・と悩みましたが結局地域すら絞れず。正解を見てこんなフルーティーなボトルもあったのかと、この蒸留所に自分の中で設定しているフレーバーの枠を見直すきっかけともなった、大変勉強になる出題でした。
(発売直後に瞬殺となったボトルとのことですが、これは納得ですよ。みんなこういうの好きですもんw)

そんなわけで、ブラインドテイスティング4問、しっかり楽しんでしまったわけですが、肝心の打ち合わせのほうはというと、ブラインドして、終わったらまた打ち合わせして注文と、ローテーションしながらいい感じに集中して進めることが出来ました。
今回出題されたボトルは比較的近年よりのところでしたが、次はオールドボトルでも注文しつつ、マスターと濃い話をしてみたいと思っています。

ヘッジス&バトラー 21年 1980年代後期流通 ”ウイスキー特級”

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HEDGES & BUTLER
Royal scotch whisky
21 Years old
Imperial deluxe blend 
1980's
750ml 43%
構成原酒:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかで甘酸っぱい、ドライアプリコットや林檎、少量のレーズンを思わせる熟成したモルトのフルーティーさ。バニラウェハース、ウッディーな渋み、微かにホコリっぽいオールド系の古酒感。
フルーティーさが中心となるアロマだが、しっとりと落ち着いた香り立ちで勢いよく開く印象はない、その奥にはグレーンのカスタードのような甘みもある。

味:スムーズで穏やか、香り同様にフルーティーな口当たりで、ボディはミドルよりはライト寄り。
麦芽風味に林檎、白葡萄の華やかなフルーティーさ、薄めた蜂蜜。そこからすぐに後半の果実の皮を思わせるビターなウッディネスへと変化。
フィニッシュはドライでウッディー、口の中に染みこむようなタンニンと、鼻に抜ける華やかな熟成香を伴う長く続く余韻。

オールドにしては珍しくピートはほとんど感じない中で、樽材由来の苦味を強く感じるブレンド。 ボディが軽いためか少しちぐはぐな印象もありますが、流通時期から逆算すると原酒は1960年代蒸留確定で、全盛期の片鱗を感じる味わいでもあります。
味は一見すると華やかでスペイサイドを連想しますが、当時のスペイサイドより軽やかなボディ等から、ローランドモルトも使われているかなという印象です。
ストレート以外の飲み方はロックはそれ程でもなく、ハイボールは爽やかなゴクゴク系。 このボトルに関してはオフフレーバーが香りに混じる部分もありましたが、スワリングしながらじっくり飲んでいくと軽減されていくため、今後の変化が楽しみです。

ヘッジス&バトラーはスコッチウイスキーの中でも特に長い歴史を持つ銘柄ですが、他の老舗ブレンド銘柄とは異なり自社蒸留所を持っていないためか、原酒構成には諸説あり、これという軸がないのも特徴です。
操業時からカウントするとキングジョージ2世に「おう、ちょっとウイスキー造れや」と言われた1667年から実に約350年間もの間、ヘッジス&バトラーという社名並びに銘柄が存在している。これは最古の蒸留所を名乗るグレンタレット(1775〜)よりも古く、英国王室献上はもとより、1905年には明治天皇にまで献上された歴史も由緒もある銘柄です。
だからこそ「ヘッジス&バトラー」の銘柄に魅力があり、時代時代で姿を変えながら現代まで残ってきたのでしょう。

使用原酒はリトルミル説から、一時期ヘッジス&バトラーを銘打ってリリースのあったクライヌリッシュやグレンダランという説、そして最近はグレンゴイン。ころころと変化があります。
この21年は上述の通りフレーバーに軽さがあって華やかでピートも軽めでほとんど感じない、あまりローランド系のクセはありませんが、リトルミルと言われると納得の味わいでもあります。

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