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駒ヶ岳 3年 2016-2019 ウイスキープラス 5周年記念 62% #3303

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KOMAGATAKE 
MARS WHISKY 
Single Malt Japanese Whisky 
Aged 3 years 
Distilled 2016 
Bottled 2019 
Cask type Bourbon barrel #3303 
For WHISKY PLUS 5th ANNIVERSARY 
700ml 62% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:開封当日
場所:ジェイズバー
暫定評価:★★★★★(5)(!)

香り:若さに通じる酵母香と酸のある麦芽、ニューポッティーなアロマがあるが、それがスモーキーな要素のなかでシトラスや若い林檎を思わせる果実要素にも感じられる。

味:口当たりはフレッシュで爽やかな柑橘感、香り同様に酸味を伴う口当たりで、乾いた麦芽風味からじわじわとピーティーでスモーキーなフレーバーが広がる。
余韻はピーティーでほろ苦く、仄かにニューポッティーな要素が残る。

若いなりに整っていて、普通に飲めるモルト。若さが嫌みではなく、爽やかさと果実感に繋がっていて、ネガ要素もピートで程よくマスクされている。こうした原酒の素性の良さ故、今この瞬間以上に蒸留所の5年後、10年後への期待が高まる原石のようなモルト。

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輸入業者のエイコーンの販売店舗であるザ・ウイスキープラスの開店5周年を記念した限定リリース。3年と若い原酒ですし、あまり期待はしてなかったのですが、テイスティングの通りそれなりに飲ませる味わいで、驚かされました。

勿論、熟成感は年数なりで、この時点で突き抜けて素晴らしいとは言えないのですが、若いだけでない良さを感じさせてくれるんですよね。
ネガティブな要素が目立たず、ボディもそれなりにあり、特に熟成で消えづらい発酵したような要素や先天性のオフフレーバーに類するものが少ない。ピートの馴染みも現時点で悪くなく、20ppm故に原料由来、樽由来のフレーバーとも喧嘩していない。
このままバーボンバレルで綺麗に熟成したら、それこそ昔のピーティーな時代の内陸スコッチモルトを思わせる仕上がりになるのではと、将来性を感じるのです。
(最も、日本の場合は樽が強く出るためどうしても"綺麗に"、というのが中々難しいのですが。。。)

信州蒸留所は2014年末のオフシーズンに、休止前から使い続けて老朽化した蒸留器を交換し、形状はほぼそのままでリニューアルしています。
最初の年というのはどの蒸留所も設備の癖をつかむまで時間がかかると聞くところ、色々馴染んだ2年目は良い原酒が出来てきたのか。あるいは元々良いのか。また最近鉄製だった発酵槽を木桶に変更していますし、更なる変化も見込めそう。。。
お恥ずかしいながら、マルスの若いのは「まだ良いか」くらいに考えて、そこまで飲んできていないので相対評価が出来ません(汗)。
その点で、自分にとっては他のヴィンテージの現時点にも興味を抱くきっかけになる、文字通り興味深い1本でした。

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今日のオマケ:コノスル ピノ・ノワール 20バレル 2017

先日オマケに書いた、コノスルのシングルヴィンヤード・ブロックNo,21の上位グレード。お値段税込み2600円。Web上の評判は中々良いのですが、個人的にコノスルに2000円以上出すのはどうかなという、よくわからない抵抗感と、先のブロックNo,21が2000円以内の価格帯では一番好みということからくる「もうこれでええやん」という安定思考で、気にはなっていたものの手を出さずにいたワイン。

知人の後押しもあり、思いきって購入。
結果、評判通り良かったというオチ。
カリピノの日本市場で4000~5000円のワインにあるような、どっしりとした香味構成。初日は序盤の新世界ピノの熟したブルーベリーやカシス、赤黒系の果実を思わせる甘酸っぱさから、余韻にかけてしっかり目のタンニンと樽香が、軽いスパイスと共にグッと来る感じ。
これは後半部分がなんとかなれば。。。と思ってバキュバン保管で1日置いたところ、そのタンニンが馴染みはじめ、良い塩梅に変化。

また出張で家を空けたため、開封5日後バキュバン保管のブツを恐る恐る飲んでみましたが、普通に問題なし。
甘味が少し減った分、他の香味と混じってこなれて。。。これはこれで良い。かなりロングライフなワインなのですね。
つまるところ、新しいヴィンテージはデキャンタで速攻開かせても、今回みたいに時間をかけて飲んでも、あるいは熟成させても良いんじゃない?と。

ブロックNo,21はチャーミーというか、ベリー系のフルーティーさを支えるボディに少し軽さがあるので、そこが日本円3000円くらいののピノというイメージですが(それでも充分なコスパ)、この20バレルは確実にその上位グレードを意識した作りです。
今の自分の能力じゃ、まじでナパピノとの区別がつかない。。この価格でこれってスゴいんじゃね?という気付きを得られたので、即飲めるブロックNo,21以外に、じっくり飲んでいく20バレルの2種類をストック決定です。

シングルモルト 駒ヶ岳 リミテッドエディション 2019 48%

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KOMAGATAKE 
MARS SHINSHU DISTILLERY 
Single Malt Japanese Whisky 
Limited Editon 2019 
700ml 48% 

グラス:アランノベルティーグラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:BAR ヒーロー
評価:★★★★★(5ー6)

香り:フレッシュな香り立ちで、原酒由来の酸を感じるアロマ。レモングラス、ライムシロップやアロエ果肉を思わせる甘さと淡いオークの華やかさ。奥にはニューメイクに由来するニュアンスもあって、ピントが合う度に若さを認識させられる。

味:とろりとした口当たりと共に、樽由来のフレーバーの粗さが舌の上で感じられる。アタックはあるが、オーキーな華やかさもあり、レモンタルトやバニラウェハース、余韻はドライで乾いたオークやレモングラスの爽やかさ、スパイシーなフィニッシュ。

オーキーな華やかさとともに、繋ぎになるコクのある質感と比較的若い原酒のアタックが備わったボトル。若さは特に香りで感じられるが嫌みなほどではない。加水するとまとまり、爽やかな香味構成になるので少量加水推奨。先は長いが期待は出来る。

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マルスが毎年リリースしている、信州蒸留蒸留所の原酒をブレンドして作るリミテッドエディション。
これ以外にも一年に数回限定リリースがあるマルスなので、リミテッドエディションが特別という印象はありませんが、48%の加水調整と複数樽バッティングの仕様から、将来的にリリースされるオフィシャルボトルをイメージしているのかなと。言わばキルケランがやっていたワークインプログレスのイメージに重なるところがあります。

昨年のリミテッドはバーボン樽オンリーでしたが、今回の原酒構成はバーボンバレルで熟成された原酒を"主体"としたヴァッティングで、シェリー樽やアメリカンホワイトオーク樽原酒(マルスの表記では何度も使ったプレーンオークか、新樽か)も使われているとのこと。
香味から察するに、おそらくメインの原酒の熟成年数は5~6年程度で、3年くらいの若いタイプも混じっている印象。シェリー樽についてはリフィルでたぶんこれが若い方の原酒。フレーバーの主体は説明文の通りバーボン樽系統ですね。

ピートの主張も殆どないので、メインノンピートタイプかライトピーテッド。淡くオークフレーバーの効いた爽やかな味わいは、近年のスペイサイドモルトに共通する要素を感じさせます。
一方、口当たりにとろりとした粘性のある甘味があるのが特徴的でもあり、ここはバーボン樽以外の樽が仕事をしている部分と推察。リフィルシェリーともプレーンオークともとれるが、後者でしょうか。それが全体をカバーして、レビューの通りストレートでは若干の粗さと酸のある香味構成ながら、嫌みにならない程度に収まっているのだと思います。

この一本、信州蒸留所の現在地としては過熟感もなく、引き続き熟成して10年以上は熟成期間を見られそうなマイルストーン。4~5年後に10年熟成としてオフィシャルスタンダードでリリースされるのが楽しみです。
このリリースだけ見ると、それはグレングラントっぽくなりそうな気がしてきました。


追記:この記事に関連して「中身スコッチモルトなんですか?」という質問を、ウイスキーフェスの会場でお会いした方からされましたが、普通に信州蒸留所の原酒だと思ってます。そもそも表ラベルでSHINSHU DISTILLERY 表記かつSingle Malt Japanese Whisky 表記ですしね。
系統を分類するならスペイサイドタイプの酒質であり、それが熟成の結果、現行オフィシャルのグラント12年とか、そういうタイプの味になりそうだと感じたという話です。
その場で本坊酒造のスタッフにも確認しましたが、間違いなく信州蒸留所の原酒であるとのことでした。(11/17追記)

マルスウイスキー 信州 太陽と鳳凰 6年 2013-2019 #1597 ウイスキートーク福岡

カテゴリ:
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MARS SHINSHU DISTILLERY 
PHOENIX & THE SUN 
5th Release 
Distilled 2013 
Bottled 2019 
Cask type Sherry Butt #1597 
Exclusivery Bottled for WHISKY TALK FUKUOKA 2019
700ml 57% 

グラス:グレンケアン
時期:不明
場所:BAR Eclipse first
暫定評価:★★★★★(5)

香り:スパイシーで焦げ感のあるウッディさ、鼻腔を刺激する香り立ち。梅やレモン、シロップやチョコレートの甘味と、香ばしいウェハースのような乾いたニュアンスも感じられる。

味:リッチで度数相応にパワフル。粘性のある口当たりから、甘酸っぱくレーズンや梅ジャムのような酸味。そこからじわじわと若さ由来の粗さが感じられる。余韻はほのかに焦げ感を伴うウッディネスから、スパイシーでひりつくような質感を残す。

樽味のジャムをクラッカーに塗って食べたような、後乗せ感のあるウイスキー。例えるならあらしぼりというか、樽の濃厚さは基準値にきているが若さ由来の粗さが随所にあり、まだ時間が必要な原酒ではある。飲み頃は先、加水しながら好みの状態を探りつつ楽しみたい。

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「鳳凰と太陽」は、2015年のウイスキートーク福岡から継続してリリースされている、同イベントの限定ボトルのひとつ。
同イベントは当日会場でオーダーシートを提出し、希望者多数の場合は抽選のうえ後日記念ボトルの購入権が確定するという物販方式を採用しています。そのため、イベントは6月でしたが限定ボトルが届き始めるのは、その数ヵ月後という時系列になっています。

また、イベント時にはカスク選定が完了しているわけではなく、ボトルの内容が変更、または後日決まる場合もあり。(これで売り切れるってブランド力も相当ですよね。)
今回の鳳凰と太陽・第5弾も、イベント時のラベルイメージではアメリカンホワイトオークの記載で年数等も未定でしたが、最終的にはシェリーカスクとなった模様。
また、同シリーズはこれまで熟成年数3年はそのままで、蒸留年数が1年刻みで上がっていくリリースが4作続いたところ、今年はそこから外れて6年熟成でのリリースとなっています。
今年はウイスキートークが開催10周年でしたので、特別な位置付けだったのかもしれません。

構成はノンピート麦芽の原酒に、圧殺するようなシェリー感とウッディネス。シェリー感は最近アランやファークラスなどでみられる、クリーミーさを伴うようなタイプではない、ちょっとギスギスした質感のある系統。
若い原酒のフレーバーと合わり梅を思わせるような酸味が熟していない果実のようでもあり、温暖な環境での熟成を思わせるウッディさは若干の焦げ感を伴って、一気にドバッと出たような良くも悪くも短熟で日本的だなぁと感じる部分があります。

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(マルスウイスキー駒ケ岳6年2012-2018 ヘビリーピーテッド仕様のシングルカスク。同じ熟成年数で、同様に若さに由来する粗さはあるが、それをピートが上手くマスクしている。一方加水するとネガ要素が顔を出すので、ピークはまだ先にあるとも感じられる1本。)

毎度思うのですが、この手のウイスキーをどう評価するかはなかなか難しい部分があります。
それこそ同じ熟成年数のマルスでも、今年のTWSCでアワードをとった写真の6年とはだいぶ位置付けが異なります。若くてもそれなりに飲めるタイプに仕上がるピーテッドに対して、あくまで樽次第となるノンピートのシェリー樽は。。。
今回の1本は、純粋に味の完成度で勝負するというより、ワークインプログレス的な成長途中の指標としてBAR等で楽しむのが良いグループに入るのかなと思います。
それこそこの果実が熟した10年、12年くらいでちょっと加水したものを見てみたい・・・かな。

シングルカスク 駒ケ岳 6年 2012-2018 マルスウイスキー 60% #1493

カテゴリ:
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SINGLE CASK KOMAGATAKE 
AGED 6 YEARS 
Distilled 2012.3 
Bottled 2018.9 
Cask type Bourbon Barrel #1493 
700ml 60% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR 新宿ウイスキーサロン
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーでアーシー、干し藁、ママレード等の柑橘類のニュアンス。強く鋭角なアタックを伴う香り立ちで、スワリングしていると焦げた木材と薄めた蜂蜜、微かに魚介だしのようなアロマも伴う。

味:パワフルな口当たり。土っぽさとともに尖ったような質感のピーティーさ。乾いた麦芽、根菜、徐々にはちみつを思わせる樽材由来の甘味と粘性が舌の上で感じられる。余韻にかけてはスパイシーで焦げたウッディネス、強くフレッシュなスモーキーさが鼻孔に抜け、ほろ苦くドライで舌の水分が奪われるような感覚を伴う長いフィニッシュ。

ラガヴーリンとラフロイグの会わせ技のようなフレーバー。ピート由来のインパクトが強く、分かりやすい味わい。ストレートでは未熟感はあまりなく、多少荒さはあるが樽感も酒質ベースの構成ならほどよい程度。一方で加水するとそれらが乖離しアンバランスに。奥行きがなくなり溶剤のようなネガが顔を出す。

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マルスウイスキーから定期的にリリースされている、信州蒸留所のシングルモルト。
昨年は創業休止前の原酒を使った長熟2本、再稼働後の短熟4本、計6銘柄がリリースされており、その中の2012年蒸留、ヘビーピーテッド仕様の1本が今回のテイスティングアイテムです。
そしてこのボトルは3月に開催された、日本ではじめての洋酒品評会、東京ウイスキー&スピリッツコンペティションで、全527商品の中から13銘柄選出された最高金賞と、ジャパニーズウイスキー区分でも特別賞としてベストジャパニーズ(シングルカスク)の評価を受けた1本でもあります。

このボトルに興味をもった経緯を紹介するには、受賞以外にコンペの審査方法について触れる必要があるのですが、前置きが長くなってしまうので、後回しにして概要だけ紹介します。
同コンペの審査は、日本の酒業界関係者や愛好家を中心としたメンバーによるブラインドテイスティングで行われており、集計方法も公平性を担保した形式でした。
その審査で選ばれた最高金賞のウイスキー銘柄の中でも、6年という若い原酒は異彩を放つ存在。どれほど光る要素があったのか、是非テイスティングしたいと感じたのです。


飲んだ印象は、短熟だが整った美味しいピーテッドモルト。若さをピートがうまくマスクして、バーボン樽由来の風味もほどよく付与されている、短熟としての飲み頃にある原酒です。
一方で、これをノーヒントでブラインドをした場合、マルスだとわかる人はそう多くないように思います。
ラガヴーリンとラフロイグを足して2で割ったようなキャラクターはインパクトが強く、普通に考えて若いアイラ。経験を積まれてる方だと樽感や熟成感にある若干の違和感でジャパニーズにはたどり着くかもしれませんが、仮にジャパニーズだと限定しても、知名度から秩父のピーテッドに繋がってしまうかもしれません。

しかしその香味には粘性というかコクがあり、例の秩父味もないため、余韻にかけて素直にピーティーさと樽由来の要素が広がってきます。
短熟ゆえ荒さは多少残っていて、樽由来の香味と酒質の結び付きにはまだ解離があります。ストレートではピートがカバーしていますが、加水すると樽感やピートが弱まることで、ばらつきも出てしまう部分はあります。

ただそれらは同時に後5~10年程度の熟成を許容できる伸び代でもあると言えます。
最近再稼働後のマルスのリリースは飲んでいませんでしたが、いい原酒が育ってきているんですね。数年後が楽しみになる味わいでした。


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東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2019

さて、以下は本文中で省略した同コンペティションの審査の流れについてです。
審査は
・180名の審査委員を6名30チームに振り分ける。
・出品されている酒類527本を各チームで分担。
・カテゴリー毎にブラインドテイスティングで評価(100点満点)し、集計。
で行われました。
つまりチーム毎に同じボトルが出ているのではなく、異なる場合のほうが多く。例えばチームAにブラインドで出されているのは山崎12年で、チームBに出されているのは余市NASという流れで、180名全員が同じ銘柄を一斉に飲んでいるわけではありません。
1人あたりにすると、約20本程度を担当する形だったそうです。

得られた評価結果については、チームの内で最高得点と最低点をカットする、フィギュアスケート等でもお馴染みの集計方法がとられたそうで、先入観による影響の少ない評価に加え、この銘柄だからというような”大人の事情”が作用しづらい仕組みになっているのが特徴。
海外コンペとかではブラインド審査といっても、持ち回りのような怪しい結果に見えるケースもありますが。実際に日本国内で審査委員が一同に介して行われ、ボランティアスタッフも含めて多くの愛好家が関わっている本コンペにあっては、一定の公平性が担保されていたように感じます。

それ以上に、"ウイスキーに限定した審査"としては、日本の愛好家(なかでもコアな部類に入る方々)が、一斉にブラインドテイスティングで評価を行ったことで、これまでにないデータが得られたと言えるのではないでしょうか。
一般販売されているアイテムが中心であることから、マニアックなものはあまりありませんが、最高金賞や金賞あたりのリストを眺めても「そうそう、これ無名だけどレベル高いんだよ」とか、「有名で一般的すぎて、逆に飲まれてないけどやっぱ旨いよね」とか、"愛好家によるスタンダードリリースの格付け"として興味深く、個人的には頷くところも多い結果だったように思います。

ウイスキー以外の審査方法や、対象スピリッツ類のジャンルわけなど、初回ということでまだまだ改善すべき点もあると思いますが、この手の話はまず実現することが大事で、そこから如何にして規模を広げ、質を高めていくかというフェーズに入るべきものです。

同コンペを主催するウイスキー文化研究所では、6月の表彰式に向けて最高金賞のウイスキーの中から、更にナンバーワンを決めるプロセスに入っているとのこと。
どの銘柄がベストオブベストに選ばれるのかを、自分なりに予想もしながら楽しみにしています。

東京インターナショナル バーショー 2018 で遊んでました

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今日はTokyo International Bar Showに参加してきました。
かつてはウイスキーマガジンライブとして、1年に1度のウイスキー好きのお祭り・・・だったのですが、Bar Showとなってからは徐々にウイスキー色がフェードアウトしてる感のある本イベント。今年はタイトルから「ウイスキー」の文字が消えて、ウイスキー色がさらに薄いなんて話も聞くところ。。。とりあえず飲めるだけ飲んできましたので見ていただければ。まあ近年、日本全国でウイスキーフェス的イベントがどんどん増えている中、差別化という意味では正しいのかもしれません。 

記念ボトル狙いの方は早朝から並んでいるらしいのですが、興味の無い自分は開場ギリギリ到着コース。行列を尻目に写真パシャパシャ、スタートダッシュも必要有りません(笑)。
そんなわけで、今回はちょっと実況生放送気味に、回ったブースの情報を更新しながらイベントを楽しんでみました。


【ウイスク・イー】 
ベンリアックグループラインナップがなくなってしまったウイスクさん。しかしキルホーマンとアランに加え、今年は新商品のグレンアラヒーのサンプルが登場!
オフィシャルスタンダードの筆頭となるグレンアラヒー12年は、癖のない酒質にバーボンオーク系のフルーティーさが主体。そこにシェリーオーク由来のコクがバランスを取って上品な味わいで、シェリー樽の比率は全体の3割程度という話。。。には思えない構成(笑)。
ですが決して悪いワケではなく、むしろ今回のイベントで好評だったリリースでした。これはハイボールにしても美味しそうです!
この他、18年は突き抜けた樽感こそないものの、全体的にまとまったマイルドで呑みやすいバランス型、余韻にしみるウッディさが熟成を感じますね。
10年カスクストレングスはバニラと乾いた麦感、あるいは牧草、むせるように納屋の香り。スウィートでモルティ、余韻のオークフレーバーが心地よく感じます。
そして13時から数量限定で試飲が展開された25年は、ナッティーで湿ったオーク、アーモンドやはちみつを思わせる甘く香ばしいアロマ。ややドライながらスムーズな口当たりから、余韻にかけてオーキーなトロピカルフレーバーが広がっていきます。
グレンアラヒーのニューリリース、全般的に癖のないとっつきやすい味わいで、どれを飲んでも美味いシングルモルトです。

【ベンチャーウイスキー(イチローズモルト)】
今年も当然話題になるイチローズモルト。有料ですがWWA2018でワールドベストブレンデッドに輝いたモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドの試飲が出来ます。そのほかは通常ラインナップに加え、ヘビーピーテッドとノンピートのニューメイク。ラムカスクなどのサンプルが用意されています。 

2018年に仕込まれたばかりの原酒2種。イベントでは普段飲めないニューメイクなどを飲んで貰いたいと言うのは、ブースに居た吉川さんの話。
ノンピートは乾燥させた麦芽香と乳酸系の柔らかい酸味、日本酒のようなコクがあり、クセの少ない素直なニューメイク。
熟成に耐える酒質を作り出すため、発酵時間を変えるなど色々試行錯誤しているとのこと。70時間程度かと思っていたら、今は90時間以上発酵させてるんですね。この乳酸っぽさはそこからきてるのかという理解。
ピーテッドはそうした酒質の上にしっかりとピート、スモーキー。短熟でも仕上がる可能性がある素性のいい原酒です。
昨年のニューメイクとはまた違う仕上がりで、日々の進歩と研究の成果を感じます。

【株式会社都光酒販(ロッホローモンド、グレンスコシア、長濱蒸留所)】
個人的に近年のラインナップで成長著しいと感じるのがロッホローモンド蒸留所。インチマリンの衝撃は記憶に新しいところで、今後の展開に期待。グレンスコシアはオーキーでフルーティーな18年が良い感じですね。 
また台湾のナントウ蒸留所、スタンダードのシェリータイプとバーボンタイプを久しぶりにテイスティング。価格が強気なのは相変わらずとして、クオリティは年々上がっている印象。カヴァランもありますし、日本もうかうかしてられませんよ。

そしてその日本のクラフト蒸留所ですが、昨年夏に訪問した長濱蒸留所。バーボン、シェリー、ミズナラなど各種原酒サンプルと共に、ひっそりと都光さんのブースに隣接する形で出展しています。
ニューメイクのヘビーピートが悪くない仕上がりだったので、後は樽と熟成場所ですねという話。色々試行錯誤している ようで、先日はソレラ出のフィノカスクが入っていたようですし、今後のリリースと蒸留所としての成長が楽しみです。

【田地商店(信濃屋食品)】
田地商店さんは信濃屋食品の関連会社で、現地から酒類を調達するインポーター。これまでのバーショーは信濃屋食品がウイスキー中心に出展していましたが、今年は田地商店が同社取り扱いのウイスキー以外のリキュールやカルヴァドスなどを展開しています。
カルヴァドスは昨日記事に投稿したアプルヴァル、有料試飲の1974とヴィクトール含め各種揃っています。 

スタッフ一押しがこのシャマレルのラム。モスカテルフィニッシュとシングルバレル。スタンダードなVSOPも良かったですね。
VSOPは、ヤギューチャレンジならぬクリリンチャレンジで熟成年数当てクイズ。ウイスキー的にはミドルエイジ以上かと思ったら、まさか4年熟成とは。。。そう、若さを感じさせない味なんです。
モスカテルカスクフィニッシュはラム系のブラウンシュガーやハーブのアロマ、コクと粘性のある甘みのある味わい。ウッディな余韻が心地よい。 
そしてシングルバレル。コクと深み、度数を感じさせないウッディさが長い余韻に繋がっています。あーこれはシガーが欲しくなります。 

また、同じラムで今回の出展の中で結構いいバランスとコスパだったのが、レイジドードー。3年、6年、12年の原酒のバッティングらしく適度な深みも感じるバランスのよさ。
トニックで割って、ビターズを垂らしてマジうま。後は塩とグレープフルーツソーダで何このスポーツ飲料的爽やかさw
これはレディーキラーです。田地さんは相変わらず悪い酒を扱われます(笑)。


【フードライナー】
昨年のバーショーで最も気合が入っていたとも言えるフードライナーさん。今年も気合入ってますね!
同社取り扱い、グラッパの有名ブランドであるベルタのほぼ全ラインナップを試飲できて、現地の情報まで聞くことが出来る、グラッパってあまり知られて無いですが、ウイスキー好きに琴線のあるジャンルだと思うんですよね。やはり今年もオススメのブースです。


【キリン】
ウイスキー関連の出展が縮小している中、逆に内容が充実してきていると感じるのがキリンさん。昨年のフェスなどで好評だった樽出しグレーン、今年もやってます。
スペックはバーボンバレルサイズのアメリカンホワイトオークの新樽で、2.5年熟成とのこと。
ヘビータイプのコクが強いグレーンで、ウッディで蜜のような甘みが強く美味い。というか、新樽熟成のグレーンってほぼバーボンに近いんじゃ。
実はスペックは後で知ったのですが、目立った若さもなく、とても2.5年とは思えない味わいですね。

キリンが正規輸入を手がけるジョニーウォーカーブースでは、ジョニーウォーカーが持つフレーバーの要素を加えるハイボール講座を実施。受講するとジョニーウォーカーの帽子(シルクハット)が貰えた粋な計らいも。頂いた帽子、今後のイベントで使う機会が増えそうです(笑)。

【サントリー】
先日発売されて話題となったエッセンスオブサントリーの有料試飲に加え、今年は限定の山崎原酒がエントリー。 
セミナーでは山崎シェリーカスクの2013と2016の比較テイスティングも出す大盤振る舞いだったみたいです。
ニューリリースとなるボウモアNo,1も試飲が出ています。
早速飲んでみると予想以上に軽い香り立ちで淡いスモーク、燃え尽きた灰、ほのかに柑橘、和紙のような紙っぽさ。若干のフローラル。口当たりも軽くスムーズ。余韻にかけてバーボンオークのフルーティーさ。
すごく呑みやすいですね。。。突き抜け感はないですが、バランスはいいと思います。 

ただ若干パフュームにも振れそうな要素があったのは気になりました。んーこれが例の時代に逆戻りなんてならなければ良いのですが。


【アサヒビール】
ブラックニッカの新商品の試飲が出てるのかなと思ったら、意外なことになかった件。リキュール系主体でカクテルブースでした。ただウイスクイーでの取り扱いを終了した、ドロナック、ベンリアック、グレングラッサが6月からアサヒでの取り扱いになるみたいですね。
特に試飲はしませんでしたが、これが今後どのような形で展開されるのか注目です。

【ミリオン商事(EMILIO LUSTAU)】
グレンファークラスでおなじみのミリオンさん。同ブースではグレンファークラスに加えてルスタウのシェリー酒も提供中。ベネシアンドールからの樽出しが楽しめる粋なサービスも!
ナッツ、カラメル、ドライフルーツの酸味。スタンダードのオロロソですが、こうして飲むと香味が開き染み込むような旨さです。

このブースは学ぶことも飲むものも多く、ウイスキーそっちのけで今回一番長く居たかもしれません(笑)。
印象に残っているのが、シェリーブランデーのニューメイク(1回蒸留時点40%)と、同社シェリーブランデーリゼルバの飲み比べ。そしてヴェルモットのベースとフレーバー後の飲み比べ。
シェリーブランデーのニューメイクはウイスキーと違って要するにグラッパ系、香り立ちは多少ツンとしますが、味はフルーティー。
そしてベルモットは普通にベースで美味い。ハーブと柑橘、シロップの甘さ、これはいいリキュールですよ。

ブースにはシェリー委員会の日本代表を勤められる明比さんと、ルスタウのマスターブレンダーであるペレス氏もいらっしゃって、シェリー酒そのもののみならずウイスキー向けシェリー樽の件とか、いろいろ話を聞くことが出来たのも良かったです。
「次はこれを飲んでみろ」と、ペレス氏による本家本元のベネシアンドール?w
ちょうど先日ルスタウ・アルマセニスタのオールドボトルを購入したのですが、流通時期がわからなかったんで「これ知ってる?」と質問。それをきっかけに「よし俺がルスタウについて教えてやる」と言わんばかりにシェリー酒のみならず、シェリーブランデーや熟成による香味構成など、熱く語っていただきました。
これは貴重な経験だ。。。質問したボトルについても「シェリーは長く置くと澱がでるが、それは悪いものではない。度数も高いから問題ないよ」と太鼓判。むしろボトル持っていけば良かったかな(笑)。

【本坊酒造(マルスウイスキー)】
新商品のしなのたんぽぽと、ダブルセラーズ含め、通常ラインナップを出展。
しなのたんぽぽはバーボン樽や新樽系の風味とコクのある味わい。古酒がバランスとってますね。信州の長熟は樽が強い感があるので、むしろこのシリーズのようにブレンドで使うことで活きている気がします。
対してダブルセラーズはフレッシュで若いながら、スモーキーなニュアンスがいいアクセントに。対極にあるボトルですが、よくまとまってこういうウイスキーはハイボールで呑みたいです。

この他、ブースでいくつかサンプルを飲ませて貰っていると、「くりりんさん、次のウイスキートークは参加されるんですよね。現地で待ってますよ〜逃しませんよ〜」と、悪魔のささやきが。
お許しもらえるかなー。是非とも参加したいんですが。。。

【デュワーズ】
ブースとしては12年のハイボールをオススメしていましたが、各レンジの試飲もOK。15年は少々プレーンですが、18年のスムーズな口当たり、オーキーで華やかな熟成ハイランドモルトを思わせる余韻は、長く負担なく楽しめる美味しさです。

【ディアジオモエヘネシー】
MHDさんはラグジュアリーモルトのいつものラインナップ。今年は去年はアードベッグのVRがありましたが、今年は完全にカクテル系。
ウイスキーは200周年のラガヴーリン8年がスタンダード化に伴い積極的に展開。ハイボール美味しいです。
ラガヴーリン8年は今月発売、定価は6100円ってつまり16年と同価格帯なんですが、その辺の整理はどうなるんでしょう。今度教えてボブー!(笑)。

【スコッチモルト販売】
ウイスキーはウルフバーンとコーヴァルを中心に出展。(何気にビールも面白かったという。。。そう、スコモルさんの事務所がある板橋のM's両隣では、なんだか怪しいこと一杯やってるんですよね(笑))
一連のウルフバーンのラインナップを飲んでみると、北ハイランドでスタンダードを取っていけるような、プレーンで丁寧な作りを感じさせる。
また某蒸留所から使用後のクオーターカスクを買い付けているようで、使われた原酒は淡くピーティー。これが意外にいいバランスで、今後も楽しみになりました。


【まとめ(帰宅後追記)】
全てのウイスキー関連のブースを紹介仕切れませんでしたが、気がつけばスタートからラストまで7時間。ぶっ通しで遊ばせて貰いました。普段はWEBで絡むウイスキー関連の知り合いとも会えましたし、充分楽しいイベントだったと思います。
イベントとしては昨年同様にバーショーという名前そのままにブースもエンターテイメント色が強く、バーカウンターを再現したような、かなり凝った造形のものも見られました。
一方ウイスキーはオフィシャルスタンダード中心。マニアックなリリースを求める方には、確かに需要に応えられないと感じるところはあります。ただウイスキー以外の酒類も含めて総合的に楽しむのであれば、上記のように面白さはありましたし、関係者との話の中で勉強になることも多々ありました。

なお一部の出展者からは「こういうイベント構成なら、逆にボトラーズとか持ってきても良かったかも」なんて話もあり、今年をきっかけにまたウイスキー関連の出展が増えるかもしれません。
昔からの参加者としては、やっぱりバーショーはウイスキーマガジンライブであって欲しいんですよね。
そんなわけで出展者の皆様、2日間連続での長丁場大変お疲れ様でした。個人的には今年のイベントもバッチリ楽しませて貰いましたし、来年も参加したいと思います。

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