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ボウモア 22年 1995-2018 ハンドフィル ♯1304 48.1%

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BOWMORE 
HAND FILLED 
Aged 22 years 
Distilled 1995
Bottled 2018 
Cask type Bourbon Barrel #1304 
700ml 48.1% 

グラス:木村硝子テイスティング
時期:開封後1年程度
評価:★★★★★★★(7)

香り:シトラスやグレープフルーツの綿を思わせる柑橘系の爽やかでほろ苦いフルーティーさと、バニラや蒸かした栗のようなオーキーな甘み、スモーキーで微かに焦げ香、塩素、消毒薬を思わせるアクセント。

味:オイリーでとろりとした粘性のある口当たり。香り同様の柑橘系フレーバーと、熟した南国果実の魅惑的なフルーティーさ。魚介出汁のスープ。徐々にウッディでオーキー、島系要素を伴うピーティーさに、柑橘の綿や皮のほろ苦く爽やかなフレーバーがアクセントとなって余韻で長く続く。

近年希少となった90年代前半のボウモアの良い部分がしっかりと感じられる素晴らしいボトル。グレープフルーツなどの柑橘にトロピカルフルーツ、強いピート、そして全体的にフレーバーが厚く紙っぽさを感じさせない作りも、この時代の特徴と言える。少量加水すると爽やかな柑橘系のアロマ、樽由来のフルーティーさが開くような変化があり、長く時間をかけて楽しめる。ハイボールも良好。

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今さら感はありますが、昨年旨いボトルと話題になった、ボウモア蒸留所のハンドフィル。やはり90年代のボウモアはバーボン樽との相性が良いと感じる仕上がりです。
同じハンドフィルで見られるこってこてのシェリー系より、バーボン樽のほうが酒質がもつ要素を後押ししており、個人的に好ましいボトルが多いように感じます。

その好ましさの代表格が特有の南国感ですね。60年代ボウモアとの共通項とも語られる要素ですが、90年代のほうが柑橘系のニュアンス、グレープフルーツの綿のようなほろ苦さが強く、そこにピートや出汁感、そしてフェロモンを思わせる南国系のアクセントがアメリカンオークのオーキーなフレーバーと融合することで後押しされルように感じます。
アメリカンオークのシーズニングシェリー樽ではなく、バーボンバレルやホグスヘッドのほうが、オーキーさが強く出る傾向があるため、良さが際立つというか後押しされるというわけです。

今回のボトルは度数が50%を下回っているため早飲みタイプだと思いますが、基本的に酒精の強い長寿なボトルが多く、あと20年も瓶内熟成したらどうなるか。。。将来的に楽しみなビンテージでもあります。
フルーティーさで言えば1990年代後半も悪くないですし、2000年代も良いものはあります。ただ徐々に酒質が軽くなっていくのも特徴で、総じてフレーバーの複雑さと厚みがなくなって紙っぽさがでてくる傾向は否めない。
今回のテイスティングで、久しぶりに90年代の旨いボウモアを飲んで、当時の良さを再認識させてもらいました。

ロブロイ 12年 1980年代流通 特級表記 43%

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ROB ROY  
Years 12 old 
Fine Old Deluxe Quality 
Scotch Whisky 
1980's 
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1週間以内
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(6)

香り:ピーティーで薄めたみたらし、干し藁のような乾いたニュアンスと若干の紙っぽさ。仄かにハイトーンな刺激を伴うが、時間経過で微かな古酒感と、オレンジママレード、スモーキーなアロマに変化する。

味:ねっとりとしてコクのある口当たり。べっこう飴の甘味とオールブランやオレンジピールのほろ苦さ、土っぽいピートフレーバー。徐々にスパイシーでヒリヒリとした刺激が感じられる。
余韻はみたらしのような粘性のある甘味が舌に残りつつ、スパイシーで焦げたようなピーティーさ、張り付くような余韻で長く続く。

グレンギリー系の強いピーティーさ、オーヘントッシャンの3回蒸留らしい尖った風味。そこに熟成したグレーン。ボウモアよりもこの2つのモルトの影響を強く感じる。少量加水すると刺激が和らぎカラメル系の甘味が広がってバランスが良くなる。開封後時間が必要かもしれない。

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1980年代にボウモア、オーヘントッシャン、グレンギリーの3蒸留所を傘下としていた、モリソンボウモア社がリリースしていたブレンデッド。先日レビューした10年の他、12年があり、1990年代以降ブランドとして残るのはこの12年のほうです。
もっとも、日本には1990年代中頃ないし後半あたりから輸入されていなかったようですが。。。

ロブロイ12年は、1990年頃に角瓶からなで肩のデキャンタデザインに変更。日本に流通しているボトルはこれが最後となりますが、この頃のロブロイはボトルのキャップが樹脂製で、キャップ汚染の進んだロットが複数見られること。
また、蒸溜時期1980年代は、ボウモアだけでなくグレンギリーにもパフュームフレーバーが出ることから、それらを構成原酒とするロブロイにも同様の変化が出ているロットがあり、ダブルで注意が必要。オフフレーバーと石鹸を好むマニアックな趣味が無い限り、角瓶時代のロブロイを狙うのがオススメです。

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(同時期に流通していたロブロイ10年、トップの写真は照明の関係でわかりづらいが、色合いは10年も12年も同じ。やや12年のほうがマイルドかというくらいだが、フレーバーの系統も同じ。ロブロイとモリソンボウモア社については「ロブロイ10年」のレビュー記事を参照。)

”ロブロイ”と言えば、日本ではウイスキーよりもウイスキーベースのカクテルが有名。かつてウイスキー冬の時代は、「ロブロイをソーダ割り、氷無しで」なんて注文したところ、首を傾げながらカクテルのロブロイをソーダで割られそうになったこともあったとか。(某有名バーマンの経験談)
ですが近年はボウモアの評価と人気の高まりから、愛好家を中心に「ボウモアが使われているブレンドとして知られてこの銘柄も知られて来ているように思います。

ただ、この角瓶時代の10年、12年はどちらもグレンギリーを中心にローランドモルトをブレンドしたような、ボウモア比率が低めの構成であるところ。ボウモアが使われている=トロピカルフレーバーという構成にはなっていません。
また蒸溜時期としては1970年代の前半あたりですが、当時ピーテッドモルト代替のためグレンギリーのピーティーさが強く、またボウモアはギリギリパフュームが出ていないものの、フルーティーさは控えめに変化していた時期。このブレンドをそれらの構成原酒のキャラクターから分解すると、得心がいく部分が多く感じられるのです。






ボウモア 12年 旧カモメラベル 1990年代後期流通 43%

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BOWMORE 
ISLAY SINGLE MALT 
Aged 12 years 
1990's 
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★(5ー6)

香り:フローラルでピーティーなアロマ。魚介類の粉末を思わせる島系の癖、干し藁やナッツの軽やかな香ばしさ。合わせて熟したグレープフルーツ、柑橘を思わせる爽やかなアロマがフローラルな要素と共に感じられる。

味:軽やかにドライな口当たり。フローラルな含み香とともに塩気をはっきりと感じる。香り同様に熟したグレープフルーツ、微かにソーピー。余韻はピーティーでほろ苦く、スモーキーでドライなフィニッシュ。

フローラルなニュアンスはあるがソーピーさは炸裂一歩手前。ギリギリ飲むことが出来る不思議なバランス。身構えてしまうが、ボウモアのフローラルさはこういうキャラクターという指標でもある。しかし加水するとソーピーで、一気に前時代的なキャラクターが支配的になってしまう。

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1990年代に流通したシルクプリントラベルと、2000年代のカモメラベル(以下写真参照)の合間に流通した、比較的地味なデザインのボトル。個人的にはカモメラベル時代を前期と後期で分けて、前期の頃のものという整理。恐らく1990年代後半ごろから2000年代にかかるかという頃の流通品でしょう。

主たる香味としては、ボウモアのパフューム時代末期、そしてそこから脱却しかけている原酒の個性を感じることが出来ます。
流通時期の違いで当たり前と言えばそうなのですが、パフューム主体のシルクプリントラベルほどではなく、それが控えめになりシェリー感とフルーティーさが主体となっていくカモメラベルほどでもない。
パフューム6:フルーティー4くらいでフローラルな香味に、島モノらしく潮気を感じさせるニュアンスが強く感じられる。この微妙かつ巧妙な感じが面白くはあるのですが、ダメな人はダメな味と言えます。

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(ボウモア、2000年代以降流通のカモメラベル後期品。カモメラベルと言えば大概はこっちを指すほど流通が多い。この時代はパフューム要素はほぼ無くなり、樽使いも1st fillの比率が増えたのか、スパニッシュ系のシェリー感が強く感じられる。)

ボウモアのパフュームが抜け始めるのが1989年からですので、今回のボトルのロットについては1987、1988、1989年あたりの原酒を使った2001年頃の流通品とすれば、得心がいく構成です。

1980年代は、パフューム原酒を熟成した後のリフィル樽が多く使われていた時代。今回のボトルも樽感はリフィル系統のプレーン寄りで、それ故に酒質由来のフローラルさ、ピート、潮気が分かりやすいのでしょう。
一方で1989年にサントリーから資本が入り、順次設備や樽にも手が入ったという話ですが、カモメラベル前期後期で香味を比較すると、蒸留所が置かれていた当時の状況の違いが伝わってくるようです。

ボウモア 2002-2017 ボウバー & ターロギーソナ 共同プライベートボトル 53%

カテゴリ:
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BOWMORE 
Friendship Private Bottling 
The Bow Bar & Bar Tarlogie SONA 
Distilled 2002 
Bottled 2017 
Cask type Hogshed? #17014 
700ml 53% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:Bar Eclipse
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:シトラスなどの淡い柑橘香とピーティーなアロマ。紙っぽさに通じる乾いた麦芽香やウッディネスが、若干の荒さをもって感じられる。

味:フレッシュでクリア、アタックの強い口当たり。薄めたはちみつやグレープフルーツピール、乾いたウッディさ。奥には木材の燃えカスや魚介の出汁を思わせるニュアンスもある。
余韻はほろ苦くスパイシーで、エッジの鋭いアタックと塩気の刺激。華やかな淡いオークフレーバーがスモーキーさと共に感じられる。

爽やかな柑橘感を香味に備えた2000年代らしいボウモア。樽感は熟成年数に対して平均的というか、アタックのほうが強く、仕上がりはやや荒めでそれもまた蒸留時期を感じさせる。人によっては紙っぽさにも通じる要素もある。加水すると樽感が和らぐ反面、水っぽくなりやすいと感じた。


一時期に比べ、徐々にニューリリースを見ることが少なくなってきた、ボウモアのボトラーズリリース。それもそのはず、オフィシャルからの樽売りがかなり制限されているそうで、今後1990年代はおろか、2000年代すらリリースは危うくなってきていると聞きます。

現在の市場は強いコネクションを持つBARやインポーターの努力、あるいは既存ボトラーがストックとして保有していたものがなんとかリリースされている状況。直近リリースだとOMC 20周年あたりとかはまさにそれで、1990年代のボウモアが安定して購入できた4~5年前には考えられない状況に、ボトラーズ・ボウモアの数年先が見えるようでもあります。

となると、ボウモアのプライベートボトルなぞ中々リリース出来ない時代がまさに今。
今回の札幌・ボウバーさんと、大阪・ターロギー ソナさんの共同プライベートリリースは、そうした厳しい状況の中であえてのボウモア。プライベートボトルではボウモアの代用品を意識したような、別地域のピーテッドモルトがリリースされることも少なくない中で、両店の存在感を発揮したようなチョイスです。

香味はまさに2000年代のボウモアらしい、ボディが少々軽くオークフレーバーの乗りも淡い、良くも悪くもフレッシュなタイプ。しかしオフィシャルのハイプルーフ品にあるような、溶剤や焦げた樹脂っぽいネガ要素が少ないのはポイントで、香味はクリア。紙っぽさもそこまで強くなく、1997年辺りのボトラーズボウモアのいくつかに共通するニュアンスもあるなと。
らしさに加えて若さと荒さがあり、突き抜けて高い完成度ではないですが、なるほどと思えるボウモアだと思います。


なおアイラモルト全体では、例えばキルホーマンやポートシャーロットなど、新興勢力から面白いリリースが増えてきています。
しかしボウモアフレーバーを備えたアイラモルトは、今のところボウモアのみです。
だからこそ、ボウモアはいつまでもボウモアとしてオフィシャル、ボトラーズとも市場にあってほしいものですが、今回のリリースを見るにそう簡単には行かないのも事実。。。

ここから先は市場在庫から、其の時点の相場と照らして良いものから順に消えていき、いつの日か記憶の中だけの存在になってしまうような。そんな一抹の寂しさを感じてしまったテイスティングでもあったのです。

ボウモア 12年 2000年代流通 カモメラベル 40%

カテゴリ:
bowmore-12-2000-tasting
BOWMORE
ISLAY Single Malt
Aged 12 years
2000's
700ml 40%

グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーで塩気とともに黒砂糖やチョコチップクッキーの甘みを思わせるシェリー感、土っぽさ、薬品香に加え、ほのかにダシ系のニュアンスを感じさせる。

味:マイルドな口当たり。かりんとう、プルーンなどの熟した果実、ベーコンのような塩気と脂っぽさ、そしてピーティーな風味。
ややボディは緩く余韻は湿ったようなウッディさ、鼻腔に抜けるヨードとスモーク、タンニンが蓄積する。

シーズニング系のシェリーのニュアンス、そこにボウモア特有の熟したような果実味が感じられる。加水で少々強引に整えたような酒質部分が緩めの構成ではあるが、これはこれでおいしいモルトである。 


そう言えばこのラベルのボウモアもだいぶご無沙汰だなあと、久々にテイスティング。確かこの時代のラベルは、2006〜7年ごろに現行品に続く肩張りボトルに仕様が変更されたと記憶しています。
香味から察するに、今回のボトルはその間際の流通。原酒は全てサントリー資本が入ってからの1990年代前半の蒸留だったのでしょう。所謂パフュームフレーバーがなく、特有の熟した果実を思わせるフルーティーさが特徴として感じられます。
(サントリーのWEBサイトの記載がなく、www.morrisonbowmore.comのみの表記なのも時代を感じる要素です。)

また、久々に飲んで感じたのが、結構シェリー系のニュアンスが強いということ。原酒はシェリーとバーボン樽の混成だと思いますが、その中でファーストフィルのものがエッセンスとなっているのか、あるいはリフィルシェリーの比率が高いのでしょう。
当時の情勢を考えると前者の可能性が高いと感じますが、こってり濃厚シェリーと言うタイプではなくあくまでバランス型で、香味の要所要所でシェリー樽原酒由来のアロマ、フレーバーが主張してきます。

(今回のボトルの1世代前にあたる、シルクプリント時代のボウモア12年。この時代のラベルデザインは素晴らしいのだが、フローラルなパフュームフレーバーが好みを大きく左右する問題児であった。)

サントリー傘下でのボウモアのラベルは、
・1990年代のシルクプリント時代
・1990年代後半から2000年代中頃までのカモメラベル(丸肩ボトル ※前期・後期アリ)
・2000年代後半から2017年のカモメラベル(肩張りボトル)
そして現行品の白壁ラベルへと続いていきますが、スタンダード品のボトルの中で、好ましい要素が揃っていたのは、仕込みの時期が1990年代でサントリー資本に完全に切り替わったカモメラベル時代であったと今更ながらに思います。

現行品が必ずしも悪いと言うわけではないですが、紙っぽさや溶剤系の要素が目立っており、ストレートで飲むなら個人的には前時代を推したいところ。
そのカモメラベル(肩張りボトル)は、酒質がやや軽くなった印象こそあるものの、バーボン系の樽感からフルーティーさはわかりやすくなっており、時代時代のリリースで、メーカー側の方針というか、貯蔵していた原酒の方向性がわかるようにも感じます。

5/2追記:ボウモアカモメラベルの丸肩ボトルには、流通時期で2種類あることを紹介しそびれていました。
後日レビューしていますので合わせて参照ください。

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