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オールド・セントアンドリュース 12年 1980年代流通 特級表記 43%

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OLD St.ANDREWS 
SCOTCH WHISKY 
12 YEARS OLD 
1980's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:サンプル購入@ドーノック
時期:不明
評価:★★★★★(5)

香り:ややドライな香り。グレーン系の甘さ、ザラメや干し草。穀物感の強い香り立ちだが、奥にはシェリー樽を思わせるアロマ。古い油のような癖が微かに感じられる。

味:香りに反してしっとりとした口当たり。はちみつの染み込んだカステラやパンケーキ、グレーンのフレーバーから徐々にほろ苦く、乾いた麦芽を思わせるハイランド系のモルティーさ。微かにクレヨンのような、不思議な癖が鼻孔に抜ける。
余韻は序盤のグレーンの甘味に微かなシェリー感とスパイシーな刺激が混じり、張り付くように残る。

多少の癖はあるが、熟成したグレーンを主体にプレーン寄りな内陸モルトというマイルドなブレンド。シェリー樽が隠し味として効いており、上位グレードの21年に通じる要素と言える。飲みやすい反面ピートフレーバーはほぼ無く、面白味もあまり無いが、この辺りは流石特級時代というべきか、現行品に比べて味は濃い。飲み方はストレートかロックを推奨。

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1970年代に日本市場向けのブランドとして登場した、オールド・セントアンドリュース。ゴルフコースとして知られる聖地の名を冠した銘柄です。 その歴史は、先日レビューしたエクスカリバー同様に、当時の市場でよく見られるポッと出の輸出向け銘柄・・・と思いきや、調べてみると、作り手は古くからスコッチウイスキーのブレンダー(所謂外部委託を請け負ってブレンドを作成するような)企業だったようで、1970年代に大きな方針転換があったようです。

この方針転換には、トマーティン蒸留所が関わっていたとされています。トマーティンは1974年に大規模な拡張工事を行い、年間生産量で1250万リットルとスコットランド最大の規模の蒸留所となりますが、先見の明がなかったというべきか、運命のいたずらと言うべきか、徐々にスコッチウイスキーの消費が低迷し、冬の時代と呼ばれる1980年代に入ります。

多くの蒸留所が生産調整を行い、一部が操業を休止する中、1985年にプロジェクトからトマーティンは離脱し、1986年に会社を清算。同年、宝酒造に買収されるわけですが、一連の流れから考えるに、トマーティンは自国内並びにヨーロッパでの消費が伸び悩む中で、原酒を活用する活路の一つを、この銘柄で日本市場に見出したのかもしれません。

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(1970年代流通、760ml表記のオールド・セントアンドリュース12年。21年はコルクキャップ仕様となる時代だが、12年はネック部分の特級シールの形状で見分けられる。)

努力もむなしくトマーティンは極東の島国の一企業の傘下に入るという結末を迎えてしまうわけですが、ここで誕生したセントアンドリュースというブランドは、日本国内のウイスキー冬の時代すら生き抜き、現代まで続くブランドとなります。
1970~1980年代は、ノンエイジ(ゴルフボール型のボトル)、8年、12年、21年が。
1990~2000年代には、イーグル、アルバトロスといった、ゴルフのスコアに絡む用語を銘打ったブレンドに、10年熟成(一部21年熟成)で樽型のボトルに入った単一蒸留年のブレンデッド並びにピュアモルト等、様々なリリースが展開されていました。
近年はゴルフボール型ボトルでのリリースが主流で、エイジングはノンエイジから21年まで。この辺りは父の日ギフトなんかにも喜ばれそうなボトルですね。

構成原酒については、今回のボトルの流通時期にあたる1970年代~1980年代当時のものは、上記の経緯から明らかであるようにハイランドモルト、トマーティンが主体であると言われています。
トマーティンが使われているブレンドとしては、BIG-Tがありますが、セントアンドリュースのほうはグレーンが強めなため、風味は別物。しいて言えば独特なシェリー感等共通する部分があると言えばあるような・・・というレベル。
1985年以降、トマーティンの離脱後のキーモルトはわかりませんが、1990年代にハイランドモルト表記のボトルがリリースされていたことから、原酒の提供は続いていたのではないかと思われます。(近年のリリースは、スペイサイドモルトとグレーンのブレンドとして説明されているため、トマーティンではないようです。)

余談ですが、個人的に樽型ボトルの1984年蒸留表記(生まれ年)が欲しいのですが・・・リユース市場にあるのは82、83、85年ばかりで、84が見当たらない不思議。製造されなかったとは思えないのですが、巡り合わない。なんでかなー。

エクスカリバー 10年 1980年代流通 43% 特級表記

カテゴリ:
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EXCALIBUR EXCELLENCE
BLENDED SCOTCH WHISKY 
YEARS 10 OLD 
1970-1980's 
760ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:サンプル小瓶@ドーノック
評価:★★★★★(5)

香り:柔らかく甘いアロマ。焦げたみたらしのような甘みと香ばしさ。モルティーな風味にはオレンジ系のニュアンスを伴うが、合わせて粘土や青みがかった植物感、オリーブを思わせる癖も伴う。

味:スムーズでやや粘性があり、みたらしや鼈甲飴を思わせる甘味と、焙煎した麦芽のほろ苦さ。じわじわと舌の上にひりつくような刺激、ほろ苦く微かに乾いた植物、ケミカルなニュアンスも感じる。

オールドブレンドだなという古酒感。香味に備わった癖からメジャーどころじゃないハイランドの原酒に、グレーンのみたらしや蜂蜜っぽい甘味、ローランドモルト由来のソフトだがひりつくような刺激という組み合わせ。思いのほかモルティーで、4~5割程度と比率も高そうだが少々個性的な部分も。加水すると香りは古典的な麦芽香を主体に、味もまたマイルドに。ハイボールにして使いやすそうなオールドである。

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エクスカリバーは、1980年代まで巴工業が輸入していた輸出向けブレンデッドウイスキーです。
巴工業と言えば、この80年代前後で多くのウイスキーを輸入しており、スコッチでは主にリンクウッド、チェッカーズ、姉妹銘柄のアボットチョイスが有名ですが、他にはベンネヴィス、グレンハンター、グレンターナー、オールド&セントリュース等。大手はDCLのリンクウッド系列のみで、マイナーが多めです。

同社の本業はアメリカ企業をルーツのひとつとする、機械装置並びに合成樹脂や化学材料などの化学品を輸入販売するメーカーです。
酒類は事業の一環として、スコッチのみならずバーボン、ワインと手広く行われているようですが、最近はワインが中心の模様(平成11年に分社化し、巴工業ワイン&スピリッツ社として活動)。ブームが終焉した1990年代には、関連するスコッチ銘柄の取り扱いを整理する等動きも早かった印象があります。
一方で、ネットもない時代にどうやってこんな銘柄(特にマイナー銘柄)を探していたのか。逆に言えば、繋がりのあるところからの紹介なのではと考えられ、当時DCLは多くのブレンドメーカーに原酒を販売していた実績があることから、何かしら関連があるのかもと感じています。

エクスカリバーは買い付けた原酒による輸出向け銘柄であり、輸入終了が先かブランド終売が先かは不明ながら、1980年代後半あたりで流通が無くなっています。(その後約30年が経過し、2018年にはMedowside Blending社からエクスカリバー1972年という長期熟成ブレンデッドがリリースされていますが、同社が版権を取得してリリースしたもので、中身の関係性はありません。)
一方で、上位グレードの12年含めて複数リリースされていたことから、原酒の確保は製造側との間で一定の契約を持っていたことが伺えます。

つまりそこそこちゃんとしていた銘柄だったと。
この点、1980年代に増えていた零細メーカーの”自称名門スコッチ勢”とは違うのですが、エクスカリバーという知名度ダントツ、通りの良すぎる名前が、観光名所のこじつけお土産に見えて、何となくスタンダードグレードを敬遠してしまっていました(笑)。



ウイスキー仲間から味は悪くないという話も聞いていました。
実際飲んでみると確かに悪くないですね。モルティーさにちょっと癖がありますが、適度な厚みにグレーン由来の甘みが上手く混じり、オールドスコッチらしい構成を楽しむことが出来ます。
上の12年に比べて、10年は樽感がそこまで濃くなくソフトなので、逆に原酒由来の風味を拾いやすい構成。麦芽由来の風味に癖を感じるので、例えばハイランドはディーンストンとか当時のトマーティンとか、ローランドはリトルミルとか、連想するのはそのあたりの蒸留所。少なくともリンクウッドはないと思います(笑)。

エクスカリバー10年は流通時期の関係から760ml表記と750ml表記があり、当然前者のほうが古く70年代後半あたりと推定。日本の容量表記は背面シールでしか見れませんが、表ラベルの75CL 43%の位置が、ラベル上にあるか下にあるかで区別することもできます。(上側にあるほうが古いです。)
最近はウイスキー愛好家も例に漏れず、若手中心に某ソーシャルゲームが流行っているので、関連ブランドとして注目されてるかなと思いましたが、そうでもない様子。勝利は約束できませんが、マイナー銘柄故に流通価格も安価なので、オールド入門にはピッタリなんじゃないでしょうか。


※以下、雑談※
昨年、オールドブレンドレビュー用にドーノックさんで買っていた小瓶、すっかり忘れてました。
最近、関連免許の取得制限等が緩和されて、限定的ですが量り売りが出来るようになるなど、ウイスキーの小瓶量り売りが愛好家の間で浸透しつつあります。
近年、その量り売り専門店としてWEB販売の草分け的存在が、以下の2社です。

・ドーノック(50mlのサンプルボトルを販売)
https://shop.dornoch.jp/

・ひとくちウイスキー(30mlのサンプルボトルを販売)
https://hitokutiwhisky.com/

ドーノックさんはオーナーの趣味が強くラインナップに出ていて、現行品だけでなくオールドの量り売りが豊富。一方で、ひとくちウイスキーさんは現行品を中心に、オフィシャル飲み比べ等のスタンダードなラインナップが中心となっています。
また、最近ではスコッチモルト販売(サケトライ)さんが始めたシェアバー、Whisky House 夢喰さんのボトル買取の取り組みなど、BARのバックバーにあるボトルを小瓶売りするサービスも始まっており、自宅に居ながらレアなボトルを含めて楽しむことが出来るようにもなりました。 このほか、自分の周囲のBARでは店頭での量り売りが始まっています。

・THE SHARE BAR
https://www.saketry.com/the-sharebar/?sl=ja

・Whisky House 夢喰
https://store.shopping.yahoo.co.jp/whiskyhouse-baku/barb1feb1e.html

緊急事態宣言が解除に向かいつつあり、経済活動も再開しつつありますが、宣言が解除されれば、そこでウイルスの影響がなくなるわけではありません。海外の状況を見れば、第2、第3段階の感染がおこることも予想され、同ウイルスがただの風邪になるまで、継続的に経済への影響は続いていくものと考えられます。
そのため、アフターコロナの社会にどのようにBARや飲食業界が対応していくのか。上述の量り売りや、バーチャルな環境でのサービス提供というのは一つポイントになると思います。
(これらは日本の社会にある、レベルの高い物流サービスによって支えられています。こうした難しい状況の中で働いてくださっているドライバーの皆様には、本当に感謝です。)

量り売りは良い面もあれば、そうでない面もあると思います。しかしネガティブな部分は、そのものの解消、あるいは何かで代替するなどして打ち消すことが出来るものです。
アフターコロナの社会は、社会構造がこれまでと大きく異なることが予想され、もはや新しい時代と言えるものです。その新しい時代の新しい文化の一つとして、これらの取り組みが根付き、新しい形でウイスキー文化が広まっていけばと感じてます。
レビューと雑談、どっちが本編かわからなくなってきましたので、今日はこの辺で(汗)。

アンティクァリー ブレンデッドスコッチ 1970年代流通 43%

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The Antiquary 
De Luxe Old Scotch Whisky 
1970's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★(5-6)

香り:軽やかでドライ、干し草、ザラメやカルメ焼きを思わせる甘さのあるアロマ。微かに洋梨を思わせる甘みと、ツンとしたアルコール感を伴う。

味:マイルドな口当たりから、鼈甲飴やバニラ、適度に熟成したグレーンのコクのある甘み。軽やかな香ばしさを感じる麦芽風味もあり、ハイランドタイプのモルトのフレーバーが広がる。余韻はスウィートで序盤の甘みが口内に張り付くように残るが、合わせてほろ苦いピート香も感じられ、口に含む毎に蓄積していく。

内陸系原酒メインと思しきプレーンなブレンデッド。これと言う特徴はないが、モルトの比率はそれなりに高いようで香味の広がりや、少量加水、ハイボールともに良好。特に加水で開く麦芽風味とピートフレーバーから、キーモルトの素性の良さが感じられる。
久々に飲むとなんだか落ち着く味わい。華やかなオーク、濃厚なシェリー、強いピート、あるいは多層的なフレーバー・・・そういう派手なキャラクターと異なる世界にこのウイスキーの魅力はある。シングルカスクに飲み疲れた人におすすめしたい。


無名なブレンド銘柄・・・と見せかけて、そのルーツは1887年までさかのぼり、1948年からはDCL傘下にあったという歴史ある銘柄。1996年にトマーティン傘下となり、近年ではNAS、12年熟成品に加えて21年、35年という長期熟成品までラインナップに備えているようです。
トマーティンと言うことは、宝酒造系列になるわけですが、調べると確かに取り扱いはある一方で、国内にPRな積極的に行われているとは言い難い銘柄ですね。

今回のボトルは1970年代流通品で、上述のとおり銘柄がDCL傘下にあったころのもの。その流通時期の見分け方は、ボトル形状とエンブレムにあります。
1960年代以前のものはボトルがグリーントールでコルクキャップ。また、ラベルには酒棚に手を伸ばす冒険家の後ろ姿が描かれているのが特徴で、今回のボトルとは全くの別物というデザインです。(以下、画像参照)
1970年代に入ると現行品にも通じる角ばった独特な形状のボトルに加え、エンブレムとしてオクタグラムが貼り付けられるようになります。このオクタグラムが、ボトルのデザインに反して子供の工作のようで、妙に安っぽい。。。また、この当時から12年熟成品もリリースされるようになります。

1980年代は、オクタグラムのロゴが「EST1857」と書かれたシールに置き換えられ、ラベルの記載もスタイリッシュに。ボトルのデザインコンセプトと乖離がなくなったような、統一感のあるデザインに変更されています。
しかし味は・・・70年代に比べてドライで、コクがなくなっており寂しい感じに。ストレートで楽しむなら70年代推奨です。
その後現行品に至る中で、エンブレムシールそのものが廃止されていますが、ボトルデザインは1970年代から継続する形になっています。

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(1960年代流通のAntiquary。一見すると同じ銘柄とは思えない。他のスコッチにもみられる変化だが、60年代から70年代にかけては量産とボトルに関する技術革新(特にスクリューキャップの本格導入)があったためか、多くの銘柄でこうしたデザインの刷新が行われている。個人的にはこのデザインのほうが好みなのだが・・・ 画像引用:The Whisky Excfhange)

Antiquary
(Antiquaryの現行品。ホテルのラウンジで提供されるような高級感があるデザイン。ただし味は他社のスコッチの例に漏れず・・・といったところか。国内には12年のみが正規流通しており、以前イベントで舐めた記憶が。機会があれば21年や限定品の35年は飲んでみたい。)

さて、このアンティクァリーのキーモルトについては、宝酒造のWEBページでクラガンモアとベンリネスであると説明されています。
DCLないしUD時代は不明ですが、どちらもDCL傘下の蒸留所であるため、当時から変わっていない(あるいは宝酒造側が昔の情報を載せ続けている)としても、違和感はありません。
例えば、この70年代の構成で考えると、クラガンモアの穏やかな麦芽風味にほのかなピート、ベンリネスのシャープなフレーバー。現行品に関してはブランドの所有権がトマーティンに移ったにも関わらず、トマーティンベースでない方が不思議というか。。。

また、アンティクアリィーの特徴には、モルトのブレンド比率が45%と、通常のスタンダードブレンドに比べて高いという点があります。今回のボトルを飲む限り、香味の面からみても、キーモルトや比率とも1970年代も同様といっても納得できる構成です。
個人的にこういうブレンドは、たまに飲むとほっと出来るというか、実家に帰ったような気分がして安心できるんですよね。
何かを追求することなく、ぼんやりと楽しんでほしい1本です。

カティサーク キングダム 1980年代流通 43% 特級表記

カテゴリ:
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CUTTY SARK 
KINGDOM 
FINEST OLD SCOTS WHISKY 
1980's 
750ml 43% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:新宿ウイスキーサロン
評価:★★★★★(5)

香り:ライトでドライ、乾いた植物や木の削り屑、鼻腔への軽い刺激。奥にはバニラや品の良い白系果実、洋梨のピューレを思わせるモルティーな甘さも感じられる。

味:マイルドで柔らかい口当たり。熟成したグレーンの蜂蜜のようなコクのある甘さと、ハイランド系の麦芽風味、熟した洋梨、乾いた植物に微かに灰のようなアクセント。余韻は少し粉っぽい舌触りに、ほろ苦く微かに内陸系のピーティーさが残る。

系統としてはライトタイプのブレンドで、香り立ちはややドライだが口当たりはまろやか。熟成したスペイサイド、ハイランドのプレーンなモルトがメインに使われているように感じられる。状態さえ妥当なものを引ければ、中身の質はそう悪くないが、ピートやフルーティーさなどの要素が目立つわけではなく、面白味には欠ける。

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1980年代中頃(一説では1983年)、日本市場向けの商品として投入されたとおぼしきブレンド。カティサーク・キングダム。
1990年になる頃には終売となったようですが、その後通常ラインナップに”インペリアルキングダム”が登場。ブレンドの系統としては前身にあたり、通常のカティサークの上位グレード版という位置付けに当たります。

それは1980年代中頃の流通でありながら、裏ラベルに”従価表記”があるとおり、カティサークが2000~3000円程度の時代に店頭5000~1万円と強気な設定のウイスキーだった模様。
通常ラインナップで同価格帯に当たる当時の12年との違いはというと、12年が色濃くリッチなブレンドであるのに対して、キングダムはノーマルのカティサークブレンドの方向性やレシピを引き継ぎつつ、モルティーさと熟成感を伸ばしたような構成で、一応の住み分けはされています。
(キングダムにも12年があり、それがライト路線か、リッチ路線かは飲んでいないため不明・・・。)

当時、洋酒ブームと好景気に沸く日本市場には、このカティサークに限らず様々なウイスキーが輸入されました。奇しくもスコッチウイスキー業界としては冬の時代であり、日本市場はアメリカ市場と合わせて救世主のような存在だったのでしょう。
その結果、紡がれた繋がりは1990年代からの日本市場における長期不況、ウイスキー冬の時代を越えてなお続く、現在のウイスキー業界の下地となっていることは間違いありません。

ただし、当時のスコッチウイスキーの日本市場限定銘柄には、値段の割りに微妙なモノが多い印象があります。(ホワイトホースデラックス等のように、良いモノも一部ありますが。)
キングダムの構成は、価格がそれなりだったこともあり、熟成した原酒由来のコクのある甘味が感じられ、悪いものではありません。加水で伸びて、ハイボール用に使いやすいなど強みもあります。
しかしフルーティーさで言えば同じBBR社リリースのセントジェームスに及ばず、香味の濃さは通常12年に及ばない。熟成感やモルティーさの強さで言えばベリーズベスト・ブレンデッドもある。強みであるハイボールならノーマルなカティサークのオールドでも充分だし、なにより他社銘柄に選択肢が豊富でレッドオーシャン。。。

原酒構成は恐らく通常のカティサークと同じ系統で、タムデューやグレンロセス、あとはグレングラッサあたりの内陸系メイン。
決して不味いとは言いませんが、(キャップの問題も抱えているので、リスク回避として横置き物は厳禁)、現代のリユース市場での値付けが1500円から2500円程度と考えると、ある意味で現実的な適正価格と言わざるを得ない。なんとも微妙な立ち位置となってしまっているのが、このブレンデッドなのです。


補足:緊急事態宣言に伴う外出自粛のため、BAR飲み関連の記事は過去テイスティングしたもの、掲載されていなかったボトルのレビューとなります。

ロバートブラウン 特級表記 1970年代流通 43%

カテゴリ:
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ROBERT BROWN 
Deluxe Whisky 
KIRIN-SEAGRAM-LIMITED 
1970-1980's 
760ml 43% 

グラス:グレンケアン
時期:開封2週間程度
場所:自宅
評価:★★★(3-4)

香り:あまり香りが立たないが、うっすらとモルティー、麦茶や干し草、微かにフローラル。甲類系のアルコール感を伴う。

味:味わいはマイルドで風味もそれなりにある。カステラの茶色い部分やカラメルシロップを思わせる甘みとほろ苦さ、グレーンのとろりとした甘み。余韻はビターで序盤の甘みが引き締められ、くどさのないフィニッシュ。

内陸タイプのプレーンなモルトに、グレーンスピリッツのブレンド、あとはカラメル調整。香りはよく言えばクリーンだが、味のボリュームに反して香らない不思議なウイスキーで、これはグレーンスピリッツの特徴に合致する。当時の飲み方として癖なくマイルドで、ハイボールや水割り等、味の伸びを意識した作りだったのだろう。実際加水すると味わいは伸びが感じられ、甲類感もそこまで目立たない。キンキンに冷やして薄めのハイボールは、昭和の味か。。。


先日、酒置場を整理していたところ、奥のほうに転がっていた、買ったことすら記憶にないロバートブラウンのオールド。おそらく、オークションでセット買いした時についてきたブツで、どうにも使われないまま放置したものでしょう。ちょうどいいからレビューしておこうと思います。

ロバートブラウンは60~70年代生まれの方に、昔良く飲んだなと思い入れがあるボトルのようですが、個人的にも思い出深いボトルの一つなのです。
同ブランドをリリースするキリンシーグラムの設立は、御殿場蒸留所と同じ1972年。ロバートブラウンは同時期からリリースされているブレンデッドなのですが、当時のものは御殿場の原酒が無い中でつくられていることになります。
ならばその原酒はシーグラム系列の輸入原酒が使われているのではないか。中身はスコッチなのではないか?と考えたのが、オールドに目覚めたばかりの約10年前の自分です。(シーグラムと言えばシーバスリーガル。ってことはストラスアイラか!なんて安直にも考えていたような記憶が。。。笑)

当時はWEBに情報がありませんでしたが、最近はロバートブラウンの歴史として、1972年にスコットランドから輸入された原酒をもとに、アメリカの工場で試作品を作ったというエピソードが紹介されています。
史実は上記リンク先を確認いただければと思いますが、輸入原酒が使われていたのは事実であり、現在も10~20%程度は輸入原酒のようです。ちなみに現行品は、御殿場の原酒の比率が増えていて、バーボンっぽいグレーン系の香味が主体です。


さて、このロバートブラウンの1980年代流通あたりは、10年前当時古い酒屋を巡れば比較的簡単に見つけることが出来たボトルでした。
ワクワクしながら何本か買ったのですが・・・あれ、思っていたのと違う。いやこれは1980年代だから違うんだ、1970年代の流通初期のボトル(沼津税務署のコード「沼津16」が記載されたもの)なら、もっとスコッチの風味がするかもしれないとまた酒屋を巡って探し出して、購入して・・・(以下略。

当時の自分には、1960~70年代のスコッチ原酒を使いながら、なぜこんな味になるのかが謎でした。それこそ、特級ルールを逆手に原酒3割以外はブレンドアルコールで水増ししてるから?なんて想像していましたが、しかし今再び飲んでみると、バーボン系の蒸留所で作られている、グレーンナチュラルスピリッツで全体が調整されていたのではないかと思えてきます。
特に、香りが立たないのに味はコクのある甘みを感じるあたりは、該当するスピリッツの特徴そのものです。
まあ当時の予想は当たらずとも遠からずだったというか、これで納得。10年振りのテイスティングは無駄じゃなかったということで、本日はこの辺で。

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今日のおまけ:ティトス ハンドメイドウォッカ
最近、生絞りレモンサワーや、冷凍フルーツを氷替わりにしてウォッカを注いで飲むのにハマっていて、雑味が少なく柔らかい甘さがある、それでいて手軽に買えるものがないか探していました。
ウイスキーに比べれば安価ですが、4000円前後のカフェウォッカやシロックは、じゃぶじゃぶ使うにはちょっと高いんですよね。そしてたどり着いたのが、都光酒販輸入のティトスです。原料はコーン100%で連続式蒸留器で6回蒸溜、所謂グレーンナチュラルスピリッツ。香りはクリアながら、味には柔らかいコクと甘みがあり、口に含んだ時のボリューム感もいい感じ。
冷凍庫にぶっこんで、あとはその日の気分でフルーツと合わせる。今年の夏はガンガン消費して酒カス化が進んでしまいそうです(笑)

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