カテゴリ:
IMG_3080
FARNESE
EDIZIONE
Cinque Autoctoni
No,15
Lot 2013
750ml 14%

今日はちょっと脱線して、最近ヒットだったワインの紹介です。
そのスジの人なら知らない方が少数であろう、イタリアの超有名ワイナリーであるファルネーゼ。
同社のラインナップの中で特に有名なのが、カサーレ・ヴェッキオ。フルボディな赤が好みなら、フランスの"よくわからないコンテストで金賞取ったワイン"なんかより断然オススメできる1本で、それ以外の銘柄も迷ったらとりあえず、という中に入ってくる、人気と実績のあるワインの生産者です。

今回紹介するエディツィオーネは、ファルネーゼのラインナップでハイエンドに位置する1本。
特徴的なのが、所謂スーパープレミアムワインという上位グレードにありながら、ラベルに醸造年の記載が無く、格付けもイタリアワインの中では最も低い"VdT"となっていること。(そしてボトルが一般的なものより一回り分厚く、やたら重い(笑)。)
その経緯は、縦に長いイタリアの北から南まで、複数の畑で収穫した葡萄5種類を別々に醸造・熟成させ、年毎の状況に応じてブレンドしているため。ビンテージも畑もバラバラとなり、イタリアの規定上ではビンテージを付けられず、格付けも低くなっているのだとか。
ウイスキーで言うところ、複数蒸留所と複数ビンテージを使ったノンエイジ表記のブレンデッドみたいなものですね。

通常、ワインの製造行程は、そのワイナリーが所有する畑で作られた葡萄が用いられるわけですが、村名ワインだったり、桶買いなども多く、畑と葡萄が複数となることも珍しいことではありません。 
特に安価なワインに多く見られ、それらが全て微妙とは言わないものの、まあピンキリですよね。
良く作ろうと思えば様々な品種や畑の良いところを掛け合わせてすばらしいものが作れるし、その逆も叱り。
そしてこのエディツィオーネはどうかと言うと・・・「品質が全て」という同社の方針を体現するかのように、実にはっきりと旨い赤ワインなんです。

IMG_3081

香りは開封直後から甘く華やかで、ブルーベリージャムやダークチェリー、微かに燻したようなスモーキーさ。時間経過でクランベリーを思わせる香りも開いてきます。
口当たりはどっしりとしてフルボディ。陰干し葡萄のアマローネを思わせる濃い甘みと果実味、奥に梅干の酸味。中間から余韻にかけて感じられるタンニンはきめ細かく、濃い赤にありがちなくどさがなくすっきりと消えていくバランスの良さ。
大胆にして繊細というか、人によってはあざといと感じる味わいかもしれませんが、個人的に「イタリアワインは気難しいことなく、わかりやすいのが良い」と思ってるので、"良いイタリアの赤"としてすんなり受け入れられました。
今すぐ飲んでもこの通りポテンシャルを発揮しますが、5年くらい熟成させても面白そうです。

ウイスキー的な視点で考えると、こういう構成はシェリー系が好きな人の琴線に触れるものがあるように感じます。
また、うちの妻はワインは白派で、赤はよほど良いもので無い限りは受け付けないのですが、これは好みに合った様子でおかわりまで。結構万人受けする味なんじゃないかなとも。
料理との相性も中々良く、先日は鴨と合わせましたが鉄板の組み合わせ。先週末は鳥と豚の合びき肉のおろしハンバーグですが、ケンカすることはありませんでした。
それ単体で楽しめる上質な味わいがありながら、食事にも合わせやすい。気軽に楽しめるところが良いですね。

IMG_3069

ちなみにこのワイン、F1レーサーであるミハエルシューマッハのお気に入りで、パレット単位(1パレット600本)で購入して、サーキットから私生活まで、様々なシーンで使っていたそうです。
実は何も知らずに購入して、後から調べて「へー」となったのですが、いやはやこんなワイン毎日飲めたら幸せだろうなぁと。
この他、ワイン雑誌のコンテストで全イタリア銘柄の中でトップだとか、こだわりの製法(詳細)とかは、グーグル先生にお伺いを立ててください。 

市場価格は1本4000円ほど。デイリーとしたら高いですが、スーパープレミアムワインとしてはお買い得な価格設定。味から考えても充分アリです。
ちょっとしたパーティーや、記念日などで贅沢な食事を家でするときのお供に良いかもしれません。