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ニッカウイスキー 竹鶴 ピュアモルト 2020年リニューアル 43%

カテゴリ:
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NIKKA WHISKY 
TAKETSURU 
PURE MALT
Release to 2020 
700ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1~2週間程度
評価:★★★★★(5-6)

香り:軽やかな華やかさを伴う、乾いたモルティーさ。シトラス、ドライオレンジピールの柑橘香の爽やかな酸と、微かに乳酸、ラムネようなニュアンス。奥には湿った土のようなピート香。また、時間経過で生焼けホットケーキのような麦芽香も混じる。

味:厚みのあるしっかりした口当たり。若干のバニラ系の甘い含み香から、主体となるのはモルティーで香ばしい風味。香り同様の酸味が若さを連想させ、若い原酒故の粗さも一部ある。微かにオークの華やかさ、焦げたようなほろ苦いピートフレーバーが余韻にかけて広がる。

最近のニッカらしい味。若い余市を連想させる構成だが、ネガティブな要素はブレンドで上手く抑えており、酒質由来の酸味と膨らみのあるモルティーな風味を楽しめるのがポイント。
加水すると奥にある宮城峡の原酒由来と思われるフルーティーさ、オークフレーバーが顔を出す。ハイボールにしても風味が崩れず、使われている原酒それぞれの良さを引き出しているような、確かなブレンド技術を感じさせるウイスキーである。

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2週間更新していなかったので、このボトルのUPもだいぶ遅れてしまいました。2020年3月にリニューアルした、竹鶴ピュアモルトの新ボトル、通称"新竹鶴"です。

2015年にリニューアルした余市、宮城峡と同様に、原酒不足から竹鶴の既存ラインナップ4種(NAS+エイジング3種)を生産終了とし、新たにNAS仕様でリリースされることとなったのが今回のボトル。
発売前の情報だと、特に余市原酒の比率を増やしているとされていましたが、仕上がりは事前情報のとおり、全体の半分以上は余市だと感じる香味構成です。
また、余市原酒の中でもヘビーピート原酒のキャラクターを余韻にかけて感じますが、全体構成はあくまでバランス型で、がっつりスモーキーでピーティーと言うタイプではありません。

一方、比較的若い10年熟成未満の原酒が多いのか、若さに通じる酒質由来の酸味が感じられると共に、余市のキーモルトはシェリー樽とのことですが、リフィルなのか樽感はそこまで色濃くなく。かつてニッカのウイスキーは新樽原酒を筆頭に、この真逆と言える圧殺するようなオークフレーバーが特徴的でしたが、最近はあまり樽の内側を焼かないようなプレーン系統の樽使いが特徴の一つでもあります。
良い意味でもそうでない意味でも、予想通りな仕上がりでした。

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(同じNASスペックの竹鶴ピュアモルト新旧。旧のほうも若い原酒の要素はあるが、色合いは濃く、”例の原酒”の個性と言えるケミカルなフルーティーさが感じられる。ジャパニーズウイスキーとして新のバランスは悪くないものの、総合的なコスパという意味では旧のほうが上と言わざるを得ない。)

レシピを香味から推察すると、主軸は上述の通り半分以上を占める余市、あとは宮城峡が3~4割、そしてその他原酒が1割程度使われているかどうか。旧と比較してジャパニーズ系統の風味が強くでています。
宮城峡の原酒は、シェリー樽原酒は少量を繋ぎ程度で、主としてはアメリカンオークのリメード、バーボン樽系の原酒を使っているのでしょう。軽やかな華やかさに通じるオークフレーバーが酒質由来の風味の裏側にあり、多層的な香味の下支えとなっています。

一方、竹鶴ピュアモルトの構成原酒と言えば、余市、宮城峡以外にもう一つ、”その他”としてベンネヴィスの原酒を使っているという説が、愛好家の間では公然の事実となっています。
これについては賛否が分かれるところですが、少なくともベンネヴィスを買収して再稼働させたニッカと、同蒸留所の会長も務めた竹鶴威氏の存在を考えれば、”竹鶴”という銘柄に、ベンネヴィス原酒を使うことに何の問題もないとは思います。それをどう説明して売るか、広報戦略の議論はありますが。。。

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(ベンネヴィス蒸留所から故竹鶴威氏の業績を称え、リリースされた再稼働直後のファーストカスク。こうしたリリースは他の蒸留所を見ても過去例がなく、ニッカとベンネヴィスの結び付きの強さを感じさせる1本。)

しかしジャパニーズウイスキーが注目される中で、日本産ウイスキーに輸入原酒を用いるべきではない、表記は整理すべき、あるいは輸入原酒を用いた疑似ジャパニーズけしからん、とする声が大きくなってきているのも事実です。ウイスキー文化研究所が中心となって、ジャパニーズウイスキーの定義づくりが進んでいるという状況もあります。
今回リニューアルした竹鶴ピュアモルトを飲むと、ニッカまたはアサヒビール側がそうした動向を意識したのでは?と感じる味わいでもあるのです。輸入原酒が全く使われていないかどうかは不明ですが。。。使われていたとしても、旧作に比べて量は相当控えめでしょう。

ちなみに現在販売されているオフィシャルシングルモルトでも良いので、余市と宮城峡を混ぜてみると、これが面白いほどに馴染まないことがわかります。どちらも酒質のしっかりとした(特に余市が強い)ウイスキーなので、バランスをとるのが難しいんですよね。個性の強く出ている蒸留所限定品や、シングルカスクの場合は特にです。
そこにベンネヴィスを混ぜると、不思議とバランスが良くなって、なんだか馴染み深い味にも。。。つまり、今回の竹鶴のリニューアルは、原酒以外の社会情勢や、我々が思う以上の制約の中で作り出されたとも考えられます。

若く個性の強い余市と宮城峡原酒に、熟成した原酒や一部シェリー樽原酒を使い、ネガ要素を抑えつつフレッシュな香味を残したブレンデッドモルト。ジャパニーズとしての竹鶴。突き抜けた味わいではありませんが、将来を考えて安定して使える材料で、ベストを尽くしたと言えるウイスキーだと思います。

しかし竹鶴ピュアモルトの新リリースは、年間22000ケース限定(海外向け8000ケースと合わせて30000ケース)での生産。これは竹鶴12年が発売されたウイスキー冬の時代、2000年当時の年間実績15万ケースの僅か1/7であり、市場の温度差を考えると吹けば飛ぶような本数です。
アサヒビールは年間60億円以上を投資して原酒増産を開始していますが、現時点で原酒をやりくりし、日本寄りのレシピで作れるのは、この本数が精一杯という現実なのかもしれません。実際のところ高い人気があるにも関わらず、2019年の竹鶴ブランドの出荷本数(生産上限)が10万ケースにまで落ちていたところからも、その厳しい原酒事情が伺えます。
一刻も早く原酒の熟成と供給が安定し、このブレンド技術のもとにさらに美味なウイスキーが誕生することを期待したいですね。

グレンハンター 21年 ピュアモルト 1980年代流通 43% 

カテゴリ:
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GLEN HUNTER 
PURE MALT 
21 YEARS OLD 
1980-1990's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明(1年以上は経過している、覚えてない・・・)
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:ゆったりとした色濃い甘さと膨らみのある香り立ち。デーツやレーズンなどのダークフルーツ、カラメルコーティングしたナッツ、カカオチョコレート。このスウィートでウッディなアロマは、古き良き時代のシェリー感に共通する要素の一つ。

味:若干の緩さはあるが、濃厚なシェリー感主体。香り同様の構成で、ダークフルーツとカラメルソース、ほのかに無花果の甘露煮。粘性と共に少しモルト由来の刺激、樽の裏側のようなざらつくウッディさも感じられる。余韻はオールドシェリーたる色濃い甘さが、ほのかなえぐみ、タンニンを伴い長く続く。

オールドシェリーのひとつである、カラメルソースを薄めたようなシェリー感のあるボトル。GMシェリー、あるいは同時期のグレンファークラスのオフィシャル加水の風味にも似ている。加水のオールドであるため緩い口当たりだが、ブレンデッドモルトらしく繋ぎの粗さが多少ある。それを除けばシェリー樽熟成モルト、往年の味わいを気軽に楽しめる1本といえる。

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愛好家の間では、ちょっと知られたボトルであるグレンハンター・ピュアモルト。どうも日本(またはアジア地域)への輸出銘柄だったようで、リリースもこの時期のみ。グレンアーガイル社という謎のメーカー含めて、海外の情報は皆無というボトルになります。

ラインナップはピュアモルトの12年、15年、21年と、ノンエイジのブレンデッド。そして構成原酒は不明。恐らく、当時比較的容易に手に入ったハイランドタイプのブレンド用バルクをメインに使って作られた、バックストーリーのないウイスキーの一つ・・・だと思います。実際、この手のブランドはバブル景気に沸く当時の日本市場では珍しくありません。

キャラクターとしては、ピュアモルトの12年、15年は逆算して70年代蒸留ということで、熟成年数なりのコクと柔らかさを伴うものの、プレーンなモルティーさで特段目立った特徴のないブレンデッドモルトです。
15年はオークション相場3000円程度で買えることを考えれば、アリと言えばアリですが、もう一つ個性がほしい・・・。なお、ブレンデッドについてはお察しください。
では、なぜこの銘柄が「愛好家の間では、ちょっと知られたボトル」なのかというと、それは21年の存在があります。

テイスティングの通り、21年だけは色濃く、昔のグレンファークラスやGMのマクファイル等に通じるカラメルソースを混ぜたような、オールドシェリータイプの香味構成。蒸留所は不明ですが、蒸留時期はギリギリ1960年代というスペック。仕上がりは原酒の繋ぎ、樽感とも若干の荒さが見られる点がマイナスですが、味は1960年代蒸留の濃厚シェリー系モルトウイスキーということで、家飲みで何も考えず飲むならと、知ってる人だけ楽しむ銘柄という位置付けでした。

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(グレンハンター21年 ピュアモルト1980年代流通。今回のレビューボトルとほぼ同じ時期の流通品だが、注目はグラスの中の色合い。明らかに中身が異なる。)

しかし、これだけのシェリー感であれば、もっと話題になっていてもおかしくありません。なぜ知っている人だけ・・・なのかというと、その理由は、上の写真の通りグレンハンター21年にはロットが複数あり、中身も香味も異なるというもの。今回レビューしている濃厚なシェリー感のロットは、その中でも数が少ないためです。(確認しただけで、4パターン存在する)

写真のロットの香味は、15年の延長線上にあるキャラクター。ソフトでマイルド、若干の植物っぽさを伴うが個性に乏しいタイプ。緩い麦芽の甘味とほんのりカラメル系シェリーのニュアンス、年数なりに感じられるタンニンと渋味。レビューアイテムが1st fill Sherryなら、こちらは2nd fillという香味構成です。
正直、このボトルについては味が悪いとは言いませんが、率先して購入して飲むか・・・と言われると断言できないですね。
また、構成原酒も微妙に違うのか、あるいは経年変化からか微かにソーピーな香味が混じるものも・・・。同じラベルで地雷系まであるとなれば警戒もしてしまいます。

これが同じデザインやロットの中でシェリーの濃淡2パターン存在するのが困ったところ。ラベルデザインの微妙な違いから、確実に違うといえるロットもありますし、最終的には色を見れれば間違いないのですが・・・ネットだと手にとって見れるわけではないため確実には見分けられない。
まあ、今の市場において安さをとるなら相応のリスクを覚悟しなければならない、ってことなんですね。

アマハガン ワールドモルト 山桜ウッドフィニッシュ 47%

カテゴリ:
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AMAHAGAN 
World Malt Whisky 
Edition Yamazakura Wood Finish 
Release in 2020 
700ml 47% 

グラス:グレンケアン
時期:開封後数日
評価:★★★★★(5)

香り:柔らかく甘いウッディネス。桜餅を思わせるような個性的な和風の甘さ、微かに乾いた植物や麦芽のようなニュアンス、若い原酒由来かツンとした刺激とドライな要素も混じる。

味:スムーズな口当たり。香りで感じたのと同様の個性と、色濃いシロップを思わせるようなエキス由来のとろりとした甘味がありつつ、干し草やバニラウェハース、徐々にビターでドライな質感。ほどよい渋味を感じるフィニッシュへと繋がる。

和のニュアンスという点ではなるほどという、個性的な仕上がりのブレンデッド。プレーンで癖の少ないモルティーなブレンドに、山桜樽のフィニッシュで付与された濃いめのウッディさが、ソースのようにかけられている。ただ、ベース部分の主張と喧嘩しないため、フィニッシュによる違和感は少ない。その甘味故にストレート以外にロックや水割りも面白いかも。


先日紹介したグレンマッスルの親戚とも言える、長濱蒸留所がリリースするウイスキー・アマハガンの第4弾。ノーマルのアマハガンレシピで作られたベースウイスキーを、4ヶ月間山桜の木材で作られた樽でフィニッシュしたもの。タイミングも良いので、長濱繋がりでレビューを掲載します。
山桜と最初聞いた時は笹の川酒造をイメージしましたが、まさか長濱からこういうリリースがあるとは驚きです。

ウイスキーに用いられる樽材は、通常アメリカンオークやスパニッシュオークあたりが一般的ですが、日本的な木材で作られた樽による熟成が新しい可能性として注目されています。
ミズナラについては言わずもがな、杉、栗、桜。。。日本の樽工場である有明クーパレッジではこうした材木での樽の加工も請け負っており、自社での熟成実験も進んでいます。

例えば、自分が過去に試飲した熟成サンプルだと、これらは短期間で強めのウッディさが付与される傾向があり、栗はミズナラに近いスパイシーさとさらに濃いエキスが。桜はまさに桜餅を思わせるような甘味とほのかな酸が香る。杉についてはハーバルな感じですが、桧同様にエキスの出方がべったりとしているというか、独特な印象がありました。
基本的に、国産ウイスキーであっても原料は輸入で作られるものですから、日本酒等のようにその土地その土地の原料で個性を出すとなると、麦芽で差別化することができません。
よって、熟成環境だけでなく樽材がその土地のものというブランド作りは、新しい取り組みとして可能性のあるものと思うのです。

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(有明クーパレッジ(有明産業)のイベントブースにて提供されていた、各樽材での試験熟成原酒。それぞれ個性が強く、単品では難しいかもしれないが可能性を感じる原酒でもあった。)

今回の山桜カスクフィニッシュですが、ベース部分は加水で整えられたプレーンで癖の少ない、柔らかい甘さのあるモルトウイスキー。長濱原酒も一部使われていますが、若さが目立つものではなく、全体的にバランスは悪くありません。

言い換えると、強みとなる個性もないという点はありますが・・・。そこに山桜樽の濃いめのエキスが混じり、特徴的な甘味とウッディさを含み香で感じる面白い仕上がりとなっています。
リリース時期から逆算すると、この樽の強さは盆地滋賀県の夏場に期間がかかっていることからくるものと推察。樽材の個性をしっかり活かしつつ、和のニュアンスを付与した味わいは、前作ミズナラウッドよりも面白いリリースだと思います。

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また、使われている2年熟成程度の若い長濱原酒も早熟でそれなりに楽しめるクオリティであることが、プラスに働いているように感じています。

長濱蒸留所は、創業比較的すぐのタイミングで見学させてもらっており、そこからイベントで色々話を聞いたり、蒸留所を再訪したりと、現在進行形で成長を見ることが出来た蒸留所のひとつです。
ただ、初期の原酒は麦の甘味は出ているのですが、なんだか全体的にぼんやりしているというか、キレに乏しい感じがあり。。。
蒸留器が小型のアランビック式であることもあって、少しの調整で大きな変化が出てしまう難しさがあったのだと思います。現場ではラインアームの角度、カットポイントの変更など、様々な微調整、トライ&エラーが繰り返されていました。

その結果、1年過ぎたあたりからバランスが良くなり、昨年蒸留所で飲んだものは、さらにクリアで嫌みが少ないなかに、柔らかいモルティーさと適度なコク、様々な調整の末に成長が感じられるニューメイクが作られていました。
現在審査が進む今年のワールド・ウイスキー・アワードでも、アマハガン、長濱ニューメイク共に日本カテゴリーのなかで存在感を放っているようです。
同蒸留所からは今年中に3年熟成のシングルモルトがリリースされるということですし、今後ウイスキー市場のなかでさらに評価を高めていくことを期待したいです。

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ちなみに以下、余談として・・・。
長濱蒸留所で合わせてウイスキー好きに知られてほしいと思うのが、ビールです。
長濱蒸留所(長濱浪漫ビール)は、エールタイプのビールがスタンダードブランドとして作られており、しっかりと麦の味にホップも強めに効いたビターで奥深い味わい。IPA系のビールを好む傾向があるウイスキー飲みにあっては、好まれるビールだと思います。

特に、現地で飲む作りたては最高(正直、蒸留所見学は半分それ目当てで行っていたりもw)。瓶売りしているものも現地そのままの味で、行ったら必ずお土産に買って帰っています。
将来、この長浜ビールカスクで熟成された長浜原酒やアマハガンがリリースされたら良いなぁ、なんて思いつつ、今日の記事の結びとします。

グレンエルグ 12年 ピュアモルト1990年代流通 43%

カテゴリ:
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GLEN ELG 
AGED 12 YEARS 
Pure Malt Scotch Whisky 
1990's 
750ml 43% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:不明
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★(5)

香り:ややドライでハイトーン。バニラや洋梨を思わせる麦芽の甘さに、カシューナッツ、青竹のような植物っぽさを伴うウッディさ。単調気味だが嫌みな要素は少ない。

味:香り同様にドライな麦芽風味。軽いスパイシーさとこちらも若竹のような青みがかったニュアンス。
余韻はクルミの薄皮を思わせるようなほろ苦さに、ウッディで微かにオーキーな華やかさが感じられる。

樽感はあまり強くなく、プレーンでやや癖のある麦芽風味が主体のピュアモルト。ディーンストンメインと言われても違和感はない。またそこに中性的なハイランド(あるいはスペイサイド)モルトを加えたような構成。決して悪くはないが、麦芽風味主体のなかでそれが分厚いわけでもない、ちょっと中途半端なボトル。ストレート以外にハイボールなどで。

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1990年、ディーンストン蒸留所を買収したバーンスチュワート社がリリースしたピュアモルト。先日紹介したグレンエルグ17年のスタンダードグレードに辺り、こちらは比較的多くのボトルがリユース市場で見られます。

構成原酒については不明ですが、まずこの風味、癖のある麦芽感はディーンストンでしょう。(あるいはタリバーディンとかそういうマイナーどころですが、繋がりがない。)
ディーンストン蒸留所は1982年に閉鎖されており、上記買収にともなって1年後に再稼働するわけですが。時期的には閉鎖前1980年前後の原酒を使い、そこに他社から調達した内陸の癖の少ないモルトを加えたものと推察
大半がブレンド用のモルトなのか、サードフィル以降のプレーンな樽で熟成していたのかと思えるくらいに樽感は淡く、プレーンオークで感じられるやや青みがかったようなニュアンスがドライな香味の中に備わっています。

数が多いことと中身が不明なこと、味も特別ななにかがあるわけではないため、プチオールドなジャンルに入るピュアモルトでありながら、そこまで価格が高等していないのも本リリースの特徴。まあ確かにこの辺買うならグレンフィディック12年の90年代とか買いますね(汗)。。。
特別悪くはないが、良くもない。結果特別選らばれる要素もない・・・不遇な子。ああ、こういう個性なんだと経験値にするか。
17年にあったような武器(シェリー感)が無いのが、辛いところですね。

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(グレンエルグ 17年 ピュアモルト。こちらも麦芽風味に癖があるというか、ひっかかりのある味わいだが、シェリー感がオールド好きの琴線に触れる要素を備えており、この点が強みである。レビューはこちら



グレンエルグ 17年 ピュアモルト 1990年代流通 43%

カテゴリ:
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GLEN ELG 
Pure Malt Scotch Whisky 
Aged 17 years 
1990's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:サンプル@BAR 1two3
評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライだが、品の良い色濃い甘さ。キャラメリゼ、あるいはブラウンシュガーと強くはないがいくつかのダークフルーツが合わさったオールドシェリー香。奥には湿ったウッディさ、微かにクレヨンのようなニュアンスも。

味:香り同様のカラメル系のオールドシェリー感。デーツ、キャラメルプディング、合わせてオイリーで微かにオリーブオイルのような癖に加え、スパイシーな刺激も伴う。
余韻はほろ苦く中盤に感じられたスパイシーさ、麦芽風味の粉っぽさがじんわりと染み込む。

無名だがシェリー感に光るものがあるピュアモルト。かつてのシェリー樽原酒の代表的キャラクターの一つだった、カラメル系の風味が主体だが、ベース部分には癖のある麦芽風味もある。決して悪くない味付けなのだが、なにか引っ掛かりがある飲み口で、キーモルトのキャラクターが出ているように感じられる。加水すると余韻が不思議とドライ気味に振れるが、シェリー感のなかにオーク由来の華やかさが開き、引っ掛かりも薄まって異なる表情が楽しめる。

※本サンプルは、1年以上前にBAR 1two3のマスターと交換(ほぼプレゼントに近い)させていただいたモノでしたが、サンプルケースに仕舞ったまま忘却。棚卸しをしたところ発掘し、レビューさせていただきました。不義理をしてしまい、申し訳ございません。

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バーンスチュワート社が1990年代初頭にリリースしていたブレッドモルト。
蒸留所は不明ですが、ラベルにはハイランドのモルトウイスキー表記があり、実際目立ったピートフレーバーであるとか、ローランドの三回蒸留的な個性は感じられません。シェリー感のベースには個性的な麦芽風味がメインにあるウイスキーです。

同社は1988年からブレッドメーカーとして本格的な活動を開始しており、1990年にはディーンストン蒸留所を、1993年にはトバモリーを傘下としています。(ブナハーブンは2003年から傘下に移行。)
このボトルがリリースされた当時、バーンスチュワート社はディーンストンが主力蒸留所であり、じゃあ蒸留所はそこか。。。というのは早計。当時のオーナーはハイラムウォーカー社と繋がりがあり、同時期に該当蒸留所が無いピーティーなピュアモルト「グレンブレア12年」もリリースしているなど、手広く原酒を調達していた実績があります。

とは言え、酒質部分の癖というか麦芽風味は、ディーンストンと言われて納得な個性があり、一部使われているのは間違い無さそうです。
それこそ、この17年に感じられるシェリー感を伴うハイランドモルトバルクを、ハイラムウォーカー経由で調達し、ディーンストンの原酒とブレンドしてリリースしたとすれば違和感の無い話。当時はこういうGM系のカラメル味のある原酒が潤沢にあり、様々なリリースの共通項ともなっていました。

10年前なら珍しくもなかった香味構成ですが、今改めて飲むと懐かしさを覚える1ピースを備えているウイスキー。数は少ないですが、マイナー銘柄故に相場もそこまでではないので、この手の味わいを求めてる人にはオススメです。
また、同時期のグレンエルグは17年のほか12年、20年もリリースされています。12年はシェリー感は控えめで、ブラウンシュガー系の甘味にドライな麦芽風味。20年はまだ試せていませんが、12年→17年の傾向なら結構しっかりシェリー系かも?
いずれ試してみたいですね。


余談ですが、バーンスチュワート社は拡張路線をとりつつも、資金繰りには苦労していたという情報も残されています。グレンエルグブランドは1996年、エリザベス2世の70歳を祝う18年のシングルモルトがバーンスチュワート社ではなく、ジェームス・マクドナルド社からリリースされており、その前の時点でブランドを売却していたものと思われます。
そうすると、今回のラベルのグレンエルグは、数年単位でしかリリースされなかった、短命な銘柄だったようです。

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今日のオマケ:ストーム ワインズ フレダ ピノ・ノワール 2017

南アフリカのピノ。このワイナリーからは区画違いで異なるタイプのワインがリリースされており、先日飲んだ同ワイナリーの別銘柄(リッジ ピノ・ノワール)が開いてくると結構良かったので、じゃあもう一つのほうはどうだろうと、手頃な価格での巡り合わせがあったので1本手配してみました。

新世界のピノというと、一般的には熟した果実のような濃厚な甘酸っぱさ、パワフルな味わいのものがイメージされますが、ブルゴーニュ愛好家の作り手が醸すこのピノは、新世界っぽさは多少ありつつも、軸にある味わいはもろブルゴーニュ系統。
冷涼感がありつつも豊かな香り立ち。クリアな赤黒系果実、微かに土壌のアロマ。ラズベリーやブルーベリーのフルーティーさと存在感のある酸味、端整なタンニン。

リッジのほうは涼しい区画で作られた葡萄。フレダのほうは暖かい区画で作られているそうで、最初から親しみやすいバランスの違いはなるほどねと。
そういう意味で自分の経験値では、仏っぽさはリッジのほうがあると感じましたが、フレダも年によってはこんなのもあるんじゃない?なんて思ってしまうくらいの美味しいワインでした。

値段は通常6000円前後とそれなりですが、同じクオリティのワインをブルゴーニュで買おうと思うと、1.5倍くらいかかりますよという位置付けのようです。もうちょっとお手頃なら月1~2くらいで使うのに・・・。
ちなみにこのワイン、デミグラスソース系の煮込み料理との相性は抜群でした。

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