タグ

タグ:ハイランドパーク

ハイランドパーク ヴァイキングソウルカスク 2019 For Allen Chen 55.6%

カテゴリ:
IMG_20191115_200350
HIGHLAND PARK 
VIKING SOUL CASK 
For ALLEN CHEN 
13 1/2 years old 
Bottled 2019 
Sherry-Seasoned Quarter Cask #700060 
700ml 55.6% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:ジェイズバー
時期:開封後数日以内
暫定評価:★★★★★★(6)

スパイスそのものを思わせるような独特なアロマが前面にあり、続いて焦げたキャラメルや栗の渋皮煮、あるいはオランジェットを思わせる要素。奥にはドライプルーンや微かにオーキーな華やかさも混じっていて、スワリングすることで顔を出してくる。
口当たりは濃厚で、前面にあるのは香り同様にウッディな要素だが、香りよりは馴染んでいてとろりとした蜜っぽい質感を感じさせる。余韻はほのかにピーティーでスパイシー、ダークフルーツの甘味が微かな焦げ感と共に長く続く。

複雑で面白いウイスキー。スパイス香については実に個性的で分類しづらいが、フィニッシュに使われた樽由来と思われるそれが、このボトルに備わったほぼすべてのフレーバーに影響を与えている。
また、ベースとなったシングルモルトの個性はオフィシャルスタンダードらしい系統ではあるものの、これが所々アクセントになっていて、ノージング、テイスティングの度に新しい発見がある。

IMG_20191115_204139

ハイランドパークが新たに始めたプライベートリリースの販売スタイル「ヴァイキング・ソウル・カスク」。
このシリーズはプライベートカスクを前提としており、専用にバッティングされた12年熟成、度数58%オーバーのハイランドパークシングルモルトを、購入者毎のクオーターカスクに移してフィニッシュし、リリースされるものです。

まず商業的なことを言えば、これはなかなか”うまい”やり方だと感じます。
愛好家の夢と言える樽買い。だが1樽買うのは高価だし量も多い。一方で最初から小さいサイズで熟成させると、10年経たずに樽が出すぎてピークのバランスを壊してしまうし、リリースされるまでの時間も、10年、12年など待ってはいられない。
おそらくは、そんなユーザーニーズに応えるため、1樽を独占しつつ短期間で少量から安定したクオリティの樽出しウイスキーを作り上げる方法なのでしょう。

今回のボトルは、そのハイランドパークの企画を通じて、AQUAVITAEのアレン氏が購入、ボトリングをしたもの。何でも原酒の量に限りがあったため、購入できるかは抽選のような形だったのだとか。
「スコットランドで課税されて、販売に当たっては台湾でも課税されたから二重に課税されてしまったよ」なんて裏話はさておき、先週末のテイスティング会にあった一連のラインナップのなかでも、特に気に入っている1本とのことでした。

IMG_20191115_204224
(ハイランドパークだけは全員で飲みたいというアレン氏の希望から、このボトルを2杯目に統一して全員でテイスティング。氏の解説を便りに、この複雑なボトルの香味を紐解いていく。

ただ正直に言えば、アレン氏の熱意に反して自分はそこまでこのボトルの構成が響きませんでした。
クオーターカスクに由来すると思われるスパイスそのもののような要素と、濃い樽感のあるアロマ。その奥にはベースとなったシングルモルトに備わっているシェリー系の甘さ、オークの華やかさ。。。オフィシャルスタンダードの12年同様に2nd、3rdフィルのシェリー樽、樽材もスパニッシュ、アメリカンオークと統一せずに複数タイプの原酒をバッティングしてあるのか、様々なフレーバーが折り重なり、微かにスモーキーなピートフレーバーが見え隠れする。
複雑で面白いリリースではあるのですが、自分が求めているものとはどこか違ったのです。

ハイランドパークにとっての”ヴァイキング・ソウル”とは、蒸留所特有の環境や風味を活かし、アレンジはすれど決して壊すことがないという信念のようなものを指しており、そのうちのひとつが”高品質なシェリー樽を使った熟成”とされています。
今回のシリーズに使われる、ヴァイキングソウルが込められた樽、つまりクオーターカスクは、ちょっと自分が思い描いていた方向とは違うスパイシーかつ濃厚な香味を、全体を通して付与していました。

我々の嗅覚・味覚は、幼少から親しむその国の伝統的な味付け、料理が大きな影響を与えていると言えます。
台湾の料理は日本にも一部ルーツをもつものの、スパイスについては独特のものがあり、代表的なのが八角、それを使った五香粉です。あるいは香菜なども異なるものが使われています。
そうしたスパイシーな香味に慣れていると、それが無い料理は物足りなくなるそうで、きっとこの辺が(逆にその手の香味に耐性がないことが)、響かない要因なんだろうなと、テイスティングしながら納得もしたのです。

それにしても、今まで主体的には捉えたことのない面白い個性でした。機会があれば、また1杯飲んでこの時の感想と比べてみたいと思います。

ハイランドパーク 13年 2004-2018 フランクフルト空港限定 60.1% #6438 

カテゴリ:
highland_park_frankfrut_airport
HIGHLAND PARK 
SINGLE CASK SERIES 
For FRANKFURT AIRPORT 
Aged 13 years 
Distilled 2004 
Bottled 2018 
Cask type Refill Butt # 6438 
700ml 60.1% 

グラス:リーデルテイスティング 
時期:開封後1週間程度 
場所:BAR Kitchen 
評価:★★★★★★(6)

香り:やや生っぽさのあるウッディさとしっとりとしたシェリー香。直後、キャラメルソースを思わせる甘さの後で、ハイプルーフらしく鼻孔がひりつくようなアタックと、ほのかにヘザーのスモーキーさが香る。

味:パワフルでスウィート。ブラウンシュガーやプルーンのチョコレートがけ、とろりとした甘味の後に、ハイトーンで強い刺激があり、ややざらつくようなウッディさも感じる。
余韻はウッディでキャラメルソースを思わせる甘味と、微かに土っぽいピートを伴ってほろ苦く長く続く。

パワフルではあるが、硫黄もなくリッチな味わいが楽しめる。恐らく使われているのは長期熟成のシェリーを払いだした後のものだろう。またそのシェリー感の裏にはハイランドパークらしいピートフレーバーも感じられ、若く強さの残った酒質の角をシェリー感が緩和しつつ、その個性を楽しめる。

IMG_20191029_220925

ハイランドパーク(エドリントン)が樽売りしている、オフィシャル扱いのシングルカスクリリース。日本ではほとんど見かけませんが、大規模国際空港の免税店や有名酒販店、高級価格帯のリリースが動くところには比較的展開されているように思います。
GOTHAM CITY向けなんて、反応してしまう方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

今回、BAR Kitchenではマスターの岡さんが海外で買い付けた5種類のリリースを確認。そのなかでももっとも色の濃かった、フランクフルト空港向けのリリースをテイスティングしました。
ハイランドパークは熟成に使う樽としてシェリー樽を主としている蒸留所ですが、一部バーボン樽のものも仕込んでいたものの、これはブランドイメージと異なるためかほとんどがボトラーズやブレンド用に展開されていたと聞きます。(オフィシャルでのバーボン樽使用例だと、1999年蒸留のハイランドパークフルボリュームがある。)

一方、公式には2004年の仕込みからはハイランドパークの熟成は全てシェリー樽に統一したとの情報もあり、今回のリリースはまさにその時期の仕込みです。
もちろんそれらはファーストフィルのみではなく、形状、回数含めて様々。他方でこのボトルの仕様はリフィルシェリーバット表記ですが、色が比較的濃いのが興味深いですね。風味から樽材はアメリカンオーク。リチャーしている感じではないので、とすると最初の熟成を短い期間で終えたとかか。。。

構成としては、その樽感をソースとするなら、酒質の上にそれがかかっているような感じ。まだフレーバーの結び付きというか、均一化が進んでいない点が、乖離感として多少あります。
他方で、だからこそ香味でのピートフレーバーが感じやすくもあり、シェリー感そのものも決して悪くないので、それらを若いなりの良さとして楽しめる点が魅力であると感じた1本でした。


IMG_20191111_234803_1
今日のオマケ:ダイヤモンドリッジ グランドリザーブ カベルネ・ソーヴィニヨン 2017

マイルドでいかにもアメリカのカベルネらしい濃厚なぶどう感。熟したチェリーやカシス、微かにタバコ葉のイメージからウッディネスへ。樽香は特に味のほうで強めに感じられる。余韻はほどよいタンニンを伴い、濃厚さのなかでバランスが整っている、丁寧な作りを感じる。

先日、急遽開催された友人とのワイン持ち寄り食事会。予定が空いたので、会社の机の中に置いてあったワイン片手に緊急参戦。
カリピノですが、赤身系の肉、特に鴨肉のタタキとの相性が抜群過ぎて、ばくばくいってしまいました。
その友人は日本酒とウイスキー系がメインですが、最近ワインも面白いなと感じ始めたらしく。特にこのボトルを飲んで気に入り、セラーまで買ってしまったのだとか。
そういえば自分もウイスキーの合間に飲んでいたワインで、アメリカのカベルネは美味しいなと感じましたし、やはりこの辺はウイスキードリンカーに琴線があるのかも。
それにしても、馬刺の盛り合わせとワイン・・・映えるなぁ・・・。

IMG_20191111_204740



メインバライル 25年 1993-2018 キングスバリー 43.1%

カテゴリ:
MHAIN BARAILL
Kingsbury
Blended Scotch Whisky
Aged 25 years
Distilled 1993
Cask type Sherry Butt #7
700ml 43.1%

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:リッチなアロマ。しっかり目の甘さはチョコレートクリーム、ドライプルーン、微かにカカオ。合わせて干草とドライなウッディさ、少しひりつくような刺激も感じられる。

味:香りの濃厚さに反してやや軽さを感じるボディ感だが、味はチョコレートケーキやドライプルーンの濃厚な甘み。土っぽいニュアンスのある植物感、椎茸の出汁っぽさを伴う。余韻は湿ったようなウッディネスと共に、スパイシーで長く続く。

近年系シェリー感主体の濃厚なブレンデッド。ドライな刺激も伴うが甘みもリッチでタンニンもバランスよく、まとまった仕上がりである。少量加水するとバランスが崩れて、香味がバラつく。ストレートで。


キングスバリーがリリースする、シングルビンテージのブレンデッドウイスキー、メインバライルシリーズ。ブレンデッドでありながら、ビンテージ表記ありの熟成年数表記が特徴で、使われた原酒全てが同一年に蒸留されてバッティングされたものという意欲作です。

その構成はぱっと見「面白そうじゃん。」と思うものの、シングルモルトはともかく、ブレンデッドで原酒を同一ビンテージに統一する理由があまりないよなぁ、なんて思ってしまうロマンのない自分の思考回路。
ただメインバライルはゲール語でシングルカスクを意味する言葉。つまりニューメイクの段階でブレンドされたシングルカスクブレンデッドであれば、単一蒸留年度の意味もあり、飲んでみるとこれが中々悪くないのです。
メインバライルは初期リリースである32年も熟成感のある整ったブレンドでしたが、この25年はしっかりシェリー系でありつつ、ブレンドという仕様を活かして価格も抑えられているのが特徴。原酒の使い方に25年熟成でこの価格は、まさにボトラーズリリースという感じですね。

構成原酒はマッカラン、グレンリベット、グレンロセス、ハイランドパーク、ブナハーブン。モルト比率は70%と高く、各蒸留所由来と思しき特徴が端々に感じられます。
例えば干草っぽい感じはロセス、スパイシーな要素はグレンリベット、重みのある要素がマッカラン、土っぽさと若干ヘザー系に通じる植物はハイランドパークかなとか(ブナハーブン?わからんですw)。ただ、それらは長い熟成期間とグレーンとシェリーが繋ぎになって、一体感というか違和感のない仕上がりです。


先日、ロイヤルマイル・ブレンデッドモルトの記事を書いた際、モルト100%の難しさに多少触れましたが、今回のボトルのようなリッチなモルティーさのブレンデッドを飲むと、繋ぎ役となるグレーンの重要さを改めて感じます。
それは例えるならお蕎麦みたいな感じですか。十割蕎麦は香り豊かで美味いは美味いですが、二八蕎麦のほうが少し風味が軽くなるものの、喉越しやまとまりが良くなりやすいのは事実です。
モルトはどうしても主張が強いため、複数使うと馴染まないアタックの強さ、荒さが目立つことがあるんですよね。
それをグレーンが繋いで緩和することが、ブレンドとしてのまとまりの良さに繋がるわけです。

そして質のいいタレ(樽感)があれば文句なし。
今回のシェリー感は濃い目のシーズニングタイプではありますが、少し古酒っぽいニュアンスも感じられ、長期熟成に由来するメリットと思しき要素となっています。
突き抜けて美味いというタイプではありませんが、いずれにせよ冒頭述べたように悪くない仕上がりなのです。
少なくともシェリー系スコッチモルトで代表格で言えば、現行のマッカラン18年を飲むより、満足感は得られると思います。

※メインバライルの素性について、ニューメイクからのブレンデッドではないかとのコメントをいただき、改めて確認したところ該当する説明があり、一部表現を訂正させていただきました。(1/11修正)

ハイランドパーク 12年 バイキングオナー 40% ブラインドテイスティング

カテゴリ:
HIGHLAND PARK
12 YEARS OLD
VIKING HONOUR
700ml 40%

【ブラインド解答】
地域:アイランズ
蒸留所:ハイランドパーク
年数:12~15年程度
度数:43%程度
樽:アメリカンホワイトオーク、リフィルシェリーオーク主体。
仕様:加水、複数樽バッティング、近年流通品。

グラス:木村硝子テイスティング
時期:不明
場所:ブラインドサンプル@ぎんが
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:サルファリーさを含む淡いシェリー香。微かにピートと干草、オレンジピールのほろ苦さ。奥には蜂蜜の甘みを伴うエステリーさとオーキーなウッディネスがあり、スワリングすると一時的に開いてくる。

味:ややえぐみのある口当たり、中間に塩水を思わせる潮気、蜂蜜の甘み、やや緩いボディ。フィニッシュは林檎のコンポートを思わせるオーキーで華やかなフレーバーが、土っぽさと植物感のあるピート、スモーキーさのアクセントとなって感じられる。

おそらく現行品のオフィシャルボトル。ミドルエイジ・・・までいかない、比較的若い原酒を加水で整えている印象はあるが、大手の作りらしく上手くまとまっている。乾いた植物感を伴うピートフレーバーと樽由来のニュアンスが程よく混ざり合い、特に余韻のオークフレーバーとスモーキーさが可能性を感じる。


昨日に続きハイランドパークのブラインド記事。昨年大幅リニューアルしたハイランドパーク・オフィシャルラインナップの12年モノ、バイキング・オナー。

その新しいデザインは、近年のハイランドパークの販売戦略であるヴァイキング文化をベースに、世界遺産「ウルネスの木造教会にある壁面装飾」をモチーフとして、従前ののっぺりとしたボトルから大きく異なる。バックバーにあって明らかに目を引くデザインとなっています。


(ウルネスの木造教会の壁面装飾。ヴァイキングが信仰したというドラゴンが、蔦の浮き彫りの中に隠されているという。また教会はヴァイキング船の建造技術が応用され、釘を使わず建てられている。引用元:

今回のリニューアルでは、変わったのは上記パッケージだけで、価格、中身は変わっていないと公式には発信されています。
確かに価格は据え置きなのですが、味について発売当時に比較テイスティングした限りでは、新しいボトルのほうがシェリー感が控えめで、その分ピートが際立っていた印象がありました。

今回は期せずしてそれをブラインドテイスティングで確かめた形。解答がボトル指定出来ている以上、特徴は掴みやすかったと言えますね。
ピートフレーバーがはっきりしているだけでなく、余韻にかけて感じられるアメリカンホワイトオーク由来と思しきオーキーなフルーティーさ。これは先日記事にした、17年ザ・ライトに備わっていたものほど強くはないものの同一の香味です。

一方、ハイランドパークの王道とも言えるシェリー樽熟成の原酒由来と思われる微かな硫黄臭は、オークフルーツ路線でいくなら不要とも・・・。
シェリー系原酒で厚みとバランスをとるのはいいと思うんですが、やはり中途半端にシェリー路線を走るくらいなら、オークフルーツ路線が良い。その傾向がスタンダードボトルから出ているのは、個人的にはポジティブであり、将来的に期待が出来るリニューアルであったとも感じるのです。


さて、今回のブラインドサンプルは、以前ちょっと特殊なブラインドを出題頂いた、ぎんがさんから。
先日、持ち寄り会に呼ばれていたのですが、家庭都合で参加できず。。。すると事前にいくつかのサンプルが送られてきました。ありがたいことに、明らかに煽ってきているブラインドサンプルとともにです。
ここまでやられたらリアルタイムで解答してやるよと、持ち寄り会の時間帯に解答をツイッターで送信。「鋭敏」を期待されていたようですが、期待通りの結果を提供出来て満足であります。

ハイランドパーク 26年 1972-1998 シグナトリー10周年記念 55.7% ブラインド

カテゴリ:
image
HIGHLAND PARK
SIGNATORY VINTAGE
10th Aniversary
Aged 26 years
Distilled 1972
Bottled 1998
Cask No,1632
700ml 55.7%

【ブラインドテイスティング解答】
地域:スペイサイド
蒸留所:ロングモーン
年数:30年程度(1970年代蒸留)
樽:バーボンホグスヘッド
度数:53~55%程度
仕様:ボトラーズ、シングルカスク、ダンカンテイラーorエージェンシー系

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:ブラインド出題@BAR 京都Ram & Whisky
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ハイトーンでドライ、じわじわとエステリーさとややウッディなアロマを感じるが、すぐにおしろい、かりんのシロップ漬け、ハチミツ、蒸した栗、微かにフローラルなニュアンス。ハーブを思わせる甘く華やかな香りが開く。

味:甘酸っぱくオーキーでスパイシーな刺激を伴う口当たり。ドライアップル、アプリコット、バニラ、粉っぽさを感じる。
余韻はスパイシーでウッディ、微かなピート。やや粉っぽさを伴うヒリヒリとしたハイトーンなフィニッシュ。

華やかなホグスヘッド系のオーク香がメイン。ほのかにパフュ系の香りが混じるようでもあるのが気になるが、その点を除くとかつての長期熟成スペイサイド(ロングモーンやグレングラント系)の個性が感じられる。60年代ほど厚みがあるわけではなく、ベースはドライ寄りなので、1970年代のはじめから中頃のあたりか。少量加水しても崩れず、しかし大きくは変わらない。

IMG_8563

やらかしたブラインドの例です(笑)。 解答時に書いたほぼそのままで、掲載しております。

テイスティングで地域や蒸留所を特定する材料はいくつかあるのですが、そのうちハイランドパークの特徴の一つとも言える、植物感を伴う内陸系のピーティーさを拾い損ねた例・・・と申しますか。
熟成で得られたフルーティーさと、涼しい地域で熟成されたであろう樽感で、スコットランド最北部でなければ、山間のスペイサイド。こういう予想にたどり着いてしまうことが、自分の場合度々あります。
また、言い訳するとネガティブな要素ではありませんが、香りに微かにパフュームライクな要素を拾ったのも、ひょっとしてロングモーンあたりのボトリング後経年変化かも・・・とイメージした要因でもありました。 

まあグダグダ言ってますが、このブラインドは"ヘザーピート"を拾えなかった自分の完敗。ちょっと上達したかなと思うとこの落差です。
ボトラーズメーカーもダンカンテイラーでも、ましてエージェンシーでもなく。考えるに樽感に焦点が合いすぎた結果のミスリードでしょうか。
ただいずれにせよ、今改めて振り返っても、フルーティーさと程よい熟成感に、ボディもそれなりに残った適齢期の美味しいモルトであることに、間違いありません。


今回のブラインドは、京都のBAR ラム&ウイスキーのオーナー・定元さんから頂きました。 

BAR RUM & WHISKY KYOTO

今年の7月、京都ウイビアメッセの会場でお会いし、その後で寄らせて頂いた際のこと。
その際、「ウイスキー高騰から、ラムやワインなど異なる酒類にも選択肢を広げて、ウイスキー好きに紹介したい」と自分のプランを話していたところ。その後、ご自身がこれはと思うラムのサンプルをわざわざ送ってくださったのです。 
なんていうか、ブロガー冥利に尽きる話で、思わずこみ上げてくるものがありました。 

頂いたサンプルは8種類、その中に1本だけウイスキーのブラインドが含まれており、それが今回の1本でした。
ラムもウイスキーも、いただいたサンプルは全てブラインドで率直なコメントを共有させていただいたわけですが、やってはいけないウイスキーでやらかしてしまう私(汗)。

ラムのほうも追って記事にさせていただきますが、やはりブラインドで飲むと、当てても外しても得られる経験値が違いますね。
ラムの持つキャラクター、樽感、熟成変化などへの理解が、ぐっと深まったように思います。
大変貴重な機会を頂き、ありがとうございました!

このページのトップヘ

見出し画像
×