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グレンギリー 17年 1998-2016 アデルフィー 55.7%

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GLEN GARIOCH
ADELPHI Selection
Distilled 1998
Bottled 2016 
Cask type Sherry
1 of only 152 bolltes
700ml 55.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:こってりと甘く、黒蜜やかりんとうを思わせる香り立ち。スワリングするとベリー系の甘酸っぱさ、干しぶどう、奥にはサルファリーな要素が潜んでいるが、時間経過で抜けていき、アーモンドチョコレートを思わせるアロマが開いてくる。

味:香り同様甘くリッチな口当たり、アタックが強く、黒蜜、干しぶどう、ドライクランベリー、フルーティーさの奥にキャラメルナッツのほろ苦さ。
余韻はほのかに椎茸っぽさを伴うリッチな甘みから、徐々にカカオ、サルファリーなニュアンス。スパイシーでハイトーンで長く続く。

赤みがかった濃い色合い。硫黄を内包しているが、開封後の伸び代は大きい。グラスに注いでからしばらくすると甘みが開き、葡萄感やベリージャムを思わせる、古き良きシェリー樽熟成原酒にあるニュアンスが底上げされる。加水は硫黄が強くなり向かない。


昨年国内に少量入荷し、ひっそりと販売されひっそりと売り切れていったアデルフィーのグレンギリー1998。樽はボトリング本数や香味の構成から1st fill シェリーホグスと推察。価格帯も近年の相場で考えると、90年代後半の濃厚シェリーで1万円代前半は標準域(やや良心的)ですが、話題にならなかったのはやっぱりグレンギリーのイメージでしょうか。
これが同じ東ハイランドでマクダフやロッホナガーとかだったら、もっと話題になっていたのかもしれません。

アデルフィーでシェリー系の90年代グレンギリーは、1993などピーテッド時代のものもいくつかリリースされているところ。
このボトルはその中でも特にシェリー感が濃く、最近増えたスパニッシュシェリーの香木系とは異なるベリー感、時間経過で開いてくる香味が魅力。家で開かせながらじっくり飲みたいと、仲間づてで探して貰って1本手に入れました。

(2月初頭、BARキャパドニックでお勧め頂きテイスティング。この時点で開封後3ヶ月程度。将来性を感じる開き具合だった。)

自宅で開封してみると予想していた以上に硫黄が強く、しかし時間経過で求めているフルーティーさも感じられたので、酒棚でしばらく放置プレイ。
1ヶ月ほど経過し、先日様子を見ると硫黄が引っ込んで果実味が開く、良い方向の変化が見られたのでコメントを記録しておきます。
こういうシェリー感に酒質の強い原酒が合わさって変化していくと、今は無きオールドシェリーの一種に仕上がるのでは。。。これから先、それこそ今年の秋くらいが今から楽しみです。

ウイスキーはワインと違いボトリング後熟成しないというのはよく言われる事ですが、それはウイスキーとワインの熟成の定義の違いに過ぎず、瓶内変化が無いという事ではありません。
オールドボトルも飲み、現行品も飲みと経験を積んでいくと、これはどう頑張っても良いオールドにはならないだろうというボトルもある反面、これだったら変化後「化ける」かもしれないと感じる基準がなんとなく自分の中で出来てきます。
店よってはそうして狙って育てたボトルをサーブしてくれるBARなどもありますが、1本所有して変化を見ながら楽しむのも家飲みの良さですね。

オーバン 14年 1990年頃流通 43% 免税向け

カテゴリ:
OBAN
Aged 14 years
West Highland Malt
1990's
1000ml 43%

グラス:不明
場所:BAR飲み(Paradee@野毛)
量:30ml
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オールドらしいこなれた感じと、奥行きのある香り立ち。ワクシーで甘い麦芽香、ドライイチジクやオレンジを思わせる酸味、オールブランの香ばしさ、ほのかにスモーキーでバランスが整っている。

味:オイリーで軽くスパイシーな口当たり。ママレードジャム、醤油飴、香ばしい麦芽風味やアーモンドナッツ。ボディはしっかりとして骨格がはっきりしている。
後半は染み込むようにピーティーで、塩水のコクを伴いほろ苦い甘みが長く続く。

オーソドックスなハイランドスタイルを感じる構成だが、スプリングバンクとは異なるブリニーさがピートと共に味のアクセントとなっている。どこか懐かしさを感じる味わい。加水しても特段フレーバーが伸びる印象はなく、チェイサー片手にストレートで。


先日、久々に訪問した横浜・野毛にあるBAR パラディでこのボトルと遭遇。パラディさんはかれこれ4年ぶり。この時期のオーバンは3年ぶりくらいでしょうか。随分ご無沙汰してしまいました。
パラディは本格的に飲み始めた頃、横浜在住だった自分がお世話になったBARの一つで、個体は違うと思いますが当時このオーバンも飲んでいます。
昔の記事もまだ残っていて、調べると感じ方に結構共通点もあり、昔の自分との比較を楽しみながら記事をまとめることが出来ました。
パラディさんの記事は追って掲載させていただくとして、今回はオーバンの紹介に移ります。

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(西ハイランドに位置する港町、オーバンの美しい街並み。蒸留所が街中にあり、このアングルからでも煙突が写っている。Photo by K67)

オーバンは個人的に好きな蒸留所で、ウイスキー仲間の間でも何気に評価が高い印象があります。
華やかだったりフルーティーだったり、決してわかりやすい「今時」なハウススタイルではありませんが、ハイランドタイプのしっかりとした麦芽風味や、アイラのようにオレオレ主張しない染み込むようなピートフレーバーという古典的な組み合わせがツボなようです。

現行品14年はそうしたキャラクターが弱くなり、特にボディは随分軽くなってしまいましたが、オールドボトルとなると話は別。1980年代以前の12年表記デキャンタボトル時代の酸味を伴うどっしり感は特筆モノですし、今回テイスティングした1990年代流通のオフィシャルも、ハウススタイルがしっかりとあり、いかにもウイスキー玄人好みという滋味深い味わいを感じることが出来ます。
機会があれば、是非テイスティングして欲しいボトルです。

トマーティン 25年 2000年代流通 43%

カテゴリ:
TOMATIN
Single Highland Malt
Aged 25 years
2000's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:華やかでケミカル、やや人工的でフルーティーな香り立ち。ピーチや洋梨、ほのかにパイナップルも混じったミックスジュース。乾いた麦芽を思わせる植物感、香ばしいアロマもある。

味:口当たりは甘く、香り同様にケミカルで、シロップのような甘み。熟した洋梨、ほのかにハッカの混じったリッチなフルーティーさが鼻腔に抜けていく。
余韻はハイトーンで程よくドライ。バニラ、ほのかに乾いた植物感、喉にヒリヒリとした刺激を残して長く続く。

70年代後半蒸留のトマーティンらしいケミカルフレーバーがしっかりあり、全体的なバランスも良いまとまり感のあるモルト。フルーティーさと合わさって同時期のハウススタイルを楽しめる。加水すると骨格がぼやけてしまうのでストレートで。


現在のトマーティンには無い25年、オフィシャルラインナップの2世代前ボトル。2005年ごろから5年間ほど生産されていたようです。
少なくとも自分が飲み始めた頃、このボトルは市場在庫が割と普通に残っていたわけですが、その後1976トマーティンのブームがあった後でも「まあトマーティンやし・・・」と完全にノーマーク、マガジンライブの試飲も出ていましたが飲みもせず。
先日ウイスキー仲間のRさん宅でテイスティングさせてもらい、らしいハウススタイルと熟成感のバランスの良さに驚きました。

ちょうど先日、このトマーティンの後継となる1世代前の25年について記事にしていたので、タイミングも良かったです。
その25年に感じられた過熟気味なウッディさ、ボディの軽さがなく、香味共にケミカルなフルーティーさがしっかり広がるのがポイント。原酒はフレーバーから察するに25から30年熟成、つまり1975年から1980年ごろに蒸留されたものが使われているのではないでしょうか。

(現行品1世代前のトマーティン25年。2010年ごろの発売。1970年代中頃から後半らしいケミカルなキャラクターと長熟原酒らしい強いウッディネスから、原酒の残りをそのまま熟成させてベースにしているような味わい。)

2005年当時のオフィシャルハイグレードと言えば、例えばハイランドパーク、タリスカー、マッカラン・・・今となっては名だたる銘品の数々がひしめいているわけですが、その中にあっては地味なトマーティンもこのレベル。海外サイトでは55ポンドで販売されていた履歴も残っていて、良い時代だったなと、感じざるを得ません。
また、当時飲んだ方には荒さ、アタックの強さに個性的な味わいを指摘されている方もおりましたが、10年弱の経年変化でこなれ、そろそろ飲み頃になってきているのではと感じます。

そう言えば、トマーティンは最近ラインナップの全面リニューアルを行なったばかり。
2000年代のトマーティンは個性の穏やかなニュートラルな酒質で、70年代のケミカルなフレーバーとは異なる、新世代に突入した感はあります。
最近飲み始めた方々は70年代でケミカルと言ってもナンノコッチャという感じ。突き抜けて素晴らしいボトルは少ないですが、モルトの楽しみとしてこの辺りのトマーティンフレーバーは一度経験しておいても良いかなと思います。

グレンギリー 22年 1993-2016 ディスティラリーコレクション 56.2%

カテゴリ:
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GLENGARIOCH
Distilleries Collection
Aged 22 years
Distilled 1993
Bottled 2016
700ml 56.2%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:個人宅
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーでツンとした刺激を伴う香り立ち。パイナップルや林檎のドライフルーツ、ジンジャーシロップのニュアンスに、ほのかに焦がしたようなスモーキーさも感じる。

味:とろりとした粘性のあるスパイシーな口当たりから、近年系トロピカル、オーキーなフルーティーさが強く開く。パイナップルや煮た林檎、香り同様の構成だが想定するより強く感じる。
余韻はややドライ、蜂蜜レモンの甘みとほのかにシナモン、乾いたウッディネスが長く残る。

バーボンオーク由来と思われるフルーティーさが色濃く出ている。ピートはそれほど感じない。開封直後は荒削り気味だが、樽の良さと相まって、いかにも近年のギリーという感じである。


最近リリースが増えた印象のある、1990年代以降のグレンギリー。
この時期のグレンギリーは、酒質の変化が大きい時期でもあり、パフューミーな1980年代から、オイリーで酸味を伴う癖があり、ピーティーな1990年代前半、1995年から1997年の休止後はノンピートで徐々にキレの良い酒質に・・・といった具合に、様々なキャラクターを楽しむことができます。
グレンギリーが最も評価されているビンテージは1970年代前半という印象はありますが、個性を楽しむという点では近年蒸留も捨てたものじゃなく、非常に魅力ある蒸留所です。

(グレンギリー蒸留所の再留器。同蒸留所は初留25000リットルに対し、再留11000リットルと2倍以上の差がある。Photo by T.Ishihara)

なかでも1993年から1995年のグレンギリーは、パフューム時代名残とも言える癖が抜けてきて、樽由来のフレーバーのノリと、スモーキーフレーバーのバランスが取れている。勿論樽さえ良ければですが、1990年代グレンギリーの中で最も美味しい時期だと感じます。 

今回テイスティングしたグレンギリー1993は昨年のウイスキーフェスでテイスティングし、なかなか良いと感じていたボトルの一つ。
改めて飲んでも樽由来のフルーティーさが非常にはっきりとあり、開封直後はもちろん、しばらく時間を置けばややギスギスしたニュアンスもこなれ、さらに美味しくいただけるのではないかと思います。
また、ラベルもいい感じですね。このディスティラリーコレクションは総じてラベルのセンスが良いなと感じており、今回の雄鹿のイラストも、ギリーのエンブレムとマッチして雰囲気が出ています。

グレンモーレンジ バカルタ プライベートエディション 46%

カテゴリ:

GLENMORANGIE
BACALTA
Private Edition No,8
700ml 46%

グラス:国際規格テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み
時期:開封後1週間以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:柔らかく甘い香り立ち。アプリコット、オレンジママレード、おしろい、奥にはオーキーなウッディネス。バニラを思わせる甘みも開いてきて甘いアロマが充実している。

味: とろりとした口当たり。香り同様の甘み豊かな構成だが、麦芽風味の上にハチミツやママレードなどが乗っかっている印象が感じられる。余韻は舌をコーティングする粘性のある甘み、フレーバーティー。軽くタンニンが染み込むように残る。

いかにもモーレンジが作りそうな"あざとい旨さ"のハイランドモルト。嫌味の少ないフィニッシュで、よく出来ている。(前作より確実に良い。)
例えるなら、おとなしめな人がお化粧して美人になったよう。モーレンジ社らしい仕事が光っている。


毎年恒例のグレンモーレンジプライベートエディション第8段。同社は10年や18年、そして終売になってしまったアスターなど近年のハイランドモルトを代表するキャラクターを確立する一方で、「フィニッシュのパイオニア」という位置づけからか、プライベートエディションはフィニッシュモノが多く見られます。(第6弾のトゥサイルや第2弾のフィナルタなど、古典的なキャラクターでリリースされるものも有ります。)

今回のリリースは、マディラカスクでのフィニッシュモノ。海外情報によると、ベースとなるウイスキーはバーボン樽で10年間熟成されたものをベースに、2年間の追加熟成を行っている模様。つまり通常のグレンモーレンジ10年用の原酒の中から、原酒を選んで2年間フィニッシュしたもの・・・と言えなくもないですが、モーレンジ社のこだわりは樽にあります。
フィニッシュに使われたマディラカスクは、「納得のいく樽に出会えなかったから」という理由から、同社お得意のデザイナーズカスクのノウハウで2年間野外乾燥させたアメリカンホワイトオークを使ってオーク樽を組み、ポルトガル・マディラ島の醸造所に貸し出してイチから製造したとのことです。
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(グレンモーレンジ蒸留所、敷地内の風景。手前は使い古された古樽だが、奥にはバーボン樽の数々も見える。デザイナーズカスクだろうか。Photo by K67)

メーカー発表によると、カスクの製造に使われたマディラは甘口で色の濃いマルムジー。ならばその味わいはさぞかし甘みが濃く、ウイスキーそのものの色合いも濃いのだろう・・・と思わせておいて、色合いは特段濃いというほどのものではありません。
他方、ドライで華やかなモーレンジ10年のハウススタイルに、マディラカスク由来と思しきオレンジママレードやフィナンシェなどの洋菓子を思わせる甘みが上乗せされていて、良い意味で判りやすく旨い。逆に言えば「露骨」あるいは「あざとい」ようにも感じられます。
こうして樽まで自社で作って、それなりのところに仕上げてくるあたり、フィニッシュに関するノウハウはグレンモーレンジに一日の長がありますね。

ちなみに「バカルタ」は20年ほど前にリリースされた、同グレンモーレンジのマディラウッドフィニッシュを参考にしているのだそうです。
初期の頃の同ボトルは中々見かけませんが、機会があれば飲み比べをしてみても面白いかもしれません。

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