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ダルウィニー リジ―ズ・ドラム 48% 蒸留所限定品

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DALWHINNIE 
LIZZIE’S DRAM 
Release to 2018 
Cask type Refill American Oak Cask 
700ml 48% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★(6)

香り:やや若さを感じる香り立ち。序盤は粗さが残っており、乾燥した植物感やシャープなウッディさが鼻腔を刺激する印象があるが、奥にはダルウィニーらしい麦芽香、柑橘類、そしてほのかにピーティーでもある。

味:オイリーで麦芽風味主体の口当たり。少しスパイシーな刺激もあるが、基本的には麦芽の白い部分を思わせる甘みに、すりおろし林檎や熟しきってないバナナのような、植物感と青みがかった甘さのアクセント。じわじわと香ばしさとほろ苦さが広がる。
余韻は若干ひりつくような刺激に、オーキーな華やかさと麦芽風味の残滓、微かにピーティーで染み込むように長く続く。

熟成年数の若さに由来してか、酸味や刺激は香味の中にあるが、合わせてダルウィニーらしい粘性と柔らかさのある麦芽風味、樽由来のフルーティーさ等複数のレイヤーを楽しむことが出来るボトル。ハイランドタイプの構成だが、熟成感としては冷涼な環境におかれたであろう樽感の淡さに、平均熟成年数も通常の15年より若いためか、微かにピートフレーバーが残っている点も面白い。ダルウィニー好きなら蒸留所のお土産として是非。


先日ウイスキー仲間のAさんから頂いた、テイスティングサンプル。
ダルウィニー蒸留所に、2018年に退職するまで30年以上務めたという女性スタッフ、エリザベス・スチュワートさんの功績(ざっくり言うと、男性社会といえるウイスキー蒸留所で女性初のオペレーターを勤めたという話)を称えて、蒸留所限定ボトルとして7500本限定でリリースされているものです。

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(上の写真がエリザベス・スチュワートさん本人。限定ボトルのリリースとなると、同氏の功績がそれだけ素晴らしいものだったのかもしれないが、如何せん具体的な情報が無いのがネック。関係者に退職記念として配られるならわかるが、販売するとなると、他のリリースとの横並びで見てもローカル過ぎるような気が・・・。
画像引用:https://www.scotchmaltwhisky.co.uk/dalwhinnielizziesdram.htm)

リリースエピソードについてはさておき、重要な中身ですが、海外の評価を見るとあまりウケてはいないですね(笑)。
使われている原酒のベースが若いということもあるのでしょう。香味からの予想では、10年~12年。樽構成や度数が違うのもあって一概には言えませんが、オフィシャルスタンダードの15年よりも粗さがあり、熟成年数も多少若く感じます。
同じノンエイジのリリースにウィンターズ・ゴールドがありますが、熟成感的には同じくらいなのですが、WGのほうが度数が低いためか、まとまりが良いように感じます。

一方、リジーズドラムは熟成を経て馴染んで消えてしまう前の、ピーティーな香味が微かに残されていて、それが昔のハイランドらしさに繋がっているように感じます。
それこそ、ダルウィニーらしい厚みのある麦芽風味と合わさって、実はダルウィニーのオールドボトルのボトリング直後も、こんな感じだったかのかな?なんて思えるくらいに、通好みの味に仕上がっていると思います。

先に触れた海外の評価では、「ブランドづくりで無理に女性や動物等のエピソードを使うのはどうだろうか」といった疑問を呈する声もありましたが(実際、近年のディアジオ系列のリリースには、そういう傾向が見られるのも事実)。
ですが視点を変えて、このボトルがダルウィニーのオペレーターの存在を知っているくらい、蒸留所を知っている(あるいはファンになっている)愛好家向けのリリースと考えると、その香味も通好みであり、一本筋のとおったリリースであるようにも思えてきます。
後半はなかなかにコジツケ気味ですが、ダルウィニー好きなら響くものがあるリリースではないかと感じる1本でした。

ダルウィニー 15年 1980年代流通 40% PURE HIGHLAND表記

カテゴリ:
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DALWHINNIE 
PURE HIGHLAND SCOTCH WHISKY 
YEAES 15 OLD 
1980's 
750ml 40% 

グラス:グレンケアンテイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★★★(6ー7)

香り:蜜っぽい甘さの混じるおしろい系の麦芽香。そこにじっとりと存在感のあるピートスモークや微かに乾草。熟した洋梨、蜂蜜レモンティーのような甘酸っぱさが、スワリングすると奥から顔を出す。また古びた日本家屋のような落ち着いたアロマも感じられる。

味:コクと厚みのある麦芽風味。粘性のある口当たりから、香りで感じたようにピートフレーバーが、麦芽風味に馴染んで広がってくる。微かに柑橘、林檎の蜜にような甘酸っぱさもあるが、フルーティーさよりはワクシーな麦感とピートの風味が主体。余韻にかけてはほろ苦く、穏やかなスモーキーさと、上顎に張り付くような麦芽糖を思わせる甘味がじんわりと続く。

麦とピートの酒。古典的かつ地酒的なシングルモルト。強くは主張しないが、香味とも麦感に厚みがあり、そこにピートフレーバーがしっかりと馴染んでいる。粘性の強い酒質はオールド・ダルウィニーらしさであると共に、原料の違いや仕込みの違いも感じられる。仕上げは華やかでフルーティーなごてごてした樽化粧はなく、言わばナチュラルメイク。派手さはないが、飲むほどに”味”があり、染々楽しむことができるスルメなモルト。

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1980年代初頭、少なくともこの半世紀内で、ダルウィニー蒸留所から初めてリリースされたシングルモルトが、今回のレビューアイテムです。
当時蒸留所を有していたDCLは、スコッチウイスキー冬の時代に伴う原酒の余剰解消、あるいは新たなブランド戦略として、ダルウィニー以外にもいくつかの蒸留所でシングルモルトのリリースを開始。DCLは合併によりUD社となった後、1988年にスコットランドの各地域を代表するウイスキーとしてクラシックモルトを発表し、このダルウィニー15年の後継品が同シリーズに名を連ねることとなります。

ダルウィニーの特徴は、なんといっても麦芽風味。冷涼な熟成環境に加え、古典的な方式のワームタブ等の設備から作られる、硫黄成分の豊富な酒質にあります。(ここでいう硫黄成分は、シェリー樽等で後付けされるものとは別なものです。)
これが熟成によって粘性と厚みのある麦芽風味に代わり、個人的にハイランドらしさとして認識する、おしろいやお粥、あるいは樽感と合わさって蜂蜜やバニラ系の甘味をもった厚みのあるフレーバーに通じているようです。

蒸留所では、1986年に近代化のための改修工事で該当する設備が取り外され、冷却用コンデンサ等が新たに導入されたものの、酒質が変わってしまったことから1995年に再度ワームタブに戻るというプロセスを経たことでも知られています。
現在のダルウィニー15年は、原料の違いからかドライでボディもライトになってきていますが、香味のベクトルは変わっておらず。愛好家の間では、オールドボトルからフレーバーの系統が変わっていない銘柄の一つであるとも評価されています。

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(ダルウィニー蒸留所にて、1995年に再度設置されたワームタブ。同蒸留所のリリースが古典的なキャラクターを保つ背景としては、同設備の影響以外にリフィル系の樽を使う熟成の方式が、ディアジオの酒質を活かす作りにマッチしていたことや、シェリー樽等に拘る蒸留所に比べて影響を受けづらかったことも考えられる。Photo by K67)

さて、日本の市場を見ると、ダルウィニーのオールドボトルとしては下の写真のクラシックモルト時代の初期(1988~1990年代中頃まで)の流通はあったようですが、今回のダルウィニーシングルモルトのファーストリリース(1980年代前半~)は、輸入代理店が居なかった影響からか、ほとんどモノが見られません。

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ではその香味がどう違うのかを、比較していきます。
まず、クラシックモルトの初期デザインであっても、同一ラベルでありながら写真上のように色合いから異なるようなロットが存在するため一概には言えませんが、今回手元にあって比較に使った15年は、麦芽風味主体の構成は変わらないものの、香りに青みがかった要素やドライな印象が少し目立ちます。(写真上の2本だと左側のボトルと類似のフレーバー構成。右側のボトルは今回のレビューアイテム寄りな構成で、リッターボトルだからか状態も抜群に良かった。)

また、ピートフレーバーを含む全体的な仕上げが荒いというか、余韻にかけて強く残るような印象があります。こうした違いについては、流通時期から蒸留時期を逆算すると、樽使いだけでなく、麦芽品種がゴールデンプロミスではなく、ゼファーが使われていた可能性が高いことや、ダルウィニー蒸留所が1968年まで行っていたフロアモルティングの影響があるのではないかと考えられます。

麦芽品種の違いによる、樽やピートの受け皿となる酒質への影響は言わずもがなですが、後者の行程は、ドラム式の乾燥に比べてじっくりとピートの成分が麦芽に染み込むためか、麦芽風味に馴染むというか、存在感のあるスモーキーフレーバーをもたらす傾向があると感じています。
どちらも美味しい”麦の酒”なのですが、麦とピートのマッチングや、全体的なバランスと厚みのある味わいとしてはファーストリリースに軍配です。

今回のボトルは、知人が海外で購入したボトルをシェアする形で手元に届いたものです。経年に伴う抜けも多少ありましたが、このくらいは許容範囲でしょう。
ベストパフォーマンスなら★7固定だったかなという評価。寿命は短そうですが、瓶内での変化も見ていきたい。レビューの通り派手さはないですが、ある程度ウイスキーを飲み進めてきたウイスキー好きが求めるフレーバーに加え、ダルウィニー蒸留所に求める個性がしっかり備わった、納得の1本でした。

アベラワー18年 ダブルカスクマチュアード 43% 2018年リニューアル

カテゴリ:
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ABERLOUR 
18 YEARS OLD 
Double Cask Matured 
Release to 2018~
500ml 43% 

グラス:テイスティンググラス
場所:新宿ウイスキーサロン
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなオーキーさと合わせて、黒砂糖や香ばしいかりん糖、揚げ菓子を思わせる甘さ。合わせてダークフルーツを思わせるアクセント。微かに焦げたオークのエキスが混じる。

味:スウィートで柔らかいコクと香ばしさ、黒飴、ドライプルーン、カステラの茶色い部分を思わせる香ばしさ。香り同様のフレーバー構成だが、味わいの方が香ばしさを強く感じる。
余韻はシーズニングシェリーのダークフルーツシロップのような甘味とアメリカンオークの華やかさがほのかに混じり、長く続く。

シーズニングシェリー樽と、アメリカンオーク樽(バーボン樽)の組み合わせを思わせるフレーバー構成だが、酒質由来の要素かシェリー樽由来か、香ばしい甘さが香味ともに混じっている点が特徴的。そこから余韻にかけてオーキーな要素も顔を出すものの、基本的にはシェリー樽ベースの香味が主体。バランス良く作られたオフィシャルシェリー系モルトのひとつ。

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最近、リニューアル後のロットが正規品として出回り始めたアベラワー・ダブルマチュアード。リニューアル後も12年、16年、18年とエイジング表記のラインナップはそのままですが、18年だけ500ml仕様に変わっています。

構成はシェリー樽熟成原酒と、バーボン樽熟成のバッティング。リニューアル前はどれも緩い加水オフィシャルという印象でしたが、16年と18年を飲んで、以前のロットに比べてシェリー感が増したというか、アメリカンオーク以外にスパニッシュオークも混じって樽感が強くなったような印象を受けました。
使われているシェリー樽の比率だけでなく、系統が変わったのでしょうか。そういえば2000年から2001年はアベラワーを所有していたシーバス社がペルノリカール社の傘下に入った年でもあり、樽の調達先など傾向が変わっていたもおかしくありません。

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(アベラワー・ダブルマチュアードの新旧デザイン。16年と18年は新ボトル。12年は旧ボトル。新ボトルはラベルのデザインと、ボトルの加工が異なる。ただし18年は旧世代のデザインを踏襲しており、あまり変わった印象を受けない。)

デザインについては、直近のリニューアルで、ボトル正面にABELOUR DISTILLERYの加工が直接入り、小さくなったラベルと合わせて逆にかっこよくなったと思います。
ただ、今日のレビューアイテムである18年に限って言えば、価格がお求め安くなったように見えて、700mlに換算すると値上がりという、消費者心理としては複雑なリニューアル。12年、16年にあるボトル加工も18年には採用されておらず、なんだかちょっと残念な感じがあります。

ただ、飲んでみると中身はそう悪くない。むしろ先に述べたようにシェリー比率が高めで、これはこれで近年の1万円程度のシェリー系ウイスキーの中ではとしては良い方なんじゃないかと思ってしまいます。
実質的な値上げはシェリー樽の比率が増えたためかもしれません。このテイスティングをしたのはマッカラン18年を飲んだ日で、相対的にそう感じてしまったのかもしれませんが、厚みも適度にあって硫黄感もなく、オークフレーバーを隠し味にしてダークフルーツ系の甘味と香ばしさが合わさった、良くできたオフィシャルです。


ちなみにシェリー樽受難の昨今、ミドルエイジのシェリー系オフィシャルといえば
・グレンドロナック18年
・アラン18年
・アベラワー18年
この中から、どういう系統が好みかで選んでいくのがオススメです。
個人的にイチオシはアランですが、このアベラワーも中々。ドロナックは中身が20年以上なので鯖読みしちゃってますが、飲み比べると濃厚タイプでは現行品の中でも一強状態。やはり熟成年数は偉大か。。。

なおグレンリベット18年もシェリー樽由来のニュアンスがありますが、リニューアルでシェリー感が減ってしまいましたし、ファークラスとマッカランはまあちょっと、うん。タムデューもボトルは良いんですが。。。樽の質の問題か、熟成感がまだ足りない。
後はロッホローモンド系が年々良くなって来ているので、そろそろケミカルフルーツシェリー路線を作ってくれることを期待しています。

オールドプルトニー 10年 2008-2019 信濃屋 Whisky KID 60.4%

カテゴリ:
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PULTENEY 
SIGNATORY VINTAGE 
For Whisky KID from Shinanoya, Tokyo 
Aged 10 years 
Distilled 2008 
Bottled 2019 
Cask type 1st fill bourbon barrel 
700ml 60.4% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:ジェイズバー
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:うっすらとバニラやオーク香の層があり、若干の酸、溶剤系の刺激を鼻孔に感じる。続いて干し草や微かにハーブ。レモン、焦げたようなスモーキーさがじんわりと広がる。

味:口当たりはブリニーで、とろりとしたおしろい系の麦芽風味と塩気、香りで感じた若さに通じる柑橘系の酸味から、ひりつくスパイシーな刺激があり。余韻にかけてほろ苦いピートフレーバー、ハイトーンなフィニッシュがはつらつとした若いモルトの個性を感じさせる。

ファーストフィルだが樽感はそれほどではなく淡い。樽にマスクされていないので味わいには若さに通じる要素が見られるが、麦芽風味と塩気、若干の溶剤っぽさに通じる刺激は、オフィシャルの加水リリースでは味わい難いプルトニーらしさ。尖った個性を楽しめる、ボトラーズに求めたい1本。

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(自分の写真があまりに貧相なので、ウイスキー仲間のMさんにお借りしました(笑))

信濃屋の新バイヤーである(あ)こと、秋本さんがカスクチョイスした、シグナトリーのプルトニー。ラベルに書かれたWhisky KIDは同氏の通称(ひょっとして蒸留所関係者からそう呼ばれた?)で、このプルトニーがバイヤーとしてのスコッチモルトのファーストリリースとなります。

KID、つまり”若手”ではありますが、TWDの活動等でこれまで度々テイスティングの勉強をお互いにしていたなかで、秋本さんのしっかりと原酒の特徴を捉えてくるテイスティングは、業界内でも高いレベルにあるものと感じています。
それ故、このリリースはまず間違いないと予想していた訳ですが、無理にハイエンドを追うのではなく、手にしやすい価格のなかで蒸留所ならではの個性が分かりやすく、そして通好みの美味しさのあるカスクをチョイスしてきたのは流石だなと思います。

やや若さは残っていますが、1st fill bourbon barrelにしては淡い樽感に、プルトニーらしい麦芽風味とスパイシーで若干溶剤的なニュアンスも伴う刺激。「そうそう、プルトニーの短熟原酒って、こんな感じだよなぁ」と。そして酒質由来の風味もそうなのですが、淡い樽感から蒸留所限定品を飲んでいるような印象を受けます。
それこそ、シグナトリーが蒸留所からある程度熟成した樽(例えば7~8年程度熟成したもの)を購入していたのでは?、と思えるような仕上がりです。


ボトラーズリリースの原酒は、樽使いだけでなく熟成環境が蒸留所と異なるケースがあり、オフィシャルと違うキャラクターとなってリリースされることがしばしばあります。
データ上の比較なので、必ずしも熟成環境に直結しないかもしれませんが、例えばプルトニーがある本土最北の地域(ウィック)。ここは夏が短く冬が長い、そして気温は短い夏場でも最高気温で16度前後、基本的には10度未満の時間帯が非常に長い地域とされています。
一方シグナトリーの熟成庫があるのは、南ハイランドのパース。ここは夏場で20度、平均最高気温で2度以上違う統計があるなど北ハイランドよりも温暖かつ、冬場はさらに寒く寒暖差もある地域とされています。

樽のエキスは温暖な時に蛇口が開き、寒冷な状態では閉まります。実際、プルトニーのシングルモルトは圧殺系のシェリーを除くと熟成年数に対して樽感が淡く、酒質由来の風味、刺激を感じやすい傾向があると感じており、今回のリリースはまさにその特徴にドンピシャだったわけです。
事実は違うかもしれません。単なる偶然かもしれません。が、専門性とは切り離されたところに愛好家としての愉悦はある。あーだこーだ楽しむ要素があるのが、良いウイスキーの条件であると思うなかで、今回のボトルはその条件にも合致したグッドリリースでした。
WHISKY KIDの次の1本、今後の展開にも期待しています。

クライヌリッシュ リザーブ ゲームオブスローンズ 51.2%

カテゴリ:
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CLYNELISH 
RESERVE 
GAME OF THRONES 
HOUSE TYRELL 
700ml 51.2% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:不明
場所:ジェイズバー
評価:★★★★★★(5ー6)

香り:やや発酵したような酸を伴う甘酸っぱいアロマ。樽感に多少の荒さはあるが、湿った木材、杏子や無花果、ブラウンシュガー。仄かにワクシーなニュアンスも感じられる。

味:スムーズで若干の水っぽさ、そこからクリーミーでワクシーな麦芽風味が感じられ、バニラやお粥、オーク由来の黄色系のフルーティーさをアクセントに、余韻にかけて荒さ、強さが口内を刺激していく。
余韻は麦芽由来の白系の甘味とほろ苦さ、籾殻を思わせるざらつき、ほのかなピートを伴う。

香味構成はオフィシャル14年のベクトルにあるが、先にあるのではなくそこまでの途中というモルト。麦芽風味のらしさに加え、バーボン樽だけでなく、複数の樽の個性を感じる。全体的に香味の強さはあるが、味のほうは立ち上がりでもたつく印象あり。ただし万人向けのリリースとして考えると、これくらいのほうが親しみやすいのかも。アクセルオンで即ドカンというピーキーな仕様では難しいか。。。ってなんの話だか(笑)。
こういうリリースを飲むと、通常の14年の完成度の高さがよくわかる。

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ディアジオ傘下の蒸留所ならびにブレンド銘柄と、大人気テレビドラマとのコラボレーションラベル。欧米市場や免税店向けの限定リリースです。
こうして画像をみると、全部限定品とか気合い入ってるなぁと思わせて、大半はオフィシャル既製品のラベル張り替えの模様。そのため、ドラマに興味がない自分は特に気にもしていなかったのですが・・・。クライヌリッシュとラガヴーリンはオリジナルリリースのようで、機会があれば飲んでみたいと思っていました。

現行クライヌリッシュでカスクストレングスと言えば、かつては蒸留所限定品があり(現在は48%加水仕様、写真下参照)、最近だとディアジオのスペシャルリリースで似た名前の「セレクト・リザーブ」があったところ(価格は天と地ほど違いますが)。どちらも良い出来だったので、正直このゲームオブスローンズ向けボトルにも相応のクオリティを期待していたのです。

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(現在販売されているクライヌリッシュの蒸留所限定品。同銘柄らしいワクシーな麦感と、オークフレーバーの華やかな熟成感のバランスが良い。限定品として申し分ない完成度の1本。ラベルも特別感あり。)

で、飲んでみるとどうも思っていたのと違う。バーボン樽系の原酒に加えて、リチャーオーク、または一部シェリー樽かワイン系の樽で熟成された原酒が使われているのか、香りにくぐもったような印象と、酸を伴う樽香が感じられます。若い原酒に樽を押し付けたような原酒に通じるところがあります。
また、中間以降に”らしい”麦芽風味、メーカーテイスティングコメントでみられるトロピカル表現(以下参照)に該当する、オークフレーバーもあるはありますが、これは公式が過剰に使いすぎ疑惑。フレッシュトロピカルでパパイヤでマンゴーは果たしてどうかと。。。
先に書いたように口に含んでももたつくところが、求めているのはもっとこう分かりやすい、パッと広がるような美味しさなんですよね。

一方、クライヌリッシュ・リザーブは、日本だとなぜか強気の価格設定ですが、イギリス等ではオフィシャル14年とほぼ同額なリリースだったりします。
香味の印象に加え、外的要素からも推察すると、10年程度の若い原酒をベースに樽感でそこを補うように仕上げたカスクストレングス仕様ではないかと。ただし、最近オフィシャルでクライヌリッシュのカスクストレングスなんてモノはありませんでしたから、お土産用のボトルとしてなど、現地価格でならアリかなぁとも感じています。

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