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グレンドロナック オリジナル 33年 2000年代流通 40%

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GLEN DRONACH 
ORIGINAL 
AGED 33 YEARS 
2000's 
Matured only in the Finest Oloroso Sherry Casks 
700ml 40% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:個人宅
評価:★★★★★★★(7)

香り:ふくよかで広がりがあり、色濃い甘さと熟したベリー系のニュアンスを伴うダークフルーツのアロマ。カカオチョコレート、濃く入れた紅茶。古びたウェアハウスにあるような湿った落ち着きのあるウッディネス。求めているものがある。

味:含み香はリッチだが口当たりは緩く、中盤は平坦で広がりに欠ける。カカオチョコレート、薄めたベリーシロップ、微かに黒土。じわじわと樽由来のタンニンが、キャラメルナッツを思わせる甘味と香ばしさと共に舌に染み込んでくる。
余韻はウッディでビター、ややドライだが鼻腔に抜ける熟成香はオールドシェリーの要素をまとっている。

香りは素晴らしい、往年の愛好家が求めるシェリー香があり、これぞシェリー樽熟成のドロナックといえる要素を持っているが、加水が効きすぎていて口当たりはスムーズだが全体的に緩く、起伏に欠ける。それでいて余韻は熟成の長さからか樽が強くあるのが悩ましい・・・。
香りは★8クラスだが味を加味すると少々物足りないため、評価に幅をもうける★6ー7とするかも悩んだ。加水はせず、ストレートで。

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2005年頃にリリースされていた、オフィシャルハイエンド。実に7~8年ぶり、本当に久々にテイスティングしました。
結論から言うと決して不味いとは言いませんし、ソレラ排出の古樽熟成と思われる1本ですが、以前飲んだ時のまま、物足りなさを感じる印象は変わりませんでした。

ドロナックと言えばシェリー樽熟成ですが、2000年代にサントリーが取り扱っていたグレンドロナック・オリジナルのスタンダードは、シェリー樽熟成の後でバーボン樽フィニッシュという不思議な仕様の12年モノしかスタンダードがないなく。熟成年数でダブルスコア以上の間をあけて、ハイエンドの33年だけがオロロソ100%というラインナップでした。
価格は当時で30000円強。それでいて40%加水。決して悪くはないボトルですが、とうじにしては高価格だったのと、親会社が変わって2010年頃からリリースされた同時期蒸留のリミテッドエディションが同じ価格帯でリリースされたこともあり(また、その中身が素晴らしかったこともあり)、この33年モノは暫く売れ残る事となります。

長期熟成に伴うウッディさ、タンニンを抑えるためには、ある程度加水での"ならし"は必要だとは思います。
ただこれを登山に例えるなら、アスファルトで完全舗装された登山を愛好家が望んでいないように、ある程度起伏と変化に飛んだ道なりと景色が、テイスティングにおいても必要だと思うのです。
特に香り(登る前に見えた山の姿)で期待させられた後で・・・となれば、いざ上ろうとしたらアスファルトはおろか、エスカレーターまで整備されていたような印象はぬぐえません。
まあ万人向けとしては、これくらいでちょうど良いのかもしれませんが・・・。

些か抽象的な駄文が過ぎましたが、今回のボトルの中身は1970年代前半(恐らく1970年や1971年あたり)のオロロソシェリー樽熟成原酒。それゆえ、その当時のグレンドロナックが備える、特徴的なベリー感を纏うシェリー香が香り立ちに感じられ、加水も合わさって角がとれ、我々愛好家が求めているオールドシェリー香がしっかり備わっています。
先に触れた、後にリリースされる1970~1972あたりのリミテッドリリースや、グランデュワー等との共通香があり、間違いなく同じ時期の原酒を使ったものと考えられます。

ただ、ほぼ同じ時期の原酒が使われている1980年代後期のオフィシャルのクリアダンピー18年に比べ、香味の平坦さ、広がりの弱さが否めないのはやはり熟成期間の長さ故か。一概に加水調整して整えるにしても、どこでバランスをとって仕上げるか。そして香りと味でどちらに重きをおくか。長期熟成シングルモルトの素晴らしさと共に、難しさを感じる1本でした。

ミルトンダフ 7年 2011-2019 アスタモリス for モルトヤマ 60.6%

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MILTONDUFF 
ASTA MORRIS 
For Maltyama 
Aged 7 years 
Distilled 2011 
Bottled 2019 
Cask type Sherry Butt 
700ml 60.6% 

グラス:国際企画テイスティンググラス
時期:開封後1周間程度
場所:自宅
評価:★★★★★(5→5ー6)
※加水等で調整した場合。評価に幅あり。

香り:淡くサルファリー、かりんとうのような香ばしい甘味、あるいは焼きいもっぽさのあるオーク香。シェリー感は控えめで、微かにニッキのようなスパイスも感じられる。

味:口当たりは度数ほどは強くなく、キャラメルソースのかかったバニラ、膨らみのあるやわらかい甘味が淡いシェリー感とともに感じられる。そこから余韻にかけてはハイプルーフらしくひりつくような刺激が、カカオのような苦味とともに口内を支配する。

ストレートでは、仕上げが粗い未完の作品という印象。加水するとスパイシーかつオーキーなウッディネスと、ミルクチョコレートを思わせる甘いアロマが、若干の生っぽさと共に開く。味わいは一気にマイルドになり、樽由来の良い部分と酒質の膨らみのあるマイルドな味わいを感じやすくなる。加水またはロックで変化を見ながら楽しむのがオススメ。


シーバスリーガル、バランタインなどのキーモルトで知られるミルトンダフ。昔はピートとフルーティーさと、複雑さのある味わいでしたが、近年はマイルドでプレーンな主質というイメージです。
今回のボトルは、アメリカンホワイトオークのシーズニングシェリーバット(期間短め、チャー少なめ)での熟成と思われる構成で、熟成期間の短さと合わせてシェリー感は淡いタイプ。その分、酒質由来の要素も残っていて、総合的な完成度というよりも、こういう仕上がりになるのかという一樽の個性を楽しむボトルだと思います。

その個性が悪いという話ではなく、特に60%越えでありながら、飲み口の柔らかさと膨らみのある甘味に、ほんのりとシェリー樽由来のフレーバーという組み合わせは、若いカスクであるからこそ見えてくるキャラクターというか、オフィシャルとはベクトルの異なる構成です。
モルトヤマのオリジナルラインナップを見ていると、アスタモリス経由のリリースはそういう限られた条件のなかで光るものを持つ原酒を探すような、そんな位置付けを狙っているのかなとも感じます。


しかし最近こういう短期熟成が増えてきたなあ。。。と思いながら飲んでいましたが。よくよく考えると、10年前も長熟リリース以外でこういうボトルがないわけではなかったんですよね。
プロヴェナンスとか、ヘルムズデールとか、ケイデンヘッドのグリーントールなんてもう、若いしバッチバチだし。時代による酒質の違いはありますが、若いなりの個性を楽しむリリースは普通にあったことを思い出しました。

先に述べたように、このリリースもその位置付け。総合的な完成度が高い訳ではなく、ストレートでの評価は並です。
ただ是非試して欲しいのは加水。46~50%くらいまで下がったあたりからの、チョコを思わせる香り、焼いた洋梨のようなオークフレーバーに加えて味わいのまろやかさ、好ましい要素が開いてバランスがとれてきます。
じゃあ最初から加水でリリースすれば良いじゃないかと言う意見もありそうですが、それじゃ面白くない。最後のやすりがけを自分でするように、比較しながら調整することで酒質の良さやボトルとしての良い部分を感じやすくなる。結果、成る程と思える一本だと思います。

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今日のオマケ:ラグビーワールドカップ日本代表戦ということで、ラグビーと言えばビール。ハイネケンです。
まあ。。。特にコメントは不要ですね。軽くて飲みやすい、湿度の高い日本の夏向きなビール。水のように飲めてしまう。
さあ頑張れジャパン。。。って勝ったよ!
前大会に匹敵するジャイアントキリング!だけど今回の試合は、奇跡じゃなくて純粋に勝つべくして勝ったって感じがある。
おめでとうジャパン!おめでとう日本代表!!ばんざーい!!!

グレンドロナック 15年 2000年代流通 43%

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GLENDRONACH
100% MATURED IN SHERRY CASKS 
AGED 15 YEARS 
1990-2000's 
700ml 43%

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:Eclipse first 
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライプルーンやかりんとうを思わせる甘くほのかに香ばしさのあるシェリー香に、ベリーを思わせる甘酸っぱさのアクセント。スワリングしているとドライなウッディさがメインになって、果実香が衰えていく。

味:スムーズで柔らかいコクを感じるしっとりとした口当たり。香り同様の甘味と果実感、オールブラン系の若干のほろ苦さのある乾いた麦芽風味。余韻はスウィートでややドライ、若干のタンニンや椎茸のようなニュアンスを伴って染み込むように残る。

基本的には同時期のマッカランやファークラスあたりと共通する、シーズニングタイプのシェリー感主体。そこに微かに伴うベリー感が70年代のドロナックに共通するシェリーカスクフレーバーの名残、共通項として感じられる。

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2000年前後に短い期間でリリースされていたドロナックのオフィシャル。
同オフィシャルリリースは、1980年代から1990年代にかけて、シェリーカスクメインのものと、リフィル(プレーンカスク)メインのもの、濃淡2種類で構成されてきていましたが、今回のボトルがリリースされていた時期のオフィシャルスタンダードは、100%シェリーカスクオンリーでした。

その後は12年表記でシェリー樽原酒をアメリカンオーク(バーボン樽)で再度熟成させたという、”オリジナル”に切り替わり・・・ただ、これは当時サントリーが取り扱っていたにも関わらず全く目立たない銘柄。
結局、親会社が変わったことで「ドロナックのハウススタイルはシェリーカスクにあり」と、2010年頃に18年アラダイス、15年リヴァイバル、そして12年シェリーカスクが発売され、大々的にラインナップが拡充され、100%シェリーカスクのドロナックが現代に甦ることとなります。

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(グレンドロナック18年アラダイス。1996年から2002年まで操業休止していた同蒸留所は、原酒不足から15年を休売とし、18年も同じ道のりを辿るものと言われていたが、結局現在も販売され続けている。最新ロットは18年表記でありながら中身は最短22年熟成という年齢詐称(笑)。味も正統派で、現行シェリーカスクとしてはかなり頑張っている。M、Fより断然オススメ。1本くらい買っておこうか。。。)

こうしてドロナックオフィシャルリリースの歴史を30年くらい俯瞰して見ると、サントリー時代の12年オリジナルが明らかに異色であり、その1本を境目にフレーバーの系統も大分異なることとなります。
ドロナックのハウススタイルはシェリー、そこに異論はないものの、このシェリー感が全く異なるんですよね。

以前レビューしたクリアダンピーボトルの18年は、素晴らしい赤い果実のフルーティーさを備えた1本。これは1970年代前半のドロナックのシェリーカスクに見られる特徴で、流通時期と熟成年数を考えれば違和感のない特徴と言えます。ここから徐々に該当する果実感が薄くなっていき、今回の15年でひっそり感じられるあと、サントリー時代を挟んで消える。
逆にシェリー感に近年のシーズニング系というか異なる甘味、果実感が増えていくのがもうひとつの傾向であり、使われている樽の比率が変わっていったことが香味の変化から感じられるのです。

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今日のオマケ:ニュートン アンフィルタード ピノ・ノワール 2014
モエヘネシーが所有しているワイナリー。樽での発酵後、フィルタリングをしないで瓶詰めされるというウイスキー好きが反応しそうな仕様も特徴。
トータルでは普通に美味しいカリピノですね。特徴とも言えるベリー系の甘酸っぱさに、もう少し熟した感じがあるかと思ったら、意外と仏っぽさがあるというか、ちと香りや味のタンニンも硬く、若々しい感じが。1日置いても大きく変わらず、作りはしっかりしているだけに4~5年放置しても良いかなって印象です。

アバフェルディ 12年 40%

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ABERFELDY 
HIGHLAND SINGLE MALT SCOTCH WHISKY 
GUARANTEED 12 YEARS IN OAK 
700ml 40%

グラス:SK2
場所:自宅
時期:開封後2ヶ月程度
評価:★★★★★(5ー6)

香り:ややドライだがすりおろし林檎のような酸と果実香、華やかなフルーティーさのなかにほのかにおしろいのような麦芽香と干し草、スパイスも感じられる。

味:少し水っぽさのあるスムーズな口当たり。薄めた蜂蜜や林檎、品の良い白系の果実味と麦芽風味。オーキーな華やかさも備わっているが、合わせてドライでナッツや籾殻、多少の荒さが徐々に口内を刺激し、ほろ苦くウッディなフィニッシュへ。

加水が効いているため各フレーバー毎の主張はややぼやけた印象もあるが、アバフェルディらしさとモルトとして好ましい部分は充分感じる事が出来る。ストレートではその加水で抑え込んだような構成で、仕上げの荒さが多少気になるもののハイボールにはちょうど良い。

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現行品5000円以内で購入出来るハイランドモルトの中で、オススメの一本がアバフェルディ12年です。以前からリリースされていたオフィシャルですが、2014年頃にリニューアルされ、香味を大きく落とすことなく(むしろ良さがわかりやすくなって)近年に至っている。リカル7月号のでもオススメボトルとして紹介させていただきました(以下、画像参照)。

樽構成のメインはバーボン樽。アメリカンホワイトオークに由来するオーキーな華やかさは、過度に主張せず全体の1ピースとして備わっている程度で、それ意外に酒質由来の麦芽風味、熟成によって生まれる蜂蜜を思わせる甘味、ドライなウッディネス・・・。
オールドのアバフェルディに比べてボディの厚み、麦芽風味が控えめになっているのはスコッチ全体に見られる流れで仕方ないとしても、近年のスコッチモルトに求められているフレーバーや、アバフェルディ蒸留所のハウススタイルを味わえる、良くできたスタンダードリリースだと思います。

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(酒育の会発行、リカル7月号。連載企画でオススメのオフィシャルスタンダードを紹介していく。王道的な良さがあるアバフェルディは、デュワーズのキーモルトとしても馴染みがあるため、迷わず第一弾のラインナップに加えた。ロッホローモンドとでは対極にあるような並びだったと思う(笑))

ただし加水が強めに効いているためか個性がぼやけている部分もあり。これは万人向けリリース故仕方のないところですが、12年のみを飲むと、まあこんなもんかという感想を持つこともあるかもしれません。今回の評価で★5というのは、そうした視点も含めて、単体の香味のみで見た基準になります。
ですが上位グレードである21年とフレーバー構成が同じベクトル上にあるため、12年を飲んだ後で21年を飲むと、類似のフレーバー構成で熟成感と完成度の違いが分かりやすく。またその逆で21年を飲んだあとで時間を置いて12年を飲むと、感じる事が出来る良い部分にピントが合いやすくなり、デイリーに使える1本としての魅力に気づく。。。これが、アバフェルディ12年の総合的な評価になります。

そのまま飲んでもそこそこ美味しいけど、他のグレードも経験すると、さらに美味しく感じられるようになる。間口広く奥深い。オフィシャルスタンダードのあるべき姿ってこういうのだよなと思える1本なのです。

インチマリン 14年 2004-2019 Y’sカスク 静谷和典セレクト 55.1% 

カテゴリ:
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INCHMURRIN 
Y's CASK & BAR LEMON HEART 
Selected by Kazunori Shizuya 
Aged 14 years 
Distilled 2004 
Bottled 2019 
Cask type Rechard American Oak #1913 
1 of 568 Bottles 
700ml 55.1% 

グラス:テイスティング
時期:開封後2週間程度
場所:BAR 新宿ウイスキーサロン
評価:★★★★★★(6)

香り:ややハイトーンで風邪薬シロップのようなケミカルな甘いニュアンスと、微かに赤みを帯びた乳酸系の酸を伴う香り立ち。あわせてドライなウッディネスがレモンピール、干し草などの乾いた植物感も伴う。

味:香り同様にケミカルな要素と甘酸っぱくフルーティー、スパイシーな口当たり。樽由来か中間に粉っぽい舌触りがあり、シロップの甘味、グレープフルーツ等の柑橘感。
余韻にかけて微かにハーブ、スパイシーな刺激が増していくようで、ドライなフィニッシュへと繋がる。

現行インチマリン(ロッホローモンド)の酒質部分の個性がはっきりと出ている1本。開封直後はフルーティーさが足りず、スパイシーな仕上がりが強い傾向だったが、時間を置いて改めて飲んでみると、好ましい変化もあり、開封後数ヵ月単位で慣れさせると良いかもしれない。少量加水するとケミカルなニュアンスにホットケーキのような生地の甘味が加わって、スウィートで飲みやすくなる。

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今日本で最も勢いのあるバーマンの一人と言える、BAR LIVET & 新宿ウイスキーサロンの静谷氏がロッホローモンド蒸留所でセレクトしたインチマリン。
表ラベルはファミリー企画のレモンハートシリーズ仕様で、BAR LIVETのカウンターでウイスキーを飲むマスターと、静谷さんの姿が描かれています。

一方モノを扱っているのはロッホローモンドの正規代理店でもある都光で、この選定にはリカマンのスピリッツバイヤーである伊藤さんも関わっている模様。
Slected by Kazunori Shizuyaの隣には、小さく伊藤さんの名前と、上記裏ラベル(本来はこっちが表か?)にはEXCLUSIVELY For TOKO TRADING表記があり、本ボトルに関わった方々の相関図が見えるようでもあります。

それではそろそろ中身の解説を。ボトリング本数568本は約400リットル分あることと、樽由来の香味の淡さから、熟成に使われた”リチャード・アメリカンオークカスク”なる樽は、複数回使用のシェリーバットがベースであると推察。
複数回使用後であるためか、アメリカンオークといっても1stフィルのバーボン樽のような、近年のロッホローモンド蒸留所の原酒が持つフルーティーさを後押しするフレーバーは控えめで、むしろ樽由来とおぼしき酸が感じられる以外には、酒質由来のケミカルな甘味とハーブ、スパイシーな刺激が主体という構成となっています。
また、リチャーでありながら焦がした樽材由来の要素があまり感じられないのも特徴で、そこまで強く焼きを入れてないのかもしれません。どちらかといえば、サードフィルのシェリーバットという方が自然な感じのする仕上がりと言えます。

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(同じY's Caskシリーズから昨年末頃にリリースされた、バーボン樽熟成のインチマリン2002-2018。酒質のケミカルな特徴はほぼ同じだが、樽の違いでパイナップルを思わせるフルーティーさが強調されている。まさにジェネリックトロピカル。飲み比べてみるのも面白いだろう。)

そのため、開封直後の印象ではインチマリンに求めるジェネリックトロピカルというか、アイリッシュ系統のフルーティーさがあまり感じられず、ハーブや植物感のような癖と、人工的なシロップの甘味、スパイシーな刺激といった酒質由来の部分が目立っており、時間置いた方が良いと判断。
2週間ほど間を置いて改めて飲んでみると、フルーティーさが開いてきているように感じられ、テイスティングの通りポジティブな変化が見られました。

静谷氏のテイスティングコメントでは”青パパイヤ”という表現が使われていますが、大概の果実は売られている段階から少し置いて食べ頃を待ちます。つまりこのボトルもまた、熟していくのに多少時間が必要といったところでしょうか。
いっそ3本くらい同時に開けておいて時間経過後をサーブするようにしたら?なんて話をカウンター越しにしながら、半年、1年後の姿をイメージして楽しんだ1杯でした。

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