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グレンドロナック ハンドフィル 25年 1993-2018 蒸留所限定 57.7%

カテゴリ:
GLENDRONACH
HAND-FILLED
Aged 25 years
Distilled 1993
Bottled 2018
Cask type Sherry Butt #698
700ml 57.7%

グラス:
場所:BAR ミズナラカスク (水楢佳寿久)
時期:開封後半年程度
暫定評価:★★★★★★(6)

【ブラインドテイスティング回答】
地域:スペイサイド
蒸留所:モートラック
熟成:20年程度
蒸留時期:1980年代後半~1990年頃
樽:シェリーバット・スパニッシュオーク
度数:58%程度

香り:ドライでスパイシー、ドライプルーンなどのダークフルーツ、香木やハーブのアクセント、かすかに黒蜜を思わせる甘酸っぱく濃厚なシェリー香。

味:パワフルで濃厚、しっかりとした酒質で余韻にかけてスパイシーな刺激も感じられるが、どこかこなれたような印象を受ける口当たりでもある。
余韻はビターで湿ったようなウッディネス、カカオチョコレートにベリーや黒葡萄、ハイトーンで長く続く余韻。

おそらくスパニッシュオークのシェリーカスクで、近年系シェリーの中でも評価されているタイプの香味が備わっている。十分美味しいのだが、もう少し甘みというか果実味が該当する香味に備わっていれば、さらに上の評価をつけていた。ストレートまたは少量加水で。


BARミズナラカスクにて、オーナーの篠崎さんが現地蒸留所にて購入されてきた、バリンチ(ハンドフィル)ボトル。何杯か飲んだ後で、最後の1杯に「ちょっとブラインドでもやってみます?」として出題いただいたものです。

シェリー感は所謂シガーモルトタイプ。テイスティングの通り強い酒質があり、かつ比較的涼しい場所にある内陸系の蒸留所で思い浮かんだのが、グレンファークラスやモートラック。どっちかと言えばモートラックかなぁという感じでしたが、該当する蒸留時期でグレンドロナックが出てこなかったのは不覚でしたね。。。 

一方で、口当たりには経年変化に近いようなこなれた印象もあり、熟成というよりボトリングから数年単位で時間が経ったのではないかと予想しましたが、思いっきり近年ボトルでした。
その違いはスペックを効いて納得。グレンドロナックのハンドフィルは、一度樽から払い出した原酒を90リットル程度のハンドフィル用のカスクに移し、そこから購入希望者が詰める形式で販売されています。
そのため、通常のボトリング行程と比較して空気に触れやすい環境にあることが、今回のようなこなれた印象に繋がったのかもしれません。

glendronach-hand-filled-visitor
(グレンドロナック蒸留所、ビジターセンターでのハンドフィル風景。購入者がラベルにサインし、ボトリングが行われる。画像引用:Peated perfection

ブラインドテイスティングの回答としては、樽と度数しか合致しておらず、それ以外は誤差の多い結果になってしまいましたが、誤認した部分と整合性の取れる理由もありましたので、納得のいく結果でもありました。何より、現地で購入された貴重なボトルのテイスティング機会を頂き感謝です。

それにしてもこういうスタイルのハンドフィルはまさに限定品という感じで、ロマンがありますよね。法律の問題などあるのだと思いますが(確か瓶詰め専用の部屋が必要とか)、現在日本の蒸留所で同じスタイルのハンドフィルの販売を行っているところはなく、あるのは酒屋の量り売りくらい・・・。
大手は難しいと思いますが、原酒の量がある程度確保できた数年後、クラフトディスティラリーなどはこうした試みを行っていただけないかなと思っています。

グレンファークラス ファミリーカスク 1990-2014 信濃屋向け 52.9% #7067

カテゴリ:
IMG_8587
GLEN FRACLAS
THE FAMILY CASKS
For Shinanoya
Distilled 1990
Bottled 2014
Cask type Refill Sherry Hogshead #7067
700ml 52.9%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:BAR エクリプス
暫定評価:★★★★★★(6-7)

味:ドライで香ばしさを伴う、ブラウンシュガーとオレンジママレード、ドライプルーンのような甘いアロマ。乾いた牧草を思わせるウッディーさも伴う。

香り:スウィートでマイルドな口当たり。紅茶シロップのような蜜っぽい甘み、黒砂糖、レーズンチョコ、心地よくドライで余韻にかけてプレーンカスクにあるような黄色い果実感も伴い、フィニッシュはしっかりと長い。

リフィルホグスヘッドだが、シェリー感はしっかり感じられる。何より、余韻にかけてのフルーティーさがこのウイスキーの強みである。じっくりと時間をかけながら楽しみたい。


信濃屋さんが、2015年にリリースしたファミリーカスクの1本。リリース直後以来のテイスティングとなる、ちょっと懐かしいボトルをオーダーしました。
改めて飲むと今年の初めに丸亀のサイレンスバーが30周年を記念してリリースした、同1987と近い系統にあるように感じます。
好みの差はありますが、自分はこういう余韻でピートかフルーティーさが感じられるタイプが好みなのです。


近年リリースされたものも含めて分類すると、樽の種類の違いと合わせ、グレンファークラスの1990年前後のビンテージは、 
・スパニッシュオーク感満載のこってりと濃厚なタイプ
・このボトルのようにシェリー感の奥に黄色系の果実味が潜むタイプ
・アメリカンホワイトオークのシーズニングと思しき、ひりつくような強いアタックに乾いた草や焦げた木材のようなニュアンスを伴うもの
と、だいたい3パターンが傾向としてあるように思います。(あとたまにお猿さん。)

先日、とある限定ボトル選定用のカスクサンプル5種類を飲み比べる機会があったのですが、やはりこんな感じに分類できる中で、蒸留所側のイチオシは2番目の果実味が潜むタイプ。
そう言えばこの1990も、確認のためにテイスティングした蒸留所関係者がこの原酒は出したくなかったと、そう呟いたエピソードがあったのではなかったでしょうか。
事実とすれば、グレンファークラスは台湾など海外からの引き合いも強い中で、評価される原酒が今尚日本に入ってきている事でもある。今年は日本向けカスクストレングスもリリースされましたし、ちょっと嬉しい話ですね。

このフルーティーな香味が出る理由は定かじゃありませんが、個人的にはファークラスがシェリーカスクのスタイルの一つとしている1979などのプレーンカスクにヒントがあるのではないかと考えています。つまり鏡板や、樽材の一部にそうした香味につながるオーク材が使われているとか。。。
いずれにせよ、自分が求める近年ファークラスもこの通りで、今後も定期的にリリースされることを願うばかりです。

インチガワー 18年 2000-2018 信濃屋銀座店24周年記念 53.3%

カテゴリ:
sinanoya-ginza-inchgower-tasting
INCHGOWER
SHINANOYA GINZA 24th Anniv
Aged 18 years
Distilled 2000
Bottled 2018
Cask type Hogshead #804706
700ml 53.3%

グラス:グレンケアンテイスティング
場所:Jam Lounge
時期:開封後2週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで華やかなウッディネス。干草、ビスケット、バニラや洋ナシ、そしてパイナップルを思わせるフルーティーさが徐々に開いてくる。奥にはケミカルなニュアンス。

味:スムーズで少し青みがかったフルーティーな口当たり。瓜やすりおろし林檎、そしてパイナップルキャンディ。奥には微かにおしろいっぽさを含む麦芽風味。
余韻はオーキーな華やかさと、乾いた植物。ケミカルなニュアンスを伴うフルーティーさとシロップの甘み。軽いスパイシーな刺激を伴うフィニッシュ。

ボディはミディアム程度のハイランドタイプのモルトに、ホグスヘッドらしいフルーティーさが合わさっている・・・のだが、アイリッシュっぽい要素も含んでいる。少量加水すると樽感と酒質由来の要素が混ざりありバランスが整う。


信濃屋銀座店のオリジナルボトル。ラベルのベースとなったイラストの描き手、アルフォンス・マリア・ミュシャから通称"ミュシャラベル"と呼ばれるリリースです。
2016年にリリースされた前作は、2000年蒸留のグレンギリー15年。このリリースは蒸留所のキャラクターが判りやすいだけでなく、バーボン樽由来のフルーティーさが合わさって内容的にも価格的にも満足度の高い1本に仕上がっていたところ。

そして同店の24周年を記念して今年再びリリースされたミュシャが、同じ2000年蒸留のインチガワー18年です。
インチガワー自体はベルなどのブレンド向け原酒であるため、ボトラーズのリリースはそう多くはなく、オフィシャルも花と動物シリーズの14年が代わりにある程度。シングルモルトとしてそこまで個性に馴染みがある蒸留所ではないのですが・・・、微かな塩気を伴うハイランドタイプのモルトというのが、広く認知されているハウススタイルでしょうか。


今回のボトル、リリース時に銀座店店頭で選定用のカスクサンプルもテイスティングさせてもらっています。
そのサンプルではホグスヘッド由来のフルーティーさとバニラ、ビスケットのような麦芽風味があり、ボトラーズのハイランドモルトとして、そしてインチガワーとしても、納得できる作りが感じられました。

ところが、リリースされたボトルを飲んでみると、フルーティーさにケミカル系のアイリッシュっぽい要素が加わっており、キャラクターの違いに少々驚かされました。
サンプリング時とボトリングまでの間の経過に伴う熟成を通じた変化。加えて樽の中の味わいは均一ではないということと、場合によってはボトリング設備の影響を受けることもある。この違いは樽買いの難しさだと思います。



(信濃屋WEBサイトより引用。インチガワー蒸留所外観の一部とポットスチル。)

想定とはちょっと異なったのではないかと思いますが、いずれにせよ純粋に美味しいボトラーズリリースです。
今回のサンプルは、信濃屋バイヤー陣が現地で調達、同店副店長かつハードリカー担当の堤氏が選定したもの。 ウイスキー高騰が続く中で、前回のグレンギリー同様に内容的にも価格的にも納得感あるリリースを選べるのは、同店がこれまで作ってきたコネクションがあるからこそですね。

リリースから紹介が遅くなってしまいましたが、信濃屋銀座店は来年の25周年、そして30周年に向け、今後も日本のハードリカーシーンを牽引する拠点の一つであってほしいと感じています

クライヌリッシュ ブティックウイスキー 50.6% Batch No,2

カテゴリ:
CLYNELISH
BOUTIQUE-Y WHISKY 
Batch No,2
Release in 2013
500ml 50.6%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:ブラインドサンプル@Wennyさん
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

【ブラインド サンプルB】
地域:ハイランド
銘柄:ベンネヴィス
年数:20年程度
流通時期:2010年代
度数:48〜50%
樽:バーボンホグスヘッド
仕様:シングルカスク

香り:干草や乾いた麦芽のドライなアロマから、乳酸系の酸味、キウイフルーツや人工的なパッション香、時間経過でおしろいを思わせる甘みも感じられる。

味:少し水っぽさのある口当たり、バニラ味の風邪薬シロップ、おしろい、オーキーで黄色い果実味。後半にかけてヒリヒリとした刺激、ケミカルな甘みも伴う。
余韻はドライでほろ苦く、乾いたウッディネス。オーキーな華やかさの残滓を伴い長く続く。

ハイランド系の酒質と熟成感。人工的なニュアンスのあるフルーティーさとおしろいを思わせる麦感は、度数落ちホグスのベンネヴィスだろうか。同系統のフレーバーを出すものとしてはアイリッシュにしては麦系の香味が厚く、ロッホローモンドにしては熟成が長い印象。


リカーショップ、マスターオブモルトがリリースする、ブティックウイスキーカンパニーブランドのクライヌリッシュ。スペックの詳細は明かされていないものの、度数、樽、熟成年数、流通時期などの諸条件は、そこまで大きく外してはいないと思います。蒸留は90年代前半で、ボトリング本数から、樽はホグスヘッドでしょう。

しかしいただけないのが、蒸留所に結びつく特徴の捉え方。今回は白粉っぽい厚めな麦芽風味以外に、人工的なニュアンスのある甘み、リキュールやシロップのような果実味を強く拾ってしまい、こりゃ多少麦感もある90年代の前半から中頃くらいのベンネヴィスかなと。結果は大外し、麦系が強いクライヌリッシュだったワケです。
地域指定ハイランドと言えば予想は近いようですが、正直猛省ですね。

正解発表の後で改めて飲んでみると、ああ、これはクライヌリッシュだよというワクシーで白粉っぽい麦感の方が強く感じます。こんなにわかりやすいキャラクターだったのに、ピントが合わないとこうもズレる。
これが情報を飲むということであり、どこにフォーカス出来るかというブラインドの難しさ。まだまだだぞと良い刺激を頂いた出題でした。ありがとうございます!

グレンギリー 10年 1990年代初頭流通 40%

カテゴリ:
GLEN GARIOCH
10 YEARS OLD
Highland Single Malt
1980-1990's
750ml 40%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後2週間程度
暫定評価:★★★★★(5)

香り:白ぶどうや洋梨を思わせる、淡い酸味とフルーティーさ。干草、ラベンダー、あるいはポプリを思わせるフローラルなアロマ。

味:少し水っぽさのある軽やかな口当たり。麦感、洋梨、合わせてフローラルなパフューム香が鼻腔に届く。また、ライトなピーティーさも感じる。
余韻はダシっぽいコクも感じつつ、心地よくドライ、フローラルでビターなフィニッシュ。

ボウモアタイプのフローラルなパフューム香が備わっているが、構成としてはハイランドらしい軽やかな麦芽風味とほのかなピーティーさで、純粋な完成度は決して低くない。該当する香味が問題ない飲み手は美味しく頂けるボトルと考えられる。


グレンギリー、モリソンボウモア社時代最後のラベル。この後サントリー傘下となり、鹿の描かれた小豆色系のトールボトルにチェンジします。
当時のグレンギリーといえば、パフュームフレーバーで知られ、蒸留時期が1990年代に入ると消えることから、モリソン社のモルトは1970年代後半から1980年代いっぱいの蒸留時期が鬼門。それもボウモアと同系統の香りが出ているのですから、原因も共通。。。即ち冷却機の処理という説の信憑性を高めています。

ただ、パフューム香は好みの問題であり、それを一つのフレーバーと見るならこの手のボトルは決して完成度が低い訳ではありません。
軽やかな麦感、白色系の果実味、余韻にかけて残るライトなピート。まさにハイランドなスタイルの一つ。このブログの評価は、ウイスキーとしての基礎点4点に自分の好み6点分を加点していくスタイルなので★5という評価になりますが、より高評価なコメントがあってもおかしくはないと思います。

なお、同ラベルのボトルには黒いキャップシールと金色のキャップシールの2パターンが存在します。(今回のボトルは黒)
ロットとしては金色の方が古く、黒い方が新しい。何本も飲み比べた訳ではないものの、自分が飲み比べたものはどちらも同系統ながら、金色の方が麦芽風味が強い印象。。。つまりこのラベルを見たら、飲み手を選ぶヤツと思って頂ければと。

一方、ラベルの蒸留所のイラスト部分が丸く切られたロットが1世代前の当たるのですが、昔飲んだ印象では綱渡りしてるようなそれ系のニュアンスがありつつ、麦感主体でギリギリOKだった記憶があり。。。ちょうど良い機会なので、改めて飲んで確認したいと考えています。

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