カテゴリ:
BOWMORE
"Night Fly (Seagulls)"
Aged 25 years
1990-2000's
750ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:エステリーでフルーティー。林檎のカラメル煮やアプリコット、ほのかにナッティーで、土っぽいピートフレーバーを伴う良質な香り立ち。奥には微かにフローラルなアロマもあるようだが、ストレートでは気にならない。

味:スムーズでラベンダーなどのフローラルなパフュームを伴う心地よくドライな口当たり。赤い果実、熟した洋梨などのフルーティーさ、中間からスモーキーで骨太。余韻はどっしりとしたピートとオーク香、パフューミーでまったりとした甘さが長く続く。

これぞボウモアの1970年代と言うキャラクターを持った1本。間違いなく好みが分かれるが、フローラル系のパフュームをフレーバーの一つと割り切るなら、レベルの高いボトルとも感じる。加水するとオイリーで香りにもパフュームが強く前に出てくる。味は伸びるがフレーバーそのものが。。。

月明かりに照らされ、夜の闇に浮かぶボウモア蒸留所、そして2羽のカモメ。BOWMOREの表記の周囲には、夜空に煌めく星も見える。
ラインナップは22年、25年の2種類で、写真のようにボトルを並べると、熟成年数の違いで夜が更けていくように見えます。
このリリースは日本国内では通称「ナイトフライ」、海外では「シーガル・ブルーセラミック(人によってはムーンライト・シーガル)」と呼ばれ、見ての通り非常に雰囲気のあるボトルデザインから、コレクターズアイテムとなっています。

一方で、中身は逆算すると1970年代中頃から後半蒸留の原酒で構成されたシングルモルト。当時のボウモアの特徴よろしく、パフューミーなフレーバーが備わっており、特に22年のほうがフローラルなフレーバーが強く、好みが分かれる、飲み手を選ぶ構成と言えます。
25年については、開封後の変化か香りはパフューム香がなく、熟成感のあるフルーティーさが主体的でGOOD。飲み口も心地よくドライで、ピートも1960年代のキャラクターをそのまま引き継いだ、落ち着いた存在感のある構成。この時期らしいフローラルなパフュームに目をつぶれば、同系統が苦手な自分でもなんとか飲み進めることが出来ました。

そもそも、なぜ苦手なフレーバーがあるとわかっているボトルをテイスティングしたのかというと、その経緯は以下の写真にあります。

先日ウイスキー仲間のK67さんから提供頂いた、ボウモア蒸留所の夜景を写した1枚。昼間の風景は見たことがありますが、ライトアップされている夜景は初めてでテンションが上がってしまいました。
そしてこの写真とセットで公開するならば、やはりボウモアのナイトフライしかないだろうと、ストックのあるBARとして心当たりのあったIANさんに足を運んだわけです。

夜の海に反射したBOWMOREのライトアップと蒸留所のシルエットがこれまた幻想的。カモメは流石に飛んでいませんが、構図や色彩はナイトフライそのもの。女神が宿るという灯火は星のようでもある。
写真を頂いてから、この記事を書こうとずっと狙っていたので、コラボレーションを達成できて今日の更新は大満足です(笑)。