カテゴリ:
IMG_20191125_234100
The ARRAN Malt 
ARRAN JAPAN 20TH ANNIVERSARY 
"TRILOGY" 
FIRST EDITION 
Aged 20 years 
Distilled 1998 
Boottled 2018 
Cask type Sherry Puncheon #82 
700ml 52.3% 

グラス:グレンケアン
時期:不明
場所:BAR Eclipse 
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:華やかでオーキー、紅茶のような甘味と微かにナッツを思わせるウッディさ。ややドライな印象がある香り立ち。

味:香りに反してとろりとした甘味。バニラや熟したバナナ、微かにイチジクのような甘酸っぱさ、アーモンドナッツを思わせる軽い香ばしさとほろ苦いウッディネス。
余韻にかけてトロピカルなオークフレーバーが広がり、ドライ過ぎずフルーティーで好ましい要素が詰まったフィニッシュが長く続く。

シェリー樽表記ながら、シェリー感よりもアメリカンオークの華やかさ、フルーティーさが主体。シェリー2のオーク8くらいのイメージ。安定のアラン味で、特に余韻にかけてウッディさに邪魔されない、熟成のピークを迎えた"らしい"キャラクターがしっかり感じられる。この余韻は秀逸。

IMG_20191125_234121

アランジャパン社が1998年に設立(2000年にウィスク・イーに社名等変更)してから、20周年を記念した3部作リリースの第一弾。
第一弾:シェリーパンチョン
第二弾:ホグスヘッド
第三弾:バーボンバレル
それぞれ1998年蒸留2018年ボトリングで、20年熟成されたシングルカスク・カスクストレングスでリリースされています。

第一弾は、ウィスク・イーのスタッフが満場一致で選んだサンプルとのこと。
シェリーパンチョン樽熟成表記なので、ダークフルーツやブラウンシュガーを思わせるそれ系統な仕上がりかと思いきや。その味わいはシェリー感よりオークフレーバーがメイン。恐らくアメリカンオークのシェリーカスクで、鏡板が新樽。ベースとなった組み直し前のシェリー樽も、オロロソとは違う淡いタイプのものだったのではないでしょうか。(フィノ。。。まではいかないと思いますが、単にシーズニング期間の浅いシェリー樽とも思えません。そうであればもっと生っぽい感じ出るでしょうし。)

バーボンバレルだと同じようなフルーティーさはあっても、サイズの小ささから余韻がウッディーでドライになりがちです。
一方でパンチョン樽は約2倍のサイズであることからか、特殊な樽感とは言え余韻にかけてのウッディさが強く出ておらず、シェリー樽由来のとろりとした質感に、フルーティーさが綺麗に広がるのがポイント。らしい味と言ってしまえばそこまでですが、これは多くの飲み手が好む仕上がりだと思います。


先日レビューしたアラン18年にも、こうした内陸の原酒を適齢期まで熟成させたようなフルーティーさはあり、それを構成する原酒の一部に同じようなカスクが使われているのだと推察。
アランの場合当たり前過ぎて特別感が薄れている気がしますが、その"普通に美味しい"アランを構成する1ピースにして、それが流通する起点となるウィスク・イーの記念ボトル。下手に濃厚こってりシェリーなリミテッドより、この味わいの方が同社の20周年を祝う特別なボトルにふさわしい1本だと感じました。
他の2本も是非飲んでみたいですね。