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ティーリング 12年 2005-2017 ブランデーカスク ウイスキーマガジン 58.3%

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TEELING
Whisky Magazine Selection
Aged 12 years
Distilled 2005
Bottled 2017
Cask type Brandy #16596
700ml 58.3%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:ややドライで刺激的ではあるが、華やかでオーキー、洋梨や白葡萄を思わせる果実香。甘栗の加熱したでんぷん質の甘み、微かにハーブのアクセント。乾いたウッディネスが干草を連想させる。時間経過で後半の植物感とアイリッシュらしいシロップのような人工的な甘みも感じられる。

味:粘性と酸味を伴う口当たり、ハイプルーフらしい刺激もあるが、ねっとりとリッチなオークフレーバーがそれを包み込んでいる。シロップ漬けパイナップルや林檎、バニラ、香り同様の構成。奥にはかすかにケミカルなニュアンスも。
余韻はオーキーで華やか、ほろ苦いウッディネスが舌の上に張り付くように長く続く。

ストレートではアイリッシュらしさはあまり無く、香味はオークフレーバー主体。ねっとりとしたコクと淡い酸味が、元々入っていたものに由来しているのだろうか。少量加水すると樽感が伸びて、バランスのとれた飲み口に。ハイボールにするとほのかな酸味と品の良いオークフレーバー、冷たい飲み口からアイリッシュらしいフルーティーさが解けるように感じられて美味。 

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ウイスキーマガジン向けにボトリングされた、ティーリングシリーズのひとつ。シェリー、バーボン、ポートとブランデー含めて4種類リリースされた中、おそらく最もノーマークだったカスクが、この1本ではないかと思います。(実際まだネット酒販で売れ残ってますし。)

ティーリングはアイルランドのボトラーズメーカーとして創業。2015年からダブリンで蒸留も開始していますが、それ以前の原酒は主要蒸留所からの買い付け。今回の中身はブッシュミルズでしょうか。
ブランデー的な要素は飲み口にコクや粘性を感じる程度で、カラメルや色濃い樽感ではなく。むしろバニラや洋梨、パイナップルを思わせるオークフレーバーが主体の構成。一般にその系統の香味を感じやすいバーボン樽熟成のウイスキーよりも充実していると感じます。

表記はブランデー樽ですから、材質はフレンチオークのリムーザンオークでしょうか。。。この辺は経験不足で断定出来ませんが、12年熟成という期間に対し、強めに出た樽感は、木目の荒いリムーザンオークのならこういう仕上がりもあるのかもしれません。
まあ、ブラインドで飲んだらアイリッシュはギリギリわかっても、このブランデーカスクを当てる自信はありませんが。(汗)

今回のリリース、ウイスキー仲間のシガーマスターO氏や静岡在住のS氏が推されていて、どんなもんかと思ってましたが予想外かつ期待以上の仕上がりでした。オーキーなフルーティーさが一般受けしやすく、価格的にもこの構成で1万円弱ならコスパ良好と言えます。
強いて言えば、強く出た樽感に対して酒質の成長に乖離があり、これが若干仕上がりの荒さに繋がっているところ。同じ系統の樽でさらに熟成に時間をかけた、46%加水20年熟成とか飲んでみたいですね。

ティーリング 24年 ウォッカトニック30周年記念ボトル 57.4%

カテゴリ:
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TEELING
Vintage Reserve
Aged 24 Years
Bottled For 30th Anniversary of WODKA TONIC
Cask No, 6864
700ml 57.4%

グラス:リーデル ヴィノム コニャックテイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み(Wodka Tonic)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ハッカの爽やかさに、蜂蜜の甘さ、程よい酸味ある香り立ちから桃やドライアップルを思わせるケミカル系のフルーツ香。

味:リッチで濃厚な甘味、蜂蜜、洋梨、香り同様のケミカル系のフルーティーさ。 余韻はウッディーで華やか、花のようなアロマが鼻に抜ける。 アイリッシュらしいフレーバーがあるが、口当たりに厚みととろみがあり、それが強みとして感じられる。


西麻布の名店、BARウォッカトニックが30周年を記念してボトリングした、アイリッシュウイスキー、ティーリングのシングルカスク。
ティーリングは2015年からダブリンで蒸留所を稼働させていますが、そもそもはボトラーズメーカーとして活動しており、このティーリング・ビンテージリザーブとしてリリースされているのはブッシュミルズの原酒と言われています。

一連のリリースの特徴は、非常にわかりやすいケミカルなフルーティーさ。メーカーコメントではトロピカルフレーバーとも例えられることも多いです。
それが1970年代中頃のベンリアックやトマーティンなどにも共通するフレーバーであることから、その系統が好みな方々がマークしているリリースでもありますね。

このボトルも例に漏れず、予想通りの構成ではありますが、流石ウォッカトニックさん、これは良い樽選んでます。
同じビンテージリザーブの中でも、紙っぽさや植物感が強く出すぎているリリースもある中、口当たりの甘みがしっかりとあり、ボディが軽くなりがちなアイリッシュらしからぬ厚み、そこに"らしい"フルーティーさと華やかさ。植物っぽいニュアンスも、アクセントとして良い感じに効いています。

ちょっと贅沢ではありますがこのボトル、ハイボールが旨いんです。
ストレートで感じた厚みが、 割ってもしっかり飲みごたえを維持。それだけでなくフルーティーさがバランスよく整って、林檎のコンポートー を思わせる綺麗な香味が広がるのです。
マスターのYさんオススメの飲み方で、半ば配給的に出てきたわけですが納得の美味しさでした。これはベンリアック1976のハイボールにも負けてないな~。

さて、先に述べたようにティーリングは2015年からダブリンで蒸留所を稼働させています。
新しい蒸留所はこのフルーティータイプを目指すのか、それとも他のアイリッシュのようにライトで軽い味わいに仕上げるのか、今回はその方向性のヒントとなる非常に面白いサンプルも飲むことができました。
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マスターが同蒸留所で入手されたニューポットです。
飲んでみると少しオイリーな口当たりから、あのケミカルさがまったく無く、クリーンで雑味の少ない綺麗な味わい。
これだとピークは15年くらいできちゃうかな、というのが第一印象で、フルーティーさは樽次第という感じ。
他方で以前そうしたフレーバーの無い原酒を、あるウイスキーの空き樽で熟成させた実験サンプルを飲んだ際は見事にケミカルなフルーティーさが出ており、今後どのように育つか楽しみです。

最後になりましたがウォッカトニック様、30周年本当におめでとうございます!

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