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ダルモア ミレニアム 1964年蒸留 ジェームスマッカーサー

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JAMES MACARTHURS 
DALMORE 
Millennium 
Distilled 1964 
Bottled 2000 
700ml 50%  
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:ベリージャムを思わせる甘酸っぱい濃厚なシェリー香、レーズンチョコ、フランボワーズ、カラメルソース、微かにハーブのニュアンスも感じられる。 
まるでフランス料理のデザート。香りの芯は非常に強く、時間経過でどんどんアロマが立ってくる。

味:濃厚でとろりとした口当たり、カラメル、ベリージャム、黄桃のシロップ漬け、濃く出した紅茶、微かなシナモン。
シェリー感に嫌味なところはなく、濃厚でありながら華やか。
余韻は長く、チョコチップクッキーの香ばしくも甘い香味を残しながら、ウッディーでタンニンが舌に染みこむ。かすかなピートも感じられる。

 
WL最古参会でのテイスティングボトル、自分が持ち込んだ1本です。
2000年頃にリリースの多かった、1960年代蒸留を象徴するようなオールドスタイルのシェリー系ウイスキーのひとつで、所謂どっかんシェリー。もともと強くないダルモアの個性は見事に圧殺されています。
しかし漂ってくるアロマは実に素晴らしく、開いてきた今であってもまだまだ先があるような…終わりの見えないウイスキーの世界に引き込まれる、悪魔的な魅力を感じます。

会の時点では堅さがあり余韻の渋みも強く、飲み頃はまだ先にある印象でしたが、それでも時間をかけてじっくり飲み進めればそのポテンシャルを感じることが出来ました。 
通常のテイスティンググラスでは、時間をかけて飲んでいくというよりグラスに入れたまま1時間近く放置するか、リーデル ブルゴーニュ ソムリエのような大ぶりなグラスで空気に触れさせて一気に開かせるか。
開いてくればさらに上の評価も出来るであろうポテンシャル、今後飲み進めるのが非常に楽しみです。
このボトルは日を置いてまたテイスティングをまとめたいと思います。
 
テイスティング:開封から2ヶ月
使用グラス:リーデル ブルゴーニュ グランクリュ ソムリエ  及び 浅草創吉 SK2

ダルモア32年 (1976-2009) オールドモルトカスク ラムフィニッシュ

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ブラインドテイスティング第4問目。
3問目が飛びましたが、3問目の答えは台湾のナントウ蒸留所のシェリーカスク。スコッチではなくジャパニーズの若いヤツ、余市あたりじゃないか。として撃沈しました。
台湾は、言われて飲めば傾向はなんとなくわかるんですが、ブラインドだとジャパニーズほど自信を持って絞れないですね。個別記事にしてないのは、単にボトルの写真が無かったので・・・。
そして4問目のダルモアはボトル指定での正解でしたので、以下は通常の流れでまとめます。
これまでの経験を活かせたブラインドでもありました。

OLD MALT CASK
DALMORE
Aged 32 years
distilled 1976
Bottled 2009
700ml 50%
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評価;★★★★★★(6)

香り:エステリーな華やかな香り、甘いバタークリームっぽいアロマもある。少し青みがかった麦芽風味、サトウキビ、乾燥した牧草を思わせる植物感。スワリングするとドライなオーク香と、溶剤を思わせるセメダイン系の香りが強く感じられる。

味:ドライでスパイシーな口当たりだが、ただスパイシーなだけではなく熟成感のある味わい。
中間から粘性のある盛り上がりがあり、フレーバーは多様。ママレード、ナッツ、麦芽、紅茶、軽く焦がした木の渋み。
フィニッシュはドライで徐々にピートが存在感を増してくる。 少しケミカルな要素も感じられる。
少量加水するとスパイシーさが引っ込み、その他要素の要素がはっきりと前に出てくるようになる。

 
ダルモアはオフィシャルを中心にシェリー系の味付けが強い蒸留所。
ボトラーズからのリリースはそう多くないものの、少数リリースされた70年代蒸留などを飲んでみると、その時代の傾向さながら麦芽風味や樽香の奥にフルーティーなフレーバーが広がる、旨いボトルが多い印象です。
今回のボトルはラムフィニッシュという変わり種ですが、むしろ良い意味で複雑さを風味に与えている感じ。また、リチャーを軽くしたのか、チャーオークにある特徴の少し焦げた要素や溶剤系のアロマが特徴的でした。
最近若いボトルのテイスティングが多かったので、しっかりと熟成されたボトルのテクスチャーには癒されます。
 
今回のブラインドテイスティング回答はボトル指定でしたが、過去私はこのボトルを飲んだ事はありません。
ただサンプル提供者のHP氏がこのボトルを持っていたことは、以前の会話の流れの中で知っており。
長期熟成で70年代頃のスペイサイド、あるいはハイランド・・・樽は少しいじったような…って、これダルモアじゃないか。と行き着いたところでボトルを邪推してしまいました。
しかしこれまでの経験が無ければ、シェリーの印象が強いダルモアを、このサンプルから紐解く事は出来なかったと思います。特に先日Y氏から頂いたダルモア1979カスクストレングスの経験がバッチリ効きました。
自分の成長を感じると共に、色々飲ませて頂いた皆様には感謝しかありません。
 

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