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リンクウッド 21年 GM 蒸留所ラベル 1990年代流通 40%

カテゴリ:
LINKWOOD
Gordon & Macphail
Aged 21 years
1990-2000's
700ml 40%

グラス:テイスティンググラス
場所:Y's Land Bar IAN
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:カラメルソースの甘いアロマ、古酒感、いぶりがっこを思わせる角の取れた酸味とスモーキーさ。微かにい草のようなニュアンスもある。

味:穏やかな口当たり。シェリー感はバランス型、ブラウンシュガー、サルタナレーズンなどのドライフルーツ。ボディは平坦で一瞬香味の広がりに空白がある一方、余韻はピーティーで野焼きの後のようなスモーキーさが、染み込むように長く続く。

GMシェリーのカラメルソースっぽい甘みと、加水で整えられながらも1970年代以前のリンクウッドらしいスモーキーフレーバーが魅力。若干の古酒感はボトリング後の経年を考えればやむなし。出来ればもう少しボディが欲しいが。。。


先日IANで「昔のゆるいGMを」とオーダーして、棚の奥から出てきた一本。このデザイン系列の蒸留所ラベルは、1970年代後半あるいは1980年頃からリリースされていますが、今回はラベルが「Single highland malt」表記であることから、1990年代以降の流通と思われます。
つまり逆算すると蒸留時期は1970年代が濃厚といったところでしょうか。このころのリンクウッドは、銘柄によってスモーキーだったり淡麗だったりしますが、今回のベースはスモーキー比率多めのようです。

GMリンクウッドの蒸留所ラベルは、2000年代に入ると白黒のモノトーンのラベルへと変わり、直近ではボトルのデザインを微妙に変えながら現行品に至ります。(以下写真参考)
その間味の変化はどうかというと、当然それはあって。基本的にはピーティーさが穏やかになり、シェリー系中心にシフトするのですが、その間ロット差もあり、ある時はサルファリーだったり、リフィルっぽかったりと。。。ボトラーズリリースのシングルモルトなんだなと認識させられるぐらいに、誤差はありました。


(2000年代にラベルデザインが変わり、2012〜3年頃に肩部分に「G&M」の表記が入る写真のボトルデザインに変更された。最新のロットはボトルが再度変わり、メタリックなエンブレムも施されている。)

ちなみに今回のボトル。テイスティングではリンクウッドらしいと書きましたが、それはあくまでリンクウッドとわかっていた場合に紐付け出来るくらい。キャラクター的には、当時のGM蒸留所ラベルでリリースする20年クラスの熟成品の中で、同じように内陸系のスモーキーさがあるモートラックとの区別は困難という印象です。

強いて言えば、この時期はリンクウッドの方がスモーキーフレーバーが強いか。。。ですが、全体構成は例のGMシェリーと加水の強さで、他はこれという差別化が難しく。蒸留所ラベル以外のコニチョとか混ざろうものなら、正直自信はない。
まあこれもまた、ボトラーズの味というヤツですね(笑)。

グレンリベット 12年 ピュアシングルモルト 特級表記 1980年代流通

カテゴリ:
GLENLIVET
Pure Single Malt Scotch Whisky
Aged 12 years
1980-1990's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:すりおろした林檎、洋梨を思わせる爽やかでフルーティーなアロマ。合わせてバニラ、乾いた麦芽、干草、微かにアロエや花のような植物感も感じる。

味:心地よくドライでスパイシーな口当たり。乾いた麦芽から蜂蜜、あるいはリンゴの蜜を思わせる甘みとコク、徐々にほろ苦く、余韻は淡くピーティー。ドライで長く続くフィニッシュ。

爽やかで清々しいフルーティーな香気が、まさにスペイサイドと言う山間の清流を思わせるキャラクター。味わいも麦芽風味がしっかり感じられる。
近年流通のグレンリベットに語られるキャラクターの原点と言える個性が、より強く備わっている。


かつてバーマンの間で、まず飲むべきモルトとして、全てのシングルモルトに通じる香味があると語られたグレンリベット。ですがそのキャラクターも時代によって異なっており、近年で最も大きな変化があったのが、「Pure Single Malt Scotch Whisky」表記のある今回のボトルでしょう。

1世代前にあたる「Unblended all malt 」表記のあったボトルは、ロットによって多少異なるものの、シェリー系のニュアンスを伴うモルティーさとスモーキーなフレーバーが特徴。それが1980年代後半にリニューアルした今回のボトルは、林檎、洋梨などのフレッシュなフルーティーさが主体となって、スモーキーフレーバーも穏やかに。。。明らかに樽や原酒の構成が変わっていることが感じられます。
当時のグレンフィデック8年や10年を追従する構成とも言えますが、リベットの方が林檎系の香味とピートの存在感が強いですね。

(1970年代から1980年代前半ごろまで流通していた、アンブレンデッド表記の12年。レビューはこちら。)

(1990年代後半に再度リニューアルしたピュアシングルモルト表記ラベル。現行品を思わせるデザインに近づいている。)

近年のグレンリベットのスタンダードクラスは、バーボン樽で熟成した原酒を中心に構成されています。
そのキャラクターへのターニングポイントが、今回のボトルの原酒が蒸留された時期である1970年代後半あたりと考えられ、現代にかけて2ndフィル以降のシェリー樽やバーボンバレルの比率が上がっていったのでしょう。
また、その変化はスペイサイドらしさとも言える華やかさ、爽やかな個性を後押ししており、近代スペイサイドモルトの原点に通じるキャラクターとも感じます。

そう考えると、グレンリベットが全ての基本とする位置付けは、最初に公認を得た蒸留所という背景もある一方で、キャラクターとしても言い得て妙です。80年代以前はシェリーとピート。90年代以降はアメリカンホワイトオーク由来の、華やかさ。その時代その時代で押さえておくべき香味が確かに備わっている。
現行品のグレンリベットが入門用なら、このオールドリベットは、ウイスキーに慣れてきた人に是非飲んで欲しいと思う1本です。

クラガンモア 17年 マネージャーズドラム 62%

カテゴリ:
CRAGGANMORE
The Manager's Dram
Aged 17 years
Distilled 1974-1975
Bottled 1992
Cask type Sherry
750ml 62%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:KuMC@Bar Sandorie
時期:開封後1年程度
評価:★★★★★★(6→7)

香り:ハイトーンでスパイシー、かりんとうやローストした麦芽を思わせる香ばしい香り立ち、メンソールのアクセント。奥には杏子、あるいはレーズンを思わせるほのかなシェリー感があり、スワリングせずに様子を見ているとじわじわと存在を主張してくる。

味:スパイシーかつヒリヒリとしたハイプルーフ故の刺激を感じる口当たり。オールブラン、ローストした麦芽風味、ブラウンシュガーや微かに杏子のシロップ。余韻はハイトーンで長く続く。

マネドラ及びUDレアモルトによくあるパワフル&ハイトーン系。おそらくリフィルシェリーバットの熟成で、元々がバリッと硫黄の効いた樽だったのだのか、このボトルにも微かにその残滓が感じられる。加水するとトーンが落ち着き、オールドシェリー系の甘みが引き立つだけでなく、麦芽風味も開いて本領を発揮する。


マネージャーズドラムは、ディアジオの前身となるUD社が傘下の蒸留所の原酒を使って年1回ボトリングしていた関係者向けのシリーズ。一般には販売されておらず、お偉方の配るギフト用とか、あるいは今で言う社内向け販売みたいな、そんな感じの位置付けだったのかもしれません。

試みはDCLからUDへと移行した1980年代に始まり、蒸留所責任者がコンペを行って、100を越える原酒の中からノージング(ブラインド)で選ばれたものがボトリングされていたそうです。
毎年異なる蒸留所からリリースされ、しかも重複がないことから、全傘下蒸留所を対象としたコンペではなく、おそらく各蒸留所の持ち回りでカスクの選定が行われていたのでしょう。選び手の好みが反映されているのか、マネージャーズドラムはほとんどの蒸留所で、度数が高くハイトーン、まさに樽出しという構成となっています。

今回はボトラーズリリースが少ないクラガンモアであることに加え、蒸留時期的にも中々良いビンテージです。
樽は淡くオールドシェリー感が漂うタイプながら、ちょっと残念なのが硫黄の残滓がフルーティーさの邪魔をしていて、少し時間をかけて様子を見ながら飲んでいく必要があること。
ただし、この手のハイトーンなタイプはストレートより少量加水向きで、度数が50%前半くらいになる分量を目安に水を加えると、甘みが引き立つだけでなく、樽の裏に隠れていた麦感も開いて良い塩梅になると感じます。(あるいは開封から5年くらい経過したものか。。。)


このボトルはウイスキー仲間主催の持ち寄り会に、東京立川のBAR サンドリエのマスターが持参されたものを頂きました。
勿論同店でも提供されているボトルで、他のマネージャーズドラムではリンクウッドなどもバックバーに開封されています。

グレングラント 1964-1989 ムーンインポート アニマルシリーズ 46%

カテゴリ:
IMG_8820
GLEN GRANT
MOON IMPORT "THE ANIMALS"
BUTT 1-2-3
Distilled 1964
Bottled 1989
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:KuMC@NSさん
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:黒砂糖、レーズン、スワリングしていると非常に豊かなダークフルーツ系の果実香を伴う一方で、オイルやゴムに通じるような、経年変化と少しヒネたようなニュアンスも含んでいる。

味:スムーズでリッチな口当たり。黒砂糖を思わせる甘み、デーツ、ドライプルーンなどのダークフルーツ系のフレーバーが主体。微かにベリー系の甘酸っぱさも混じる。中間以降は平坦気味。後半はタンニン系のニュアンスが主体。余韻はかりんとうの香ばしさ、カカオ多めのチョコ、タンニン。ウッディーでビターで長く続く。 

かなりリッチなシェリー系モルト。加水が効いて飲み口はマイルドだが、中間の広がりには欠けてやや単調気味でもある。シェリーのタイプはマッカランの旧ボトルに近い要素を感じる香味構成。少量加水すると香味とも伸びる印象あり、こういうモルトは葉巻に合う。


こってこてのシェリーカスク、それもカスクストレングスではタンニンもバッチリ効いていたであろうタイプのものを、加水で整えたシングルモルト。
香味の端々にある残滓から考えるに、おそらく、ボトリング直後はそれなりにサルファリーな要素もあったタイプだと思うのですが、それが経年変化で落ち着いた、30年近い時間が育てた味わいと言えるのかもしれません。

テイスティングの通り、濃厚で整った飲み口は純粋にシェリー樽熟成のウイスキーのうまさを感じるのですが。一方で、加水が効きすぎたのか、ボディの部分で膨らむ印象がなく、そこがこのウイスキーの弱さであり、逆にいいところでもあると思います。
つまり、葉巻を合わせたり、何か生チョコレート系の甘味をさらに加えたり、後付けする余地が残されているとも思えるのです。

この日は一通り飲み終えた後で、締めにパルタガスと合わせてみました。
序盤の濃厚さが葉巻に負けず、しかし中間以降は煙と合わさるように負担なく煙の味わいと混じっていくような。。。中々良い組み合わせだと感じました。

ムーンインポート The Animals シリーズ。画像引用:

以下雑談。
近年、ウイスキーとは全く関係ないラベルデザインでボトルを彩り、それを付加価値としてラベル買いさせるようなボトルが、一つのジャンルを作りつつあります。
その始祖は、リリースがシリーズ的に行われ続けたという条件で見れば、ムーンインポートがリリースする各種シリーズだと思います。

同時期に流通していたGMやシグナトリーのテンプレ的なものに比べて、ムーンインポートのものには所有することも一つの目的みたいな。。。なんていうか一つの絵画、芸術に通じる要素があるように感じられるのです。まさに飲める芸術ですね。

グレンファークラス 21年 カスクストレングス バッチNo,1 53.5%

カテゴリ:
GLEN FARCLAS
CASK STRENGTH
Aged 21 years
Batch No,1
700ml 53.5%

グラス:国際規格テイスティング
場所:J's BAR Ikebukuro
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オレンジジャムを思わせる甘みと、やや青みがかったフルーティーさを伴うアロマ。瓜、杏、ほのかにリンゴの蜜を思わせるニュアンスも混じってくる。ドライなウッディさも伴う。

味:スウィートでとろりとした口当たり。合わせてホグスヘッド系のオーキーな華やかさ、バニラ、林檎のカラメル煮、グリーンレーズン。奥には淡くケミカル系トロピカル要素もある。
余韻はほろ苦くウッディ、果実味は控えめで少し粉っぽさを感じる舌あたりに、ほのかなピーティーさを伴ってあっさりとしている。

ファークラスのハウススタイルからすると違和感を伴う仕上がりだが、逆に言えば樽次第で様々な原酒を作り上げてきたファークラスマジックとも言える。
加水するとリンゴの蜜っぽさがより強く感じられ、マイルドな口当たりに。


先日記事にした12年と同じく、日本向けにリリースされた21年のカスクストレングス。
価格は約16kと安いというわけではないものの、この手のウイスキーとしてべらぼうに高いと言うほどでもなく、このスペックでなら普通にアリと感じる良心的な設定。ターゲットをどこに置いているかが伝わってくるようで嬉しいですね。
(度々比較される関係にあるマッカランで21年のカスクなんて出たら、完成度の差はさておき果たして幾らになるやらw)

12年と比較すると、21年はリフィル系のカスク比率が高いようです。
こってりとしたファーストフィルシェリー樽由来の甘みというより、アメリカンホワイトオーク由来のフルーティーさ、リフィル・スパニッシュオークに見られる出涸らしのお茶のようなニュアンスも混じる。
2枚目の写真、ちょっとわかりにくいですが、12年より21年の方が色合いも薄く、そこからも構成比率を伺うことができます。

そのため、シェリー感の強さだけで言えば12年の方が強く感じるものの、熟成感、口当たりの角の取れ具合は当然21年に軍配。ただちょっと余韻に弱さというか、軽さが見られる特徴も感じられるため、おそらく40%台後半くらいまで度数が落ちたホグスヘットに55%くらいの比較的元気がいい原酒を混ぜて、バランスをとったのではないでしょうか。

先日、ブラインドテイスティングに関する記事を書いた際にまとめた図の一つに、樽のファーストフィルとセカンドフィル以降の影響の違いについて例示した図がありましたが。その図を流用すると12年と21年の違いはこんな感じですね。(12年はここまで濃くないので、実際はもう少しカーブが緩やかなイメージですが。)
何れにせよ、2本を飲み比べることによって見えてくる違いも面白い。ミリオン商事さんGood jobですね!


以下余談。
このボトルのオフィシャルテイスティングコメントは、現地スタッフではなくBAR LIVETのマスター、静谷さんが書かれています。
現地の方とでは感覚が違うケースもあるのがテイスティングですが、今回は言い訳無用に日本人です(笑)。若干ポエム要素も交えた表現の中ではありますが、より共通するニュアンス、感覚を感じることが出来るのではないかと。その比較も楽しみ方の一つとして、飲んでみると面白いと思います。

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