スプリングバンク 21年 ブティックウイスキー 47.6%
SPRINGBANKBOUTIQUE-Y WHISKY
Aged 21 years
Distilled 1995
Cask Type Bourbon Hogshead
Bottled Exclusive for Whisk-e
500ml 47.6%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅持ち寄り会
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6-7)
香り:品のいい香り立ち。やや焦げ感のあるスモーキーさ、潮気と乾いたウッディネス、バニラ、ドライアップルのフルーティーさ。スワリングしていると蝋っぽい麦芽も奥から感じられる。
味:少し水っぽさを感じるが、奥行きのある味わい。じわじわと柑橘や熟した洋梨、ほのかに植物感。フルーティーさと合わせてピーティーな麦芽風味が広がる。
余韻はハイトーン気味でベタつきはない、オーキーなフルーツの華やかさが、ピートに引き締められて長く続く。
おしとやかでシングルカスクとしては品のいいモルト。個性は控えめだが、その分全体のバランスと熟成感を楽しめる1本である。余韻で感じる樽由来近年系トロピカルフルーツも上々。
他方で加水するとピートが引き立つがフルーティーさがぼやけてしまう。ストレートがオススメ。
ウイスキー仲間の間で昨年話題となっていた、マスターオブモルト選出のスプリングバンク@ブティックウイスキー。
熟成でボディが削られた分フルーティーでバランス良く、中々いい出来ですが、シングルカスク&ボトラーズリリースに突き抜けた個性を求める方には、ちょっと違うのかなという大人しさが特徴でもあります。
個人的には毎日でも飲めちゃう味わいで好印象なのですが、スプリングバンク好きであっても何を求めているかで「美味しい」から「案外そうでもない(ピンとこない)」くらいには、評価が分かれそう。
ただ、美味いバンクであることは間違いありません。
後は価格ですね。原酒高騰で仕方ないとはいえ、500mlでこの設定は強気すぎ。せめて700mlか、もう1万円安ければなあとは感じます。
市場評価もそんな感じなのか、今のところ結構売れ残ってるようです。
元々ブティックウイスキーのリリースは価格設定がちょっと高めなのは置いて置いて、蒸留所と繋がりの強いであろうショップでこれですから。原酒を確保できても、長熟で納得の価格帯は益々難しくなっていく世知辛さ。
まあ3〜4年後にはさらにこのレンジの原酒が手に入らなくなり、ひっそりと売れていく。幾度も繰り返した市場の流れの中に、このボトルもあるのだと思います。
そんな時代の先取りはいらんのですが(笑)