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バランタイン 21年 アメリカンオークエディション 40%

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BALLANTINE'S
SIGNATURE OAK EDITION
American Oak Casks
Aged 21 years
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:日比谷BAR
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:柔らかい香り立ち。ドライで乾いた木材、オーク系の華やかなアロマ。メレンゲクッキーやカスタードを思わせる甘み。微かに青みがかった要素もあるが、バランスがとれており品の良さがある。

味:クリーミーで角のとれたウッディネス、柔らかい口当たり。徐々にスパイシーさとバニラや洋梨などのフルーティーさ。バランスの良い味わい。
余韻はドライでほろ苦いウッディネス。鼻に抜けるオーキーな華やかさ、近年系のトロピカルフレーバーも伴う。

アメリカンオーク由来のフルーティーさと華やかな特徴が、くどくない程度に備わったブレンド。バランスが破綻しておらず、加水ブレンデッド故に突き抜けはしないが、完成度の高い味わいと言える。
なお少量加水で一瞬フルーティーさ、クリーミーで華やかなウッディネスがさらに開くが、味はやや苦味が強くなる。

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バランタインから免税向け商品として、2015年と2016年にリリースされたシグネチャーオークエディション。バランタイン21年をベースに、特定の樽由来の香味を際立たせたブレンデッドで、ヨーロピアンオークとアメリカンオークがリリースされています。
リリース時期は上記の通りで、並行品が一部日本にも流通もしていたものの、この度正規品が今年の1月から日本でもリリースされています。

この手のリリースの大多数は、正規品がなくても特に困ることもないのですが、このタイムラグはなんだかなと感じてしまうことが、今回のリリースに限らずスコッチウイスキー全般でありますね。(今回のように免税品の場合、むしろよく入荷してくれた!!って話なのかも知れませんが。)

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(バランタイン・シグネチャー・オークエディション、ヨーロピアンオークエディション(左)と、アメリカンオークエディション(右)。すべて同一の樽で熟成された原酒から作られているわけではないようだが、どちらもしっかりとテーマとする樽由来の特徴が備わっている。)

もう一方のヨーロピアンオークエディションは、言わばスパニッシュオークであり、シェリー樽を思わせる黒糖やキャラメルのような甘み。アメリカンオークエディションはバーボン樽を思わせるバニラの甘みと、黄色いフルーティーさと言えるトロピカルなフレーバーが、バランタインという枠の中で主体的に、しかし過度に主張しないバランスで感じられます。

特に、アメリカンオークエディションのほうが、よりフレーバーの違和感がなく好みですね。
元々バランタインは、以前シングルモルトもリリースされたグレンバーギーやミルトンダフなど、内陸系の原酒を軸に作られており。それらの原酒とアメリカンオークカスクの相性のよさはこれまでの個別のリリースで折り紙つき。結果、バランタイン21年との相性も悪いわけがないのです。

度数が40%なので、ボディが弱すぎないか、香味のへたり具合が早いのではとも思いましたが、そんなことはなく。飲み疲れないバランスの良さは、家でじっくりのみたい美味しいウイスキーであると感じました。
いやあ、良い仕事してますねぇ。

ローガ ブレンデッドグレーン 51年 1964-2016 51.5%

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ROGHA 
Blended Grain Scotch Whisky 
Aged 51 years 
Distilled 1964 
For Scotch Malt Sales 
700ml 51.5% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR Eclipse 
評価:★★★★★★(6)

香り:メローで重みのある香り立ち。色の濃い蜂蜜やべっこう飴、ほのかにオレンジの皮、柿のペーストのような植物感も伴う甘みと、艶のあるウッディさ。

味:マイルドで粘性のある口当たり。香り同様に色の濃い蜂蜜や穀物を思わせる存在感のある甘み、しっかりとしたウッディネス、木材系の要素が中間から感じられる。
余韻は単調気味だが、べったりと張り付くようなグレーンの甘みから、さらさらとして、軽くドライなフィニッシュへと変化する。

マイルドでメロー。樽感が適度な重みとして感じられ、長期熟成だからこその熟成感やウッディネスも備わった美味しいグレーンだが、結局のところグレーンであるがゆえにその枠を出ない。飲みやすい反面、好みの問題も大きい。加水するとシャバシャバになりやすいので注意。


スコッチモルト販売がリリースしているオリジナルブランドのハイエンド、”ローガ”シリーズ。長期熟成にこだわったシリーズであり、かつてはスプリングバンクやロングモーンなど有名人気蒸留所の40年熟成以上の原酒が名を連ねていました。
一方、近年はスコッチモルトの原酒枯渇と高騰で、ブランドの維持も難しくなってきており、モルトではなくグレーンのリリースが行われるようになってきています。

今回レビューするのは2016年にリリースされたローガの長熟グレーン。昨年2018年には46年熟成のものもリリースされました。
複数蒸留所のグレーン原酒をブレンドしたグレーン100%のブレンドという位置付けで、原酒構成は明らかにされていませんが、半世紀を越える熟成期間のグレーンのみが使われている珍しい仕様。そしてカスクストレングスで50%オーバーの度数や、外観も熟成期間のわりには濃くなく美しい琥珀色で、なんともそそるスペックです。

一方、グレーンはモルトと異なり短期間の熟成でも仕上がりやすい反面、香味の幅が似通って大味で、熟成での延び幅が少ない傾向があります。マイルドで蜂蜜やバニラを思わせる柔らかい甘みと穀物香。そこに樽由来のウッディーさがどれだけ出るか。
飲み口やボディーの柔らかさ、粘性のようなコクは、モルトと合わせるブレンデッドでは繋ぎとして重要な要素になりますが、香味の部分はどれだけ熟成させてもグレーンのまま。本質的な部分に変化が現れづらく、あくまでも”そこそこ”止まりなのです。

従って、今回のブレンデッド・グレーンもあくまでグレーン。スコッチブレンドのような多彩さではなく、むしろ10年単位の期間同じ樽のなかで混ざっていたような”一体感”すら感じる構成。グレーンにしては重く、熟成感はあるのですが、個人的にはコレジャナイ感がぬぐえません。
バーボンは素晴らしいと思うものがいくつもあるのに、同じような分類のグレーンは高まらない不思議。どこかに突き抜けたグレーンがあれば、一度飲んでみたいものです。。。

マッキンレーズ レガシー 21年 1990年代初頭流通 43%

カテゴリ:
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MACKINLAY'S
LEGACY
21 Years Old
Blended Scotch Whisky
1990's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(6)

香り:熟成したグレーンを思わせる色の濃い甘い蜂蜜や乾いた穀物のアロマ。キャラメルビスケット、カラメルソースにオレンジピールを思わせる甘い香りとビターなウッディネス。ほのかに腐葉土や粘土のような癖。グラスの中でスワリングしていると、とろりとした甘いアロマと奥にあるスモーキーさが一体となってくる。

味:角の取れた丸みのある口当たり。直後にウッディさとピートの苦味を強く感じるが、これも徐々にこなれてきてカラメル系のシェリー感とアーモンド、穀物由来の甘み。中間から余韻にかけて程よいコクを伴うようになる。フィニッシュは強いウッディネスとピート、その奥にはりんごのカラメル煮のようなフルーティーさも潜んでいる。

注がれた直後は苦味が強く、グレーン感も目立っていて、飲み口と余韻までの香味を繋ぐ要素が開ききっていないようなチグハグな印象を受けたが、徐々にこなれてきて長熟ブレンドらしいコクのある甘み、熟成感が感じられるようになってくる。少量加水してもいいが、ストレートでじっくりと楽しみたい。

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かつては南極探検隊のウイスキーとして、そしてブレンドの名門として知られたマッキンレー社。
1980年代後半から1990年代にかけ、スコッチウイスキーメーカー各社がリリース戦略を見直し、イメージ向上などのため12年表記をつけたり、あるいは15年、20年熟成以上の長期熟成レンジのリリースに舵を切る中で、マッキンレーブランドからリリースされたのがハイエンドとなる今回の21年です。(該当するレンジでは、ほかにレガシー12年や17年もリリースされていました。)

当時のマッキンレー社はインバーゴードン傘下にあったことから、構成原酒はグレーンがインバーゴードン。モルトはすでに閉鎖されてはいたもののグレンモールとグレンアルビン、そして1963年に再稼動したジュラの最長期熟成原酒に、ダルモアなどでしょうか。比較的グレーンが目立っており、比率はグレーンが5~6割くらいという印象でもありますが、そこにモルトの個性としてしっかりとした熟成感と内陸系のピーティーさがあり、これが構成原酒を紐解くヒントになりそうです。

たとえば、ピーティーさとあわせて粘土っぽい癖がジュラに通じるところですし、ダルモアやグレンモールら内陸の原酒も、控えめですが存在感のあるピートフレーバーを感じられるモルトです。
古いマッキンレーズのブレンドは中々に通好みな組み合わせで知られますが、熟成したそれは贅沢とも感じます。

このボトルがリリースされていた当時、日本での販売価格は2万円(洋酒辞典1991年)だったそうです。現地での価格がどうだったかは、今となっては知る由もありませんが、この時期のハイエンドブレンドも今の市場ではそれなりに手の届く価格のものが多く。経年劣化も少ないため、普段飲みに使いやすいなとも思います。

グランツ デュワーズ ジョニーウォーカー18年 ブレンデッド3種飲み比べ

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先日クラウドファンディングを通じて発売されたウイスキーの入門用書籍「BARとウイスキーの素敵バイブル」。
この書籍の中では、BARでのウイスキーの楽しみ方の一例として、3種類の銘柄の飲み比べを通じて、年数や樽の違い、あるいは地域やブレンドの違いを認識しやすくなり、ウイスキーの個性が捉えやすくなるという組み合わせを14パターン紹介しています。

本書で提案されている組み合わせは、入門書籍という位置付け上、比較的エントリーグレード寄りであり、飲み比べは必ずしもこの組み合わせである必要はありません。
例えば、シングルカスクのもので樽の違いを知るもよし、あるいは同じ銘柄という条件も加えて熟成年数の違いでの影響など、様々なウイスキーをチョイスすることでさらなる違いを楽しむこともできます。

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今回は、そうした飲み比べから1つ価格帯を上げて、18年前後のブレンデッドウイスキーに焦点を当ててみます。
現在販売されている同グレードのスコッチウイスキーは、
・ジョニーウォーカー18年
・デュワーズ18年
・グランツ18年
・バランタイン17年
・シーバスリーガル18年
・カティサーク18年

辺りが有名どころです。(あとマイナーどころですが、日本市場に在庫があるシンジケートが17年熟成です。)
この6種類、単品で飲んでみると熟成年数もあってそれなりなのですが、どの銘柄がどのようなキャラクター付けで作られているかは、ちゃんと飲み比べたことはなく。
先日BAR LIVETで飲んでいたところ、マスターとブラインドでのブレンデッドのキャラクターの捉え方の話題となり、ちょうどいいので、3種3択のブラインドテイスティングでブレンデッドを出題してもらいました。

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今回チョイスされた3銘柄を飲んで見た印象は
グランツ18年:まろやかな口当たりからバニラや麦芽系の香味が厚く、スウィートでコクのあるリッチな味わい。
デュワーズ18年:軽やかかつドライで華やかなウッディネス。薄めた蜂蜜を思わせるコクから、ほのかなピートフレーバー。
ジョニーウォーカー18年:木材の削りカスのようなウッディネス、軽いえぐみとドライアプリコットの酸味、余韻にかけて強いピーティーさ。

すべて熟成年数と度数は同じで、違いはそのキャラクターのみですが、構成原酒の違いでピート、麦芽風味、樽感などそれぞれ異なるベクトルがあり、飲み比べることでその違いが強調されてブラインドでも銘柄が分かりやすかったですね。
例えば、グランツはバルヴェニーやキニンヴィの柔らかい麦系の風味と、ポートワイン樽でのフィニッシュがもたらすコクのある甘み。デュワーズはアバフェルディの蜂蜜を思わせるコク、アメリカンコークの華やかさ。ジョニーはタリスカーあたりを思わせる存在感のあるピートフレーバーです。


ブレンデッドは普及価格帯のものもよく考えて作られているとは言え、熟成が短かったり、グレーンが強かったりする部分が時にマイナス要素となって、その銘柄のハウススタイルや目指そうとする香味は、むしろ18年クラスのワンランク上位グレードのほうが分かりやすく表現されていると感じています。

興味あります方、ブラインドかどうかは指定しませんが、今回のように3種の飲み比べをBARで挑戦してみてください。
きっとこれまでにない新たな気づきがあると思いますよ。

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(BAR LIVET は本日2月21日で5周年を迎えた。ちゃっかりオーナーより目だっているバーマンの小倉さん。2号店オープンやオリジナルボトル、そしてウィスクテイルなど、今後のさらなる発展が楽しみ。)

ブラック&ホワイト セレクト 1980年代後半流通 特級表記 43%

カテゴリ:
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BLACK & WHITE 
SELECT 
Scotch Whisky 
1987-1989's 
750ml 43% 

グラス:グレンケアンテイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:BAR エクリプス
評価:★★★★★(5ー6)

香り:軽い酸味とともに、若干こもったような香り立ち。グレーン系の穀物感、焦がしたポン菓子、キャラメリゼの甘みとほろ苦さ。微かに蜂蜜のような甘味も。

味:マイルドな口当たり。香りで感じた以上の麦芽風味とカラメルソースの甘くほろ苦いシェリー感が主体。徐々にピリピリとした刺激を感じつつ、干し草のような乾いた植物感から、麦芽風味のスウィートなフィニッシュへ。

シェリー樽由来の要素を備えたハイランドタイプの原酒をベースとしたような、樽と麦由来のコクのある甘味が軸になっている。そこに若い原酒の刺激とグレーン感。少量加水するとそれらが馴染み、マイルドな甘みがじんわりと広がる。


1980年代後半の特級時代末期、バブルに湧く日本市場向けにリリースされた、ブラック&ホワイトの限定品。この時代はヘイグ、ホワイトホースなどで日本向けのブレンデッドウイスキーがリリースされていましたが、このボトルもその一つ。
先日レビューさせていただいた、以下のブラック&ホワイト・セレクト リザーブはこの後継品にあたるものと思われます。

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(ブラック&ホワイト セレクトリザーブ1990年代流通。カラメルソース系の甘味は控えめだが、麦っぽい要素はこのボトルのほうが強い印象。

ブラック&ホワイトは、1970年年代ごろまではメーカーの代表作という感じでしたが、1980年代に入り一部の12年表記化やグループ全体としてブランド戦略の見直しが進むと、徐々にスタンダードクラスでも安価な価格帯へグレードダウンが進んでいました。
1980年代後半などはまさにその最中。そのため当時のスタンダード品と比較すると、このB&Wセレクトはワンランク上のブレンドという印象です。

ちなみに1980年代後半といえば、DCLがギネス社と合併する形で誕生したUD社がシングルモルトウイスキーの販売戦略としてクラシックモルトシリーズを発表。傘下であるジェームス・ブキャナン社からは、名品・ダルウィニー15年がリリースされていましたが、今回のリリースはそれと同時期であり、ボトル形状も同じものが使用されています。

その香味との関連性はというと、オールドブレンデッドらしいカラメルソースのような甘いシェリー風味の中に、ハイランドタイプの麦芽風味とグレーンの穀物感。この麦芽風味は当時のダルウィニーに近い要素ですが、熟成感は15年ほどは感じられず、なかでもグレーンが8年とか若い原酒なのではと。
そんなわけでマイルドさの中に若干の荒さはありますが、総じて飲み安い仕上がりであり、シェリー好きの日本人が好みそうなブレンドだなとも思うのです。

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