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グレンロセス 23年 1996-2019 スウィートギャラリー(萌えボトル)2nd 53%

カテゴリ:
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GLENROTHES 
Sweet Gallery 
Aged 23 years 
Distilled 1996 
Bottled 2019 
Cask type Hogshead 
700ml 53% 

グラス:グレンケアン
場所:BAR ヒーロー(立ち飲み屋喜楽)
時期:開封直後
評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーでドライ。薄めた蜂蜜、レモンクリームや洋梨を思わせる甘やかな香りと共に、乾燥した牧草、い草のような植物っぽさに通じる癖のあるウッディネスが全面に感じられる。

味:スムーズでウッディ、バニラや洋梨のピューレ、香り同様の植物感。酒質はややライトで淡麗気味だが、徐々に口のなかでやわらかい果実系の甘味が広がる。
余韻はウッディでドライ、ハニージンジャー、微かなハーブ香を伴う。

某ボトラーズのリリースにしては、オフィシャル系統のロセスらしい個性を備えたリリース。華やかなオーキーさもあるが、樽由来の乾いたウッディネスが酒質由来の要素と合わさり独特の植物感と蜂蜜のような甘さが中心に感じられる。加水すると植物感が軽減されて洋梨を思わせる柔らかい甘さが立つが、味は多少水っぽさが出てしまう。

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バックバーに置くにはちょっと恥ずかしいウイスキーがコンセプトの、ファミリー企画プレゼンツ、スウィートギャラリーシリーズ。セカンドリリースを手掛けるイラストレーターは横田守氏です。
なんというか、同氏の得意ジャンルとも言えるけしからんエルフのお姉さんですね。某転生系スライムが「エ◯フ!」と興奮しそうなくらいにはけしからんです。

これまでウイスキーに関しては食欲というか、所謂物欲、収集欲の域を出ないジャンルでした。
それが漫画タイアップラベルに端を発し、いよいよ萌え系、アダルト系との組み合わせに進出しつつあるのは、同様の事例が既に多くのジャンルで見られるようになった日本においては、自然な流れなのかもしれません。
例えば自動車レースでは、痛車と呼ばれるカーペイントを採用しているチームが2000年代から登場し、一部は強豪チームにまで成長。新しいファン層を同業界として獲得しているというのは有名な話です。

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(スウィートギャラリーシリーズ第一弾。仙道ますみ氏の描いた、おさわり厳禁ラベル。リリース意図に反して意外にカウンターやバックバーに置きやすかったという声も。。。中身のモートラックはフルーティーで飲みやすく、完成度の高い1本。)

そうした流れをウイスキー業界も取り入れるべきかというと、一見ウイスキーと無関係なタイアップに頼らなければリリースを差別化出来ない現状に対する、複雑な心境を持つ方もいらっしゃるとは思います。
ただこの手のボトルは中身が残念だとラベルに頼った分蔑まれる結果にもなるため、実は諸刃之剣です。サンプル選定は厳しく行っているとの話で、今回のボトルも前作に引き続き悪いものではありません。

テイスティングの際、ウイスキー仲間に勝手に注文されており、グラスの中身を知らないブラインド状態でノージングしたのですが、「これロセスでしょ?」と言える程に、近年のオフィシャル系統のキャラクターが感じられたのが印象的。原酒の出本は"ここ"という噂は聞いていますが、それでホグスヘッドとの組み合わせであればもっと露骨にリキュールのような甘さや華やかさがあってもいい中で、第一印象はハウススタイルが強く感じられたわけです。
ただ開封直後もあって、多少の固さも感じられており、これが今後開いてくると上記のフレーバーが主張してくるかもしれません。

なお、今回のエルフさんラベル。イメージは「朝」。
そして既にスウィートギャラリーシリーズ第三弾発売が予定されているそうで、次回作のラベルイメージは「夜」。結構すごいとも聞いています。
すごい。。。ってなにがどういうことなの?という疑問はさておき、中身も朝と夜なら、次はシェリー系濃いめ、とかでしょうか。
見たいような見たくないような、次回に続くとして今日はこの辺りで。

モートラック 23年 1995-2018 萌ボトル第一弾 46% 仙道ますみ書き下ろし

カテゴリ:
MORTLACH
BAR LEMON HART PB
Aged 23 years
Distilled 1995
Bottled 2018
Cask type Hogshead
700ml 46%

グラス:テイスティンググラス
場所:BAR LIVET
時期:開封後1ヶ月以内
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:華やかで乾いたオーク香主体のアロマ。干草、ジンジャー、ココナッツやドライパイナップルをフルーティーさ。時間経過で麦系の要素も伴う。柔らかい香り立ちだが芯がある。

味:ややドライな口当たり、薄めた蜂蜜、熟したアプリコットや洋梨を思わせる品の良い果実味、微かに青みがかったニュアンスや、奥にはまろやかな麦芽風味。
余韻は程よくドライ、華やかでオーキー、黄色い果実がフェロモンを連想させる戻り香を伴い長く続く。

ホグスヘッド熟成らしいフルーティーで華やかな香味が主体。本来ならもっとドライなウッディさが残るはずだが、厚みのある酒質が底支えになり、突き抜けない代わりに加水で綺麗に整えられた美味しさが魅力。
飲んでからラベルを改めて見ると、なんとなく引き寄せられるように感じるのは自分だけではないだろう。(特に男性陣)


先月BARレモンハートのPBとして、一部BAR関係者を中心に販売された、なんとも目を引くラベル。
既に第二弾が計画されているとかないとかですが、第一弾は成年向け漫画を主に手がけている仙道ますみ氏による、リベンジHの主人公・鈴音秘芽子と思しきキャラクターが書かれた1本です。

絵画、猫、漫画、そして今回の萌え系のラベルは、近年のウイスキー業界(特に日本の)でトレンドの一つになりつつあるジャンルです。
個人的にこれらのリリースの一部には、内容と関係のない組み合わせに疑問を感じる気持ちが無いと言ったら嘘になりますが、古くはムーンインポートなどボトラーズリリースで見られた手法にして、味で「まあこういうのもあるか」と納得させてくれるモノがあるのも事実。

今回のボトルもその中身の話をすると、「普通に美味い」という表現が偽りないところ。
モートラックでホグスヘッドという組み合わせでは、過去にも同様な系統の香味を備えたリリースはありました。ただ、モートラックは麦感がしっかりしてボディも厚く、樽に負けない強いウイスキーであるため、加水されても崩れず、このボトルは樽感も酒質もちょうどいい具合で仕上がっているのです。

これを原作を知らない人が飲む分には、上記のようにボディを残しつつ綺麗に整った美味しさに、成る程ラベルに書かれたイラストにもリンクするようなボトルじゃないかと感じる。
しかしリベンジHはエロスと復讐劇が合わさった、多少ダーティーなストーリーです。キャラの位置付けを知ってる人が飲むと、口当たり柔らかくとっつきやすいが、この奥にはどんな罠があるのか。。。この表情の意味は。。。なんて二面性を秘めたボトルとなるように感じます。(古いネタですが、なつ◯STEPみたいな。)

余談ですが、今回の萌えボトル(スウィートギャラリー)のコンセプトは、「バックバーに恥ずかしくて飾れないボトル」。話のわかる常連にこっそり出すというものだったそうですが、流石新宿、普通にバックバーどころかカウンターに鎮座(笑)。お出迎え頂きました。
なおBARではカウンターにあるボトルを勝手に開封することはもちろん、断りなく手に取ったりすることもNGな作法であるわけですが、このボトルの場合は2つの意味で「おさわり厳禁」であると言えそうです。
いずれにせよ味もよくラベルも見応え?がある、面白いリリースですよね。

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