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ポールラッシュ生誕120周年記念 シングルモルトウイスキー 58% 清里 萌木の村

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SUNTORY WHISKY
HAKUSHU
Paul Rush 120th Anniversary of Birth
Cask type Bourbon Barrel
700ml 58%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:20ml程度
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ややドライでスモーキー。アーモンドや胡桃を思わせるナッティーさ、奥には古い家具、土っぽさ。スワリングすると蜂蜜の甘み、エステリーでアプリコットや煮た林檎を思わせる華やかさが開く。時間経過で古樽のニュアンスが馴染んで、熟成庫の中にいるようなアロマに。

味:ジンジンとした刺激を伴うスパイシーでウッディー、軽くえぐみを伴う口当たり。アプリコットジャムやドライオレンジ、甘酸っぱいオーキーなフレーバーから麦芽風味も開いてくる。
しっかりとしたボディ、余韻はドライ、スパイシーでハイトーン。微かなピートを伴い長く続く。

複雑で多層的なウイスキー。日本的な樽感と熟成を内包したバランスの良さに加え、少量加水するとピートフレーバーが開き、余韻にかけての甘酸っぱいモルティーさと相まってなんとも自分好みの味わいに進化する。
歴代の清里限定ウイスキー(フィールドバレエ25th、26th、27th)のどれとも見劣りしないだけでなく、香味の強さはそれ以上の出来栄え。


清里ウイスキーフェスティバル2017に合わせ、主催である「萌木の村」が制作したウイスキー。生産本数は120本。かつて清里地方の開拓のみならず、日本の戦後の復興において大きな影響と功績のあった、ポールラッシュ氏の生誕120周年を記念したシングルモルトウイスキーでもあります。

原酒の選定に当たっては、山梨の地ゆかりのモルトウイスキーを複数樽バッティングし、カスクストレングスでボトリング。樽構成はバーボンバレルのみで、ポール氏の開拓者精神にちなんでか、樽に制限をかけた中で目指す味わいを実現するチャレンジでもあったのだそうです。
飲んでみるとジャパニーズらしさの中に単一樽とは思えない複雑さと多層感があり、果実味の中にヘビーピート原酒由来と思われるスモーキーフレーバーが潜む。最初は複数樽どころか複数蒸留所かと思ったほどで、スペックを聞いて驚かされました。
熟成年数は明らかにされていないものの、体感で20年前後の原酒を中心とした構成に、30年クラスの古酒も使われたのではないかという樽感も感じられます。
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このポールラッシュ生誕120周年記念シングルモルトウイスキーは一般販売はしておらず、基本的には同萌木の村のホテルBARでの提供となるそうですが、本日から開催される清里ウイスキーフェスティバル2017においては提供ボトルの一つとなっています。
萌木の村は昨年起きた火災によって、主たる設備の一つであったレストランが消失する悲しい出来事がありました。
しかし、多くの愛好家からの支援や、同施設を経営される舩木氏のポール氏のごとく不屈のフロンティアスピリットによって、再建まであと少しというところまで来ています。

この週末の山梨の天候は晴れ。数日前まで雨予報だったのが、週末が近づくにつれて見る見る回復してきました。いまや予報上は絶好のイベント日和です。
イベントに参加される方は、是非記念ウイスキーもテイスティングしてみてください。

笹の川酒造 山桜 9年 シェリーウッドフィニッシュ 56% 三越伊勢丹向け

カテゴリ:
SASANOKAWA
YAMAZAKURA
Aged 9 Years
Sherry Wood Finish
Specially Bottled For Mitsukoshi Isetan
700ml 56%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:50ml
場所:自宅(サンプル@TSさん)
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとして甘くドライな香り立ち。ザラメ、クラッカー、乾いた草っぽさとキンカンを思わせる柑橘香。徐々にスパイシーでハーブ、ジンジャーのニュアンスに古樽のえぐみを伴う。

味:甘くドライでスパイシー、少し粉っぽさを伴う口当たり。オーキーでバニラ、砂糖をまぶしたレモンピール、奥にはナッティー。
余韻はハイトーンでスパイシー、古酒っぽい樽のえぐみ、乾いた麦芽の香ばしさを伴い長く続く。

ホワイトオークで熟成されたオーソドックスな構成たる、オーキーでスパイシーな香味。クラフト系の癖も余韻に混じる。フィニッシュのシェリーカスクはサードフィルくらいの樽を使ったのだろうか、強くは主張しない。
この手の香味は突き抜けないが、安定して楽しめる。加水すると刺激が収まり、バランスが良くなる。


三寒四温、3月らしく寒暖の差が激しい日々の中で、東京では徐々に桜が咲き始めています。
今日はその桜を冠した笹の川酒造の山桜シリーズから。三越、伊勢丹の企画商品で、以前このブログでも紹介した、山桜9年カスクストレングスのシェリーカスクフィニッシュ版です。
9年表記らしく香味はフレッシュ、アルコールの刺激も感じますが、決して若いニューポッティーさがあるわけではなく、オークフレーバーの奥にはクラフトディスティラリーらしい温暖な中で貯蔵された古酒系の樽感も感じられます。

原酒構成は、その味わいからこれまでの山桜シリーズ同様、15年程度の自社ブレンド用に貯蔵してきた原酒と、新たに買い付けたものとのバッティングという印象。
一方で、ノーマルな9年カスクストレングスとの違いが、ラベルの「ジャパニーズウイスキー表記」。最近、マルスやイチローズモルト、笹の川酒造らクラフトメーカーのウイスキーは、日本で蒸留しているかどうかでこの表記の線引きをしている印象があり、ジャパニーズ表記をしているという事は、自社蒸留並びに国内調達の原酒で構成されているという事でしょうか。
ベースとなる酒質はハイランドタイプのニュートラルな構成で、国内蒸留所でこの手のフレーバーとなると。。。いくつか考えられますね。

樽構成はテイスティングの通りホワイトオーク樽のフレーバー主体。シェリーオークという名称から、濃い色合いを予想していましたが、比較的ライトカラーで、シロップのような甘みと、微かにナッティーなフレーバーが付与されている程度です。
シェリー風味を加えるのではなく、貯蔵で強く出た樽感のバランスを整えるための短期間のフィニッシュだったのではと推察します。(クラフトだと、江井ヶ島が白ワイン樽や焼酎樽で、こういうフィニッシュをしています。)

個人的にシェリー感の濃くでた味わいに温かみを感じる一方、この手のツンとしたウッディさは少し冷たいイメージを持ちます。
それはさながら今の時期のよう、風は肌寒いけれど、日差しは暖かい小春日和。ローカルネタですが、逢瀬川の桜並木、開成山公園の桜、学生時代に見た景色を思い出した1杯でした。


このボトルは、ウイスキー仲間のTSさんからサンプル交換で頂きました。綺麗な写真もありがとうございました!

イチローズモルト 秩父 2010-2017 ウイスキー祭 WWA ワールドベスト受賞

カテゴリ:
秩父ウイスキー祭2017
ICHIRO'S MALT
CHICHIBU
Chichibu Whisky Festival 2017
Aged 6 years
Distilled 2010
Bottled 2017
Cask type Fino Sherry Hogshead
700ml 59.2%

グラス:リーデルヴィノテクスピリッツ
量:30ml
場所:BAR飲み(Nadurra)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:甘く香ばしい香り立ち。ブラウンシュガー、かりんとう、ツンとした木材の刺激が混じる。徐々に灯油っぽいケミカルなニュアンスから、パッション系のフルーティーさも奥に感じる。

味:甘くパワフルでスパイシー、固さのある口当たり。ブラウンシュガー、サルタナレーズン、ドライイチジク、甘みに混じって少し樹脂っぽい癖が鼻腔に抜ける。
余韻はドライでスパイシー。ハイトーンで口内がヒリヒリする。かりんとうを思わせる香ばしさ、少々ケミカルな甘みを伴い長く続く。

秩父らしいスパイシーでハイトーンな酒質に、シェリー樽由来の甘みが上手くマッチ。フィノシェリーはどのへんがフィノなのかはわからないが、これまでのリリースにあった酸味、えぐみが上手くカバーされている。加水するとシロップを思わせる甘みと共にケミカルなニュアンスが更に開く。

秩父ウイスキー祭

今年で4回目を迎えた秩父ウイスキー祭における限定ボトルであり、ウイスキーマガジン社主催のウイスキー品評会、ワールドウイスキーアワード2017(WWA2017)における、シングルカスクウイスキー部門で世界一に輝いた記念すべき1本。
日本のシングルモルトウイスキーが同賞を受賞するのは、余市(2008年)、山崎(2012年)に次いで3度目。ブレンデッド部門では竹鶴や響が毎年のように受賞する中で、シングルモルト部門は高いハードルがあり、近年では台湾のカヴァラン蒸留所のウイスキーが評価されるなど、2012年の山崎25年から4年以上受賞を逃していました。
そんな中、稼動から10年に満たない日本のクラフトディスティラリーが、新たに作り上げた原酒で受賞するのは初めてのことであり、快挙と言えます。 

参照:【速報】ウイスキーアワード2017
http://whiskymag.jp/wm_award2017/ 
(グレーン部門では富士御殿場蒸留所が2年連続で受賞。ブレンデッド部門は響21年が世界一を受賞しています。)

まさに記念となる1本。296本限定でのリリースに加え、抽選販売だった事などから既に購入は難しいですが、1杯は飲まねばウイスキー愛好家の名が廃ると、ストックを持ってるBARでテイスティングします。
樽由来か従来の秩父モルトにはあまりないケミカル系の要素が潜んでいるものの、少々荒削りながら、甘くスパイシーで香ばしさとドライな果実味も伴うシェリー感が広がっていく。何より、これまでの秩父に感じられたえぐみなどの過熟を思わせる要素はなく、熟成のバランスも良好。
いい出来とは聞いていましたが、これは確かに今までテイスティングしてきた秩父の中で、ベストの一つと思える仕上がりです。

WWAの審査は、全てブラインドテイスティングで行われているとされています。
それだけ聞けばガチな審査であるコトがうかがえますが、過去の結果を見ると、違和感ある受賞も発表されており、その内容について不明瞭なところがないワケではありません。
しかしウイスキーの品質が箸にも棒にもかからないようなモノはまず選ばれないわけですし、何よりテイスティングの通りこの秩父は良い出来です。
何より審査結果にグダグダ言うのは野暮というもの。秩父蒸留所の皆様が成し遂げた成果を、ただ祝福したいと思います。


ちなみに、今回の原酒が蒸留された2010年は、ちょうど自分が秩父蒸留所を見学させてもらった時期。当時は、ハイボールブームが燻っているような状況で、まだウイスキーブームと言えるほどの動きは起きていませんでした。
周囲の声には、いまどき蒸留所なんて物好きな人もいたもんだという声が無かったわけでは無く、肥土伊知郎氏がベンチャーウイスキーを立ち上げた2004年、蒸留所稼動直後の2008年なんてなおのこと。
それでもコツコツと活動を重ね、今や世界的にも有名なクラフトウイスキーディスティラリーに成長。秩父でのウイスキー祭には3000人を越える参加者が足を運び、伊知郎氏においては、建設が進む他の蒸留所についてもアドバイザー的に活動されるなど、日本のウイスキー業界を牽引する中心人物の一人となっています。 

今回の受賞のみならず、さらなる活躍をいち愛好家として楽しみにしております!
WWA2017、ワールドベストシングルカスクウイスキー受賞、おめでとうございます!

ニッカウイスキー 鶴 2016年リリース 蒸留所限定品

カテゴリ:
TSURU
NIKKA WHISKY
(No Aged)
2016's
700ml 43%

グラス:国際規格テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み(ゾートロープ)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとドライで華やかな香り立ち。最初はあまり強く香らないが、アプリコット、煮た林檎の甘いフルーティーさ、奥から乾いた牧草を思わせるウッディネスが感じられる。

味:複雑でスパイシー、心地よい樽香を伴う口当たり。バニラ、アーモンドナッツ、キャラメリゼ。中間に若い原酒の軽さが顔を出すが、それをグレーンのコクのある甘みが包み込んでいく。
 余韻はスウィートでスパイシー。ほのかにスモーキー。カラメルソースのほろ苦い甘み、古樽のえぐみを伴い長く続く。

幅広い熟成年代の原酒が使われていると感じる、フレッシュさとまろやかなコクが合わさったノンエイジらしいブレンデッド。あまりスモーキーではなく、求めている鶴らしさは・・・。加水するとバランスが取れるが加減が難しい。

昨年秋頃から、余市、宮城峡の両蒸留所でひっそりと販売され、ひっそりと消えていったニッカウイスキー のブレンデッド最高峰、鶴の限定品。(余市蒸留所を訪問した仲間から、販売再開している旨連絡がありました。2017年4月9日追記)
2015年まで販売されていた鶴17年は、熟成した余市、宮城峡原酒の個性や熟成感のあるコクがしっかり感じられる銘酒で、もっと評価されても良かったと思うのですが、ネット検索では竹鶴17年が引っかかってしまう日陰者感。。。
ブーム前にストックしておかなかった事を、非常に後悔している銘柄でもあります。
そんなわけでこの蒸留所限定品の鶴、手の入らないまでも機会があったら飲みたいなと思っていたところ、流石国産ウイスキーの総本山であるゾートロープさん。しっかりとカウンターに鎮座していました。
こんな時に限ってカメラを忘れ、携帯撮影の不恰好な写真で申し訳ありませんが、そこは目をつぶって頂きテイスティングに移ります。

ノンエイジのブレンデッドなので、ある程度若い原酒が使われているであろう事は想定通りでしたが、驚いたのはブレンドのベクトルがこれまでの鶴17年とは全く異なっていることです。
特に鶴17年に感じられた余市原酒の熟成感やスモーキーフレーバーが乏しく、構成は宮城峡の熟成原酒に若い余市原酒少量、ミドルエイジのグレーンという感じ。これまでの鶴の味わいをイメージして飲むと、控えめな個性に「あれ?」となります。
それこそこれは鶴ブランドで出さなくても良かったのでは・・・。

他方、これが全く悪いブレンドかというと決してそういう事はなく、バランスのとれた美味しさのあるブレンデッドであることに違いはありません。
現状使える原酒の中で作られた意欲作、あるいは販売期間で考えると何かの試作品でしょうか。
ニッカのブレンデッドがザニッカ12年で最高峰というのは、少々寂しい今日この頃。原酒は厳しいと思いますが、こういう形でも良いので細々とブレンデッドウイスキーの上位グレードも生産していって欲しいです。

蒸留所の話題繋がりで余談。3月27日に宮城峡蒸留所の新しいビジターセンターがオープンしたそうですね。
赤れんがが閉店し、限定商品も乏しくなって寂しい空気の漂っていた宮城峡に嬉しいニュースです。後日実家帰りした際に寄ってみたいと思います。

ニッカウイスキー ノースランド 角瓶 1970年代流通 特級表記

カテゴリ:
NORTHLAND
NIKKA WHISKY
SPECIAL GRADE
1970's
720ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後2年程度
評価:評価無し

香り:埃っぽさを伴う乾いた穀物香、メンソール、ウォッカのようなアルコール感。時間をおいても香りがあまり立たない。

味:ピリピリとしたアルコールの刺激を伴う口当たりから、べったりとしたシロップのような甘み、淡いモルティーさ。
余韻はハッカ飴、ドライであまり強くなくじんわりと染み込むように消えていく。


ニッカウイスキーの、そして竹鶴政孝の理想を形にした記念すべきブレンデッドウイスキーが、ノースランド角瓶(1973年発売)です。
1960年代中頃、カフェ式蒸留機の導入で念願の本格ブレンデッドウイスキー作りが可能となっていたニッカウイスキー。その中で竹鶴政孝は、スコットランドでの経験からウイスキーをより味わい深くするには、異なる地域で蒸留、熟成したモルト原酒が必要であると考え、さらなる理想のために新しい蒸留所の建設に向けて動き出します。

そして紆余曲折の末、1969年に竣工した宮城峡蒸留所で蒸留、貯蔵されたモルト原酒に、余市蒸留所の原酒、さらに当時は大阪の西宮工場で生産されていたカフェグレーンをブレンド。
竹鶴政孝の理想がまさに結実した新商品が、このノースランドだったわけです。
(1970年にはグランドニッカや、リニューアルしたスーパーニッカがリリースされているので、宮城峡の原酒も使われているかもしれませんが、3年未満で理想とは言いがたく。)

ノースランドは今回紹介している特級規格の角瓶と、2級規格の丸瓶がリリースされていました。
背面ラベルやニッカのPRでは「北海道余市のハイランドモルト、宮城峡のローランドモルト、カフェグレーンをブレンドした、まろやかでコクと気品ある味わい、Gentleタイプのウイスキー」と、ハイランド、ローランドはこの時期から使ってたのか。。。とか、Gentleタイプなる聞きなれない単語に時代を感じます。
他方、ノースランド角瓶の1970年代流通は、理想が結実したと言いつつも、日本のウイスキー黎明期といえる原酒20%程度な味わい。経年を差し引くと当時はソフトでクリーン、飲みやすいウイスキーだったのではないかと思います。
1980年代になると比較的モルティーな風味もはっきりしてきて、原酒の熟成、ウイスキーメーカーとしての成長を感じることも出来ます。

時代の区別については、1970年代はラベルに埋め込まれている赤いエンブレムが、1980年代頃からラベルとしてプリントされるようになるので、非常にわかりやすいです。
ちなみに、ノースランドは1980年代に終売となったものの、余市蒸留所のショップ名称として現在まで息づいています。

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