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ニッカウイスキー ノースランド 角瓶 1970年代流通 特級表記

カテゴリ:
NORTHLAND
NIKKA WHISKY
SPECIAL GRADE
1970's
720ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後2年程度
評価:評価無し

香り:埃っぽさを伴う乾いた穀物香、メンソール、ウォッカのようなアルコール感。時間をおいても香りがあまり立たない。

味:ピリピリとしたアルコールの刺激を伴う口当たりから、べったりとしたシロップのような甘み、淡いモルティーさ。
余韻はハッカ飴、ドライであまり強くなくじんわりと染み込むように消えていく。


ニッカウイスキーの、そして竹鶴政孝の理想を形にした記念すべきブレンデッドウイスキーが、ノースランド角瓶(1973年発売)です。
1960年代中頃、カフェ式蒸留機の導入で念願の本格ブレンデッドウイスキー作りが可能となっていたニッカウイスキー。その中で竹鶴政孝は、スコットランドでの経験からウイスキーをより味わい深くするには、異なる地域で蒸留、熟成したモルト原酒が必要であると考え、さらなる理想のために新しい蒸留所の建設に向けて動き出します。

そして紆余曲折の末、1969年に竣工した宮城峡蒸留所で蒸留、貯蔵されたモルト原酒に、余市蒸留所の原酒、さらに当時は大阪の西宮工場で生産されていたカフェグレーンをブレンド。
竹鶴政孝の理想がまさに結実した新商品が、このノースランドだったわけです。
(1970年にはグランドニッカや、リニューアルしたスーパーニッカがリリースされているので、宮城峡の原酒も使われているかもしれませんが、3年未満で理想とは言いがたく。)

ノースランドは今回紹介している特級規格の角瓶と、2級規格の丸瓶がリリースされていました。
背面ラベルやニッカのPRでは「北海道余市のハイランドモルト、宮城峡のローランドモルト、カフェグレーンをブレンドした、まろやかでコクと気品ある味わい、Gentleタイプのウイスキー」と、ハイランド、ローランドはこの時期から使ってたのか。。。とか、Gentleタイプなる聞きなれない単語に時代を感じます。
他方、ノースランド角瓶の1970年代流通は、理想が結実したと言いつつも、日本のウイスキー黎明期といえる原酒20%程度な味わい。経年を差し引くと当時はソフトでクリーン、飲みやすいウイスキーだったのではないかと思います。
1980年代になると比較的モルティーな風味もはっきりしてきて、原酒の熟成、ウイスキーメーカーとしての成長を感じることも出来ます。

時代の区別については、1970年代はラベルに埋め込まれている赤いエンブレムが、1980年代頃からラベルとしてプリントされるようになるので、非常にわかりやすいです。
ちなみに、ノースランドは1980年代に終売となったものの、余市蒸留所のショップ名称として現在まで息づいています。

ニッカウイスキー G&G (ゴールド&ゴールド) 白ビン 43%

カテゴリ:
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GOLD & GOLD
NIKKA WHISKY
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:香り立ちはあまり強くないが、ほのかな酸味を伴う香ばしいアロマ。徐々に焦げたようなスモーキーさと林檎ジャム、ハッカを思わせるスーッとするニュアンスも感じられる。

味:まろやかな口当たり、やや重みのある酒質で飲みごたえがある。トーストとママレード、アップルビスケット。中間からピートフレーバーと奥にはチャーした樽香も感じられる。
余韻は軽くスパイシーでジンジンとした刺激、味わいに比べて荒さもあるが、トースティーで甘くほろ苦く、長く続く。


先日自宅の酒収納スペースを掃除したところ出てきた1本。そう言えば終売になるっていう時になんとなく買って、そのままにしていました。
ちょうどハイボール枠に空きができていたので、在庫整理も兼ねて開封。結果ハイボールには少々物足りなかったものの、色々考えさせられるボトルとなりました。

G&Gの歴史、薀蓄については今更述べる事でもないので割愛させて頂くとして、このウイスキーは自分にとって学生時代の味です。
当時の自分には、"サントリーは宣伝、ニッカは職人"、という自分勝手な思い込みによる認識があって「自分で買って飲むなら職人気質なニッカだよな!」と、竹鶴12年、フロムザバレル、スーパーニッカ、そしてG&Gをよく飲んでいました。
中でもフロムザバレルとG&Gはウイスキー冬の時代だった当時は扱っている酒販が限られていて、探すのに苦労したのを覚えています。


そんなG&Gも、ノーマルな白ビンを最後に飲んだのは7〜8年前。当時とは知識も経験も大きく違う中で、改めてこのウイスキーと向き合ってみると・・・実にニッカらしさが詰まった良作である事がわかります。
まろやかな口当たりの奥に感じられる活性樽や新樽熟成の余市の樽香、重みのあるスモーキーフレーバー。最近のニッカには感じられるリリースが少なくなった宮城峡原酒由来と思われる甘酸っぱい香味が懐かしい。一方で香り立ちは少々軽く、加水やハイボールにするとボディがずいぶん軽くなる等、若い原酒がブレンドされている刺激や要素も感じられますが、これが2000円未満だったと言うのは今の基準で考えると驚異的です。

2015年の終売騒動の折、ニッカの歴史を語る上で避けられないG&Gを終売にするなんて正気か?という意見も多数目にしましたが、これは作り続けられませんよ、っていうかよくこの価格で今まで維持してたなと思うくらいです。
今回のように惜しまれながら終売になってしまったウイスキーを飲んでみると、当時のニッカのラインナップには「無理なく続けられる枠」と「実はちょっと無理してます枠」があって、原酒のマネジメントに苦労した結果、共倒れにならないよう苦渋の決断だったのだろうなと言うことが伝わってくるように感じます。

サントリー 山崎10年 40%  2010年代流通

カテゴリ:
YAMAZAKI
Suntory Single Malt Whisky
Aged 10 Years
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅@マッスルKさん
時期:不明
評価:★★★★★(5-6)

香り:やや青みがかった香り立ち。乾いた木材、麦芽、ほのかにドライナッツ、時間経過でバニラの甘みが開いてくる。

味:少し粘性のある飲み口からドライ、スパイシーで青みがかったウッディネス。度数以上に強さのある口当たりで、じわじわと開く蜂蜜の甘み、乾いた植物感、青りんご。
余韻は淡くエステリーで華やかだが若干の刺々しい刺激も伴う。

ストレートでは樽香と酒質のバランスが取れているとは言い難く、加水で整えられている以上に荒さが目立つ。もう少し熟成が必要だが、ロックやハイボールなら充分楽しめる。

先日ウイスキー仲間宅で開かれた持ち寄り会で、ちょっと懐かしいボトルに出会いテイスティングさせてもらいました。
山崎10年は白州10年同様に2013年頃まで発売されていた、12年の廉価版。2012年に発売されたノンエイジに普及品のバトンを渡す形で終売となりました。
今回のボトルの流通時期は、表記がピュアモルトではなくシングルモルトであることから終売間際と考えます。

一般的な構成としてシングルモルトの山崎はシェリー、ホワイトオーク、ミズナラなど様々な樽で熟成させた原酒を使って作られる中、10年はそうした原酒の中でも特にホワイトオーク樽を軸としています。
ただ、ホワイトオークとして真っ先に連想するであろうバーボン樽のようにエステリーでフルーティーな構成ではなく、やや青みがかった木のアロマ、植物っぽいニュアンスから、パンチョンのように大ぶりな樽か、あるいはリフィル樽の比率が多い印象を受けます。
後に発売されるワイン樽などを使って甘口に仕上げた山崎ノンエイジと比較すると、ずいぶん違う系統だと言えます。

この手の構成のウイスキーは、ストレートで飲むとまだ若い印象も同時に受けるものの、ハーフロックやハイボールなど、手を加えた飲み方にするなら話は別。樽材由来の木の香味が心地よく、爽やかに飲み進められ、むしろ12年より使いやすいとさえ感じる場面もあります。
山崎10年が発売されていた当時はウイスキー冬の時代。ハイボールブームを仕込んでいたサントリーとしては、12年とは違うステージで勝負できるレシピを考えていたのかなと思うのです。


以下雑談。ちなみになぜこれが懐かしいボトルなのかというと、自分の大学院時代、教授へのギフトに山崎が送られてくる事が度々あり、夜の研究室で研究のことや他の教授の悪口とか、他愛もない話をしながら飲んでいたことから。
自分が就職して間も無く恩師は退官、あの研究室で飲み交わすことはもうなくなってしまっただけに、自分の中で山崎10年は青春時代を思い出す、ちょっと懐かしいウイスキーなのです。

笹の川酒造 安積蒸留所 ニューポット 2016年蒸留 63%

カテゴリ:
IMG_3211
ASAKA
SASANOKAWA SHUZO
NEW POT
Disitlled 2016.12.26
Bottled 2017.01.13
250ml 63%

香り:酸味が強く、ドライなアルコール感と微かに発酵臭を伴うアロマ。加水すると乾燥させた麦芽、おかき、無糖のシリアルを思わせる香ばしさを感じる。

味:軽くスパイシーな口当たり、最初はニューポットらしい乳酸系で微かに発酵したような酸味、口の中で転がすとオイリーで香ばしい麦芽風味が主体的に。
余韻は麦芽系のフレーバーが後を引きつつあっさりとしている。
ボディはミドル程度、加水するとバランスがとれて口当たりは柔らかくまろやかに。

まごうことなきモルトウイスキーのニューポット。どこか垢抜けていない素朴なニュアンスを伴う、個性のプレーンなハイランド系統の仕上がり。
酸味が多少強いが、発酵臭や温泉卵のような硫黄系の要素は少なく、加水の変化を見ても素性は悪くないと感じる。
中長期熟成向けの原酒であると感じる一方、今後蒸留のノウハウやイメージが蓄積する中で、どのような方向性で蒸留所のキャラクターが洗練されていくかを見て行きたい。

笹の川酒造が昨年操業した安積蒸留所、そのニューポットが福島県を中心に出荷されました。
蒸留は2016年12月26日、ボトリングは2017年1月13日で、年末を挟んだこともあり、この約3週間はタンクの中でボトリング待ちだった模様。
そう言えば昨年告知された福島屋商店の樽オーナー制度の樽詰めは、2017年3月ですから、これと同系統の原酒が使われるのかもしれません。

今年中にはピーテッドモルトの仕込みも行われる予定とのことで、この酒質でピーテッドであれば、アイランズ系統の中々楽しめるモルトができるのではないかと感じています。
地元に蒸留所が稼働を開始しただけでも嬉しい事ですが、活発な動きがあるのはなおの事。今後も引き続き紹介していきたいです。

(安積蒸留所のポットスチル。間接加熱式でストレートヘッド。三宅製作所製。)

日本に限らず各蒸留所のニューポットをテイスティングすると、それぞれに特徴があり、狙っているキャラクターで違いが出ていることがわかります。
ニューポットが熟成していく過程や、熟成を終えて製品化された後、その全行程から作り手はフィードバックを受けて、目指すキャラクターを絶えず調整していきます。

対して、まだ稼働し始めたばかりのクラフトディスティラリーは、一定期間熟成させたマイルストーンとなるリリースがないため、先をイメージしながら原酒を作っていくことになります。
例えるなら連載開始時点の漫画のようなもので、書かれ続けるうちに、画風とキャラクターにも変化があり、徐々に個性が洗練されていくようなもの。
安積蒸留所のニューポットも、このリリースが完成形ではなく、様々な原酒が作られ、ノウハウが蓄積し、目指す個性がはっきりとしていくのだと思います。

今回のリリースだけでなく、津貫、長濱、そして今年中には厚岸、三郎丸、静岡といったその他の蒸留所からもニューポットのリリースがあると思いますが、彼らのスタート地点に立ち会えるというのは、この時代にウイスキーを飲んでいたからこその楽しみでもあります。

ニューポットは決して美味しくはないもので、将来の姿に思いを馳せて楽しむものです。(プラス地元の酒であれば、それだけで感慨深いものも。)
10年後、20年後にリリースされているであろう製品から、2017年の今を振り返った時、どのような個性が育っているのか。
願わくばその時代まで、日本のウイスキー産業が成長を続けていることを祈って、今回の記事の結びとします。

イチローズモルト 秩父 ピーテッド 2016 54.5%

カテゴリ:

CHICHIBU
Ichiro's Malt
The Peated 2016
Distilled 2012
Bottled 2016
700ml 54.5%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み(GOSSE@目黒)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーで強いアロマ、バニラやナッツを思わせる甘い樽香、ほのかにエステリー。淡いヨードとピートフレーバーの奥から乾いた木のアロマも感じる。

味:やや粘性を伴う口当たり、パワフルなアタック。香り同様にピートフレーバーとバニラを思わせる甘みと微かにドライオレンジ、柑橘のニュアンス。そして強くスモーキーな鼻抜け。
余韻はスパイシーでドライ、乾いた麦芽風味、ピーティーで強いアルコール感を喉に伴う長い余韻。

加水しても基本的な方向性は変わらない。アイラ島のピートを使ったのか、スモーキーさに淡いヨード混じるようにも感じる。香味の変化という点ではやや単調気味だが、4年少々でこの酒質なら、秩父の環境でも10年程度の熟成に耐えるのでは。


今一大ブームの中にある、秩父蒸留所のピーテッド。2016年リリースのこのボトルは、若いなりに中々よく出来た1本です。
秩父の原酒は蒸留開始初期のものだと多少バラつきがある感じですが、2010年くらいから蒸留ノウハウの蓄積か、だいぶ安定したように思います。
口当たりの若い原酒らしく荒さ、パワーはありますが、ねっとりとしたコク、変な酸味やえぐみの無さ、そこにラフロイグ系統のピートフレーバーで、秩父モルトに多く見られる癖を感じにくい仕上がりとなっています。
フレーバー全体のまとまりを考えると、これまでリリースされてきた秩父のピーテッドより良い出来なんじゃないでしょうか。

若いモルトはピーテッドだとそれなりに楽しめるものが多い、と言うのはウイスキーにおける定石の一つと言えます。 
料理で言うならカレーみたいなもので、多少脱線しても最後はスパイスのキャラクターでなんとかしてしまうあの感じ。
最近はボトラーズ側の原酒不足からカリラ、タリスカー等で短熟モルトがリリースされているだけでなく、日本では秩父以外のクラフトディスティラリーでも、ピーテッド原酒の生産が宣言されているところ。テイスティングする機会はさらに増えそうです。


なお、ピーテッドモルトウイスキーの需要増からか、仕込みに使うピーテッド麦芽の値段が上がっているそうです。(国内での流通価格は、昔はピーテッド麦芽のほうがノンピートより安かったのだとか。)
なるほど、これも時代の流れだなぁと。
そしてピーテッドをこれから仕込む蒸留所が、ピートの強い個性の中でどのように蒸留所毎のキャラクターを表現するのか。
また、ピートと一括りに言っても、内陸のものかアイラのものか、果ては日本産という選択肢に加え、その乾き具合などでもフレーバーは異なると聞きます。
楽しみな要素は尽きませんね。

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