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ニッカ 宮城峡 12年 フルーティー&リッチ 55%

カテゴリ:
NIKKA WHISKY
MIYAGIKYO
Fruity & Rich
Aged 12 years
500ml 55%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライでスパイシーな刺激の強い香り立ち。乾いたウッディネス、蜂蜜、バニラやココナッツの甘く濃いオーク香。ドライアップルやパイナップルを思わせる果実香もある。

味:パワフルで粘性のある口当たり。リッチな果実味、林檎のコンポートやオレンジママレード、徐々にスパイシーな刺激が感じられ、強く広がる。
余韻はドライでハイトーン、ヒリヒリとした刺激と共にオーキーな果実味、ナッツを思わせる香ばしさが長く続く。

バーボンバレル系の濃厚な味わい。ジャパニーズらしく熟成年数の割に樽が強く確かにリッチ、アタックはその分加水でありながら強さが残っている。加水すると麦芽香に加え、林檎、ビスケット、ほのかなスモーキーさと共に酒質由来の香味が開いてくる。


2008年ごろにリリースが開始された、宮城峡蒸溜所限定のウイスキー。55%とカスクストレングスを思わせるハイプルーフですが、複数樽バッティングの加水調整済みシングルモルト。
特段説明の必要もないとは思いますが、このシリーズは発売当初12年のエイジング表記があったものが、現在はノンエイジに切り替わって、全体的に樽感と熟成感がライトな仕上がりとなっています。

フルーティー&リッチはそのシリーズの中でもアメリカンホワイトオークのはっきりとフルーティーな香味が強く、バーボンバレルを中心に原酒が構成されている印象。非常にはっきりとわかりやすく、好印象を持たれやすい構成ですね。
ただ同じ蒸溜所限定品として販売されていたシングルカスクリリースの15年や、マイウイスキーのシングルカスク10年も同様の樽構成である中で、ベクトルは同じではありますが、何故かバッティング加水の12年の方が少し荒さが目立つのは、違う樽の原酒も多少混じっている故かもしれません。

(シングルカスク15年、フルーティー&リッチ12年、カスクストレングス10年。多少の違いはあっても全てに同様の傾向がある。宮城峡らしさも強い。)

この宮城峡のバーボン樽熟成原酒は、少量加水、ハイボール、どう飲んでも安定して美味しいわけですが。。。一番のオススメが山でのアウトドアシーンに持ち込むこと。
清涼な空気と土や木の森の香り、水の音、ウッディでフルーティーな強い味わいが、同じようにストレートで飲むのとでは一味違う。
多くは感じられる要素との親和性で、アメリカンホワイトオークに由来するところとは思いますが、日本の同じような環境で育ったことも、少なからず影響していると考えると熟成の神秘を感じますね。


以下、余談。
ニッカといえば先日ブラックニッカ プレミアムからエクストラシェリーがリリースされ、もういい加減ブラックニッカのリミテッドリリースは最後だろうと思わせておいて、また9月に出るみたいですね。
今度はブラックニッカ・ディープブレンドの限定品で、エクストラスウィート 46%。新樽熟成の原酒を中心に、宮城峡と余市モルトの10年ものをキーモルトとしているそうです。
構成的にちょっと期待したい気持ちはあるものの、そろそろ「もう他ので良くない?」って思ってしまいます。。。

サントリー 響 ディープハーモニー 43% 2013年リリース

カテゴリ:
SUNTORY WHISKY 
HIBIKI
DEEP HARMONY
2013's
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
場所:Y's Land IAN
時期:不明
評価:★★★★★★★(6-7)

香り:ウッディでリッチなアロマ。木苺、ベリーシロップ、甘栗やマロングラッセ、香木香。樽由来の様々な香りを束ねるしっとりとした甘みとほのかな渋み。

味:スムーズでふくよかな口当たり。ベリーシロップを思わせるややべたつくような甘み、メレンゲクッキー、複数の香木香が鼻腔に届くシルキーなウッディネス。フィニッシュはドライで苦味は少ないが、徐々に水分が奪われていく感覚がある。

響らしい華やかで多層的なウッディネスが感じられる中に、ワイン樽とシェリー樽由来のシロップやジャム的なベリー感、ほのかなタンニンも含めて深くリッチな香味がバランスよく合わさっている。サントリーの高いブレンド技術を感じさせる仕上がり。少量加水するとさらに香味が広がるが、加水しすぎやロックは腰砕け気味になりやすい印象も。


次の一杯は何を飲もうかと逡巡していたところ、バックバーの奥に姿が見えたディープハーモニー。今となっては懐かしいボトル、久々にテイスティングしてみました。

ディープハーモニーは、ウイスキーの消費量がハイボールブームで回復しつつある中で、次なる一手としてBARなどの飲食店における響ブランドのプレゼンス向上を目的に開発された商品。「より深く、濃厚な響」をコンセプトに、響17年の構成をベースとしつつ、シャトーラグランジュの赤ワイン樽で熟成させた白州1996、スパニッシュオークシェリー樽熟成の知多グレーン1988などを効かせ、さらにリッチな香味に仕上げたブレンデッドウイスキーです。

発表された当時は「ハイハイ最近流行りのワイン樽ね」、なんて甘くみていたのですが、飲んでみると結構美味しくて業務用酒販店を巡ってお買い上げ。4000本の限定品でしたが、当時は本格的なジャパニーズウイスキーブーム前で、多少出遅れても買えたんですよね。そしてそれを実家に帰った時のギフトに使ってしまったのですから、これが時代か(笑)。
改めて飲んでみると、コンセプトとなる濃厚さの中にも響のキャラクターを感じさせる香味とその熟成感。なんであの時もう2〜3本買っておかなかったかなぁという後悔の念が、響17年休売の報せもあって一層強くあります。

ちなみに、ワイン樽の響といえば9月に発売される予定の響ブレンダーズチョイスも、ワイン樽熟成の原酒が用いられているとされています。
流石にこのディープハーモニーのような濃厚さはないと思いますが、これまでのサントリーのワイン樽を用いたリリースにあるような、フルーティーさを備えるリリースを期待したいです。

若鶴酒造関連会社がリラックスとウイックを子会社化 洋酒部門強化へ

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今朝のニュースで興味深い記事があったので、紹介させてもらいます。
北陸コカコーラボトリングの協力会社であるGRNが、洋酒等の並行輸入・販売における国内主要企業のリラックス、及びその子会社でウイスキー業界ではお馴染みのウイックら2社を子会社化したという話題です。

洋酒、ワイン、仕入れ拡大 GRN輸入卸売2社子会社化(6/5 北陸新聞)

ウイスキーを飲み始めたばかりの方々には馴染みがないかもしれませんが、ある程度飲んでいる方や業界の方なら必ず一度は手にとっているであろうウイック社卸売のボトル。
今回ピックアップしたいポイントは、今後同社の販売の拠点が北陸に移る可能性・・・というより、GRN社が三郎丸蒸留所を操業し、ウイスキー製造を手掛ける若鶴酒造の親会社でもあること。そして今回の子会社化を経た後のグループ全体としての規模にあります。
各社の正式な役割分担等は株式取得前でまだ不明ながら、調達・販売の機能と選択肢が強化され、大きな動きに繋がることは間違いありません。

近年、日本全国で産声を上げるクラフトディスティラリーにとって、ウイスキーづくりの技術向上は勿論重要ですが、製品の販路に加え、樽や各種物資、ブレンド用原酒などの調達先の確保も同じくらい重要です。
GRN社のニュースは、若鶴酒造がそれを商社経由だけでなく関連会社も含めて行える事になり、ルートが今まで以上に広がるという事が一つ。加えて、その企業の特色として例えばリラックスは各種ワインの輸入にも実績があるわけですが、グループのバックホーンで並行品ではなく正規代理店契約も結べる状況となると、ウイスキーの熟成に使えるシェリーやワイン樽などの調達ルートの開拓にも繋がり、ウイスキーづくりの選択肢が広がることも期待出来ます。

さらにGRN社側に目を向けると、グループとして元々持っていた機能を合わせれば、酒類全般の輸出入・製造・提供を可能とする一大勢力が誕生する可能性も。。。今回の記事は若鶴酒造視点メインで書きましたが、興味がある方はGRNについても調べて見てください。


"ジャパニーズウイスキーブーム"と言っても、一般市場で消費される大半は大手製品。特に居酒屋で飲まれるような、角、トリス、ブラックニッカなどが中心であり、残された市場をクラフト勢が取り合う状況に変わりはありません。
その為、クラフト勢は地元の市場に基盤を作りつつ、ローカルアイドルがメジャーデビューしていくようにじわじわ支持を広げていく必要があるわけですが、主要な市場、酒販店や飲食店への販路が確立しているということは、大きなアドバンテージとなります。

今回のニュース地方紙5面のローカルな記事ですが、酒販関係者を中心に業界としては何気に大きな話じゃないかと、  朝からテンションが上がってしまいました
記事全体を通してふわふわした書き振りになっているのは、未定な部分があるのもそうですが、純粋に規模感が大きすぎて書ききれないのです。
自分としては今後、北陸からウイスキー業界に新しい流れが出来てくることを、いち愛好家として楽しみにしています。(コアユーザー向けはモルトヤマもありますし、ウィック社製品の扱いが増えるかな?)


さて、その三郎丸蒸留所ですが、2年目の仕込みに向けて、マッシュタンとその関連設備を新調する工事が行われました。
昨年のリニューアルと合わせ、これでぐっと製造環境が近代化しましたね。過去の密造時代一歩手前のような設備を知っている自分としては、中々感慨深いものもあります。


若鶴酒造では次週11日から試験的な仕込みを行い、準備を整えていくそうです。
まだ具体的なリリースがないため、同社の原酒は市場的に未知数なところはあるものの、昨年仕込みのニューメイクを飲んだ限り、ヘビーでピーティーで、どのジャパニーズとも異なる面白い原酒が生まれています。
ここに生産設備が新調され、発酵過程が安定すれば、さらに洗練された原酒を作ることができるという期待もあります。

ウイスキーの仕込みは夏場のみである同社ですが、通常の見学対応は勿論、レセプションホールである大正蔵で、映画「ウイスキーと2人の花嫁」の上映会を行なったり、5月には同社敷地内でバッカス富山も開催されるなど、活動は広く行なっています。
また、ウイスキーのリリースとしては先日レビューした蒸留所限定のブレンダーズトライアルをはじめ、ムーングロウのセカンドリリースLimited Edition 2018がリリースされたばかり。
関東にいるとどうしても情報が届きにくいのですが、活動実態はなかなかどうして精力的なのです。


2018年は若鶴酒造にとって、創業100周年となる大きな節目の年でもあります。
その年に今後に向けた動きの一つが、今回のニュース。
思い返せばプロジェクトリーダーの稲垣さんの熱意に共感し、蒸留所改修のためのクラウドファンディングを紹介をさせて頂いた時から2年目少々、気がつけばどんどん大きな動きになっていく北陸のウイスキームーブメント。
今後どのような形を成していくのか、その動きに引き続き注目していきたいです。

※当記事の写真は撮影者の許可を得て使用しています。

ニッカウイスキー 博多 モルト100%ウイスキー 43%

カテゴリ:
NIKKA WHISKY
HAKATA
MALT 100
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:BAR飲み@Ambrosia
時期:不明
評価:★★★★★★(5-6)

香り:香ばしくモルティーな香り立ち、濃く入れた焙煎麦茶のようで、奥には淡いサルファリーさ、かりんとう。奥には微かに青みがかったニュアンス。

味:スムーズでモルティな口当たり。香ばしい麦芽風味、微かなケミカルやバニラ、カラメルソース。派手さはないが奥行きがある。
余韻は淡いサルファリーさとほのかなピート香を伴うドライなフィニッシュ。

ベースのモルト比率は見えないが、あまりスモーキーなタイプではなく、宮城峡タイプ主体の印象。加水するとスムーズでまろやかさが引き立ち、飲みやすさの中に香ばしさと微かな青みが感じられる。


ニッカウイスキーが博多地区限定でリリースしていた、バッテッドモルトウイスキー。元々は1990年代に博多倶楽部としてリリースされていたもので、ラベルチェンジ後は博多モルト100%ウイスキーとして2015年のラインナップ整理までリリースされ続けていました。

発売の経緯はニッカウイスキーの「地域に根ざした企業」とする理念から、九州地区に限らず、伊達、国分町、千葉、横浜。。。といった具合に、所縁の地で様々なご当地ウイスキーをリリースしていたもの。これも原酒に余裕があったからこそできていた活動だったのか、現在ほとんどのリリースがないのは寂しいものです。(同地区は九州工場が稼働、1999年売却。)

原酒構成はややシェリー樽由来と思われるニュアンスがあり、それでいてピーティーさの際立ったところがないことから、宮城峡タイプの原酒を主体に、余市モルトが使われているものと推察。ただあくまで香味の主体は酒質由来のところにあり、未熟感はなく、麦由来の味わいを感じながら飲み疲れずゆったり飲んでられるようなバランスが、親しみやすい1本だと感じます。

秩父 8年 2008-2017 酒育の会設立記念 モルトドリームカスク 61.3%

カテゴリ:
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CHICHIBU
ICHIRO'S MALT
Malt Dream Cask "Syuikunokai"
Aged 8 years
Distilled 2008
Bottled 2017
Cask type Bourbon Barrel
200ml 61.3%

グラス:スピリッツスニフター
場所:BAR飲み@ナデューラ
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5※)
※ウイスキー2〜3に対し、1程度の加水で★6

香り:フレッシュでハイトーン、ナッツや乾いた木材のアロマ、メンソールやハッカのような爽やかさと奥にはアクのようなニュアンス。徐々にビスケットのような甘み、微かにドライパイナップル。豊かな樽香を感じる。

味:ややアタックは強いがコクのある口当たり。蜂蜜、オレンジピール、ナッツの甘みと香ばしさ、少しえぐみを伴う所謂秩父味。舌の上で転がすとおがくずのような木香が鼻腔に抜け、ハイトーンで刺激の強いフィニッシュが長く続く。

秩父らしさと共に樽感がしっかりと感じられる。ストレートではフレーバー同士が多少バラついてとっちらかった感はあるが、加水するとまろやかな甘さ、パイナップルを思わせるオーキーなフルーティーさが開き、香味共一体感が出て楽しめる。


"酒育の会"は2015年から活動を開始した団体。お酒の文化や楽しみ方を普及させることで、多種多様な酒類が流通する日本だからこその、より良いお酒ライフをサポートすることを目的としています。当初は有志によるグループとしての活動でしたが、一般社団法人としての活動を2016年12月からスタート。その設立記念としてリリースされたのが、このイチローズモルト・モルトドリームカスクの秩父です。
初めは会員向けに販売されましたが、その後は一般にも販売されたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

秩父のリリースは数が多すぎて全ては追えてないのですが、この酒育の会のボトルは現在一般にリリースされている秩父モルトの中で最長熟の部類に入る1本です。
また近年リリースが主流となっている2010年前後ではなく、2008年蒸留という蒸留所稼働初期のころの原酒であるのもポイント。今の秩父とは少々異なる酒質を感じる味わいが特徴です。

香味は乾いたようなホワイトオークの樽感が強く、ストレートではクリアな酒質が樽由来の要素に馴染みきれてない印象を受ける部分があります。そこに個人的に"秩父味"と感じている樽のえぐみというかハッカのような独特なスパイシーさが蓄積してクドく感じるのですが、このボトルは加水で度数を落とすと一体感が出て樽由来の要素のいい部分も引き出せるようです。
今年2月で創業10周年を迎えた秩父蒸留所。おそらく今後リリースされるであろう10年熟成は、バッティング加水とシングルカスクが2種類あるのではないかと思いますが、この酒育会向けボトルを飲むとバーボンタイプで10年熟成は酒質との兼ね合いで際どいところ。他方でバッティングであれば可能性は残るでしょうし、特に48%加水仕様に期待したいです。 

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さて、今回のテイスティングは池袋のBAR Nadurra(ナデューラ)さんにて。
ナデューラは当ブログでも紹介させていただいた禁煙のBAR、このGW中はちょっと懐かしいものや、今では中々飲めなくなってしまったレアなボトルを含む16種類から3種を選んでお得な価格で楽しめるフェアを開催中です。(詳細はこちらから)

日曜日は定休日なので、フェアは今日を含めて残り3日。この他にもメーカーズマークのハイボールがサービス価格。気になるボトルをこの機会にどうぞ!

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