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SANSIBAR
SPEYSIDE
Very Old Blended Malt
Botteld in 2015
SAMURAI LABEL BATCH.2
700ml 46.1%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み (Y's Land IAN)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★★★(7-8)

香り:リッチなシェリー香、ビターチョコレート、焦げたキャラメル、徐々にウッディーなほろ苦さ。 グラスの残り香はキャラメルとダークフルーツ。アプリコットもある。

味:甘くフルーティーでリッチな口当たり。土っぽいピートフレーバー、ココナッツ、サルタナレーズンや林檎のカラメル煮を思わせるシェリーの甘み。中間は少しぼやけているが、ほのかにフェロモン的なフルーティーさも感じる。
余韻はほろ苦く焦げたカラメルソースにブドウの皮、長く染み込むように良質なシェリーフレーバーが残る。


サンジバー(SANSIBAR)は、輸入元資料によればドイツのブランドで、ウイスキー需要が世界的に高まっている背景を見てウイスキー業界に参入した比較的新規のメーカー。それ以外にはワインやレストラン等、総合的にビジネスに参入していたようです。
シングルモルト以外にバッテッドモルトをリリースすることもあり、このサムライラベルは台湾にあるSスピリッツショップのオーナーが、ボトリングを依頼したオリジナルラベル。サンジバー社のリリース全てがこのようなあざとい日本文化的なラベルではなく、これは依頼主の趣味なのだそうです。

構成原酒は1960年代のタムデューやグレンロセス等のスペイサイドモルトに加え、1990年代のグレンファークラスがつかわれているとのこと。
ボトリング本数579本なので、1樽全てを使うのではなく、ストックしてある原酒を小分けに出してバッティングしたのでしょう。
見た目は日本かぶれの海外な方が作ったセンス丸出しのものですが、中身は正直かなり良いです。

基本的にシェリー系中心で、それも今は少ないオールドタイプのリッチな甘み、リフィルホグスヘッドタイプの原酒も入っているのか、フルーティーさも感じられ、うっすらと60年代原酒を思わせるトロピカル系のニュアンスも漂う。今後の変化でこれが前に出てきたら、凄いことになりそうです。
使われたという90年代のファークラスも、近年の中では良いシェリータイプ(例えばイーパワーのスペイサイド1996的なタイプ)だったようで、オールドシェリーな風味にうまく溶け込んでいます。
中間で主張がぼやけるバッテッドらしい感じも多少ありますが、バランスは良好な部類。間違いなくラベルで損している典型例です。

本ボトルの国内入荷分はすでに売り切れているものの、海外サイトにはまだ在庫があるようで、150ユーロくらいで販売されています。
先のイギリスの一件で、ユーロもポンドもめっちゃ安いんですよね。中身勝負なボトルですが、こういう味のシェリー系は近年なかなか無いだけに、海外から引いても良いレベルだと思います。