タグ

タグ:コンパスボックス

コンパスボックス フレイミングハート 6thリリース 48.9%

カテゴリ:
IMG_20190625_211338
COMPASS BOX 
FLAMING HEART 
BLENDED MALT SCOTCH WHISKY  
LIMITED EDITION 6th 
700ml 48.9% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:BAR Main Malt
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:しっかりとスモーキーで、角のとれた酸とアイラ要素を伴うピート香。蜂蜜レモンやグレープフルーツ、奥にはローストした麦芽や焦げた木材。熟成を感じる膨らみのある香り立ち。

味:粘性とコクのある口当たり。しっかりとピーティーだが、奥には洋梨のピューレやワクシーな麦芽風味、オレンジママレードを思わせる甘味と柑橘感も伴う厚みのあるフレーバー。
余韻はスモーキーでほろ苦く、適度にオーキーなウッディネスを伴いつつ長く続く。

アイラモルトのなかに内陸っぽいモルティーさ。上手く融合してひとつの香味のベクトルを作っている。パッと見は熟成したアイラだが、時間経過でワクシーなニュアンス、加水するとピートが弱まりハイランドモルトを思わせるいくつかのキャラクターが表面に出てくる。そのままで充分バランスの良いブレンデッドモルトであり、ストレートで楽しみたい。

IMG_20190625_211405

ウイスキーは”アート”であると、時に今までにない手法も取り入れ、最高のブレンド作りを志すコンパスボックス・ウイスキー社。
不定期にリリースされるブランドのひとつが、フレイミングハートです。

満足の行く原酒が揃ったか、あるいは納得のブレンドが出来た時のみリリースされるという位置付けなのでしょうか。前回の5thリリースも良い出来でしたが、昨年発表された6thも負けず劣らず良い出来です。
その印象を一言で言えば、熟成したアードベッグっぽさのあるカリラ。おっ、新しいの出たのかと、ブレンド比率もわからず注文しましたが、コクのあるボディにしゃきっと尖ったピーティーさが程好く馴染んで、レベルの高いブレンデッドモルトに仕上がっています。

原酒構成と比率はカリラ39%、クライヌリッシュ17%、ディーンストン29%・・・と言うざっくりした情報が日本の主な酒販サイトで公開されていますが、詳細なレシピは以下の模様。

・カリラ19年 39.5%
・ディーンストン15年 28.7%
・クライヌリッシュ15年 10.9%
・クライヌリッシュ23年 5.7%
・ハイランドブレンデッドモルト9年 7.7%※
・ハイランドブレンデッドモルト10年 7.5%※※

※ブレンデッドモルト9年内訳:クライヌリッシュ60%、ダルユーイン20%、ティーニニック20%
※※ブレンデッドモルト10年内訳:グレンオード、ベンリネス、アルターベーンが含まれている。比率不明。

flaming-heart-2018-recipe
(海外ウイスキー情報サイトより引用。各原酒のキャラクターと、使われた樽等の情報はこの図を参照のこと。比率の表記は多少ざっくりめ。)

前作、フレイミングハート5thでは30年熟成のカリラを60%以上使っていて、もうほぼカリラじゃないかという味でしたが、今回カリラは全体の約40%。比率が下がったということもあってか、前作よりもブレンデッドモルトっぽさは感じやすくなったように思います。
しかしピーティーかつアイラ要素は全面に感じる仕上がりであり、ブレンドモルトの若さは目立たない。むしろクライヌリッシュとディーンストンのワクシーでフルーティーな原酒が、上手く全体をボリュームアップさせている。
クリアなカリラというより、どちらかと言えば15~20年程度熟成させたアードベッグやラガヴーリンベースのキャラクターにも近いと感じました。

1c357d8f
(フレイミングハート5thエディション。コンパスボックス・ウイスキー社の15周年を記念してリリースされた。3年前のリリースだが、今考えると非常に贅沢な原酒構成で味も文句なし。)

細かいことを言えば、モルト100%なのと色々な樽が使われているのもあって、各フレーバーの繋ぎ部分で若干の粗さを感じるところもあります。
ですが、主に感じられる樽の要素はリフィルのアメリカンオークホグスヘッドやバレルのそれ。過度に主張しすぎない樽香が酒質由来の香味を引き立てており、逆に言えば一体感がありつつも、それぞれの個性を拾うことが出来るバランスであると言えます。

これは確かにアート、作り手の高い技術のうえに成り立つ作品です。
ごちゃごちゃしていると感じる飲み手もいれば、自分のように厚みがあって個性を楽しめると感じる飲み手もいると思います。
一方、近年のアイラモルトのリリースは短熟や若い原酒主体のNASが増えているなかで、ミドルエイジ以上のアイラシングルモルトを擬似的に再現しているようなブレンデッドであることや、価格も押さえられているのが嬉しいところ。
この熟成感のピーテッドアイラモルトは、今やオフィシャルでもボトラーズでも12~13kじゃ買えません。。。

フレイミングハート以外では、昨年リリースされたアードベッグ主体のノーネームも良かったですし、コンパスボックス社の上位ブランドは軸となる原酒の個性を伸ばして奥行きも備えさせるような、ブレンドとしての分かりやすさがありつつレベルが高いのが特徴。ウイスキーはとにかく味が一番という趣向の方にはオススメの1本です。

コンパスボックス ノーネーム 48.9% リミテッドエディション

カテゴリ:
COMPASS BOX
"No Name"
Limited Edition
Release of 15000 bottles
700ml 48.9%

グラス:オープンナップスピリッツ アンビアント
場所:BAR ハリーズ高岡
時期:不明(3ヶ月以内)
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:ツンとした刺激からしっかりとスモーキー。シトラス、レモングラスの柑橘感、微かにハーブ、乾いた草を思わせるオーク香。クレゾールや漁港を思わせる香りをアクセントにしつつ、品のいい熟成由来の甘みも感じられる。

味:とろりとした口当たり。強いピートフレーバーと、ヨードを伴うアイラモルトの個性。ほのかにアプリコット、レモンキャンディ、中間に乾いた麦感やナッツ、ドライな刺激が感じられるが全体の中でも一つのアクセントに留まる。余韻は焚き木の燃えかすを思わせるスモーキーさに、ひとつまみのオークチップ、ほろ苦く長く続く。

多少荒さはあるが、単にピーティーなだけではなく程よい熟成感が感じられるバランスのいいアイラタイプウイスキー。ボトラーズリリースのアイラモルトの若年化が進む昨今において注目すべき構成。作られた90年代アードベッグ。


コンパスボックス社の上位グレードに位置付けられるリミテッドエディション、ノーネーム。試飲でこれはなかなか美味いアイラ系ブレンドだと感じたのですが、しかし値段を見ると相応に高く。。。最近の相場ならそうだよなーと購入意欲は大幅にトーンダウンしていたのですが、いつの間にか並行品で納得のいく価格(税込12000円代)のものが入っており、BAR飲みして再度確認して見ることにしました。

ノーネームはコンパスボックス社がリリースしてきたウイスキーの中で、最もピーティーで個性が強いことから、名前なんかいらないでしょと「No name」と名付けられたそうです。
その個性の素となる原酒について、正式に蒸留所名まで明かされていませんが、使われたとされる原酒の99%以上は、ヒントというより蒸留所名同然で公開されており、その8割以上がアイラモルト、ほぼバーボン樽熟成のアードベッグという構成になっています。 

【構成原酒】
■アイラ島のPIER ROAD にある蒸留所(アメリカンオークバレル)-75.5%
→アードベッグ

■アイラ島のPORT ASKAIG 村近くにある蒸留所(アメリカンオークバレル)-10.6% 
→カリラ

■ハイランド地方のBRORA 村近くにある蒸留所(ホッグスヘッド)-13.4%
→おそらくクライヌリッシュ 

■ハイランドモルトのブレンド(フレンチオーク)-0.5%
→手持ちの原酒か、ブレンド用バルクか。

熟成年数は不明ですが、香味から感じる印象で平均15年程度。おそらく10年弱のアードベッグに、20年オーバーのカリラやクライヌリッシュを加え、アードベッグらしさを残しつつバランスと熟成感を出しているのではないかと思います。

もちろん単一蒸留所のそれと比べると、多少の違和感はありますが、それ以上にバッテッドモルトの利点を上手く活かした構成。コンパスボックス社としては、パワフルなスモーキーさを売りにしていますが、個人的にはそれ以外の要素として、1世代前のアードベッグに通じるニュアンスが印象的でした。
以前リリースされたカリラベースのフレイミングハートも熟成感がありつつ多彩な香味で印象深く、この手のリリースを主とするコンパスボックス社のノウハウが感じられるようです。


以下雑談。
アードベッグといえば、漫画レモンハートで「アードベッグ17年と、ウイスキーの樽材で燻製したスモークサーモン」が描かれていた回がありました。

この日は三郎丸蒸留所を見学した後、地元高岡でBAR飲み。お手製の"樽材を使った地元産サクラマスの冷燻"が持ち込まれており、レモンハートに習ってノーネームで合わせてみました。
スモーキーで肉質の強さと濃厚な旨味が広がるサクラマスに、ノーネームのピーティーさがマッチ。サーモンではなくサクラマス、オールドアードベッグではなくノーネーム。図らずも、味わい深い組み合わせとなったのです。

コンパスボックス フレイミングハート 5thリリース 48.9%

カテゴリ:
COMPASS BOX
FLAMING HEART
5th Release
Blended Malt Scotch Whisky
Limited Edition 2015's
48.9% 700ml
構成原酒:カリラ、クライヌリッシュ、ティーニニック、ダルユーイン

グラス:SK2、創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後2週間程度
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:柔らかくスモーキーな香り立ち。ナッティーな香ばしさとグレープフルーツの爽やかなフルーティーさ。徐々に麦芽の芯の部分を思わせる白っぽい甘さ、さらには焦げた木のビターなニュアンスと合わせてツンとした若い刺激のあるアロマが開いてくる。グラスの残り香はスモーキーでヨードの甘さも感じる。

味:スパイシーな口当たり、舌の上へのピリピリとした刺激に、ピーティーな麦芽風味とグレープフルーツ、塩キャンディ、奥には洋梨やクラッカーなど、良い意味での複雑さが隠れている。
余韻はピーティーでスモーキー。ほのかな土っぽさとレモンピール、焦げた木を思わせるほろ苦さが続く。

香味とも、加水は序盤の刺激が収まり、後半に塩気が出てくる。伸びる印象ではあるが、様々なフレーバーが生き生きとしているタイプが好きな人は加水しないほうが良い。というかこのウイスキーはそのスタイルのほうが楽しめるかも。


コンパスボックス・ウイスキー社がリリースする限定品のブレンデッドモルト「フレイミングハート」。今回はその第5弾であり、かつ同社の創業15周年を記念したリリースと、これまで以上に気合の入ったつくりになっています。
その原酒構成は

・リフィル・アメリカンオーク・ホグスヘッド カリラ30年(27.1%)
・アメリカンオーク・ホグスヘッド再活性樽 クライヌリッシュ20年(24.1%)
・フレンチオーク混成バレルで2年寝かせたブレンデッド・モルト※(10.3%)
・リフィル・アメリカンオーク・ホグスヘッド カリラ14年(38.5%)
※ブレンデッドモルトの構成原酒はクライヌリッシュ7年、ティーニニック7年、ダルユーイン7年
(上記の配合リストはM's Liquor houseさんから引用しております。)

と、見ての通り6割強がカリラ、あとの残りのほとんどがクライヌリッシュというバッティングとなっています。
原酒構成の通りテイスティングではカリラの個性を強く感じるだけでなく、30年熟成が3割近く使われていることで、勢いのあるフレーバーの中にどこか落ち着きがある、バランスのとれたバッティングに仕上がっています。
樽由来か、グレープフルーツを思わせる爽やかなフルーティーさがアクセントになって杯を重ねても負担になりませんし、クライヌリッシュのキャラクターか、ハイランドモルトを思わせる麦芽風味が徐々に感じられるのも味の幅を広げています。
一言で言って、旨い"擬似カリラ"です。


コンパスボックス・ウイスキー社は「ウイスキーを熟成させる際に、樽の中にウッドチップを入れる」という、スコッチ業界では暗黙のうちに誰も手を出していない(ことになっていた)領域に踏み込み、年数以上に熟成感があるというウイスキーをリリースしたことで話題となったメーカーです。
もっとも、このリリースは良い意味でも悪い意味でも話題となり、スコッチウイスキー協会から目をつけられる事態に。。。
このフレミングハート5thではウッドチップ熟成はしていないようですが、原酒の配合や熟成期間をオープンにしながら年数を表記しない(スコッチのルールではこのボトルは7年表記ということになる)ことで、再び協会から目をつけられたのだとか。
ウッドチップのほうは個人的に「ウーン」でしたが、このブレンデッドモルトは大歓迎。ボトル買いを即決できる価格ではないかもしれませんが、中身は流石のクオリティです。

このページのトップヘ

見出し画像
×