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キルホーマン 100%アイラ 8年 forチームグレンマッスル 55.9% ※BARリスト追記

カテゴリ:
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KILCHOMAN
100% ISLAY MALT
SINGLE CASK RELEASE
For TEAM GLEN MUSCLE
Aged 8 years
Distilled 2012
Bottled 2020
Phenol 20 PPM
Cask type Fresh Bourbon Barrel #29
700ml 55.9%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:自宅
評価:★★★★★★(6-7)

香り:ややドライで硬質感のある香り立ち。燻した麦芽のスモーキーさと、グレープフルーツやレモンピールを思わせる爽やかな柑橘香、ジンジャーエールを思わせる甘さ、仄かに消毒薬。注ぎたてはスパイシーな刺激もあるが、時間経過でやわらぎオーキーなニュアンスがその分開く。

味:粘性と塩気を伴う厚みのあるほろ苦い麦芽風味。それに馴染んで広がるピートフレーバーと、熟したパイナップルやグループフルーツを思わせる甘酸っぱさ。余韻にかけてはバーボンオークの甘味、モルトの香ばしさとジンジャーの刺激、ピートスモークが強くはないが微かな焦げ感を伴って長く持続する。

麦由来の旨みとも言えるフレーバーが強い、まさにローカルバーレイという1本。粘性と厚みのある風味は、さながらエールビールを思わせる質感にも通じている。
開封直後や注ぎたては香りで硬さを感じるが、グラスの中で比較的早く変化して開いていくだけでなく、麦芽風味にバーボン樽由来のフレーバーとピートが混じり、熟成を経て一体となった味わいも楽しめる。少量加水すると序盤の硬さが穏やかになり、黄色系のフルーティーさを感じられる、短熟ながら旨いモルトである。ストレート以外ではハイボールがオススメ、麦芽風味に程よいピートが感じられる。

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先日予告していました、自分が関わらせてもらっているオリジナルウイスキーブランド”GLEN MUSCLE(グレンマッスル)”シリーズに、初のシングルモルトが登場します。位置づけはキルホーマン100%ISLAY シングルカスクのプライベートボトルで、カスク選定からメンバーで関わらせていただきました。

今回のボトリングに協力いただいたのは、インポーターのWhisk-eさん。我々の想いを汲んで、蒸留所から素晴らしい原酒を調達してくれました。
ボトリングは247本。うち一部がWhisk-eさんの保有分となり、信濃屋さん経由で一般販売も行われる予定です※。販売開始は店頭・WEBとも6月22日(月)、WEBは12時からオープンで、価格は税込み12100円とのことです。 詳細は以下の信濃屋WEBショップをご確認ください。
※完売いたしました、お買い求め下さった皆様、ありがとうございました。こちらで把握しているBAR等の入荷情報は、記事の最下部を参照ください(2020年6月25日追記)

※ボトルの販売はWhisky-eと信濃屋食品が行うもので、我々チームメンバーが販売による利益を得ることはありません。またリリースにあたっての協力料、監修料等の類も一切受け取るものではありません。チームメンバーが所有するボトルは、必要本数を各自が購入したものになります。

既に前置きの必要もないと思いますが、グレンマッスルは、ウイスキー好きが笑顔で楽しんで貰えるような”味わい”や”エピソード”、中でもちょっと尖った魅力のあるウイスキーを、蒸留所やメーカー協力のもとで国産・輸入原酒を問わず活用して作り上げる、愛好家による愛好家のためのウイスキーです。
プロ、アマを問わずウイスキー愛好家で結成された”チーム・グレンマッスル”が、ウイスキーメーカーにユーザーの求める味わい等の情報を提供し、言わば新商品のリリース企画を監修するもので、これまでグレンマッスルとしてブレンデッドウイスキー3作がリリースされてきました。

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(グレンマッスルNo,1は福島県南酒販・笹の川酒造、No,2は長濱蒸留所、No,3は若鶴酒造・三郎丸蒸留所と協力してリリースされた。またNo,3は構成原酒として2.5年熟成の三郎丸シングルカスクも同時にリリースされている。リリースの一覧とレビューはこちら。)

グレンマッスルのコンセプトは先に述べた通りで、過去の3作では、求める味わいをブレンドを経て”作り出す”ことに重きを置いていました。
一方、今回のリリースはシングルカスクです。作るのではなく、明確なテーマを定め、”選び出す”ことがポイントになります。

そのテーマのベースとなるのが、キルホーマンから1年に1度リリースされているシングルモルト、100%アイラシリーズです。
2011年の1st Relaseから今年で10作目となる同シリーズは、リリースを重ねる毎に熟成した原酒が使われるようになって、厚みのある麦芽風味とそれに馴染んだピート香、アイラのローカルバーレイとして年々愛好家の人気も増してきています。
特に昨年の9thは好評で、美味しいという情報が広まると日本市場割り当て分が即完売し、海外から取り寄せる人まで居たほどです。 

ただ、このシリーズは毎年樽構成が異なっており、リリースによっては好ましい要素とそうでない要素が混在している部分があります。
そのなかで愛好家が求める要素に繋がっていると思われるのが、バーボン樽で一定以上(最低でも7~8年)熟成を経た、フルーティーなタイプの原酒です。ただし、2019年時点でそうした100%アイラのシングルカスクは、日本市場向けにはリリースされていませんでした。
ならばそれを実現出来ないか・・・。今回のグレンマッスルでは、キルホーマン100%アイラシリーズにおいて、特に7th~9thリリースに感じられた”魅力的な要素”の素となっている原酒を、選定の際のテーマとしました。

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(ボトリングテーマについてのミーティング風景。照明は暗いが、真剣に想いと筋肉をぶつけ合った場であり、決して悪い相談ではない(笑))

企画が動いたのは昨年秋。今回スペシャルトレーナーとしてジョイント頂いた、Whisk-eの誇るリアルマッソー市川さんにブランドコンセプトを説明し、キルホーマンからカスクサンプルが届いたのが年の瀬のこと。
聞くところでは、通常より少量生産となる100%アイラは、蒸留所側がなかなかサンプルを出してくれないのだそうですが、今回は運良く複数のサンプルを調達してもらうことができました。

原酒の仕様は蒸留日以外同じものでしたが、飲んでみるとそれぞれに明確な違いがあり、小規模蒸留所故の仕込みの手作業や、少量生産から生じる個体差が大きいように感じられました。
ピーティーでフルーティーなタイプだけではなく、樽由来の粘性、オークフレーバーが強いタイプや、中には焦げたゴムを思わせる個人的にネガティブなフレーバーを強く持つ原酒もあり・・・ そして満場一致で選ばれた原酒が、今回のCask No, 29です。
マッスルで29(肉)なんで、番号で決め打ちしたように見えるかもしれませんが、実際にサンプルの中で我々が求めていた味わいに合致していたのがこのカスク。なんだか不思議な縁を感じてしまいます。

その味わいは、まさにローカルバーレイという麦感の強い構成を主とし、黄色系のフルーティーさや、麦芽風味に馴染んだピートフレーバーが副次的に備わった、通好みな構成です。(100%アイラの仕込みに用いられるフロアモルティングは、麦芽の乾燥具合の不均一さが味わいの幅に広がるだけでなく、時間をかけて乾燥させるため麦芽にピート香が深く馴染むのではないかと予想。)
サンプル時点ではフルーティーさを強く感じましたが、ボトリングしてみると麦芽風味が強く厚くなっており、系統としては熟成したラガやカリラに近い印象。若さに由来してか香味に硬さが多少ありますが、グラスのなかでの開きは早く、開封後の変化にも期待できると感じています。

何より、これまでの100%アイラに感じられた好ましい部分との共通点が明確にあり、それがカスクストレングス故に力強く(いささか暑苦しく)広がっていく。。。手前味噌ですが、グレンマッスルという名前的にも、カスク選定の際のテーマとしても、合致したリリースなのではないかと思います。

レビューの評価としては、★6から開いて7を伺うクラスで、厳しめに見ても現時点で昨年の100%アイラ9thと同等レベルのクオリティがあるとし、同じ評価とします。
しかし熟成8年でこれだけの完成度ってのがすごいですね。過去のリリースとの比較で、この原酒が突然変異で生まれたわけではなく、今後もリリースされていくと考えられるのも特筆すべきところ。熟成感でいえば、アイラの他の蒸留所に比べ5年は成長が早い印象があり、更なる成長を遂げるであろう今後が楽しみでなりません。
我々チームメンバーが惚れた成長株。次世代アイラモルトのエース候補となれる逸材の現在地としても、本リリースを楽しんで貰えたら幸いです。


※ご参考:キルホーマン for チームグレンマッスルが飲めるお店一覧(6月30日追記)
BAR BOTA (北海道小樽)
Bar Fishborn (北海道帯広)
バル ハルヤ (北海道菊水)
Malt Bar Kirkwall (北海道すすきの)
BAR 無路良 (北海道すすきの)
洋食屋さん りもーね (岩手県滝沢市)
BAR Harry's高岡 (富山県高岡市)
テキーラ道場 (千葉県千葉市)
旬味 菜野 (東京都北千住)
BAR HONESTY(東京都北千住)
BAR GROOVY(東京都神田)
BAR 官兵衛(東京都神田)
Bar&Sidreria Eclipse first (東京都神田)
BAR Hexagone (東京都銀座)
BAR CAPERDONICH(東京都新橋)
BAR CAMPBELLTOUN LOCH (東京都有楽町)
BAR Algernon Sinfonia(東京都赤坂見附)
BAR レモンハート(東京都大泉学園)
J's BAR (東京都池袋)
ワイン&ビストロ シュエットルージュ (東京都池袋)
BAR もるとや(東京都池袋)
カフェバーJam Lounge(東京都高田馬場)
BAR 新宿ウイスキーサロン (東京都新宿)
BAR LIVET (東京都新宿)
ハイランダーインTokyo 人形町(東京都人形町)
BAR Shu-shu(東京都葛西)
BAR GOSSE(東京都目黒)
酒処 石場 (東京都祖師谷)
Highlander Inn Tokyo (東京都中野坂上)
BAR 私(東京都高円寺)
からだに優しいごはんとSAKE◎醁醽 RokuRei(東京都西荻北)
BAR BLACKHEART(東京都国分寺)
Bar Sandrie (東京都立川)
BAR Shanty Shack(神奈川県横浜市西区)
&BAR Old⇔Craf(神奈川県関内)
BAR ICHINANA(長野県伊那市)
BAR QuanZ(愛知県刈谷市)
マリオットアソシアホテル メインバー(愛知県名古屋市中村区)
BAR よっち(愛知県名古屋市中区)
BAR BARNS(愛知県名古屋市中区)
BAR Rubin's-vaseルビンズベース (愛知県名古屋市栄)
BAR 100 (愛知県名古屋市中区大須)
BAR TANKS (京都府京都市上京区)
BAR Silver moon(京都府京都市伏見区)
BAR kaguya(京都府宇治市)
京都洋酒研究所(京都府京都市北区)※
ANNIE HALL BAR (京都府京都市下京区)
BAR Minmore House(大阪府大阪市北区)
BAR パラディ(大阪府大阪市北区)
BAR SIMON(大阪府大阪市中央区)
BAR Rosebank(大阪府大阪市港区)
The nineteenth bar(兵庫県神戸市三宮)
あじどころはる(兵庫県神戸市長田区)
憩処 ありがとう(岡山県笠岡市)
DAINIG BAR MALFISH(岡山県笠岡市)
BAR Shamrock(香川県高松市)
BAR HIGUCHI(福岡県中洲)
BAR kitchen(福岡県舞鶴)
BAR poco rit(沖縄県那覇市)近日オープン予定

※京都洋酒研究所様からは、近日中にTHE SHARE BARを通じてテイスティングサンプルの販売も行われる予定です。 

この他、購入いただいたお店に関する情報がありましたら、コメントまたはメッセージにてお伝えいただけますと幸いです。
なお、6月下旬現在、お店によっては他商品とタイミングを合わせて入荷する等から、一部ボトルが届いていないお店もあるようです。
もし本リリースを目的としていただく場合は、事前にお店側がSNS等で発信されている入荷情報を確認を頂ければと存じます。

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キルホーマン 6年 2009-2015 for サロン・ド・シマジ向け 59.9%

カテゴリ:
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KILCHOMAN 
SINGLE CASK RELEASE 
For Salon de SHIMAJI 
Aged 6 years 
Distilled 2009 
Bottled 2015 
Cask type Oloroso Sherry Butt #407 
700ml 59.9% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後2年程度
場所:自宅 
評価:★★★★★(5ー6)

香り:微かにサルファリーなニュアンスがあるが、それ以上にヨード香と磯っぽい香り、燻した麦芽や焦げた木材、ピートスモークのアクセントが強い刺激と共に薫る。

味:パワフルでピーティー。オイリーな質感のある麦芽風味から、後半にかけて口内を刺激するアルコールの高さ、ひりつくような飲み口。
余韻は強いピートフレーバーに、微かにチョコレートの甘さ、塩気を伴って長く続く。

粗さの残る口当たりだが、カリラとラガヴーリンを足して2で割ったような、王道系アイラモルト。
開封直後はシェリー感は淡いのにサルファリーなニュアンスが目立つ、なんとも評価に困るモルトだったが、時間経過で硫黄要素が抜けて、麦とピートにヨード、樽由来のコクのある甘味、ヤングアイラとしてなかなか楽しめる1本に変化してきた。
加水すると香りで硫黄要素が目立つが、味にはシェリー樽由来の甘味もあり、バランスは悪くない。なにより、葉巻との相性は光るものがあり、選定者の意図が伝わってくる。

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テレワークで家から出ていないこともあり、曜日感覚、日付感覚が欠如し、月末だったという認識がなく・・・思いっきり「リカル」の締め切りを失念していました(汗)。
自分は原稿を長々書いてしまうので、字数制限の関係上紙媒体向けとWEB向けでそれぞれ1本ずつ書くことから、平日夜の時間はリカルに集中。そして週末は子供に集中。というわけでブログがご無沙汰になりました。

今日のレビューは、来月6月にリリースされる、自分関連のボトルとかけ、キルホーマンのストックから。
4年前、信濃屋さんからリリースされた、サロンドシマジ&PEN向けのキルホーマン・シングルカスクリリース。この時期はポンド/円の相場が1ポンド190円と日本側に厳しく、中身も若い熟成年数故にシェリー感が淡く、バチバチと粗さの残る口当たりにサルファリーなニュアンスが目立ってしまう。。。
1本購入していたのですが、香味的にも価格的にもちょっと扱い辛いリリースという印象でした。

シェリー感は淡いのに硫黄が目立ったのは、硫黄感とシェリー酒由来の要素が樽材の表層にあるのに対し、その内側にある樽材由来のエキスでは、熟成の影響が時間差になるためと考えられます。表層部分から先に溶け込んでいくので、熟成の若いウイスキーは樽感がそこまで強くないのに、硫黄要素が目立つ結果になったのではと。
ただ、開封直後から葉巻との相性は良く、選び手の好みが反映されているボトルでもありました。完全禁煙な家飲みでは使い辛いけどBARでなら…と、今は無き池袋の某BARで葉巻を持ち込んで楽しんでいたのを覚えています。

また、硫黄系の要素は開封後の時間経過で抜けていく部分があり、若さ由来の粗さ、刺激も多少角が取れていきます。今回久々に飲んでみて、この硫黄要素が抜けつつあり、ベースにあるアイラモルトとしてピート、ヨード、塩気、それらを含む麦芽風味という、まるでラガヴーリンとカリラを足して2で割ったような好ましい変化が見られました。
度数の強さもあってがばがば飲むボトルではないので、今後じっくりと成長を見ていくことが出来そうです。

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さて、続いては個人的には今日の本題というか、冒頭触れた自分絡みのリリースであるキルホーマンです。
先日の記事でも紹介させてもらったチームグレンマッスルからのプライベートリリースが、無事に日本に到着したとのことで、銘柄もオープンにしたいと思います。(もともと隠すレベルのものでもありませんがw)
今回はキルホーマン蒸留所から希少な1樽、100%アイラのバーボン樽熟成をボトリングすることが出来ました。

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  KILCHOMAN
100% ISLAY MALT
SINGLE CASK RELEASE
For TEAM GLEN MUSCLE
Aged 8 years
Distilled 2012
Bottled 2020
Phenol 20 PPM 
Cask type Fresh Bourbon Barrel #29
700ml 55.1%


企画が動いたのは昨年末。
近年のキルホーマン100%アイラのリリース7th~9thに大きな可能性を感じ、その構成原酒と同じスペックである、バーボン樽のシングルカスクで7~10年熟成のものを日本市場にリリース出来ないかと、Whisky-eさんを通じてキルホーマン蒸留所に働きかけていただいたところ。我々の熱い想いに共感頂けたのか、複数のカスクサンプル(すべてバーボン樽で100%アイラモルト仕様)が届き、その中から選んだのが今回の1樽となります。

キルホーマンの100%アイラは、通常のリリースに比べて生産量が少なく、まとまった熟成年数のものがなかなか市場に出回らないそうです。
サンプル段階では、バーボン樽&100%アイラキルホーマンという組み合わせから想定される、らしいフルーティーさと厚みのある麦芽風味、さらにカスクナンバー29(肉)というマッスル的めぐり合わせ。何より求めていたスペックのオフィシャルボトルに個人名まで入るという、普通は考えられないことまで実現させてもらいました。
いやーもう感無量ですね。
コロナウイルスの影響で混乱があったのか、ちょっとイレギュラーもありましたが、何とか日本に届いてくれました。

今回のリリースはチームグレンマッスル向けのプライベートボトルになりますが、メンバーの立ち位置はこれまで同様、本リリースへの協力で一般的に言うところの監修となります。
勿論、リリースを通じて我々が監修料や売り上げ等の利益を得ることはありません。
リリースにあたってはメンバー並びに関係者の購入分を差し引いた後、Whisky-eさんから酒販店を経由して一般販売となる予定です。(一般販売は6月22日から、税込み12000円前後予定)
ボトルは6月2週目あたりでメンバーの手元に届く予定なので、まず先行でレビューさせてもらいます。購入を検討されている方は参考にして頂けたら幸いです。

グレンマッスル No,3 テイスターコメントやBAR入荷情報について

カテゴリ:
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4月13日に発売された、グレンマッスル No,3 New Born Little Giantおよびその構成原酒。
現在の社会的状況下でのリリース故、不安はありましたが、まさかの数分で完売。
今回のボトルは、イベント等で事前に飲む機会もなく。3作目とはいえ、素性のよくわからない決して安くもないウイスキーに、ここまでの関心を持っていただけて本当に感謝です。

SNSを見ると、買えなかったけど飲んでみたい、どこのBARで飲めるのかわからない。オフィシャルの○○に比べたら割高なのではないか等の様々な反響もありました。
飲めるBARについては、これまで第1作、第2作でも掲載しており、今回も可能な範囲で情報をまとめましたのでこの記事で紹介していきます。
また、先に公開したNo,3のレビュー記事では、ブレンドの行程や三郎丸蒸留所の紹介を主としており。”グレンマッスルとは”の部分を省略していましたので、メンバーのコメントと合わせて改めて記事にまとめたいと思います。

※記事構成
・グレンマッスルのブランド位置付け
・テイスターレビュー(座談会形式)
・グレンマッスルNo,3が飲めるBARリスト

※参考:本ブログでのレビュー

■グレンマッスルとは
グレンマッスルはウイスキー好きのためのオリジナルブランドであり、愛好家が飲んで楽しめるような、笑顔になるようなリリースを目指しています。それは何を基準としているかというと、オフィシャルスタンダードとは異なる領域で、”美味しいだけでなく、ちょっと尖った魅力のあるリリース”であることです。

尖った要素としては、ワクワクするようなバックストーリーや、あるいは特定の個性を強調するような、オフィシャルのそれとは異なるバランスであるとかです。
従来、このジャンルは主にボトラーズリリースが担っていた領域です。
もちろん現在もそうなのですが、原酒の枯渇や価格の高騰から、選択肢は減少傾向にあります。予算を増せば手に入るのは当たり前ですが、ボトラーズメーカーを介して1万円前後という価格帯で、該当するリリースを実現することは困難な状況と言えます。 

ならば自分達で作ることは出来ないか。具体的には国内蒸留所やウイスキーメーカー協力のもと、彼らが保有する原酒を用いてメンバーがブレンドやリリース全般の監修、テイスティング(評価)等を行うもので。。。言い換えると、実例と共にメーカー側に愛好家としての意見を伝えているとも言えます。
そしてそれを実際に作るか、アレンジを加えてリリースするかは、メーカーの判断に委ねられています。

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■グレンマッスルテイスターの評価
No,3に対する自分の感想は、先日熱く語らせてもらった通りです。ではメンバーはどう感じているのか。
本リリースは4月13日発売ですが、JWフェスに合わせてのもので、2月中旬の時点でボトリングは完了、うち1本をサンプルとして取り寄せ、都合のついたメンバーで状態確認をしていました。
その際のメンバーの感想を、トーク形式でまとめていきます。これからグレンマッスルNo,3を飲まれる方は、その手引きとしても楽しんでもらえたら幸いです。


※2020年3月 新宿ウイスキーサロンにて
”ありえたかもしれないマッスルトーク”

くりりん:三郎丸蒸留所からグレンマッスル3のサンプルボトルが届きました。我々がレシピを作った時点から、ちょっとだけ各原酒の熟成も進んでいるので、改めてテイスティングしてどうでしょうか。

静谷:度数はあるのに、思ったより香り立ちが優しいですね。ドライでそこから焚き木を思わせるスモーキーさが、柑橘系の要素と共にある。

木下:・・・(ええやん)。

倉島:黒土や根菜、内陸系のピート香ですが、潮気も伴うような。アルコールの刺激、あとはジンジャーやスパイスを思わせる要素が複数感じられる。ちょっとBBQっぽい煙と甘さも出てきます。

くりりん:香りはそうなんですが、口に含むと一気にきますね。

倉島:確かに。最初はオイリーな感じですが、生き生きとしたピートとスパイシーな刺激に切り替わる。それをふくよかなモルティーさが支えています。

静谷:オレンジビターズみたいな柑橘感、ほろ苦さは味でも感じます。スモーキーさは囲炉裏のような穏やかな感じにまとまっていくんですが、スパイス系のフレーバーが残りますね。

くりりん:若い原酒由来のニュアンスがありつつも、ネガではなくフレッシュな部分に現れていると思います。オイリーでボディのしっかりした酒質や柑橘系のニュアンスは、三郎丸らしさでもあります。

木下:・・・(味もええやん)。

倉島:若さはありますが、このバランスというか複雑さというか、杯が進んでしまうボディ感が良い。

静谷:加水も良いですね。柑橘系の酸味がはちみつ林檎酢みたいな柔らかい感じに変化する。ああ、これはハイボールも良さそう。ちょっと贅沢ですが(笑)

木下:・・・(これはロックやな)。あ、静谷さんロックグラスと氷もらって良いですか?

くりりん:度数は58%ですが、なんだかんだみんな杯が進んでますね(笑)。

静谷:シェリー樽原酒の比率がちょうど良いですね。これ以上多かったら加水やハイボールでバラけてたかもしれません。

倉島:バーボンオーク由来の甘みだけでなく、シェリー樽由来の甘味もちゃんとあるのが面白い。ブレンデッドらしさですね。味で感動するウイスキーではないかもしれないけど、飲んで笑顔になる楽しさ、力強さがあると思います。

木下:・・・(ロックええやん)。

くりりん:将来性という点ではどうでしょう。マッスル4(仮)に向け、現在進行形で同じブレンドの熟成が進んでいるわけですが。

静谷:ちょっと樽の繋ぎというか、余韻にかけて樽感が足りない印象が補われてくれたら面白いですね。

倉島:これはこれでまとまってるけど、完成していない要素もある。追熟の樽はバーボンでしたっけ。

くりりん:バッファロートレースの1st fillだと聞いてます。それを三郎丸蒸留所の冷温熟成庫に保管です。サンプリングして、樽感が足りないようなら、リリース時期や熟成場所を変えて貰うのも手です。
※冷温熟成庫:若鶴酒造にある日本酒用の原料を保管するための倉庫。原酒の一部はここで保管されている。温度は夏場でも20度に届かず、湿度も保たれており、スコットランドに近い環境となっている。

倉島:比較してテイスティングしたら面白そうですよね。そういう意味でも今回のリリースは様々な楽しさがあると思います。

くりりん:比較という意味では、構成原酒もあります。三郎丸蒸留所の可能性を楽しんでもらうというコンセプトとして、現在地、将来のイメージ、双方を比較して楽しんでもらえたら嬉しいですね。

静谷:現時点でも美味しいですが、若さはある。それが熟成を経て良くなっていく姿がはっきりイメージ出来るのが、すごくポジティブな感じだと思います。飲んでて元気でてきました。

くりりん:リリースがますます楽しみですね。リーダー、尺もあるんで最後に今日の総括いただけますか?

木下:ええやん!(ええやん!)

くりりん:皆さん、本日はありがとうございました。


■GLEN MUSCLE No,3 が飲めるBAR
本リストは、ご購入いただいた旨のご連絡、確認がとれたBAR・飲食店のリストとなります。この他、新たに情報がわかりましたら、随時更新していきます。(2020年4月14日時点)

BAR BOTA (北海道 小樽)
BAR Fish born (北海道 帯広)
BAR 無路良(北海道 札幌)
バルハルヤ(北海道 札幌)
洋食屋さん りもーね(岩手 滝沢)
BAR Harry's 高岡(富山 高岡)
BAR 無駄話(茨城 下妻
BAR レモンハート(東京 大泉学園)
旬味 菜野(東京 北千住)
BAR Boushu 蔵前(東京 蔵前)
BAR Groovy(東京 神田)
BAR Eclipse first(東京 神田)
BAR Algernon Sinfonia(東京 赤坂)
BAR もるとや(東京 池袋)
Jam Lounge (東京 高田馬場)
BAR Unite(東京 新宿)
BAR Louge(東京 新宿)
BAR 新宿ウイスキーサロン(東京 新宿)
BAR LIVET(東京 新宿)
BAR Highlander Inn(東京 人形町)
BAR Shu-shu(東京 葛西)
BAR Shanty Shack(神奈川 横浜)
&BAR Old⇔Craft(神奈川 関内)
BAR BARNS(愛知 名古屋)
BAR Rubin's Vase(愛知 名古屋)
ANNIE HALL BAR (京都 ハトヤ瑞鳳閣)
BAR Kaguya(京都 宇治)
BAR シルバームーン(京都 伏見)
BAR TANKS(京都 今出川)
BAR MINMORE HOUSE(大阪 北新地)
BAR SIMON(大阪 難波)
BAR Hotaru (大阪 神山町)
憩処ありがとう(岡山県 笠岡)
BAR TRANSENDANCE(広島 中区胡町)
BAR Shamrock(香川 高松)
BAR Higuchi(福岡 博多)
BAR poco rit(沖縄 松山)

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■最後に
今回のグレンマッスルリリースは、新型コロナウイルスの感染拡大の最中という、大変難しい状況の中で行われました。
ご購入いただいた皆様もそうですが、製造元である若鶴酒造、ならびに三郎丸蒸留所の皆様は、別途ニュースにもなっている高度数アルコール製造対応の真っ只中で、本リリースを行っていただいたということになります。
本当に、頭が上がりません。。。

今回のリリースにあたっても、ジャパニーズウイスキーということを考えれば、価格設定は強気にすることもできたはずです。
しかし我々が贔屓目抜きにみても、プライベートボトルとして妥当(むしろ安い)と思える設定や、蒸留所見学やブレンド作りにおける各種サポート等、本企画に理解をいただいた、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーの「愛好家と一緒にウイスキーを楽しみたい」という心意気があったからこそ、今回のリリースは実現したのだと思います。

レビューや裏ラベルでも触れていますが、グレンマッスルNo,3は、三郎丸蒸留所の将来を、可能性を楽しんでもらうウイスキーです。
それは時間が経てばなんとかなるだろう、という無責任なものではなくて、間違いないというある種の確信を持ってリリースするものです。
その将来のイメージを形にしたのが、No,3 New Born Little Giantであり、現在地が同時にリリースした構成原酒#274です。

勿論、トータルでの完成度としてはオフィシャルの同価格帯でもっと良いものがあると思います。ですが、前置きのとおりグレンマッスルはその領域でトップを目指すものではありません。
このリリースから感じられる将来への期待、ワクワクする気持ち、そしてオフィシャル加水リリースにはない尖った個性、通常のリリースでは語られないようなバックストーリー。。。それらを是非楽しんでいただくと共に、次のリリースにも期待頂けたら幸いです。

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……Special thanks to Saburomaru distillery manager T.Inagaki

See you Next Muscle No,4.

グレンマッスル 3rdリリース 構成原酒 #274 三郎丸蒸留所 63%

カテゴリ:
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SABUROMARU 
GLEN MUSCLE No,3 KEY MALT 
Aged 2 years old 6 months 
Distilled 2017.8 
Bottled 2019.2 
Cask type Bourbon barrel #274 
200ml 63% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:-(!)

香り:注ぎたては焦げたオークの香ばしさ、立ち上るスモーキーなピート。キャラメルを思わせる甘さに、シトラス、あるいは皮ごと絞ったオレンジを思わせるフレッシュな柑橘香が混じる。徐々にシャープな内陸系のピート香と消毒用アルコールのようなアロマも目立ってくる。

味:スパイシーな刺激と合わせて、とろりとオイリーで粘性のある口当たり。焦げた木材や土、根菜を思わせる強いピート。柑橘系の要素もアクセントになっており、オークと麦芽由来の甘味と混ざり、香ばしさのなかに甘酸っぱさを伴う。
奥には仄かにニューポッティーさと煎餅のような香ばしさ、余韻は支配的なスモーキーさと、ハイプルーフらしい刺激を伴って長く続く。

若さに通じるニュアンスも顔を出してくるが、3年未満の熟成であることを考えれば当然というか、十分すぎる仕上がり。内陸系のピートと、適度なオークフレーバー。甘酸っぱさと香ばしさ、厚みのある酒質由来の香味。加水するとネガティブさに通じる未熟感のあるフレーバーが顔を出すが、熟成による伸び代は充分。
ニューボーン扱いのため評価は記載しないものの、素晴らしい可能性を持ったモルトである。

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先日紹介させていただいた、グレンマッスルNo,3 New Born Little Giant。明日4月13日正午の発売が予定されている訳ですが、同時に数量限定で発売される隠し球が、このグレンマッスル 3rd Release 構成原酒 ”三郎丸 Single Cask #274”です。

50PPMのヘビーピーテッド仕様の麦芽を原料に、三郎丸蒸留所で仕込み、蒸留した、正真正銘のジャパニーズウイスキー。そしてグレンマッスルNo,3の約50%を構成している、文字通りキーモルトです。
チームグレンマッスルメンバーが惚れた”三郎丸の可能性”を、そのままウイスキー好きに味わってもらいたいと希望し、少量ですがリリースしていただけることになりました。
販売はグレンマッスルと同じ、若鶴酒造オンラインショップにて行われるとのことです。


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三郎丸蒸留所(若鶴酒造)は、半世紀以上前からウイスキーを蒸留し、サンシャインウイスキーとして販売してきた歴史があります。
その後クラウドファンディング等を通じて愛好家の支援を受け、2016年から2017年にかけて大規模な改修工事を実施。老朽化した建物の改修、酒質の改善に必要な機器の導入等を行います。その様子は、関連するサイトや過去の記事を参照いただければと思います。

改修工事前の三郎丸蒸留所のウイスキーは、ボディに厚みがある点は良いとしてもオフフレーバーが強く、お世辞にも質が良いとは言い切れないものでした。
一方、工事を終えた2017年、新たに生まれた三郎丸のニューポットは品質が大きく改善され、厚みのあるボディはそのままに、ピーティーなフレーバーが溶け込んだ、将来性を秘めたものとなっていました。
当時、蒸留所を見学して受けた衝撃は鮮明に覚えています。そして、いつかこのウイスキーを使ってブレンドを作りたいと感じたことも・・・。

その後、三郎丸蒸留所の歩みとしては、2018年にマッシュタンを三宅製の最新式のものに交換し、ピートの馴染みがさらに良くなるなど酒質を向上。2019年には世界初の鋳造のポットスチルZEMONを導入。これにより、厚みのあるボディはそのまま、よりネガティブなフレーバーを軽減し、甘酸っぱさとスモーキーさの引き立つニューメイクが生まれています。また設備以外に糖化、発酵、蒸留、各行程において多くの調整があったことも触れておかねばなりません。
2020年は一部の発酵曹を木桶にするなど、更なる工夫が設備や素材の両面で行われており、その歩みは未だとどまらず。更なる進化を遂げようとしています。

三郎丸新旧ポットスチル
(三郎丸蒸留所のポットスチル。改修工事前のステンレス製のスチル・上と、改修後のネック部分が銅製に切り替わったもの・下。三郎丸のスチルは、ネックから冷却用コンデンサまでの距離が極めて短い配置であること(画像下、水滴の場所からコンデンサ)。コンデンサとワームタブの2つの冷却機構が、1つのスチルに連続して備わっていることが特徴で、これが重くボディのしっかりした酒質の要因のひとつであると推察される。)

今回、我々愛好家チームがレシピを模索するにあたり、複数の原酒をテイスティングするなかで「これは」と惚れ込んだのが、このCask No,274。グレンマッスルNo,3の裏ラベルに書かれた「2020年で3年熟成となる」という、2017年の改修後に仕込まれた三郎丸モルトです。
蒸留所の進化としてはまだ1歩目時点の原酒ですが、その1歩が限りなく大きかったことは先に書いた通りです。

熟成期間から当然多少の若さがあり、粗削りな部分はありますが、熟成に耐える厚みと削りしろの残された酒質。その酒質はジャパニーズウイスキーのなかでも特にピーティーでスモーキーなフレーバーが自然に溶け込んでいることから、原石と言えるウイスキーだと言えます。
プロスポーツのスカウトが、若手のなかに光り輝く逸材を見つけた時の気持ちは、こんな感じなのでしょうか。数年先を思うだけで実にワクワクしてきます。

ピートの産地の関係でヨード香はありませんが、その酒質は日本の中のアイラのような、ラガヴーリンを思わせるような・・・熟成を経ることで、まさに巨人と称される蒸留所に届きうるポテンシャルを秘めていると評価します
グレンマッスルNo,3のレシピは、原酒の魅力はそのままに、輸入原酒の力も使って若い部分を打ち消し、本来なら5年先にたどり着くようなシングルモルトとしての構成を表現することをテーマとしています。
このシングルカスクリリースでは、その原点たる味わい、大いなる可能性を楽しんでもらえたら幸いです。

グレンマッスル 3rdリリース ジャパンメイドウイスキー 58% 三郎丸蒸留所

カテゴリ:
グレンマッスル三郎丸3表ラベルset
GLEN MUSCLE 
No,3 New Born Little Giant 
Blended Whisky 
Age Unknown 
Type Japan Made Whisky 
700ml 58% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:注ぎたてはエステリーで乾いたオークのアロマから、徐々にスモーキーな香り立ち。焚き火のあとに残る灰や、焼けた土や木材、根菜っぽさの混じるピート香。微かに葉巻のような甘さに加え、柑橘とBBQソース。シャープな消毒薬品香も混じり、鼻孔を刺激する。

味:とろりとしたコクのある口当たり。強くスモーキーでピートフレーバーが主体に感じられ、合わせてモルティーでドライオレンジを思わせる甘酸っぱさ、麦芽やオークの甘味が広がる。
余韻は焼き畑の後のような、懐かしさを伴う秋の香りが鼻腔に抜ける。軽いウッディネス、はつらつとして強いピートフレーバーとスパイシーな刺激を伴い長く続く。

まさにマッスル。三郎丸モルトらしいパワフルなスモーキーさが主体にあるボトル。単に若いピーテッドウイスキーとは異なる複雑さと厚みがあり、使われている原酒のポテンシャルを感じさせる。やや奔放なところは、時間が解決してくれるだろう。なんともワクワクさせられる。
度数や香味の強さに反し、飲み口には柔らかさがあり、つい飲めてしまう不思議なバランス。ストレート以外ではロックがオススメ。

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ウイスキー好きによる、ウイスキー好きのためのウイスキー、グレンマッスル。
ブランドの説明は前作までで散々書いているため、過去記事を確認頂ければと思いますが一応前置き。このウイスキーはウイスキー好きが求める味わいを、愛好家チームがクラフト蒸留所や酒販メーカーの協力のもとで作り上げる、オリジナルウイスキーです。
僭越ながら、自分も関わらせて貰っています。

これまで、第1弾は福島県・笹の川酒造と福島県南酒販の協力で、第2弾は滋賀県・長濱ロマンビールと長濱蒸留所の協力で実現したところ。そして今回、第3弾となる”No,3 New Born Little Giant”は、富山県・若鶴酒造、三郎丸蒸留所の協力によって実現することとなりました。
販売は以下、若鶴酒造のオンラインショップにて、4月13日(月)12時から開始される予定となっています。

GLEN MUSCLE 
No,3 New Born Little Giant
Blended Whisky 
Japan Made Whisky
700ml 58%
価格:7500円(税別)


■グレンマッスルNo,3 概要
No,2のリリースから2か月しか経過していませんが、昨年の1stリリース後から同時に調整していた結果、この時期の発売となりました。
今回のグレンマッスルは、ラベルに書かれた「Japan Made Whisky※」の通り、日本で蒸留された原酒と、スコットランドからの輸入原酒をブレンドしたものとなります。
※Japan Made Whisky (日本製ウイスキー): ウイスキー文化研究所が提唱するウイスキーカテゴリーのひとつ。日本でジャパニーズウイスキーと外国産のウイスキーをブレンドし、瓶詰めしたものを指す。

キーモルトはもちろん、三郎丸蒸留所のモルト。同蒸留所がクラウドファンディング等による出資を集め、大規模な改修工事を経て生まれ変わった最初の年、2017年に仕込まれたフェノール値50PPMのへビーピートモルトです。
そこに
同社が保有する、熟成10年以上のスコットランド産の輸入原酒から、ピートフレーバーの有無に加え、バーボン樽熟成のもの、シェリー樽熟成のものなど複数チョイスしてブレンド。カスクストレングスでボトリングしています。

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(熟成庫での原酒選定風景。バーボン樽以外にシェリー、ミズナラ、ワイン等様々な樽が見られる。ちなみに三郎丸モルトはヘビーピート仕様だが、輸入原酒はピート、ノンピート、グレーン等様々なタイプを保有し、追加熟成が行われている。)

過去のグレンマッスルでは、メンバーがメーカーと共にプロトタイプを作り、合議制でレシピを決めていました。
一方、No,3のリリースレシピを決めるに当たっては、別な方法を採用しました。それは、あらかじめ同じ原酒をメンバーに配布し、決められた期日までに各自がブレンドを1つ作成。後はそれを持ち寄ってテイスティングし、最も評価の高かったレシピがリリースされるという、バトルロイヤル方式です。

今回のレビューでは、そのレシピ選定の流れを振り返りつつ、ブレンド構成や狙い、メンバーの込めた想いを紐解いて解説していきたいと思います。

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■キーモルトとレシピの選定
ブレンド作成にあたり、まずは原酒の選定です。
満場一致で選ばれたのが、バーボンバレルで約2年半熟成された三郎丸モルト Cask No,274でした。

2年半熟成だと、若くてニューポッティーさの残る、荒々しいものを連想するかもしれません。
しかし現在の三郎丸の原酒は、多少荒さはあるものの、若さに由来するネガティブな香味は少なく、フレッシュで強いピートフレーバーと厚みのある酒質。樽感も程良い程度であり、レベルの高いモルトウイスキーなのです。
改修工事前の印象から、最初は「え、三郎丸?」と疑問があったメンバーも、飲んだ後はこれだけをボトリングしたい!と希望したほどです。

よって、メンバー全員が#274の個性を活かすレシピで仕込んでくることは想像に難くなく、蓋を開けたらほとんど同じレシピばかりなんじゃと予想しましたが、全員が異なる解釈でレシピを作ってきたのは驚きでした。
誰がどんなレシピを作ってきたか、ここでは非公開とさせていただきますが、共通しているのが、構成の約半分は三郎丸モルトだったこと。そしてグレーンの比率は15%以下であったことです。

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(三郎丸の蒸留設備は、2019年から鋳造のポットスチルZEMONに換装されている。今回の原酒はその前のスチル、ネックから先が銅で、釜の部分はステンレスという、改修工事前とのハイブリッド仕様だった頃のもの。ZEMONのニューメイクも素晴らしいが、当時からしっかりと厚みのある原酒が出来ていた。関連する記事はこちら。)

では、違いが現れる要因はなんだったのか。これは、シェリー樽原酒の使い方だと考えられます。
配布された候補となる原酒の中に、ボトラーズにも多く見られた、某スペイサイドモルトを思わせる色濃いシェリー樽熟成原酒(以下、参照)がありました。
具体的には、このシェリー樽原酒のフレーバーが三郎丸モルトの個性を潰してしまうことを避けるため、全く使わなかったレシピと、逆にしっかり効かせたレシピ、そして隠し味や全体の繋ぎになる程度に使ったレシピの3パターンがあり、今回選ばれたのは後者の隠し味、繋ぎにシェリー樽を使ったものです。

そのレシピのモルト比率は95%。つまりグレーンはわずか5%しか使われていない、かなり攻めた構成。本来ならモルトの風味が喧嘩しかねないレシピですが、使われたシェリー樽原酒がグレーンと共に繋ぎとなっているだけでなく、バーボン樽熟成原酒の比率が高い中で、異なる傾向のフレーバーを隠し味として付与しています。

口当たりの適度なコク、柔らかさ。香味に生まれた幅と厚み。。。グレーンが多いと軽さが出てしまうのを補って、”マッスル”の名に相応しい骨格のしっかりした味わいと、ブレンデッドとしてのバランスも感じられる仕上がりだと思います。

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(今回のレシピのキーモルト、三郎丸蒸留所のヘビーピーテッドモルト Cask No,274。2017年蒸留、2020年ボトリングで2年半熟成。熟成年数故の若さはあるが、その香味に素晴らしい将来性を感じる、原石たるモルト。)

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(グレンマッスルNo,3に使用されている、シェリー樽熟成輸入原酒。近年系圧殺シェリーのリッチで濃厚な樽由来のフレーバーが特徴。このままでも充分美味しいが、混ぜるとなると比率が難しい。

■リリースにあたって
こうして決まったレシピは、グレンマッスルの過去2作と比べると、180度香味の方向性が異なるタイプとなります。
1st、2ndと同じ系統のフルーティータイプが2作続いたところに、その欠片もないヘビーピーテッド仕様です。違和感を感じる人もいるかもしれません。

ですが、グレンマッスルは元々フルーティー系に特化したものではなく、”ウイスキー好きが求める味わいを作る。楽しめるウイスキーをつくる”がコンセプトです。
スモーキーフレーバー主体のタイプは好みが別れるため、万人向けというものではありませんが、愛好家が求める味わいのひとつであるのは事実。中核をなす三郎丸蒸留所の個性はそのままに、輸入原酒によってバランスがとれたことで、熟成が進んだ将来の姿をイメージ出来るような。ワクワクするような面白さもあるブレンデッドだと思います。

また、これは主に個人的なこだわりですが、日本のブレンデッドウイスキーは、単に日本で蒸留されたもの100%に拘らず、必要に応じて海外の原酒も一部使いならが、いいものは取り込んで、日本だから作れる美味しいウイスキーをブランドとして作っていくべきではないか、という持論があります。
今回のリリースは、クラフトのなかでもイチオシといえる三郎丸蒸留所の原酒に、香味の幅を広げる輸入原酒の組み合わせ。まさに持論として考えていたものの、一例となるようなリリースです。
新しい世代の蒸留所、作り手が紡いだ可能性を、是非楽しんでもらえたらと思います。

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■ラベルと今後について
ラベルは、2019年に蒸留所に新設された第2熟成庫の外壁写真がベースとなっています。アイラ島の某蒸留所で見たようなインパクトのあるペイントです。

前作No,2は、まず中身を見てほしいとして、ラベルは極めてシンプルなデザインにしました。
一方、今回は構成原酒の約半分が三郎丸蒸留所のモルト(ジャパニーズウイスキー)であることや、使われた輸入原酒もまた、同蒸留所で追加熟成を経たものであること。中身に加えて後述する次回作との関係性も含め、メッセージとして発信できるものにしようとデザインしてみました。

今後の話をすると、リリースされるNo,3は、ブレンド・バトルロイヤルを経て作られたうちの一部をボトリングしたもので、まったく同じレシピのものが、三郎丸蒸留所で追加熟成中です。
No,3をテイスティングしていて、少し樽感が物足りないというか、フレーバーの奔放さというか、あるいは全体のなかで馴染みの弱さを感じる人もいるかもしれません。それは決して手を抜いたリリースというわけではなく、最初から追加熟成することも前提としていたため。その意味で、このNo,3はNew born、ワークインプログレスとも言えるリリースなのです。
若鶴酒造によるグレンマッスル次回作は、キーモルトである#274が満3年熟成となってから、香味のバランスを見て決めていく予定です。

今回、複数の原酒をテイスティングしていくなか、グレンマッスルメンバーは、三郎丸蒸留所のモルトにスコットランドで巨人とも称される、偉大な蒸留所の姿に重なるものを見ました。
今はまだ、よちよち歩きの赤子のような存在かもしれませんが、それが時間を経て現実のものとなるか。。。そんな”小さな巨人となる可能性”を、このリリースの中にも感じて頂けたらと思います。

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■最後に
2020年4月8日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令されました。それまでの外出自粛、海外からの旅行者規制、行動指針等からすでに大きな影響を受けていましたが、今回の発令において関連する都市の飲食店が休業を始めるなど、酒業界、BAR業界にも深刻なダメージが及んでいます。

元々、このグレンマッスルNo,3は、4月12日に開催予定だったジャパニーズウイスキーフェスティバルで、三郎丸蒸留所ブースにおいてお披露目するため、発売時期を調整していたものでした(Japan Made Whisky表記もイベントの方向性に合わせていたものです)。
しかしイベントが延期になり、日に日に状況は悪化し、極めつけはこの緊急事態宣言です。このまま発売するかどうかについても、悩ましいものでした。

グレンマッスルはウイスキー好きによるウイスキー好きのためのウイスキーです。
現在、先に述べた社会情勢により、愛好家のなかでウイスキーを楽しむことによって得られていた余裕や生活の彩りが、徐々になくなりつつあります。
だからこそ、このリリースを通じて、少しでもウイスキーを楽しんでもらえたら。。。そう考え、今回予定通りの発売が行われることとなりました。数量は限られておりますが、このリリースが皆様の笑顔に繋がれば幸いです。

2020年4月、チームグレンマッスル一同。


※補足:協力メーカーによるグレンマッスルの販売にあたっては、チームメンバーが売り上げの一部を受け取ることはありません。あくまで、我々はメーカーに協力し、監修やアイディアの提供を行っているにすぎません。また、その監修料等についても受けとることはありません。
リリースされた際も、各自必要本数をメーカーから購入しております。あくまでもウイスキーを楽しむことの延長線上にある活動ということを、ご理解頂ければと思います。

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