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マッキンレーズ・オールドスコッチウイスキー 1960年代流通 JAPANTAX付き ”ウイスキー特級”

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100年前に南極を旅したウイスキー。
マッキンレーズ(マッキンレー)を紹介する上で、避けては通れない有名なエピソードです。最近そのボトルが南極のベースキャンプ跡地から発掘され、再現ボトルも作られたことでより一層有名なものになりました。
ただ南極を旅したウイスキーはバッテッドモルトで、今も販売されているマッキンレー5年は1960年代に初めて発売されたブレンデッド。使われている原酒は違いますが、むしろ自分にとってはこっちのほうが心惹かれる組み合わせです。

MACKINLAY'S
Old Scotch Whisky
Over 5 years old
1960-1970's
Japan Tax
43% 760ml
構成原酒:アイルオブジュラ、グレンアルビン、グレンモールなど
評価:★★★★★★(6)

香り:ビターオレンジや香ばしい麦芽のアロマ、微かなスモーキーさが漂う。 
徐々にバタークッキーのような甘いアロマが感じられる。

味:スムーズでコクのある麦芽風味主体の口当たり、オレンジママレード、クラッカー、軽く焦がしたカラメルソース。ミディアムボディーで余韻にかけてほのかなピートフレーバー。麦芽の香ばしくもスウィートなフレーバーとあわせて染みこむように長く続く。 

まさにハイランドモルトベースという麦芽風味やピートフレーバーを備えている、重すぎず軽すぎず、レベルの高いブレンデッドウイスキー。
ロックは特に何かが生まれる組み合わせではなく、ハイボールにするとカラメル系の適度なコクと麦芽風味主体。程よいヒネ香で丁度良い重さは、キッチリ冷やしてガス圧強めの炭酸で合わせればハイボール用としても申し分ない。

構成原酒はどれもモルトファンなら「おっ」と感じる、コアファン垂涎どころと時代のものが使われています。
5年という一見して中途半端な熟成年数表記は、当時のブレンドには割とノーマルな仕様でしたが、飲んでみると、おおよそ5年とは思えないような熟成感があり、瓶内変化だけではない、おそらく10年以上はゆうに熟成させたであろう原酒が使われているコトが推測されます。

マッキンレー社は1892年にグレンモール蒸留所を操業、さらに1920年にグレンアルビン蒸留所を買収し傘下とした後、増える需要に対応するため長期閉鎖状態にあったアイルオブジュラを再稼働させたのは1963年のこと。加えて、同社の普及価格帯商品としてマッキンレー5年が発売されたのは、時期ははっきりしないながら1960年代後半あたりです。
こうした時期関係や、諸々の状況から構成原酒を推測すると、1960年代後半から1970年代初頭流通の同ボトルには、再稼働したばかりの5年もののアイルオブジュラと、10年以上熟成されたグレンモールやグレンアルビンが使われたのではないかと考えています。
また、マッキンレー社は原酒確保を目的として、グレンアラヒー蒸留所を1967年に操業、"5年"のバトンは1972年頃にグレンアラヒーに受け継がれたのではないかとも・・・。

ちなみに、グレンモール及びグレンアルビン蒸留所は、1983年に閉鎖。グレンアラヒー蒸留所は1985年に操業停止の後、ペルノリカールが買収。古き良き時代は魔の1980年代に終わりを告げました。
マッキンレー社は1985年にインバーゴードン傘下となり、同ボトルの原酒はジュラ、タリバーディン、タムナヴーリン主体に変わっています。


補足:この時期のマッキンレー5年(プラスクリューキャップ採用)は、キャップ裏面が金属張りです。
比較的安価で手に入るオールドブレンドではありますが、リスクは通常より高いボトルになります。

グレンアルビン34年 (1967-2001) オールドモルトカスク

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子供と一緒に電車に乗って移動する。
「まぁ外でも見せておけば楽勝だろ」
そう思っていた時期が私にもありました。
いやこれめちゃくちゃ大変ですね。最初は外の景色を見て、手元のおもちゃで遊んで、お弁当を食べてで1時間くらい消化できるんですが、そこから残りが厳しい(笑)
でもよたよたと車両の中を探検するわが子はかわいいし、みんなも"ほほえましい笑顔"を向けてくれるのは救いでした。

そうして自宅に帰ってきた夜。週末はジャパニーズ漬けだったので、箸休め的にスコッチモルトです。

GLEN ALBYN
Old Malt Cask
Aged 34 years
Distilled 1967 Jun
Bottled 2001 Oct
47% 700ml

評価:★★★★★★(6)

香り:アーモンドや胡桃を思わせるナッティーな香ばしいアロマ。木材、微かなハーブ香、バナナ、薄めたメープルシロップの甘さ。飲み進めていくとハーブの香りが強く感じられるようになってくる。

味:さらりとした口当たりだがボディーにはコクがある。ブラウンシュガーの甘さから後半にかけて徐々にビターな香味。ウェハース、ナッツ、焦がした樽。フィニッシュはドライでウッディー。甘みはしっかり感じられるが、トーンの高いタイプでべたつかず、さっぱりとしている。


OMCでは珍しく50%を下回ってボトリングされている1本。想定外に度数が下がってしまったのか、たまにあるんですよね。
まず全体的に果実感には乏しく、酒質そのものの味というタイプ。ナッティーなフレーバーなど伝え聞くアルビンの個性に一致する内容が幾つか感じられます。

グレンアルビンは1960年代前後で秀逸なボトルがいくつかあり、同じOMCのビンテージ違いの1966や1967ではキングスバリーからケルティックシリーズで評価の高いボト ルがリリースされています。
ただ、このボトルはちょっと方向性の違う味わい。濃厚なシェリー感というわけでも、バーボン樽のバニラやハチミツ系というわけでもない。おそらく樽は2ndリフィルシェリーでホグスヘッドだと思うんですが…。

決して悪くはありませんが、リフィル系の香味であるならば当時のハイランドらしいスモーキーさが強く出ていてもよかったなぁと思います。
これもまた今は無き閉鎖蒸留所、復活の可能性もゼロで、樽のストックがボトラーにあればというところですが…もう60年代は無いでしょう。
そんなボトルが自分の手元にある事に感謝しつつ、残りはじっくり妻と二人で飲みたいと思います。

(博多のBAR某K様、その節はありがとうございました。)

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