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グランツ デュワーズ ジョニーウォーカー18年 ブレンデッド3種飲み比べ

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先日クラウドファンディングを通じて発売されたウイスキーの入門用書籍「BARとウイスキーの素敵バイブル」。
この書籍の中では、BARでのウイスキーの楽しみ方の一例として、3種類の銘柄の飲み比べを通じて、年数や樽の違い、あるいは地域やブレンドの違いを認識しやすくなり、ウイスキーの個性が捉えやすくなるという組み合わせを14パターン紹介しています。

本書で提案されている組み合わせは、入門書籍という位置付け上、比較的エントリーグレード寄りであり、飲み比べは必ずしもこの組み合わせである必要はありません。
例えば、シングルカスクのもので樽の違いを知るもよし、あるいは同じ銘柄という条件も加えて熟成年数の違いでの影響など、様々なウイスキーをチョイスすることでさらなる違いを楽しむこともできます。

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今回は、そうした飲み比べから1つ価格帯を上げて、18年前後のブレンデッドウイスキーに焦点を当ててみます。
現在販売されている同グレードのスコッチウイスキーは、
・ジョニーウォーカー18年
・デュワーズ18年
・グランツ18年
・バランタイン17年
・シーバスリーガル18年
・カティサーク18年

辺りが有名どころです。(あとマイナーどころですが、日本市場に在庫があるシンジケートが17年熟成です。)
この6種類、単品で飲んでみると熟成年数もあってそれなりなのですが、どの銘柄がどのようなキャラクター付けで作られているかは、ちゃんと飲み比べたことはなく。
先日BAR LIVETで飲んでいたところ、マスターとブラインドでのブレンデッドのキャラクターの捉え方の話題となり、ちょうどいいので、3種3択のブラインドテイスティングでブレンデッドを出題してもらいました。

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今回チョイスされた3銘柄を飲んで見た印象は
グランツ18年:まろやかな口当たりからバニラや麦芽系の香味が厚く、スウィートでコクのあるリッチな味わい。
デュワーズ18年:軽やかかつドライで華やかなウッディネス。薄めた蜂蜜を思わせるコクから、ほのかなピートフレーバー。
ジョニーウォーカー18年:木材の削りカスのようなウッディネス、軽いえぐみとドライアプリコットの酸味、余韻にかけて強いピーティーさ。

すべて熟成年数と度数は同じで、違いはそのキャラクターのみですが、構成原酒の違いでピート、麦芽風味、樽感などそれぞれ異なるベクトルがあり、飲み比べることでその違いが強調されてブラインドでも銘柄が分かりやすかったですね。
例えば、グランツはバルヴェニーやキニンヴィの柔らかい麦系の風味と、ポートワイン樽でのフィニッシュがもたらすコクのある甘み。デュワーズはアバフェルディの蜂蜜を思わせるコク、アメリカンコークの華やかさ。ジョニーはタリスカーあたりを思わせる存在感のあるピートフレーバーです。


ブレンデッドは普及価格帯のものもよく考えて作られているとは言え、熟成が短かったり、グレーンが強かったりする部分が時にマイナス要素となって、その銘柄のハウススタイルや目指そうとする香味は、むしろ18年クラスのワンランク上位グレードのほうが分かりやすく表現されていると感じています。

興味あります方、ブラインドかどうかは指定しませんが、今回のように3種の飲み比べをBARで挑戦してみてください。
きっとこれまでにない新たな気づきがあると思いますよ。

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(BAR LIVET は本日2月21日で5周年を迎えた。ちゃっかりオーナーより目だっているバーマンの小倉さん。2号店オープンやオリジナルボトル、そしてウィスクテイルなど、今後のさらなる発展が楽しみ。)

ウイスキー好きによる作品展 開催準備完了と追加情報 CF結果追跡その4

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先日紹介させていただいた、12月15日、16日開催のウイスキー愛好家による写真等の作品展"Why do you like Whisk(e)y?"。先週末に会場の設営が行われて、いよいよ開催を待つばかりとなりました。


◆ウイスキー写真作品展・Why do you like whisk(e)y? 

開催日時
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円
(ウイスキーテイスティング代込み)

会場:Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya

ウイスキーだけでなく、それが作られた環境、歴史的背景や作り手のエピソードを合わせて楽しもうという、愛好家による愛好家のための企画。
作品総点数は200点以上、会場内に展示されたウイスキーに関わる作品の数々。
これまでちょっと展示会のイメージが掴みづらい部分があったのは否めないと思いますが、個人的に予想していた以上におしゃれで、そして魅力的な空間に仕上がっていると思います。
ソファーに腰掛けながら、あるいは時にスタンディングでウイスキーを片手に作品を見て回る。。。なんだか良いイベントになりそうな気がしてきませんか?

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当日提供されるスタンダードウイスキーは、主催者であるイシハラ氏が愛する、富士御殿場、フォアローゼズ、そしてアラン。アランは同氏が所有するカスクの7年熟成サンプルも提供されます。
加えて、マニアックなところであかし、台湾から南投、極め付けが多分知らない人は多いであろうアメリカのバルコネズ。。。

このほか、現地蒸留所を訪問する中で調達したボトルの数々も、作品とセットになるように提供されるわけですが、一部あまりにマニアックなチョイスに「え、なにそれ」と引かないで欲しい。
逆に言えば、ここでメーカーが提供したような、超有名蒸留所の12年熟成オフィシャルスタンダードばかりが並んでもつまらない。
なぜこの蒸留所なのか、なぜこのボトルなのか、正直自分も彼のチョイスの経緯は説明できないので、そのエピソードを含めて是非当日会場で"撮り銅"ことイシハラ氏のウイスキーへの愛が結実した形を見たいと思っているのです。

(アランのポットスチルと提供ボトルとなる3種。新婚旅行の勢いで樽まで買ってしまったというエピソードには、しばし唖然。)


(最近カヴァランに次いで台湾ウイスキーとして認識されてきた南投蒸留所。その実態を知っている人は少ない?どのようなエピソードが披露されるのだろうか・・・。)

(アメリカンウイスキー、バルコネズ。密造時代を思わせるような、倉庫を蒸留所がわりにしていたらしい。イシハラ氏はどうもこういう珍品に弱い。気になる味は当日会場で。)

(このほか、続々とストックボックスから発掘される、これまで買い貯めてきた秘蔵の蒸留所限定品の一例。数に限りはあるものの、こちらも当日提供の対象品。)

また、イベントまで1週間となって隠し球登場。
これもウイスキーの作品と言える"カクテル"を、BAR LIVETのオーナーバーテンダー静谷さんに提供していただけることとなったそうです。
静谷さんと言えば、今年から大々的に展開を開始した、ウイスキーの個性や歴史などを軸に作り上げたカクテル"Whisktail"です。
提供いただける時間は12月16日14時から16時までの枠のみとのことですが、以下の予約状況を見る限り、現時点でこの枠は比較的空きがあるようです。

当日はウイスキーのどんなエピソードがカクテルで再現されるのか・・・またこの他の時間帯は、きっと有志によって即興で何か"作品"の提供が行われることでしょう。
自分もハイボールづくりで乱入しちゃおうかなぁ(笑)


本イベントはゆったりと作品を見ながら、そのお酒にまつわるエピソードとお酒そのものを楽しんで欲しいと、1時間ごとに参加枠をずらしながら参加上限を設け、2時間1枠で予約を受け付けています。
一部満席となっている枠もありますが、参加登録は以下のイベントサイトからメールまたはFBイベントページから受け付けていますので、ご検討ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※FBイベントページ

 

※12/10時点の参加登録状況。最新の状況はFBまたはイベントサイトにて。

イベント開始に向け、8月に始まったクラウドファンディングから4ヶ月。リターンも手元に届いて、いよいよ祭りの開催を待つばかり。
冒頭記載のように参加費にはウイスキー代も含まれているため、テイスティンググイベントとしてもお得感が。。。自分は今回は主催側ではなく参加側。当日は存分に、ウイスキー作品の数々が作り出す空間を堪能しようと思います。

バーとウイスキーの素敵バイブル ”ウイスキーの楽しみ方を伝える本発売” CF結果追跡その3

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あれは今年の初め頃、自分のウイスキー繋がりの中でも、テイスティング技能で切磋琢磨し合う2名。リカーズハセガワ店長&マスターオブウイスキー資格保持者の倉島さんと、BAR Eclipseのオーナーバーテンダー藤井さんが、ウイスキー本を監修されるとの知らせがありました。

テーマは「ウイスキーの良さを知ってもらう本」。特に若い世代のこれからお酒を嗜もうとする人が、どのようにウイスキーを楽しみ、そして知見を広げていくかをまとめる入門書籍を作ろうという企画でした。資金はクラウドファンディングで募集があり、自分も応援させていただいたところです。

この試みは最終的に目標額の2倍近い資金を集め、書籍のオールカラー化やページ増、日本のウイスキー蒸留所を紹介するコーナーなどを拡張する計画を発表。まさに順風満帆なスタートを切ってから8ヶ月少々・・・、その書籍がいよいよ12月21日に発売されることとなりました。
クラウドファンディング結果、追跡報告の第3弾は、この発売する書籍について紹介していきます。

はじめてのひとり飲み "バーとウイスキーの素敵バイブル" (12月21日発売予定)
発売前の書籍ですが、企画立案者である小笹さんとはBAR Eclipse で何度か遭遇することがあり、カウンターでお会いする度に進捗状況などを伺っていました。
初めてお会いしたのはクラウドファンディングが終わった後、企画構想を聞いてこれは面白い本になりそうだぞと。そしてつい先日は、丁度監修者の打ち合わせがBAR営業後に行われようとしていた時で、最終的な構成についてのイメージをざっと教えてもらっていました。

結論として、これまでの入門書籍にない切り口、構成であることは間違いなく、クラウドファンディング時に期待した方向性そのままの本に仕上がっていると言えます。
それは監修者2名が持つ、我々ユーザーにお酒を提供する側の知識と経験が活かされているということ。ウイスキーの製法、5大ウイスキーとは、まずはブレンデッドで・・・なんてウイスキー入門書籍にありがちな"お約束的構成"に終始するのではなく、ビギナーが「どうやってウイスキーを楽しんでいくか」という点が、この書籍における確たるメッセージとしてまとめられているのです。

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(CFリターンの一つ、掲載ウイスキーのテイスティング体験会にて。監修の倉島氏(左)と藤井氏(右)によるレクチャーで、テーマである"ウイスキーの楽しみ方"を学ぶ。ちなみにこの写真、撮影したのは自分です(笑))

本書はただのウイスキームックではなく、BARを楽しむための手引き書も兼ねています。
ウイスキーは家飲み以外にBARで飲む機会も多くありますが、逆に言えばウイスキービギナーには"ウイスキー選び"と"BAR選び"、大きく2つのハードルがあるためです。

注目は第2章にある「好みのウイスキーを見つける」でしょう。 (構成は、本記事下部参照)
ウイスキーは1本毎に紹介されがちですが、飲み始めたばかりの人は何が個性なのかわかりづらいことがあります。これは多くのウイスキーを経験していかなければ、自分の中に認識のための評価軸が出来上がらないためです。
ですが、違いのあるものを比べる場合は別。本章では"ウイスキーの飲み比べ"に重きを置いて、
・特徴や違いがわかりやすく
・一般的なBARで揃えていることが多く
・3杯頼んで4000円以内に収まる銘柄
というBARで頼める3銘柄セットを14パターン、蒸留所や地域、樽構成などの違いで選び、どのような個性が感じられるのかを紹介しています。

飲み比べるからこそ、ウイスキー毎の違いが明確に感じられる。違いが判るからこそ、なぜ?どうして?という疑問が生まれ、ウイスキーを飲む楽しみに繋がっていく。あるいはウイスキーを飲み慣れた人でも、基本に立ち帰って新しい気づきが期待できる。
飲み手、リカーショップ店長、バーマンという著者・監修者のチームであるからこそ出来た構成であり、この本をバーカウンターで広げながら、ウイスキーを楽しむ入門者が現れたり、あるいは参考にしてセットを出してくれるBARが出てくれば・・・なんて事も考えてしまいます。

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(関係者による打ち合わせ風景。書き始めるとどんどん細かくマニアックになってしまい、情報量のバランスが難しく。また、書いているうちに自分の経験値が増え、見直すとイチから書き直したくなってくる。。。本当に悩むことが多かったとのこと。)
   
ウイスキーの紹介は飲み比べだけでなく
・家飲みする上で初めに入手すべきグラス
・現行品の中でこれは飲んで欲しいというボトルのカタログ
・テイスティング方法の紹介
・ビギナー向けQ&A

など、入門書籍として押さえておきたい情報もまとめられています。
テイスティングの香味表現はイラスト付きで、イメージしやすいようにも配慮されているだけでなく、個人的にグラスの指定は「まさに!」と思う重要な記載で、これまでの入門書籍の中でも意外と見られなかった内容です。(グラスを複数紹介するような記事はありましたが。)
また、予算別で贈答用のおすすめウイスキーも特集されるなど、監修者の知見が存分に発揮されているように感じます。 

クラウドファンディングの結果、追加で特集されることとなった蒸留所情報としては、現在日本で建築が進むクラフトディスティラリーを含む、蒸留所20箇所をレポート含めて掲載。巻末にはオススメのBARリストもあって、ウイスキーを"飲む"そして"知る"ためのイロハのイにして、文字通り手引きとなる情報が網羅されているのです。


(先日伺った際に突如始まった3名でのブラインドテイスティング。この日は藤井さんが4問中2問を当てて勝利!く、くやしい・・・。しかしこうした交流が出来るのも、BAR飲みの楽しさ、ウイスキーの楽しさである。) 

こうして企画がまとまってくると、自分が支援したことが誇らしくなってくるというか、出来上がった書籍がまるで自分の子供のようにも感じられる一体感が、クラウドファンディングの魅力ですね。 
後は自分の手元に記念すべき1冊が届くのを楽しみに待っています。 



追記:この本にも、先日クラウドファンディング結果報告としてウイスキー作品展企画を紹介した、T.Ishiharaさんの蒸留所写真が使われており、巻末のSTAFFに名前を連ねています。
写真展企画もいよいよ大詰め、当日テイスティング可能なボトルなどの情報も追記しておりますので、合わせて以下も、ご覧ください。

※ウイスキー好きによる作品展(12/15~16)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1073161099.html?ref=popular_article&id=6472857-2172595


【参考:著書構成】

1章 バーでウイスキーを楽しむ
バーは大人の社交場
自分に合うバーを見つけよう
ウイスキーの飲み方知っていますか
・ストレート
・ハイボールの味はウイスキーでこんなに変わる
・水割り
・オン・ザ・ロック
・カクテル
ウイスキーカクテルにトライ
「はじめてのバー」の手引き
・失敗しない頼み方
・気をつけたいバーでのNGマナー

2章 好みのウイスキーを見つける
シングルモルトウイスキーのつくりかた
樽 CASKS
5大ウイスキーとその他の原産国
テイスティングと香味の表現
ウイスキーを飲み比べてみよう
1 熟成樽の違い
2 シングルモルト、グレーン、ブレンデッド
3 スコッチ・ブレンデッド
4 ジャパニーズ
5 アイリッシュ、アメリカン、カナディアン
6 スペイサイド
7 アイラ島(1)
8 アイラ島(2)
9 アイランズ
10 シングルモルトの経年変化
11 ブレンデッドの経年変化
12 バーボン樽熟成のウイスキー
13 シェリー樽熟成のウイスキー
14 ピート×シェリー樽熟成のウイスキー
ウイスキーのペアリングを楽しむ

3章 家飲み・贈り物選びに役立つウイスキーカタログ
ウイスキービギナーのためのQ&A
5大ウイスキーの主な特徴の違い
ウイスキーボトルカタログ
・ブレンデッドウイスキー
・シングルモルトウイスキー
・バーボンウイスキー
・カナディアン・ブレンデッドウイスキー
躍進するアジアのウイスキー
予算別 ハレの日・贈答用おすすめウイスキー

4章 日本のウイスキー蒸溜所へ見学に行こう
余市蒸溜所/厚岸蒸溜所/遊佐蒸溜所/宮城峡蒸溜所/
安積蒸溜所/額田蒸溜所/秩父蒸溜所/三郎丸蒸留所/
白州蒸溜所/マルス信州蒸溜所/富士御殿場蒸溜所/
静岡蒸溜所/知多蒸溜所/長濱蒸溜所/山崎蒸溜所/
ホワイトオーク蒸留所/岡山蒸溜所/桜尾蒸留所/
嘉之助蒸溜所/マルス津貫蒸溜所

 巻末 はじめてのひとり飲みにもおすすめ
やさしいBAR&PUBリスト   

若鶴酒造 三郎丸蒸留所 ニューポット 2018 CF結果追跡その2

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今から2年前、クラウドファンディングで蒸留所改修計画を打ち出し、新たな設備を導入して再稼働した若鶴酒造、三郎丸蒸留所。
プロジェクトリーダーにして、後に蒸留所のマネージャーとなる稲垣さんの人柄とプランに惹かれ、改修工事前から当ブログでも応援させていただきました。

その後、想定した通りの原酒ができているのか、プロジェクトはちゃんと形になったのか。昨年、そして今年も稼働中の三郎丸蒸留所を見学し、仕込んだばかりの原酒を確認していました。
結論から言うと、素晴らしい可能性を秘めた原酒が産まれており、一部の愛好家が持っていたであろう若鶴酒造への評価を、改める時が来たと言っても過言ではありません。
今回は今年見学した蒸留所の状況と、進化した原酒のテイスティングをまとめます。

SABUROMARU
NEW POT
Heavily Peated
Distilled 2018
200ml 60%

香り:香ばしく乾燥した麦、木材や藁を焦がしたようなピーティーさ、少し粘土質の土っぽさを伴う。時間経過でスモーキーさの奥に微かな乳酸、イーストを思わせるニュアンスも。

味:とろりとした口当たりと柑橘を思わせる酸味、香ばしい麦芽風味。時間差で香りで感じた焦がしたようなスモーキーさが口内に広がる。
余韻はヒリヒリとしたアタックもあるが、合わせて麦の甘みが舌の上に残り、ほろ苦くピーティーで長く続く。

発酵したようなニュアンスや若さ故のネガは目立たず、余計な雑味も少ない。それでいてしっかりと重みのある酒質である。ピートは内陸系が主体か、ヨードなどの海系の要素は見られない。また余韻に酒質由来の甘みが残り、ピートに負けない強さもあることから、短熟から長期熟成までをカバーするであろう優れたニューメイク。 

三郎丸蒸留所の原酒に関する特徴は大きく2点。まず一つは50PPMという、アードベッグやキルホーマンクラスのヘビーピート麦芽が用いられていること。
そして写真の日本に二つとない、独特な形状のポットスチルで蒸留されていることにあります。

このスチルはボディの部分がステンレスで、ネックから先が銅製というもの。また、ラインアームに該当する部分が非常に短く、折れ曲がった先ほんの1m少々で冷却機(写真で水滴が付いている部分)というのも三郎丸独自の構造です。
ステンレスは触媒反応がないため、蒸留の際、原酒にオフフレーバーが残るというのが定説にあります。しかし最も反応が起こるのは気化した後であり、その部分を銅化することで、通常のスチルと殆ど違わない効果が得られている模様。
また、現時点ではポットスチルが1基しかないため、1つのスチルで日を分けて初留と再留を行なっているのも特徴と言えます。

そして設備改修初年度の時点で、他のクラフトに無い重みのある原酒が産まれ、荒削りながら可能性を感じていたところ。
今年はマッシュタンを新調して最適な糖化ができるようになったことと、前年の経験を活かしてミドルカットなどの調整を行った結果、酒質の重みや厚みはそのまま、より麦芽の甘みとピートのしっかり乗ったニューメイクが出来上がったのです。

(2018年から導入した三宅製作所製のマッシュタン。以前は密造時代のようなタンクを使っていたが、このマッシュタンの導入で麦芽の粉砕比率から、糖化の温度などの各種コントロールが可能となり、酒質が格段に向上した。)

(蒸留されたばかりのニューメイクの出来を確認する稲垣マネージャー。蒸留直後は60%後半、60〜63%に加水して樽詰めする。この時点のニューメイクもまた、フレッシュなピーティーさが際立っており、加水するのが勿体無いとも感じる。)

(三郎丸蒸留所の熟成庫。左側の壁の向こうには蒸留器などの設備があり、同じ建物の中で区分けされたスペース。比率はバーボン樽を中心に、シェリーやワイン樽なども。この他空調の入った冷温の貯蔵庫があり、熟成環境の違いとして他のクラフトにはない恩恵をもたらしている。)


これまで日本で操業する蒸留所、全てのニューメイクを飲めているわけではありませんが、少なくとも昨年までに稼働したクラフト蒸留所の原酒で、一番可能性を感じたのは三郎丸蒸留所というのが、今年のそれを飲んでの偽りない感想です。

また、自分以外の飲み手がどのように感じるか、2組の持ち寄り会に試供品のニューメイクを出してみたところ、どちらも評判は上々。
1組には「スコッチのニューポット」と言って出し、帰ってきた答えは「ラガヴーリン」。
もう1組では三郎丸として出しましたが、「こんな綺麗で美味いニューポット、あの若鶴とは思えない」、「1樽欲しい、このグループで買おう」という評価。

かつて若鶴酒造では、地ウイスキーと言えば聞こえはいいものの、決して高いとは言えない質のウイスキーを生産・販売しており、愛好家の評価も相応のものが形成されていました。それこそ上記の「あの若鶴とは思えない」という言葉が、その当時の評価を代弁していると言えます。
しかし一連の改修工事と、稲垣マネージャーを中心に行われたトライ&エラーの結果が結実し、ついに我々もその評価を改める時が来たのです。
蒸留所の見学は勿論、機会があれば是非ニューメイクをテイスティングして欲しいですね。今週末のウィスキーフェス2018でも提供があるそうです。

(ウイスキーの作業場は1F。関連展示、蒸留行程見学は2Fから1Fのウェアハウスを見る流れ。各種導線は洗練されており、クラウドファンディングの成果を受けて、しっかりと設計、改修されたことが伺える。)

(三郎丸蒸留所外観。今年創業100周年を迎えた若鶴酒造の歴史と、改修による新しさも併せ持つ造りである。見学は1日3枠までで、同社WEBから要事前予約。)

今年の6月、若鶴酒造の親会社であるGRNが、洋酒等輸入販売の国内主要企業であるリラックスとウィックの子会社化を発表。次の100年に向けた体制強化として、驚きの一手を打ってきました。

そしてこのニューメイク。若鶴酒造でのウイスキーの仕込みは7月から9月の夏場のみで、今年の仕込みはすでに終了していますが、次のシーズンに向けて新たなアイディアが複数ある模様。どのような形でウイスキーづくりに反映されるのか、興味は尽きません。
少なくとも、初年度に蒸留した原酒の熟成経過から新たなフィードバックもあるでしょうし、今年の驚きを越えて、より洗練されたウイスキーが産まれていくこと期待したいです。

12/15〜 ウイスキー好きによる作品展開催 CF結果追跡その1

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これまで、このブログで何度かウイスキー関連のクラウドファンディングを紹介させていただきました。
どれも魅力的な企画で、既に結果を出したものもあれば、現在準備中のものもあり、形になるのが待ち遠しくあります。

ただ支援募集の時だけ紹介して、その後を記事でフォローしないのは勿体無いかなと。今回はそれらの企画の中で、現在進行中な「ウイスキー作品展」の進捗状況について紹介します。


今年の8月からクラウドファンディングの募集を行った「ウイスキー写真作品展 Why do you like whisk(e)y?」は、わずか1日で目標額に到達。最終的には200%以上の支援を得て、12月15日、16日の土日2日間、東京都西荻窪のNishiogi placeにて、開催されることとなりました。

なんのこっちゃという人のために補足をすると、ウイスキー沼にハマり、お酒が生まれる場所、環境、人に惹かれた一人の男が、今まで巡った約100蒸留所の中から特に思い入れの深い蒸留所について、"写真とお酒を同時に楽しむ作品展"を開催するというもの。

例えばハイランドパークを飲みながら、オークニー島や蒸留所の景色を写真で楽しむといった具合。なんていうか、オシャレですよね。
ウイスキーのラインナップはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、ジャパニーズと所謂5大ウイスキーを網羅。オフィシャル以外に、現地で調達した蒸留所限定品なども予定されているとか。。。
概要は以下の通りで、イベント参加はファンディング参加有無に関わらず可能です。

Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

◆ウイスキー写真作品展(概要)
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya


※留意事項※
ウイスキーを飲みながらゆったりと作品を見ていただきたいとの考えから、参加する枠を事前に予約する、2時間交代制となっています。
既にいくつかの枠は埋まり始めており、興味あります方は早めに登録された方が良さそうです。
詳細は以下イベントサイトの4.をご確認ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※参加予約はメールアドレス以外にFBイベントページからも受け付けています。

(提供されるウイスキーの一部。目玉のボトルは全てIshiharaさんが蒸留所を巡りながら調達されたものである。)

現在は当日に向け、作品の調整はもちろん、各メーカー・蒸留所への掲載確認など様々な準備が行われている最中ですが、イベント内容はファンディング時から大幅に拡充されています。
当初はIshiharaさんの写真を中心に展示するイベントだったところ。当ブログにもスコットランドの写真を提供いただいているK67氏の作品が追加されただけでなく、ボトルランプによるライトアップや注目の若手バーマンによる創作カクテル提供など、写真以外の作品も追加され、まさに"ウイスキーの作品展"と呼ぶにふさわしいイベントに仕上がりつつあります。

Photo by T.Ishihara

Photo by K.67

Bottle lamp - Kaori Abe 


また、活動はメディアにも注目され、本日発売のモノマガジン(11月16日発刊 No,816)に、「ウイスキーって人間味」の特集で、Ishiharaさんの蒸留所巡りのエピソードと合わせて紹介されています。

それも目白田中屋の栗林店長やリカーズハセガワの大澤代表、Kovalの小嶋ブランドマネージャーにキリンの田中マスターブレンダーら業界関係者に混じって、ウイスキー好き一般人のイシハラタツヤですよ。
人選もちょっとコアなメンツなのが面白いですが、その中でIsiharaさんのエピソードが企画の表紙をゲット(笑)。


話がどんどん大きくなってくる。イベントってのはこうでなくちゃ面白くないですね。それが自分がファンディングで支援した企画とあれば、尚更嬉しいってもんです。
広げた風呂敷が小さくなってしまうことは、何かを企画するとよくあることですが、その逆は内容に魅力があることと、企画者の人徳に他ならないと思います。
イベント当日が俄然楽しみになってきました!

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