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ブナハーブン 14年 2003-2017 モルトヤマ5周年記念 富嶽三十六景 57%

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BUNNAHABHAIN
ABEYHILL (KINGSBURY)
Aged 14 years
Distilled 2003
Bottled 2017
Bottled for Maltyama 5th Anniversary
Matured in a Sherry Butt
700ml 57%

グラス: スピリッツスニフター
場所:BAR飲み@Nadurra
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディで濃い甘み、ミルクチョコレート、プルーン、微かにスパイシー。徐々にカカオの苦味。スワリングすると熟成紹興酒のような古酒系の酸味を伴う。

味:しっかりと樽由来の粘性のある口当たりからマイルドなシロップの甘み、プルーン、ココア、黒砂糖、少し湿ったようなウッディさ。余韻はドライで心地よいタンニン、少し舌に刺激が残るが、それが全体の濃厚さを打ち消すバランスの良さに繋がる長いフィニッシュ。

良好なシーズニングシェリー感でキャッチーな味わい。香木系ではないがクリーミーさに近い濃い甘みとコクで、安心感がある。加水するとやや荒さはあるが少し前のマッカラン12年を思わせるウッディネス、黒糖系の甘みやナッツの香味が広がる。選定者の狙いが伝わる1本。


富山のウイスキーショップ、モルトヤマが開業5周年を記念してボトリングした1本。
「5周年だから5本出す!」と聞いた時は、幾ら何でもそれは・・・と耳を疑いましたが、思えばモルトヤマ店長こと腐梨こと腹パンチョンことヒトリモーンこと・・・年々どこぞの将軍様みたいに肩書きが増えていく下野君が「ウイスキー酒販に、俺はなる!」と言い出した5年前も、「幾ら何でもそれは・・・」と思っていた一人が自分です。

しかし有言実行、この5年間様々な障害はあったと思いますが、それらを実現してきた彼の行動力であれば、今回のリリースのみならず、後の企画も必ず形にしていくことでしょう。
いやもう素直に脱帽、ここまでくるとは思ってませんでした。5周年、おめでとうございます!

シングルモルト通販 モルトヤマ

さて、ボトリングした人の紹介はこれくらいにして中身の話。今回のリリースは最近流行りの濃厚なシェリー系。熟成年数相応の熟成感ですが、濃さで荒さがカバーされて、わかりやすい味わいに仕上がっています。近年高騰気味の濃厚シェリーにあって、価格的に手を出しやすい範囲な点も嬉しい。
ただ、この濃厚さはともすれば、単調で飲み疲れがちないつものボトラーズカスクではあるものの、加水すると家飲みにマッチしたゆるいシェリー系の味わいまでカバーするのもポイント。
後は葉巻と合わせてゆったりと楽しみたいです。

なお、第一弾のブナハーブンに続いて、第2弾の記念ボトルも早々に売り切れたモルトヤマ5周年記念シリーズ。第3弾については近日公開予定とのこと、店主曰くヒントは「G」から始まる。。。後は後日!ってあんまヒントになってないゾw
でも楽しみにしてますよ!!

自身がボトリングしたボトルをテイスティングする下野氏。満足げな笑みである。
ぶっちゃけ羨ましい。自分でカスクチョイスしてボトリングするとか、ウイスキー好きの夢見たいなもんですから。
BARで注文する時は、「あの有名なモルトヤマ(パンチョン)のウイスキーを頼む」でオーダーしてみましょう!

ロングモーン 28年 1973-2001 キングスバリー 57.7% #3968

カテゴリ:
LONGMORN
KINGSBURY
Aged 28 years
Distilled 1973
Bottled 2001
Cask type Sherry #3968
700ml 57.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@借り物
時期:開封後2〜3年程度
評価:★★★★★★(6)

香り:非常に濃厚。煮詰めたシロップのような甘み、プルーン、淡いサルファリーさ。鼻腔を刺激するタンニンやビターなウッディネス。

味:ウッディでスパイシー、パワフルで濃厚な口当たり。蜜っぽい甘みからローストアーモンド、カカオチョコレートで中間以降は苦味が強いゴムゴム系。
余韻は長いがサルファリーな要素を伴い、ビターでドライなタンニン、渋みが舌の上の水分を奪う。

見るからに圧殺系であり、開封時は激渋タンニン丸硫黄添加だったボトル。開封後の変化で多少マシになったが、本質的な要素は変わっていない。40%を切る程度まで加水すると若干バランスが改善し、果実味も感じやすくなるが。。。


先日、当ブログに頂いたコメントがきっかけで、再テイスティングすることになったボトル。
なんでか1973ロングモーンにはあまり良い思い出がなく、その思い出の一つを構成しているのがこのボトルでした。
(コメント頂いたウイスキー太郎さん、ボトルを持ってきてくださったGさんありがとうございます。)

恐らく海外評価が高い(特にモルトマニアックスあたり)のは間違い無いものの、ちょっと自分の口に合わないこの圧殺系シェリーな味わい。
圧殺系もモノによっては嫌いじゃ無いのですが、なんというか果実味乏しくゴムっぽいのや、改めていうまでもなく硫黄が出ているボトルは苦手で、このボトルもまたそのジャンルをかすめてしまっていました。
いやほんと、ウイスキー用の樽に硫黄を焚くことを考案した人間を締め上げたい。。。

なんとか香味を開かせる良い方向を探すと、加水の先にフルーティーさがあったり、口の中で長い時間転がしていると、ウェアハウスの中にいるような落ち着いた香味も感じられ、瓶内熟成の先に違う姿があったのか、あるいはこのボトルだけ何かの間違いでひねくれてしまった、イレギュラーなのかも。。。と。
何れにせよ、数年の歳月経てなお当時の印象に大きな変化なく、このビンテージの印象はやはり難しいです。

武蔵屋 & ジャパンインポートシステム 試飲会レポート(前編)

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ウイスキーフェスティバル、そしてオールドブレンデッドテイスティング会とウイスキー尽くしの2週間が終わって間も無い中、続いて開催された武蔵屋&JISさんの試飲会(プロ・アマ問わず誰でも参加可)に出没してきましたので、その雑感をまとめておこうと思います。

ウイスキー関連のラインナップは、GM、OMC、キングスバリーの3種が中心。特にGMは先日のフェスからの流れで、非常に潤沢なラインナップが印象的でした。
なお、流石に全種類テイスティングしたのでは時間も身ももたないので、今回はプラカップに少量注ぎ、口に含んで「おっ」と思ったものだけをテイスティンググラスで試飲しました。
従って、いつもよりも精度が粗いかもしれませんが、ご容赦ください。

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それでは、まずはベンロマックのスタンダード各種から。
・ベンロマック オーガニック 2010 43%
・ベンロマック10年 43%
・ベンロマック10年 57%
・ベンロマック ピートスモーク 2006 46%
・ベンロマック 15年 43%

飲んでいて共通して感じたのは酒質の良さ、素直さ。最近のスペイサイドにありがちな軽くピリピリした感じは少なく、これなら樽と熟成次第でさらに美味しいスペイサイドモルトになれるであろう予感がします。
このラインナップ中で良かったのは10年のカスクストレングス。次点はピーテッド。
10年は微かに硫黄が混じっているものの、全体的には嫌味の少ないシェリー感で、飲みごたえも中々。ピーテッドは、若いなりにバランスよくまとまっていました。
続いてロッホローモンド。
・ロッホローモンド オリジナル シングルモルト 40%
・インチマリン 12年 46%
・インチマリン 18年 46%


いろんな意味でらしさを1番感じたのは18年。オイリーでクセのある・・・一言で濡れたダンボールちっくな味は飲み手を選びますね。インチマリンを製造するロッホローモンドはリトルミルの第2蒸留所として建設された経緯があり、その背景からも、らしさははっきり継承されているように思います。
他方で、ロッホローモンドNA、インチマリン12年はどちらも意外に、というか良くできたボトルで、NAは素直なハイランドモルトという感じの乾いた麦芽風味を伴う味わい。12年は青っぽさは若干あるも、しっかりとフルーティー。
この蒸留所については、後日また記事をまとめていく予定です。

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続いてはハンターレイン社のOMC。
ここからはボトラーズで1銘柄1銘柄記載すると記入量がハンパないことになるので、紹介するボトルだけビンテージまで記載します。        
OMCは気になる蒸留所が多かったので、ほぼテイスティンググラスを使用しました。
中でもヒットしたのが、2種類のグレンゴイン。

・グレンゴイン スペシャルカスク FORJIS 15年 (2001-2016) 58.8%
・グレンゴイン 17年 (1996-2014) 50.0%


日本向けのスペシャルカスクはフルーティーでモルティーな味わいのまとまりがよく、バランスの良い仕上がり。ノーマルな50%は多少植物感はあったものの、後半にかけて開くバニラ、洋梨、ドライフルーツの樽由来のフレーバーが好印象です。
その他のボトルでは、ここでも安定感のある短熟カリラ6年。リンクウッド FOR JIS 19年は花と動物直系の味わいというか、中性的で自分は求めている方向性が違うなと。グレンバーギー17年は一番期待していたのですが、シェリーカスク熟成ということで、普段のフルーティーさと違うまったりとしてウッディなタイプに仕上がっていました。
ちなみに先ほどオフィシャルテイスティングでいろんな意味で楽しませてくれたロッホローモンドは(以下略。

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姉妹ブランドに当たるプロヴェナンスのラインナップからは、ジュラ 11年 (2003-2014) 46%。
ピートのしっかり効いたジュラで、熟成感はオフィシャル10年と同等程度でやや短熟気味。少し酸味を伴うクリアな味わいとスモーキーフレーバーで、いかにもという味わいでした。
ちょっとこのラインナップだけは消去法で動きましたが、例えばBAR飲みで現行品との比較にこのジュラを使うなら面白そうです。

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キングスバリーのゴールドシリーズ5種類。こちらからはベンネヴィスとアランをピックアップです。
・ベンネヴィス 17年 (1998-2016) 57.9%
・アラン 18年 (1996-2015) 52.9%

ベンネヴィスは所謂圧殺系のシェリー感で、個性はあまり感じませんでしたが、時間経過で開くかもしれません。
また、ファークラスやマッカランなどに見られるシーズニングシェリーとは少し違う、黒蜜のような甘さが印象的な濃い味わい。好きな人は好きなボトルだと思います。
なお、アランは安定のアラン(笑)。リフィルシェリーホグスヘッドと思しき構成ですが、フルーティーさよりとろりとした甘さがあり、まったりとした味わいです。
この他短期熟成のタリスカー5年は、若いですが酒質の強さ、素性の良さを感じる味わいでハイボールにしても面白そう。また、こういうのをマイ樽に入れたいなと思うのですが、価格的に釣り合いが取れないんですよね(汗)。        

以上ここまでざっと26本。
オフィシャルボトルは復権、味が良くなってきている印象を受ける一方で、ボトラーズは短期熟成が目立ち、1990年代蒸留ですら「若干ありがたく感じる」のは、やはり世代が切り替わってしまったことの証なのかもしれません。
簡易レビューで恐縮ですが、参考になりましたら幸いです。
長くなってきましたので、ひとまずここで区切りとして、後編はGMのラインナップから紹介します。

ロングモーン 31年 1964-1996 キングスバリー 59%

カテゴリ:

LONGMORN GLENLIVET
Kingsbury’s
Aged 31 years
Distilled 1964
Bottled 1996
Cask type Ex Sherry #52
700ml 59%

グラス:木村硝子古酒など
量:30ml以上
場所:個人宅(Whisky link イベント)
時期:開封後8〜9ヶ月程度
評価:★★★★★★★★(8ー9)

香り:熟したパイナップルや黄桃、ややミンティなアロマもあるフルーティーな強い香り立ち。ハイプルーフらしく勢いがあり、乾いた麦芽にオーク香、徐々にフェロモンを思わせる官能的な要素も感じられる。
グラスの残り香はドライフルーツとしっとりしたピートフレーバー、時間経過で土っぽさが強くなる。

味:ねっとりとしてパワフルな口当たり、フルーティーで厚みのあるボディ、黄桃、ドライマンゴー、麦芽、オーク。香り同様の強いフレーバーで後半には土っぽい苦味と淡いフローラルさ。
余韻は熟したトロピカルフルーツと土っぽさが混じった南国感と、オーキーで華やかなフィニッシュ。 

先日のWhisky linkイベントでのテイスティング。
最近煽りがキレキレな、どくずんだことGSさんの持ち込みボトル。
記載の通り非常にうまいロングモーンですが、肩に爆弾ならぬ地雷を抱えたボトルであり、いつどうなるかわからない不安要素も持ち合わせている薄氷のバランスが特徴です。

というのもこのボトル、パフュるんです。
一部ボトラーズリリースのロングモーンが、開封後の変化でパフュームが出ることはこのボトル以外にも経験しているため、ありえることとして認識してはいるものの、ほぼ同時に開封した2本のうち、1本は完全にパフュームで、今回の一本は危ういところでとどまっているという状況。気温変化なのか、加水調整で使用した水の影響か、衝撃や振動等が原因なのか、何れにせよ「逝くときは逝く」という感じでしょうか。

(8ヶ月前のテイスティング。右がパフュームが出ている、左側は今回のボトル。)

過去テイスティングされている中では最高評価のロングモーンの一つであり、パフュームのパの字もテイスティングコメントには出てきません。シェリー樽熟成ですがリフィルシェリーゆえ酒質由来のパイナップルやパパイヤなどの南国感を思わせるフルーティーさに加え、樽由来のニュアンスが底支えで脇役に回るバランスの良さ。
つまりその時点ではそうした要素は出ていなかったわけで、そこからの時間経過で徐々に隠れていたものが前に出てきたというか、化学変化が進んでしまったのだと推察します。

大丈夫だと思ってストックして、そしてパフュームだったら、その手のフレーバーがダメな人は口から泡じゃ済まないですね。
というかスペック的には最強で価格もすごいことになってるこのボトルを、2本も同時に開封して頂いたからこそわかるこの変化。1本目に関しては心中お察ししますが、非常に良い経験をさせて頂きました。

リンクウッド 30年 1973年蒸留 2004年ボトリング キングスバリー ハンドライティング

カテゴリ:
LINKWOOD  
Kingsbury
30 Years Old
Distilled 1973
Bottled 2004
Cask No,14062
51.8% 700ml
評価:★★★★★★★(7!)

香り:熟成を感じさせるエステリーな香り立ちと艶のあるウッディネス。スモーキーでママレードや蜂蜜を思わせる甘さ。 徐々にアーシーなアロマも感じられる。

味:やや粘性を感じるとろりとした口当たり。アプリコットジャム、リンゴのカラメル煮を思わせる甘さ。徐々にピートの苦味が口の中を支配し、序盤のフルーティーさと合わさってオレンジピールと濃く入れた紅茶のよう。
余韻はハイプルーフらしくキレの良い甘さと微かなウッディネス。内陸系のピート由来のほろ苦いスモーキーさ。

昨年末に開栓したキングスバリーの旧ハンドライティングラベル。ちょうど良い感じに開いてきたので、ぼちぼちテイスティングをば。
自分はこのオールドスタイルのリンクウッドが大好きで、このボトルで通算3本目の開栓となります。今回はそうした自分の好みというウェートを冷静に評価したつもりですが、もっと高評価にしようか真剣に悩みました。 

リンクウッドは風味が変わるからと、熟成庫の蜘蛛の巣さえ払うことを禁止した逸話のある蒸留所です。しかし実際は、1970年代前半蒸留から大きく分けて2系統のリリースが行われているように思います。 
1つは、かつてのオフィシャルボトルのキャラクターでもある、芳醇でスモーキーな味わい。 所謂オールドスタイル。
もう1つは、花と動物ボトルや特にボトラーズに多い淡麗で華やかな味わい。
今回のボトルは前者ですが、1970年代後半蒸留から現代ともなると、ほぼ後者のキャラクターです。
このピーテッド、ノンピーテッドでは片付かないキャラクターの違いに一つ推論を挙げるなら、蒸留設備の違いがあるのではないかと考えています。

1971年、リンクウッドはそれまで使われていた蒸留棟を残しつつ、新しい蒸留棟を建設します。
そして古い蒸留棟をリンクウッドA、新しい蒸留棟をリンクウッドBとして、暫くは併用して蒸留を行い、その後蒸留のメインをリンクウッドBに切り替えています。
最終的にリンクウッドAは休止状態、1980年代はほぼリンクウッドBでの蒸留だったそうです。 
この頃のリンクウッドはボトラーズを中心に味わうことが出来ますが、上述のように華やかで淡い酒質となり、かつてのオフィシャルボトルとは随分キャラクターが異なっています。

当時はアメリカ市場等からライトなウイスキーが求められていた時代。99%がブレンド向けの原酒ですから、あえてそうしたキャラクターにしていたのかもしれません。
1990年代に入ると、1年間のうち1~2ヶ月間のみリンクウッドAが稼動するようになり、 直近では1999年蒸留のマネージャーズドラムから、はっきりと昔のキャラクターを感じる味わいがあって感動してしまいました。
この味が出てこなければ、原酒のキャラクターを変えただけとして納得だったのですが、蒸留所の遍歴が無関係とは思えず。推論の通りならこちらがリンクウッドAでの蒸留、あるいは稼働時期のものではないかと考えています。 
(リンクウッドAもBもニューポットは混ぜて使われているという説もあり、あくまで推測です。)


ちなみに、キングスバリーから2012年にリリースされたリンクウッド38年に、今回のボトルの隣樽No,14063が使われています。
隣樽ということもあって同じベクトルにある風味でしたが、さすがに8年長く熟成しているためか度数もパワーも落ちて穏やかな仕上がりです。こちらのボトルは持っているBARも多いと思うので、気になる方はまずこちらから。
その他にも旧ユニコーンラベルで46%加水版の24年が、同じハンドライティングラベルから32年、そして直近ではクリスタルデキャンタの40年までリリースされており、これらは樽番号が不明ですが多分近い樽をまとめて購入していたのではないかと思います。

最近各蒸留所からオフィシャルボトルのリリースが増えてきていますが、リンクウッドこそ復活して欲しいオフィシャルの一つ。ディアジオさん、よろしくお願いします!

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