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ARDBEG
KILDALTON
Limited Edition
(No Aged)
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後1年程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:クリーンでスモーキーな香り立ち。 若い原酒の酸味から、レモンピールを思わせる爽やかさと塩素のニュアンス、焦げたようなピート香。徐々にヨードを伴うバニラの甘みが開いてくる。

味:オイリーでピーティーな口当たり、粘性のあるややクリアな甘み、ほのかに柑橘、中間から天日干しした魚介系の濃い出汁感と塩っぽさも感じられる。
余韻はオイリーでピーティー、序盤同様に透明感があり、土っぽいほろ苦さを伴うスパイシーなフィニッシュ。


アードベッグの蒸留所限定ボトルとして、2014年に発売した1本。
樽構成はバーボン樽とシェリー樽のバッティングとのことですが、樽感はあまり強くなくリフィルシェリーとバーボン樽が中心という印象。熟成年数は不明ですが、飲んだ感じは若い原酒のニュアンスを内包した複数年バッティングを思わせる構成で、10年前後がメインではないかと推察します。

キルダルトンというと、往年のウイスキーファンなら1980年に試験的に生産されたノンピートのアードベッグ、キルダルトンを連想すると思います。
しかしこの蒸溜所限定品のキルダルトンは、当時のそれとは異なり、近年の10年系統の強いピートフレーバーに加え、飲み口はオイリーで、らしいクリアな魚介系ニュアンスがピートとともに広がる。
現行オフィシャル系統のいかにもなアードベッグですが、加水とバッティングがいい感じに効いていて、バランスよく楽しめる構成となっています。
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(アードベッグはゲール語で"小さな岬"という意味。蒸留所のある場所を海側から眺めるとその意味が良くわかる。そしてこの岬を越えた先の教会跡にキルダルトンクロスがある。Photo by K67)

今回の銘柄は、ラベルを見れば判るようにアイラ島の古代遺跡、キルダルトンにあるケルト十字架、キルダルトンクロスを由来としています。
ウイスキー愛好家の皆様には今更的な話でもありますが、キルダルトンクロスがある遺跡の場所は、アードベッグ蒸留所のすぐ先にあり、同蒸溜所のロゴはキルダルトンクロスを一部参考にしているなど、まさにシンボルと言えるものです。
蒸溜所限定品とするには、うってつけのネーミングだったわけですね。

このボトルは、ウイスキー仲間のRさん宅で開かれたホームパーティにて頂いたうちの1本。
らしい味わいがしっかり感じられて、それだけでも紹介する価値のあるボトルでしたが、何よりこのボトルとセットでK67さん提供の美しい写真を掲載したかったのです。
無事に目標達成、今回の更新は大満足(笑)。ありがとうございます!