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ワールドウイスキーアワード2019発表 日本は4部門で戴冠

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昨日、ウイスキーマガジン社主催のウイスキーの国際コンペ、ワールドウイスキーアワード2019の結果が発表されました。

このブログの読者の皆様は既にご存じかもしれませんが、今回のWWA2019では、テイスティング全15部門のうち、世界的に作り手がおり競争率の高い主要な区分といえる、ブレンデッド、シングルモルト、グレーンで設けられた7部門中、4部門で日本のウイスキーメーカーが世界一に輝くという、輝かしい結果となりました。
(15部門のなかには、バーボンや、カナディアン、アイリッシュなど、日本が参加できないものや、そもそも生産していないものがある。)


ワールドウイスキーアワード2019 テイスティング部門 主要7部門結果
◼️ブレンデッド(リミテッド)
イチローズモルト ジャパニーズブレンデッド リミテッドエディション2019

◼️ブレンデッド
サントリー 響21年

◼️ブレンデッドモルト
ニッカウイスキー 竹鶴ピュアモルト 25年

◼️シングルモルト(シングルカスク)
サリヴァンズコーヴ フレンチオーク TDo2017

◼️シングルモルト
ティーリング ウイスキー 24年 ヴィンテージリリザーブ

◼️グレーン
キリン 富士御殿場 シングルグレーン 25年 スモールバッチリリース

◼️ニューメイク
スタウニングウイスキー キュリアス ピートスモークドモルテッド ライ

参照:http://whiskymag.jp/wm_award2019/


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「日本のブレンド技術は世界一イィィィィ!!」
と、お約束のネタをつい口にしたくなるような結果です。
それも1社独占でなく、主要メーカーがすべて受賞。なかでも響や竹鶴、富士御殿場グレーンといった、WWAアワードの常連にして、戴冠することに疑問はないド本命な銘柄はさておき・・・。

サプライズはイチローズモルトのモルト&グレーンが、ブレンデッド(リミテッド)区分を2年連続で戴冠したことですね。
ブレンデッドモルトとシングルモルト部門はエントリーが多いだけでなく、各社力をいれてくるリミテッド区分で2年連続、その前のシングルモルトでの受賞を含めると3年連続というのはサントリー、ニッカらと肩を並べる快挙です。

ただ、このリリースは羽生モルトと川崎グレーンという、今はない遺産をメインに使っています。
昨年受賞したモルト&グレーンLE2018を飲んだ印象では、美味しいは美味しいのですが、羽生の特徴がかなり強く出て、長期熟成グレーンでそれを繋ぎ合わせているような構成。今回のリリースは多少秩父の特徴も出ていると言う話も聞きますが、軸になっている2つの原酒の在庫がほとんどない状況で、培ったブレンド技術をもって秩父の新しい原酒でどこまでやれるかが、今後の課題だと感じます。

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ジャパニーズウイスキー以外に目を向けると、シングルモルト部門ではティーリング24年が受賞。これまでのティーリングのリリースから香味を推察するに、アイリッシュ系のトロピカルなフルーティーさ、近年評価されているキャッチーな香味が備わっているものと思われます。
まあ妥当なとこですよねと。日本地区のWINNERは白州25年だったそうですが、ここまでくるとその時々の審査員の趣向の違いで片付けられる差ぐらいしかないんじゃないでしょうか。

一方で、シングルカスク部門が異端。
タスマニアの衝撃再び。オーストラリアンウイスキーのサリヴァンズコーブのフレンチオークカスクが再びの受賞です。
以前もサリヴァンズコーブはシングルモルトでアワードを受賞しており、どんなもんかと飲んでみましたが、世界一かと問われると返答に困る内容でした。
今回は違うのかもしれませんが・・・WWAはたまにこういうよくわからない受賞があるので、それが面白くもあり、疑問でもあるのです。(順当な結果ばかりじゃ面白くないのも事実です。)


この他、惜しくもアワードを逃した地区代表のウイスキーを見ていくのも、WWAの面白さです。
シングルモルト区分だと、スコッチは各地域の代表銘柄が選ばれていて、ローランド部門ではグランツの第4上流所であるアイルサベイが受賞していたり、キャンベルタウン部門はグレンスコシア25年、ハイランドはグレンモーレンジ1989・・・長期熟成のリリースが減ってきている昨今にあっても、やはり層が厚い。

一方で、ジャパニーズ区分を見ると、ブレンデッドでは若鶴酒造のムーングロウがカテゴリー別のWINNERを獲得していたり、次点以降には何かと話題になる倉吉の姿もあります。
日本産原酒が使われていないだろうリリースをジャパニーズと呼んで良いのか(実態はスコッチなのではないか)、という疑問はさておき、今回の結果は日本のウイスキー主要メーカーのブレンドに関する高い技術に加え、力を付けつつある新しい世代の存在も感じられた結果だったと思います。

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なお、コンペといえば、先日、ウイスキー文化研究所が日本初となる「東京ウイスキー&スピリッツコンペディション」を開催したところです。
今後発表される結果が、今回のWWAと比べてどうか。特に上記コンペは日本のテイスターが中心になって審査をしていますから、その違いを見るのも楽しみですね。

キャプチャー画像引用:http://www.worldwhiskiesawards.com/

TEN ディスティラリーズ 1990年代流通 キリン 43%

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TEN DISTILLERIES 
KIRIN SEAGRAM 
1989-1990's 
720ml 43% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後3ヶ月程度
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(5 ー6)

香り:華やかでオーキー、ほのかにエステリーでドライなアロマ。スワリングすると蜂蜜の甘みや微かに柑橘を思わせるニュアンスもあるが長くは持続せず、干し草やアーモンドの殻のようなドライな傾向に収束する。

味:スムーズだがややドライな飲み口。バニラや洋梨を思わせる甘みから、乾いたようなウッディーさと微かなピートのほろ苦さ。徐々にグレーンを思わせる蜂蜜、穀物系の甘みが開いてくる。

スコッチタイプの華やかなブレンデッド。モルティーで樽由来のニュアンスが序盤は主体的だが、奥にはグレーンの存在感もあって持続力は控えめ。少量加水すると熟成したスペイサイドモルトのような、林檎を思わせる華やかさ、蜜っぽいフルーティーさが開く。
ストレート、加水ともに瞬発的には6点、持続力を含めると5点といったところか・・・。

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今から30年前、1989年4月の酒税法改正と合わせてキリンシーグラムが作り上げたブレンデッドが、テン・ディスティラリーズ「10の蒸留所」。日本、イギリス、アメリカ、カナダ、4か国の蒸留所生産された原酒をブレンドしたその仕様は、所謂ワールドブレンデッドのはしりとも言えるものであり、先日レビューしたサントリーの新商品"碧"の存在もあって、今後何かと引き合いに出されるのではないかと思われる銘柄です。

テン・ディスティラリーズのブレンドの傾向はスコッチタイプであり、上述のサントリーの碧というよりは、どちらかと言えばイチローズモルトのワールドブレンデッドの系統言えます。ただ、海外原酒がブレンドされているのみならず、構成比率まで明記したリリースという点は、それまでの日本企業の商品では例を見ないものでした

この背景を考察すると、酒税法改正による新しい規制の中での商品を各社が計画していたこと。そこには、値下がりすることが明らかな輸入ウイスキーに対抗できる、従来の級別表記に依らない新しいブランド価値を確立する必要があったことが考えられます。
キリン・シーグラムは1972年にシーグラムとシーバス社による三社合弁で立ち上げられた経緯があり、海外大手との繋がりを初期から持っていたメーカーでした。そのため、輸入ウイスキーと同様の原酒が使われていることを逆にPRすることで、ブランド価値に繋げるという戦略は、選択肢のひとつとして違和感はないように思います。

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(イチローズモルトのリーフシリーズ・ホワイトラベル、ワールドブレンデッドウイスキー。こうした表記のはしりのひとつが、今回のTEN DISTILLERIESであると言える。)

さて、このテン・ディスティラリーズは、原酒構成比率を「キリンシーグラムの国際ネットワーク」によって調達した
・スコットランド産のモルト40%
・アメリカ産グレーン10%
・カナダ産グレーン10%
・日本産モルト・グレーン40%
として表記しています。
これは日本の原酒がどちらも富士御殿場でつくられたものと仮定すると、本家シーグラム傘下の9蒸留所で作られたものが、それぞれこれだけ使われているとも読めます。

飲んだ印象でのブレンド比率はモルト50%、グレーン50%程度。モルトの熟成感は8~15年程度で、日本の原酒は若かったのではないかと。それでも、瞬間的に感じられる華やかなフルーティーさはなかなか上質なものが感じられ、これをもたらしているのが、スコットランド産モルトの40%なのでしょう。
内訳を予想すると、グレンリベット、ストラスアイラ、グレンキース・・・あとはブレイバルやアルターベンなど、当時ブレンド向けとしても使われていたあたりと推察
アメリカ・カナダ側はグレーンとの記載なので、ブレンド向けに作られていたところから1つずつ2蒸留所と仮定して、それでも傘下のスコッチ蒸留所を全部使うと余裕で10を越えてしまいます。

当時のシーグラム社は、ウイスキー業界最大手の一つであり、多くの優良な蒸留所とブランドを傘下としていました。その恩恵を受けて、このテン・ディスティラリーズも今飲むと決して悪くない仕上がりではあります。
ただ、シーグラムの恩恵は1994年に社長が代替わりするまでのこと。その後は急転直下、盛者必衰の理が待っているのですが。。。その話はまたの機会に。
そしてこのテン・ディスティラリーは当時の日本には馴染まなかったのか、あるいは日本におけるウイスキー冬の時代の到来を受けてか、同じく1990年代中頃にひっそりと終売となっています。

キリン 富士山麓 樽熟原酒 50% 終売を発表 後継品は未定

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いい奴から居なくなる、昨今のウイスキー業界はベタな脚本を見るようです。
富士山麓は2005年にキリンウイスキーの顔になるブランドとしてリリースされ、今から約2年前にリニューアル。値上げを兼ねてはいましたが、それでもコスパ抜群とファンに受け入れられていた人気銘柄「キリン 富士山麓 樽熟原酒 50%」が来年3月に終売となる報道がありました。

ウイスキー原酒不足拡大 キリン、一部販売終了へ(日経新聞 11/28)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO38267140Y8A121C1EAF000?s=2

この終売情報は今月初旬くらいには酒屋に流れており、既に出荷規制中との話も。自分も先日のウイスキーフェスで裏を取らせてもらっていたところでした。
で、いつ記事にするかと下書きを作っていたところにこの報道です。思ったよりも発表が早かったですね。


終売の経緯は「ハイボールブームによる原酒不足」となっていますが、もう少し紐解くと、先日リリースされた上位グレード「富士山麓シグニチャーブレンド(想定価格:5400円)」に原酒を集約するため。
ブレンドの軸に使われる原酒の熟成年数は違いがありますが、シグニチャーブレンドはNA仕様で、特にグレーンは短熟でもそれなりに仕上がるため、数年後を見据えた場合リリースの安定に繋がるのでしょう。

また、昨今原料等の価格上昇から、国産にしろ輸入にしろ原酒の価格も上がっている状況で、採算を考えての決定もあるものと思われます。
50%とエントリーグレードながら高度数設定もウリでしたが、その分酒税も高かったのが富士山麓樽熟原酒。1700円前後を店頭想定価格としつつも、最近ディスカウントショップなどでは税込1500円程度で売られていることもしばしばあり。
別途キリンが販売している御殿場モルト・グレーンや、他のウイスキー価格を調べていただければ(カラクリもおおよそ察しがつくものとは思いますが)、儲け出てるんだろうかと疑問に思っていたくらいでした。終売の事前情報も、驚きはすれど意外ではなかった、というのが率直な感想です。

これらを踏まえると、今年に入りシグニチャーブレンドをショップ限定品から通常流通に切り替えていたのは、樽熟原酒の終売に向けた一手であり、キリンウイスキーの看板とも言える「富士山麓」ブランドを存続させるためでもあったのではないかと考えられます。

(今回終売の富士山麓樽熟原酒50%と2018年8月に一般販売を開始したシグニチャーブレンド。右のピュアモルトはキリン・ドリンクスの限定商品。)

なお、終売となる代わりに富士山麓関連の新商品があるかというと・・・何かしら動きがあるのは記事でも書かれているとおりなのですが、裏を取りきれておらず詳細は不明です。
記事中では次世代に向けて原酒の保全にも動くとあり、加えて上記の経緯を考えると、50%の高度数を維持した商品では確実に値上げでしょうし、価格を維持するなら40〜45%くらいで、使われていたうち熟成した原酒はシグニチャーブレンドに寄せ、残りの原酒で作れるもの。。。例えば「薫風」や「オークマスター樽薫る」の上位グレードあたりではないかと予想します。

余談ですが、キリン以外でもう1銘柄終売だか休売になるという噂もあります。こちらも確認が取れていませんが、ひょっとすると近いうちにまた紙面を賑わすのではないかと考えられます。
ウイスキーブームはオリンピックあたりまで続くとは思うのですが、各社の息切れ具合が、反動となって後の冬の時代に繋がらなければとただただ心配です。

東京インターナショナル バーショー 2018 で遊んでました

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今日はTokyo International Bar Showに参加してきました。
かつてはウイスキーマガジンライブとして、1年に1度のウイスキー好きのお祭り・・・だったのですが、Bar Showとなってからは徐々にウイスキー色がフェードアウトしてる感のある本イベント。今年はタイトルから「ウイスキー」の文字が消えて、ウイスキー色がさらに薄いなんて話も聞くところ。。。とりあえず飲めるだけ飲んできましたので見ていただければ。まあ近年、日本全国でウイスキーフェス的イベントがどんどん増えている中、差別化という意味では正しいのかもしれません。 

記念ボトル狙いの方は早朝から並んでいるらしいのですが、興味の無い自分は開場ギリギリ到着コース。行列を尻目に写真パシャパシャ、スタートダッシュも必要有りません(笑)。
そんなわけで、今回はちょっと実況生放送気味に、回ったブースの情報を更新しながらイベントを楽しんでみました。


【ウイスク・イー】 
ベンリアックグループラインナップがなくなってしまったウイスクさん。しかしキルホーマンとアランに加え、今年は新商品のグレンアラヒーのサンプルが登場!
オフィシャルスタンダードの筆頭となるグレンアラヒー12年は、癖のない酒質にバーボンオーク系のフルーティーさが主体。そこにシェリーオーク由来のコクがバランスを取って上品な味わいで、シェリー樽の比率は全体の3割程度という話。。。には思えない構成(笑)。
ですが決して悪いワケではなく、むしろ今回のイベントで好評だったリリースでした。これはハイボールにしても美味しそうです!
この他、18年は突き抜けた樽感こそないものの、全体的にまとまったマイルドで呑みやすいバランス型、余韻にしみるウッディさが熟成を感じますね。
10年カスクストレングスはバニラと乾いた麦感、あるいは牧草、むせるように納屋の香り。スウィートでモルティ、余韻のオークフレーバーが心地よく感じます。
そして13時から数量限定で試飲が展開された25年は、ナッティーで湿ったオーク、アーモンドやはちみつを思わせる甘く香ばしいアロマ。ややドライながらスムーズな口当たりから、余韻にかけてオーキーなトロピカルフレーバーが広がっていきます。
グレンアラヒーのニューリリース、全般的に癖のないとっつきやすい味わいで、どれを飲んでも美味いシングルモルトです。

【ベンチャーウイスキー(イチローズモルト)】
今年も当然話題になるイチローズモルト。有料ですがWWA2018でワールドベストブレンデッドに輝いたモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドの試飲が出来ます。そのほかは通常ラインナップに加え、ヘビーピーテッドとノンピートのニューメイク。ラムカスクなどのサンプルが用意されています。 

2018年に仕込まれたばかりの原酒2種。イベントでは普段飲めないニューメイクなどを飲んで貰いたいと言うのは、ブースに居た吉川さんの話。
ノンピートは乾燥させた麦芽香と乳酸系の柔らかい酸味、日本酒のようなコクがあり、クセの少ない素直なニューメイク。
熟成に耐える酒質を作り出すため、発酵時間を変えるなど色々試行錯誤しているとのこと。70時間程度かと思っていたら、今は90時間以上発酵させてるんですね。この乳酸っぽさはそこからきてるのかという理解。
ピーテッドはそうした酒質の上にしっかりとピート、スモーキー。短熟でも仕上がる可能性がある素性のいい原酒です。
昨年のニューメイクとはまた違う仕上がりで、日々の進歩と研究の成果を感じます。

【株式会社都光酒販(ロッホローモンド、グレンスコシア、長濱蒸留所)】
個人的に近年のラインナップで成長著しいと感じるのがロッホローモンド蒸留所。インチマリンの衝撃は記憶に新しいところで、今後の展開に期待。グレンスコシアはオーキーでフルーティーな18年が良い感じですね。 
また台湾のナントウ蒸留所、スタンダードのシェリータイプとバーボンタイプを久しぶりにテイスティング。価格が強気なのは相変わらずとして、クオリティは年々上がっている印象。カヴァランもありますし、日本もうかうかしてられませんよ。

そしてその日本のクラフト蒸留所ですが、昨年夏に訪問した長濱蒸留所。バーボン、シェリー、ミズナラなど各種原酒サンプルと共に、ひっそりと都光さんのブースに隣接する形で出展しています。
ニューメイクのヘビーピートが悪くない仕上がりだったので、後は樽と熟成場所ですねという話。色々試行錯誤している ようで、先日はソレラ出のフィノカスクが入っていたようですし、今後のリリースと蒸留所としての成長が楽しみです。

【田地商店(信濃屋食品)】
田地商店さんは信濃屋食品の関連会社で、現地から酒類を調達するインポーター。これまでのバーショーは信濃屋食品がウイスキー中心に出展していましたが、今年は田地商店が同社取り扱いのウイスキー以外のリキュールやカルヴァドスなどを展開しています。
カルヴァドスは昨日記事に投稿したアプルヴァル、有料試飲の1974とヴィクトール含め各種揃っています。 

スタッフ一押しがこのシャマレルのラム。モスカテルフィニッシュとシングルバレル。スタンダードなVSOPも良かったですね。
VSOPは、ヤギューチャレンジならぬクリリンチャレンジで熟成年数当てクイズ。ウイスキー的にはミドルエイジ以上かと思ったら、まさか4年熟成とは。。。そう、若さを感じさせない味なんです。
モスカテルカスクフィニッシュはラム系のブラウンシュガーやハーブのアロマ、コクと粘性のある甘みのある味わい。ウッディな余韻が心地よい。 
そしてシングルバレル。コクと深み、度数を感じさせないウッディさが長い余韻に繋がっています。あーこれはシガーが欲しくなります。 

また、同じラムで今回の出展の中で結構いいバランスとコスパだったのが、レイジドードー。3年、6年、12年の原酒のバッティングらしく適度な深みも感じるバランスのよさ。
トニックで割って、ビターズを垂らしてマジうま。後は塩とグレープフルーツソーダで何このスポーツ飲料的爽やかさw
これはレディーキラーです。田地さんは相変わらず悪い酒を扱われます(笑)。


【フードライナー】
昨年のバーショーで最も気合が入っていたとも言えるフードライナーさん。今年も気合入ってますね!
同社取り扱い、グラッパの有名ブランドであるベルタのほぼ全ラインナップを試飲できて、現地の情報まで聞くことが出来る、グラッパってあまり知られて無いですが、ウイスキー好きに琴線のあるジャンルだと思うんですよね。やはり今年もオススメのブースです。


【キリン】
ウイスキー関連の出展が縮小している中、逆に内容が充実してきていると感じるのがキリンさん。昨年のフェスなどで好評だった樽出しグレーン、今年もやってます。
スペックはバーボンバレルサイズのアメリカンホワイトオークの新樽で、2.5年熟成とのこと。
ヘビータイプのコクが強いグレーンで、ウッディで蜜のような甘みが強く美味い。というか、新樽熟成のグレーンってほぼバーボンに近いんじゃ。
実はスペックは後で知ったのですが、目立った若さもなく、とても2.5年とは思えない味わいですね。

キリンが正規輸入を手がけるジョニーウォーカーブースでは、ジョニーウォーカーが持つフレーバーの要素を加えるハイボール講座を実施。受講するとジョニーウォーカーの帽子(シルクハット)が貰えた粋な計らいも。頂いた帽子、今後のイベントで使う機会が増えそうです(笑)。

【サントリー】
先日発売されて話題となったエッセンスオブサントリーの有料試飲に加え、今年は限定の山崎原酒がエントリー。 
セミナーでは山崎シェリーカスクの2013と2016の比較テイスティングも出す大盤振る舞いだったみたいです。
ニューリリースとなるボウモアNo,1も試飲が出ています。
早速飲んでみると予想以上に軽い香り立ちで淡いスモーク、燃え尽きた灰、ほのかに柑橘、和紙のような紙っぽさ。若干のフローラル。口当たりも軽くスムーズ。余韻にかけてバーボンオークのフルーティーさ。
すごく呑みやすいですね。。。突き抜け感はないですが、バランスはいいと思います。 

ただ若干パフュームにも振れそうな要素があったのは気になりました。んーこれが例の時代に逆戻りなんてならなければ良いのですが。


【アサヒビール】
ブラックニッカの新商品の試飲が出てるのかなと思ったら、意外なことになかった件。リキュール系主体でカクテルブースでした。ただウイスクイーでの取り扱いを終了した、ドロナック、ベンリアック、グレングラッサが6月からアサヒでの取り扱いになるみたいですね。
特に試飲はしませんでしたが、これが今後どのような形で展開されるのか注目です。

【ミリオン商事(EMILIO LUSTAU)】
グレンファークラスでおなじみのミリオンさん。同ブースではグレンファークラスに加えてルスタウのシェリー酒も提供中。ベネシアンドールからの樽出しが楽しめる粋なサービスも!
ナッツ、カラメル、ドライフルーツの酸味。スタンダードのオロロソですが、こうして飲むと香味が開き染み込むような旨さです。

このブースは学ぶことも飲むものも多く、ウイスキーそっちのけで今回一番長く居たかもしれません(笑)。
印象に残っているのが、シェリーブランデーのニューメイク(1回蒸留時点40%)と、同社シェリーブランデーリゼルバの飲み比べ。そしてヴェルモットのベースとフレーバー後の飲み比べ。
シェリーブランデーのニューメイクはウイスキーと違って要するにグラッパ系、香り立ちは多少ツンとしますが、味はフルーティー。
そしてベルモットは普通にベースで美味い。ハーブと柑橘、シロップの甘さ、これはいいリキュールですよ。

ブースにはシェリー委員会の日本代表を勤められる明比さんと、ルスタウのマスターブレンダーであるペレス氏もいらっしゃって、シェリー酒そのもののみならずウイスキー向けシェリー樽の件とか、いろいろ話を聞くことが出来たのも良かったです。
「次はこれを飲んでみろ」と、ペレス氏による本家本元のベネシアンドール?w
ちょうど先日ルスタウ・アルマセニスタのオールドボトルを購入したのですが、流通時期がわからなかったんで「これ知ってる?」と質問。それをきっかけに「よし俺がルスタウについて教えてやる」と言わんばかりにシェリー酒のみならず、シェリーブランデーや熟成による香味構成など、熱く語っていただきました。
これは貴重な経験だ。。。質問したボトルについても「シェリーは長く置くと澱がでるが、それは悪いものではない。度数も高いから問題ないよ」と太鼓判。むしろボトル持っていけば良かったかな(笑)。

【本坊酒造(マルスウイスキー)】
新商品のしなのたんぽぽと、ダブルセラーズ含め、通常ラインナップを出展。
しなのたんぽぽはバーボン樽や新樽系の風味とコクのある味わい。古酒がバランスとってますね。信州の長熟は樽が強い感があるので、むしろこのシリーズのようにブレンドで使うことで活きている気がします。
対してダブルセラーズはフレッシュで若いながら、スモーキーなニュアンスがいいアクセントに。対極にあるボトルですが、よくまとまってこういうウイスキーはハイボールで呑みたいです。

この他、ブースでいくつかサンプルを飲ませて貰っていると、「くりりんさん、次のウイスキートークは参加されるんですよね。現地で待ってますよ〜逃しませんよ〜」と、悪魔のささやきが。
お許しもらえるかなー。是非とも参加したいんですが。。。

【デュワーズ】
ブースとしては12年のハイボールをオススメしていましたが、各レンジの試飲もOK。15年は少々プレーンですが、18年のスムーズな口当たり、オーキーで華やかな熟成ハイランドモルトを思わせる余韻は、長く負担なく楽しめる美味しさです。

【ディアジオモエヘネシー】
MHDさんはラグジュアリーモルトのいつものラインナップ。今年は去年はアードベッグのVRがありましたが、今年は完全にカクテル系。
ウイスキーは200周年のラガヴーリン8年がスタンダード化に伴い積極的に展開。ハイボール美味しいです。
ラガヴーリン8年は今月発売、定価は6100円ってつまり16年と同価格帯なんですが、その辺の整理はどうなるんでしょう。今度教えてボブー!(笑)。

【スコッチモルト販売】
ウイスキーはウルフバーンとコーヴァルを中心に出展。(何気にビールも面白かったという。。。そう、スコモルさんの事務所がある板橋のM's両隣では、なんだか怪しいこと一杯やってるんですよね(笑))
一連のウルフバーンのラインナップを飲んでみると、北ハイランドでスタンダードを取っていけるような、プレーンで丁寧な作りを感じさせる。
また某蒸留所から使用後のクオーターカスクを買い付けているようで、使われた原酒は淡くピーティー。これが意外にいいバランスで、今後も楽しみになりました。


【まとめ(帰宅後追記)】
全てのウイスキー関連のブースを紹介仕切れませんでしたが、気がつけばスタートからラストまで7時間。ぶっ通しで遊ばせて貰いました。普段はWEBで絡むウイスキー関連の知り合いとも会えましたし、充分楽しいイベントだったと思います。
イベントとしては昨年同様にバーショーという名前そのままにブースもエンターテイメント色が強く、バーカウンターを再現したような、かなり凝った造形のものも見られました。
一方ウイスキーはオフィシャルスタンダード中心。マニアックなリリースを求める方には、確かに需要に応えられないと感じるところはあります。ただウイスキー以外の酒類も含めて総合的に楽しむのであれば、上記のように面白さはありましたし、関係者との話の中で勉強になることも多々ありました。

なお一部の出展者からは「こういうイベント構成なら、逆にボトラーズとか持ってきても良かったかも」なんて話もあり、今年をきっかけにまたウイスキー関連の出展が増えるかもしれません。
昔からの参加者としては、やっぱりバーショーはウイスキーマガジンライブであって欲しいんですよね。
そんなわけで出展者の皆様、2日間連続での長丁場大変お疲れ様でした。個人的には今年のイベントもバッチリ楽しませて貰いましたし、来年も参加したいと思います。

富士御殿場蒸留所 シングルモルト12年 赤ワインカスクフィニッシュ 51%

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KIRIN FUJIGOTENBA
Single Malt Whisky
Aged 12 Years
Red Wine Cask Finish
Cask No,7 B019
700ml 51%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(個人所有ボトル)
時期:開封後1ヶ月未満
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:レーズン、徐々にハーブ、ローストアーモンド。奥からリンゴのカラメル煮なども混じる、華やかなでリッチなアロマ。ハイトーンな刺激もあり、フィニッシュに潰されない個性を感じる。

味:濃厚だが、少しベタつきのある口当たり。メープルシロップ、イチジクの甘露煮、クラッカーの香ばしさ。エステリーなフルーティーさもあり、徐々にスパイシー。
余韻は粘性のある甘さ、ウッディで徐々にビター、スモークベーコンを思わせる燻したような煙を感じる。

多少べたつきが感じられるが、赤ワインカスク由来のリッチな香味を、骨格のしっかりした原酒が支える。加えピートのニュアンスなど、個性的かつパワフルで面白みのあるシングルモルト。


キリンウイスキーマスターブレンダーの田中氏が、ウイスキーアワードIOW2017で世界一に選出されたことを受け、その記念に4樽製造するうちの初めの1樽。
10年もののピーテッド原酒を、シャトーメルシャンの赤ワイン樽(フレンチオーク)で2年間フィニッシュ。ピーテッド原酒もそうですが、赤ワインフィニッシュというのも、富士御殿場蒸留所=バーボン樽なリリース主体の中で珍しく、個性的な組み合わせが注目を集めました。

個人的に今回のリリースは、富士御殿場蒸留所のモルト原酒待望とも言える1本です。
それは赤ワインフィニッシュが・・・では無く度数。富士御殿場のモルト原酒は、基本的に50%で樽詰めされる(グレーンは55%)ので、熟成の間に度数が下がり、50%を維持することはまずありません。
結果、モルトのみではスモールバッチ17年46%でも結構ギリギリという、短熟向け原酒となるのですが、その富士御殿場から、ついに50%越えのシングルモルトがリリースされたのです。

(富士御殿場蒸留所で主に使われている、バーボンの空き樽。フォアローゼズ蒸留所にて撮影。今回のワインカスクフィニッシュにも、バーボン樽由来の華やかなアロマが潜んでいる。Photo by T.Ishihara)

今回の原酒が仕込まれた12年前は、旧富士山麓の開発最盛期。2004年後半〜2005年前半(富士山麓は2005年9月発売)にあたり、様々な度数の原酒を試す中で試験的に高度数で仕込まれた原酒だったのではないかと推察。あるいは、稀に起こりうる熟成の最中に度数が上がる現象が起こったのかもしれません。
バーショーで確認するタイミングを逃してしまったので(単に聞き忘れていただけとも言う)、次回関係者にお会いした際に聞いてみたいと思います。
あるいは、確認された方いらっしゃいましたら、是非教えてください!

先に書いたように、今回のリリースは4樽選ばれたうちの一つとされており、今後残りの3種がリリースされるようです。
ワインカスクフィニッシュ12年は、ワイン樽のニュアンスの奥に、富士御殿場モルトらしいエステリーさ、オークフレーバーの華やかな香味もあり、できればバーボン樽との王道的な組み合わせの50%Over原酒を試したいという気持ちがさらに強くなりました。
今後続くリリースが一層楽しみです。

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