タグ

タグ:キャンベルタウン

スプリングバンク 1965-1996 ロンバート ジュエルズオブキャンベルタウン 46%

カテゴリ:
IMG_20190414_182347
SPRIGNBANK 
LOMBARD'S 
Jewels of Campbeltown 
Aged 30-31 years 
Distilled 1965 
Bottled 1996 
700ml 46% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:BAR Sandrie
評価:★★★★★★★(7)

香り:ドライでエステリー、熟した洋梨、乾いた麦芽やおしろい、仄かにマンゴーや柑橘を思わせるフルーティーなアロマ。奥にはスモーキーなニュアンスも。

味:若干水っぽさはあるが、スムーズな口当たり。オーキーでエステリーな要素を伴う麦系の厚いフレーバー。中間から薄めた蜂蜜、リンゴのコンポート。余韻はウッディでドライ、焦げた木材や土っぽいピート、仄かな塩気を伴い長く続く。

エステリーでスペイサイドを思わせる綺麗な香味だが、麦芽風味の厚さや余韻のピートがキャラクターを主張してくる。一方で加水の影響か、樽が多少浮わついてメリハリに欠けるようにも感じられた。


ロンバートがリリースする"JEWELS OF SCOTLAND"シリーズのはしりと思われるもの。
ロンバート社はウイスキー原酒の商社的な(買い付けて、ブレンドメーカーに流す)商売をしていたためか、蒸留所やボトラーズとのコネクションがあり、1980年代から1990年代は特に優れたリリースを排出しています。

一方、企画が続かなかったケースもあり、例えばソサイエティを意識したように独自のナンバリングを蒸留所に振り分けてリリースを開始したゴルフシリーズは、10蒸留所に満たず終了。このジュエルズオブキャンベルタウンも、ゴルフシリーズの流れで考えるとスペイサイド、ハイランド、ローランドと各地域作りたかったのかもしれませんが、それらはリリースされることなく、Jewels of Scotland で統一されて現在に至っています。
ひょっとしたら、自社としてはそこまで先を見通せるストックがなかったのかもしれません。

さて、今回のボトルですが自分のイメージする60年代のスプリングバンクとは異なっていて驚きました。
もっと麦というか蝋のような独特のニュアンスや、ボディも強いものかと思えば、エステリーで華やか、綺麗な構成で序盤はまるで長熟スペイサイド。勿論余韻にかけてバンクらしさもあって充分美味しいモルトですが、この女性的で綺麗な仕上がりはちょっと意外。
狙った訳ではないでしょうが、"キャンベルタウンの宝石"の名は伊達じゃないということか。。。
仕上がりの傾向としては、近年のボトルだとブティックウイスキーからリリースされた、スプリングバンク1995にも似た感じだと思います。

なおテイスティング時点は、開封からそこまで時間が経ってなかったので、この夏にかけてまたキャラクターが変わってきているかもしれません。
特に全体的に香味が開いてくると、ボリュームアップして期待するポテンシャルが感じられるようになるはずです。

スプリングバンク 8年 1980年代流通 特級表記 ペアシェイプボトル 43%

カテゴリ:
IMG_20190410_195603
SPPRINGBANK 
Aged 8 years 
100% Pure Malt 
1980's
750ml 43%

グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封直後
評価:★★★★★★

香り:強い麦芽香主体。蜂蜜レモンやグレープフルーツ、干し草、ピーティーでほろ苦いアロマがしっかりと香り、塩素を伴うスモーキーさが主張する。

:骨格がしっかりしてアタックが強く噛み締めるような味わい。おしろいっぽさのある麦感、コクのある塩気、イチゴの白い部分を思わせる酸味と仄かな柑橘感。ピーティーで香り同様にビター。余韻はスパイシーでドライ、長く続く。

樽はリフィル、あるいはサードフィルタイプのシェリー樽とバーボンオーク。つまりアメリカンオークと麦感、塩気やピートを伴う荒さ、若さゆえにアタックの強い味わいが経年でこなれ、ほどよくまとまっている。

IMG_20190410_195641

日本で比較的流通量の多い特級時代のシングルモルトのひとつ、スプリングバンク。そのため飲む機会も必然的に多くなるボトルですが、現行品のように華やかではないものの、なかなか味わい深く、そして強い味わいが魅力の1本です。

このボトルの原酒が流通した頃のスプリングバンクは、現在と異なり中々苦境にあったようです。
シングルモルトとしての評価は、1980年代の現地新聞社主催のコンペで金賞を獲得するなど、愛好家による評価は決して低いものではなかったようですが、ブレンデッドの需要が少なかったのか蒸留所は1979年から1987年まで創業を休止し、ストックを売るだけの環境にありました。

需要と供給のバランスがとれてなかったのでしょう。
ウイスキーの冬の時代が始まろうとするまさにその時期にいきなり休止。その後シングルモルトブームが起こりはじめて、その品質に見合う人気得た・・・ということなのだと思いますが、閉鎖という決断をするくらいですから相当原酒が余っていたのだと思われます。
まあこの判断が、結果将来的にミドルエイジ以上の原酒の不測も招くことになるのですが。。。

今回のペアシェイプボトルは、まさにその休止前の1970年代に蒸留した原酒を使ってリリースを行っていた時代です。
加えてスプリングバンクといえばフロアモルティング。しかし同蒸留所は操業休止の前後、1960年代にフロアモルティングを中止し、1992年に再開した歴史があるため、この時代のボトルは近年スプリングバンクと言って連想する造りのボトルではないのかもしれません。

しかしながらその味わいは風味が強く、武骨で、媚びたような華やかさがないのに惹き付けられるような魅力がある。フロアモルティングという仕組みにどれ程の付加価値があるのか、逆にわからなくなるようなリリースです。

ロングロウ 18年 オフィシャル 46% ブラインド

カテゴリ:

LONGROW
Aged 18 years
Cask type Sherry
Release 2013
700ml 46%

【ブラインドテイスティング解答】
地域:キャンベルタウン
蒸留所:スプリングバンク(ロングロウ)
年数:12年程度
樽:シェリーを含むバッティング
度数:43%程度
仕様:オフィシャル、加水

グラス:木村硝子テイスティング
時期:不明
場所:自宅@ブラインドサンプル
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:蝋燭、生焼けホットケーキ生地とキャラメルが混じったような甘いアロマ。スワリングしているとウッディで黒砂糖を思わせるシェリー香とオレンジママレードを思わせる熟成感。

味:水っぽさのある甘い口当たりから、香り同様に蝋のような麦芽風味が主体。ほのかに粉末魚粉、奥には黒砂糖やカラメルソースを思わせるシェリー風味。ややべたつく甘みから、ほろ苦く土っぽいさ、若干の渋みを感じるドライな余韻。味の濃さの割に長くは続かない。

スプリングバンク蒸留所系列の独特の個性があり、関連するボトルであることは間違いない。ボディと個性はしっかりしているが、何処と無くシェリー感に混ざったような、あるいは水っぽさとも感じる。フレッシュシェリー樽的なモノが使われて、シェリーそのものが結構混じっているのだろうか。


ウイスキー仲間のぎんがさんからのブラインド出題、ラスト1本。このサンプルはここまでの2本(グレンカダム、ダラスデュー)とは異なり、個人的には非常にわかりやすい個性が備わっていて、ノージングで系列蒸留所、つまり近年のスプリングバンク仕込みであることは絞れました。

ウイスキーを飲むと、モルティング済みの麦芽の白い部分をかじったような・・・おしろいやお粥のような香味がする原酒があります。
近年のスプリングバンク系列の場合、その風味が濃いというか独特。自分の感覚では蝋燭っぽさだったり、ホットケーキミックスをこねた後のなま生地のような香味だと認識しています。
該当するのはヘーゼルバーン、スプリングバンク、ロングロウ、そしてキルケラン。前者の麦芽風味はハイランド地方を中心に多く見られますが、後者の香味が出ているのは近年のスプリングバンク系列以外で経験がありません。

そこにビターなくらい効いたピートとなれば、残るはスプリングバンクかロングロウです。
一方、口当たりで感じた樽感の緩さというか水っぽさ、そして中間から余韻にかけての樽感のベタつきが今回のアヤ。まだ若く樽感と酒質が一体化してないような。。。熟成年数が12〜15年くらいのオフィシャルシングルモルトで43%程度を想定しましたが、正解はどちらもそれより長く高い。開封後の時間経過によるものか、樽成分由来か、ただまあ冷静に考えると、予想したバンク系列の蒸留所の時点でオフィシャルは46%仕様でしたね(笑)。


そんなわけで、ノージングの段階である程度絞れていたブラインドでしたが、弾幕となったのが今回の出題意図。このサンプルに似てると思うと提示されていたのが、「スプリングバンク21年2018年リリース」。
まさか同じ系列の蒸留所を入れてくるか?と散々勝手に悩まされました。
ああ、全くなんて腹黒い出題者なんでしょう。

自分は今年のスブリングバンク21年は飲めていないため、この構成についてコメントできないですが、2017年リリースの21年は先日飲む機会があり、やはり先に述べたように麦芽風味に独特の個性が感じられます。
ピートの有無、発酵層や蒸留器、そして麦芽の品種。これらが入れ替わっても該当するフレーバーは替わらないため、これはスプリングバンクのフロアモルティング由来と考えるのが妥当。。。ただ、実際のところどうなのかはわかりません。
しかし近年、様々な蒸留所で酒質が細くなりつつある中、こうした樽でもピートでもない小手先だけではない個性は得がたいもの。蒸留所として高い評価を受けているのも、納得出来ると感じています。


以上で今回のブラインド出題の解答は終了です。
テイスティングの経験を得られるだけでなく、その独特な出題方法から、サンプルに対する認識のキャッチボールをしているような興味深いブラインドでした。ぎんがさん、改めて出題ありがとうございました!

グレンスコシア 30年 1969-1999 OMC 50%

カテゴリ:
IMG_6526
GLEN SCOTIA
Old Malt Cask
Aged 30 years
Distilled 1969
Bottled 1999
700ml 50%

グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:BAR飲み
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:柔らかい香り立ち。淡い麦芽香、品の良いリフィル系のオールドシェリー香は、サルタナレーズン、シフォンケーキ、ほのかにカラメルソースのニュアンスを伴い穏やかに広がる。

味:スムーズな口当たり。素朴な麦芽風味からじわじわと杏や煮た林檎のフルーティーさ、軽くナッツやキャラメリゼ。
余韻は染み込むようにウッディでトロピカル。ほのかなピートフレーバー、グレープフルーツのワタを思わせるほろ苦さを伴い長く続く。 

古き良き時代を思わせるオールドテイストなモルトウイスキー。樽が過度に主張せず、そこにしっかりと存在感のある麦芽風味がバランス良く感じられる。突き抜けないがしみじみと美味い。


今となっては貴重なグレンスコシアの1960年代蒸留にして、1970年代後半の大規模改修工事前の素朴な味わいが楽しめる1本。近年蒸留所がロッホローモンド傘下となってからは、樽感も果実味も酸味や少し発酵したような癖のあるニュアンスが伴いますが、かつては素朴な麦芽風味に加えて灰っぽさや特徴的なほろ苦いピートフレーバーが感じられる、滋味系なモルトウイスキーでした。(この辺はブリタニア8年やグレンネヴィス12年のモルトを飲むと特徴がわかりやすいと思います。)

今回のボトルはその長期熟成品で、同様の麦感をベースとしつつ、熟成によるカドのとれた香味と60年代らしいトロピカルフレーバーも加わって、ハイプルーフでありながら何杯でも飲めてしまうような味わい。充分美味しいモルトですが、2000年前後のOMCはこの素晴らしいモルトが埋もれてしまうくらい60〜70年代蒸留の原酒をガンガンリリースしていたのですから、とんでもない時代でした。


さて、グレンスコシアは専門書などでキャンベルタウン衰退の歴史と共に語られることの多い蒸留所です。
同じ地域の代表的蒸留所であるスプリングバンクは、不況と悪評になんとか耐え抜きましたが、グレンスコシアは複数回の閉鎖と買収を経験していることが、その歴史にリンクしているように感じられるからかもしれません。

衰退の要因はいくつかありますが、中でも代表的なものがキャンベルタウンの各蒸留所が粗悪なウイスキーを量産してアメリカ市場に販売していたことで、結果同地域産のウイスキー全体に悪評としてダメージを与えたことが背景にあるわけですが。。。
なお、この歴史を近年のジャパニーズウイスキーに当てはめると、対岸の火事ではなく、同じ道をたどっているようにも思えてなりません。
願わくば、日本は同じ轍を踏むことが無ければ良いのですが。。。

スプリングバンク ローカルバーレイ 10年 2007-2017 57.3%

カテゴリ:
SPRINGBANK
Local Barley
Aged 10 years
Distilled 2007
Bottled 2017
No of bottles 9000
700ml 57.3%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:強いウッディさからオレンジピール、ザラメ、キャラメル、燻した麦芽。香りに溶け込んでいるようなスモーキーさ。ほのかにハッカと硫黄香のニュアンスも。

味:口当たりは粘性があり、蜂蜜や淡いシェリーのニュアンス、干し草、出がらしのお茶、奥から麦芽風味。やや荒さがあり、徐々にヒリヒリとした刺激が感じられる。
余韻はドライでスパイシー、存在感のあるピートとローストした麦芽の香ばしさ。パワフルで長く続く。

酒質のらしさよりも樽感が強く、相乗効果で味の濃い短熟系シングルモルト。特にシェリー樽熟成の原酒が香味に複雑さを与えている。好みを分ける味わいだが、加水すると華やかな樽香が開いて親しみやすくなる。


スプリングバンクが2015年から5年間で5作リリースを予定している、ローカルバーレイシリーズの3作目。
蒸留所から8マイル以内にある農場で作られた地元産の麦芽を、地元産のピートを使ってフロアモルティング。近年のスプリングバンクは、トミントールなどの内地のピートを2種類使っているようですが、ローカルバーレイ用には現地のものを調達しているようです。

率直な感想を述べれば、他のスプリングバンクと比較して、これぞローカルバーレイというほど地元産原料を使うことに対するメリットは感じないのですが、ウイスキーは古来"地のもの"であったわけで、特別感を楽しめるのは事実。
また、独自のモルティング由来か、近年のスプリングバンクの味の強さ、癖、麦感は健在。樽比率はバーボン樽70%にシェリー樽30%で、酒質をさらに上塗りする複数の混じったような樽感が味の複雑さに繋がっていると感じます。


さて、これまでのローカルバーレイ3作を振り返ると、酒質由来の香味が強かったファーストリリースの16年に対して、この2年間の11年、10年と、熟成年数が短くなるごとに樽感が強くなっていく傾向が感じられます。その樽感は、ローカルバーレイ11年は通常ラインナップの10年、ローカルバーレイ10年は15年の延長線上にあるという印象です。

その仕上がり具合には様々な意見がありますが、短熟化が進んだためか特別なラベルを背負うオフィシャルのリミテッドでありながら、手を出しやすい価格帯のリリースが続いたのは、その手のリリースをとんでもない値付けで展開しがちな某社と違って有難い方針でもありました。
今年、そして来年のリリースは18年程度のミドルエイジに戻っていくか、あるいは8年などのさらに短熟を挟んで、1999年仕込みで20年か21年熟成まで引っ張ってフィニッシュでしょうか。

なお、ローカルバーレイの仕込みは現在進行形で行われており、以下の写真のようにローカルバーレイであることは鏡板にも書かれています。この5作とは別に、引き続き10年から15年程度のリリースが続くのではないかとも感じています。 

このページのトップヘ

見出し画像
×