タグ

タグ:カフェシリーズ

ニッカ カフェウォッカ 40% サンプルレビュー 6月27日発売

カテゴリ:
IMG_3926
NIKKA WHISKY
COFFEY VODKA
180ml 40%

(常温)
淡いアルコール感、穀物香と柔らかい酸味も混じる。クリアな中に穏やかな原料由来の香味が残っている。
柔らかいコクのある口当たりから、微かに穀物のほろ苦さと乳酸のようなニュアンスを伴う甘み、ジンジンとした刺激も混じる。余韻はほろ苦く淡い酸味を伴いすっきりとしている。

(冷凍)
香り立ちはクリアで澄んでおり、清涼感を感じる。ほんの微かに乳酸、パイナップルのような爽やかなアロマが混じる。
飲むと柔らかいコクを感じる口当たり、クリアな味わい。品の良い穀物風味と果実にも通じるまろやかな酸味がアクセントに。余韻はほろ苦く、嫌なところが少なくすっきりとしている。

下手なウイスキーよりも面白い、驚きのウォッカ。
常温ではカフェスチル由来の柔らかいコク、香味の残った味わいがわかりやすく、冷凍すると清涼感すら感じる香り立ち。
総合的に見ると冷やして飲んだほうが"らしさ"をより楽しめるか。夏場は冷凍庫へ。

カフェウォッカ

昨日紹介したカフェジンとあわせ、アサヒビールが6月27日に発売する、もう一つのカフェシリーズ。カフェスチルを用いて作るピュアなホワイトスピリッツ、カフェウォッカです。

※6月27日発売、カフェジンのサンプルレビューはこちら

「ニッカのカフェスチルは旧式で、アルコール精製度が低い分、香味成分が残った豊かな味わいのグレーンを作り出せる。」
ウイスキーを嗜む人ならば、一度は聞いたことがあるであろうニッカの売り文句の一つです。
確かにカフェグレーンは他社のそれよりも甘みが強く、しっかりとした穀物由来のフレーバーが感じられるのですが、それは蒸留機由来の香味なのか、あるいは使われる原料の比率や種類、樽、熟成環境・・・などの諸要素からくるものなのか。多くの要素が重なっている熟成原酒ゆえに、どこまでがそれか確証が持てずにいました。

そしてその疑問は、このカフェウォッカを飲んで氷解するのです。
製造方法はカフェスチルで蒸留した、大麦とトウモロコシを原料とするスピリッツをブレンド、加水の後、白樺炭で濾過。いたってシンプルなものですが、クリアな味わいを出しつつ香味成分は残したい、白樺炭濾過は強度を極力少なくする代わりに、スピリッツの質にこだわっているそうです。
その結果、透明感のあるウォッカらしい香味に加え、ウォッカらしからぬ柔らかいコクのある口当たり、原料由来の優しい香味が残る味わいへと繋がっているのだと感じます。

自分はもっぱらブラウンスピリッツ派で、ジン以上に、ウォッカはカクテルベース。ストレートで飲むことはまずありません。
「とろっとろに冷やせば美味しいよ!」という意見も少なからず聞くのですが、独特とも言える無臭のアルコール感は慣れる事が出来ず、この感覚は理解できないなと、いくつかのウォッカを飲んで感じていました。
正直今回のカフェシリーズのリリース情報を聞いても、ジンはまだ楽しみな部分があった一方、ウォッカは「ブラックニッカクリアのカラメル色素抜きでしょ」なんて思っていたのです。

それだけに、最初の一口の衝撃は大きかったですね。その後1日冷凍庫に入れ、その清涼感あるアロマに2度驚かされました。
ウォッカらしいアルコール感が完全にない訳ではありませんし、麦を含む穀物由来の香味や、コクのあるボディがウイスキー党の自分にとって馴染みやすかったというのもあると思います。
しかしながら、そうした構成から下手なウイスキーよりも楽しめると感じたのはテイスティングの通りです。
このカフェウォッカ、素性が良いだけに様々な飲み方で使えそうです。
夏場、キンキンに冷やしたものをストレートであおるのも良いですが、ゆるく飲むならロックがこのウォッカのいい部分を長く楽しむ事が出来たと感じます。

カクテルもいくつか試したところ、キリッとドライに仕上げたい場合はさておき、コクのある味わいが土台となってカクテルを構成するフレーバーを包み込む、このボディ感は強みになると感じます。
オーソドックスなウォッカトニックは、ベースとなるカフェウォッカに甘みがあるので、ドライなタイプのトニックウォーターを使うか、あるいはソニックにしても面白い。レモンは控えめで、すっきりとして柔らかい甘みと爽快感を楽しめます。

この夏のお供候補生にして、ウイスキー好きにこそ飲んでもらいたいウォッカ。価格はカフェジンと同じ4000円少々。ウォッカとしてはプレミアムグレードですが、ウイスキーとしてならエントリーグレードで常識的な範囲・・・。
それこそ、黒塗りグラスでブラインドテイスティングなんてやったら、面白いと思いますよ。

ニッカ カフェジン 47% サンプルレビュー 6月27日発売

カテゴリ:
ニッカカフェジン
NIKKA WHISKY
COFFY GIN
180ml 47%

(常温)
柔らかくフルーティーな酸味、林檎、オレンジ、微かに柚子も思わせる爽やかさ。徐々に山椒のスパイシーさ、ベクトルの違う香りが開いてくる。
香り同様柔らかくコクのある口当たり。そこから柑橘、オレンジピールを思わせるほろ苦さ、山椒の爽やかな香気が鼻腔に抜け、スパイシーな刺激がジンジンと染み込むように長く続く。

(冷凍)
ややドライ、クリーンで高い香り立ち。シトラス、柑橘系の爽やかさ主体。微かに山椒とジュニパーのアロマ。 
口に含むと香り立ち同様にドライ、柑橘系の爽やかさから山椒の香気が鼻腔に抜けていく。余韻は常温同様にスパイシーでほろ苦い。

しっかりとした飲み応えと柑橘や山椒の爽やかな香味が特徴のジン。常温か、冷凍か、オススメの飲み方は少々悩ましい。
カフェスチル由来のコク、果実由来の柔らかい酸味は常温のほうがわかりやすいが、このレシピのキモとも言えると山椒のスパイシーで爽やかな香気は、冷やしたほうがダイレクトに鼻に抜けていく印象。とりあえずまずは常温で一口、その上で様々なレシピも検討したい。

アサヒビール、並びにニッカウイスキーが、世界的に広がりを見せつつあるプレミアムジン市場に投入する意欲作。ニッカのウリの一つとも言える、カフェスチルで作る"カフェジン"です。
先月、同カフェシリーズのジンとウォッカのサンプルを入手し、早々に雑感をご紹介したところですが、発売日となる6/27も近づいたところで個別に記事にしていきます。

※6月27日発売、カフェウォッカのサンプルレビューはこちら。

ウイスキーブームにより市場が拡大し、ハイボールなどの文化が定着したことで瞬間最大風速ではなくウイスキーが日本で日常的に飲まれる酒類として定着しつつある昨今。ブラックニッカの限定品でウイスキー入門層にこのジャンルの楽しさをPRするアサヒビールの次なるチャレンジは、ブラウンスピリッツではなく、ホワイトスピリッツ、ジンとウォッカでした。
この発表はウイスキー愛好家に少なからず驚きを与えたところですが、時同じく、サントリーもプレミアムブランドとなるROKUと共にジン市場への参入を発表。
その他、マルスウイスキーや京都蒸留所などクラフトディスティラリーが以前からクラフトジンを展開しており、今年の夏はジン市場における、爽やかでありながらアツい各社の戦いが見られそうです。

今回発売日されるカフェジンは、カフェスチルで作るとうもろこし、大麦を主原料とするグレーンスピリッツに、
①山椒。
②ゆずなどの和柑橘、りんご。
③ジュニパーベリーなど。
のボタニカルの元となる原料をそれぞれ漬け込み、再蒸留しブレンドしたものです。
先日開催された東京バーショーで聞いたところ、この「山椒」についてはかなり拘って、産地から厳選したとのこと。また、その一部にりんごをチョイスしてるところが、ニッカらしいですね。

個人的に、タンカレーに代表されるようなジンの香りは好みなのですが、アルコール感あるドライな口当たりや、ジュニパーがきいてギスギスするようなタイプが多く苦手。カクテルはともかく、ストレートを好んで飲むことは基本ありません。
しかしこのカフェジンは、意外と飲めるのです。
こだわったという山椒の香味は、スパイシーで爽やか。好みを分けるかもしれませんが、果実の柔らかい酸味とほろ苦さ、カフェスチル由来と思しきグレーンスピリッツのコクがそれを包み込んで、アクセントの一つとして楽しませてくれるのです。

それこそ山椒のニュアンスはパンチ、アイラモルトのピート香のように、和の個性の一つという位置付けなのだと推察。もっとフルーティーで柔らかく飲みやすいジンを作ろうと思えば作れたのだと思いますが、カクテルのベースとして使うに当たって、あるいは海外に売り出していく中で、それでは面白くないという方針なのかもしれません。
(林檎ベースのカフェジンとか、飲んでみたくはありますが。。。)
というわけで、ストレートやロックでのテイスティング以外に、ジンソーダ、ジントニックと基本的なカクテルレシピから試してみます。
今回の販促サンプルは、試飲以外にカクテルも試せるようにと、180ml仕様なのです。有難いですね。

まず、ジンソーダは大人の味、かなりドライでシトラスと山椒の香るさっぱり感の強い味わいに仕上がる一方。ジントニックはスピリッツそのものの柔らかさがトニックウォーターの甘みと混ざり、染み渡るような味わい。
ライムの皮のほろ苦さ以外に、微かに残る山椒の香気。いやーこれはゴクゴク系です。
トニックウォーターはフィーバーツリーと、広く流通している万能型のシュウェップネスで試しましたが、どちらも問題なく馴染んでくれます。
強いて言えば甘口が好みな人はシュウェップネスのほうがオススメですが、ジンの香味をより活かせたのはフィーバーツリーだったかな、という印象です。


この新商品、アサヒビールとしては一般市場もさることながら、国内外のBARに広く売り込んで、プロのカクテルから愛好者に良さが広まって欲しいと考えているそうです。
確かにウイスキーならともかく、4000円を超えるプレミアムグレードの価格帯にあるカフェジンが、一般にホイホイ売れるとは考えられません。
1000円台のボンベイ、ギルビー、2000円台から展開されるタンカレーシリーズ、スタンダードブランドには実力も伝統もあるライバル多数であるところ、他メーカーのクラフトジンもあります。

正直、ジンについてはさわり程度しか知識もないので、多くは語れませんが、これまで経験してきた中で、ジンと言えばドライで飲み口の硬いものが多い一方、その逆に位置付けられるカフェジンがどのようなカクテルに使われ、受け入れられていくかは興味深く、まさにチャレンジです。
今回は自前でカクテルを作りましたが、発売後のプロのレシピ、プロの味も楽しみにしています。

ニッカウイスキー カフェシリーズの新商品を6月発売(レビュー有り)

カテゴリ:

クロスオーバーを発表したニッカウイスキーから新たなリリース。同社の売りとも言えるカフェスチルで作る、カフェジン、カフェウォッカを6月にも発売するとの情報が入りました。
新商品の2銘柄は、既存ラインナップであるカフェモルト、グレーンに次ぐ、カフェシリーズの一角に位置付けられています。
   
NIKKA COFFEY GIN
700ml 47%
NIKKA COFFEY VODKA
700ml 40%
※6月27日発売予定
※希望小売価格:4500円

元々ジンやウォッカは、蒸留機によって精製したアルコール。つまりウイスキー蒸留設備があるどの蒸留所でも作る事が可能であり、イギリス、アメリカ等では新興蒸留所を中心にオリジナルブランドが製造されている模様。
イギリスでは今、ちょっとしたジンブームにもなっているようですね。

日本はと言うと、愛好者は一定数居る中で、同じ蒸留酒でも少々マイナー領域と言わざるを得ません。
直近だと京都蒸留所がリリースするクラフトジン"季の美"が話題になりましたが、それも一部コアユーザー間であり、ましてウォッカなど。。。カクテルで飲まれることは多くあるも、そのまま、あるいはロックなどの飲み方は、ウイスキー以上に少数派と言っても過言ではない状況です。
かく言う私もBARでカクテルを注文したり、新商品が出ればテイスティングはしますが、ホワイトスピリッツを普段飲みにするかというと中々馴染めません。
(ジンやウォッカを愛飲されている方を否定する訳ではありません。)

そんな日本市場に、ジンとウォッカを投入するその心。ウイスキー愛好者の間では、熟成しないで販売できるホワイトスピリッツは、クラフトディスティラリーが「原酒が熟成するまでの間、繋ぎとして販売するもの」とする認識があり、商品がユーザーに受け入れられるか以上に「ニッカはそこまで原酒がヤバいのか・・・」と勘ぐってしまいました。
ただ、それは両リリースを一口飲めば、新規の市場獲得を狙っている、実に野心的なリリースであることが伝わってきます。

今回、クロスオーバーの販促サンプルと同時に、カフェジンとウォッカのサンプルも入手。様々な飲み方にトライしているところです。
なお、これらのサンプルはメーカーから直接貰っている訳でも、依頼されてるわけでもありません。知人繋がりで入手しているもので、以下は両リリースについての自分の本音ベースの話です。

後日個別に記事化しますが、まずは全体概要から。
カフェジンは、レシピに通常使われるジュニパーベリー以外、オレンジ、柚子などの和柑橘、そして林檎を使用し、一般に販売されているジンのギスギスとしてドライな飲み口とは異なる、柔らかく、どこか奥ゆかしい爽やかさが特徴的。更に山椒を効かせることで、余韻にかけてフレッシュな香気が立ち上ります。
カフェウォッカは、穀物の甘みとほのかな酸味、そしてコクのある口当たり。ここまで飲みやすいウォッカは記憶にありません。
どちらにも共通してアルコール臭さは少なく、一般的に流通している同ジャンルの既製品を飲み進まない自分が、冷やさず常温ストレートで抵抗無く飲めてしまうほどの飲みやすさがあります。

両リリースのコンセプトは、カフェスチルによって香味成分を多く残す、香り高く味わい深いスピリッツ。
ジンもさることながら、ウォッカは特に効果を感じやすく、カフェグレーンやカフェモルトより普段飲みに使える飲み飽きないバランス。その味わいは、下手なウイスキーなら代用品にもなり得るのでは。。。という印象です。

まさに日本人をターゲットとしたようなスピリッツ。舌の慣れているコアなユーザーからすれば、癖や刺激の物足りない味わいかもしれませんが、このリリースから入ってさらに様々な銘柄の魅力を経験出来れば、新しいブームに繋がる可能性もあります。

しかし物は良くても、厳しいことを言えば、その売り方でしょうか。
例えばハイボールブームの仕込みのように、CMや缶飲料などの手を出しやすいところから入るのではなく、いきなり本命をドカンと出して本丸を狙ってくるこの感じは、不器用だな〜という気がしてなりません。
値段も希望小売価格4500円、実売4000円前後となると、同ジャンルではプレミアムな価格帯。コアユーザーから注目されているレンジではありますが、果たして一般的な家飲みに馴染むか。。。という疑問もあります。

ただ、中身は自分の知る限り唯一無二とも言える魅力があり、これが一般市場に広く出回る面白さ。長寿となるか、短命で終わるか。
聞くところでは、5月13日、14日開催のバーショーでPRも行われるとのこと。反響を見ていきたいですね。(自分は今年の夏の家飲み用に、どちらも買うと思います。)
長々書いてしまいましたが、本日はこの辺で。後は個別レビューに続きます。

このページのトップヘ

見出し画像
×