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オールドフィッツジェラルド 6年 1960年代流通 43%

カテゴリ:
OLD FITZGERALD
Kentucky Straight Bourbon Whisky
Aged 6 years
1960's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:持ち寄り会 KuMC@NS氏
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:リッチでメロー、キャラメルやメープルシロップの艶やかな甘み。林檎のコンポート、バニラ、トーストしたバケットのような若干こげ香を感じさせるウッディネス。

味:マイルドでとろりとした口当たり、メローな甘みの中にチェリーのシロップ漬け、ドライクランベリーを思わせる酸味がアクセントに。ボディは加水が効いて穏やか。余韻は若干ベタつくチャーオーク系の甘みがあるが、程よいタンニンが序盤の甘みを引き締め、バーボン特有のメローな香気を鼻腔に抜けつつ長く続く。

濃厚さの中に飲み口のマイルドさ、甘みと酸味と苦味、そして熟成感。全体のバランスが整ったバーボン。このメローな味わいをストレートでじっくりと楽しみたい。勿論葉巻を合わせても良い。出来れば熟成した柔らかいタイプのものを準備したいところ。


今は亡きスティッツウェル・ウェラー蒸留所時代のオールドフィッツジェラルド。
同ブランドは、2014年まではヘブンヒル・バーンハイム蒸留所で製造されていましたが、ブランド整理を受けて終売。最近はめっきり姿を見なくなってきました。

しかしそれ以上にオールドフィッツジェラルドと言えば、オリジナルのルーツを汲むスティッツウェル・ウェラー時代(1992年以前)に惹かれるのが愛好家というもの。
1870年に蒸留所オーナーであったフィッツジェラルド氏のプライベートブランドとして作られていた同品は、禁酒法を経た後、2代目オーナーであるヴァンウィンクル氏の元で一大ブランドに成長。今回のボトルはまさにその当時の1本。ライ麦ではなく小麦を使ったバーボンの祖にして、失われた味わいとしてバーボンファン垂涎のボトルであります。

口当たりは柔らかく、味わいは濃厚にしてマイルド。オールドバーボンらしく、コクと艶のある樽香がマッチして、実に飲み心地の良い1本です。
今回のボトルは当時のオールドフィッツジェラルドの中でもスタンダードクラスのブランドですが、これが熟成していくとさらに芳醇な味わいに仕上がっていくのですが、今回のボトルは今回のボトルで当時のスタンダードの中ではずば抜けてますね。

素晴らしいバーボンのテイスティング機会を頂き、ありがとうございました!

オールドフィッツジェラルド 1970年代流通 アメリカ独立200周年記念 43%

カテゴリ:
OLD FITZGERALD
American Sons of St.Patrick Bottle
1776-1976 Bicentennial 
1976's
760ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@個人所有ボトル
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(6-7)

香り:柔らかく甘い艶のあるアロマ。メープルや蜂蜜のかかったホットケーキ、ドライクランベリーを思わせる甘酸っぱさのアクセント、ほのかに焦げたウッディネス。

味:スムーズでコクのある口当たり。バニラやキャラメリゼの甘くほろ苦い広がりに、じわじわと植物感、ライトな穀物風味、軽やかなスパイス。
余韻はスパイシーでウッディ、焦げたカラメルソースと干しぶどう、ゆるく染み込むように長く続く。

柔らかい香り立ちから艶とコクのあるアロマで、オールドバーボンの魅力が備わっている。一方、味は度数や経年、そして元々の製法もあって少々緩く、テイスティンググラスに注いでストレートをまったりと楽しみたい。


スティッツエル・ウェラー蒸留所(フィッツジェラルド蒸留所)が、1976年にアメリカ合衆国独立200周年を記念してリリースした記念ボトル。
白地のセラミックボトルには、同国の歴史における重要人物や出来事が描かれており、見応えのあるデザインとなっています。
(そこにセントパトリックがかかってくる背景はイマイチよくわからないのですが・・・アイルランドをルーツにしているからでしょうか。何方かご存知でしたら教えて下さい。)

オールドフィッツジェラルドは、原料としてライ麦の代わりに小麦を使う、柔らかい飲み口が魅力とされていた銘柄です。
しかしそのブランドを生産してきたウェラー蒸留所は1992年に閉鎖。同銘柄の生産拠点はヘブンヒル蒸留所に移ったものの、1999年に火災とヘブンヒル(ディアジオ)によるバーンハイム蒸留所買収を経て生産をさらにシフト。その後、ブランドそのものは2014年に生産を終了しています。

元々、バーンハイム蒸留所で生産されていた期間も、ウェラー蒸留所時代のボトルは人気が高かったところ。ブランド全体が終売となったことで時代に限らず価格は高騰気味にあり、Very Very Old表記のボトルなんてもうちょっと貴金属か何かですか?という状態になっています。
確かにVVOは美味しいバーボンなので高騰もわからなくないですが、当時はスタンダードとして相応な評価だったバーンハイム時代の旧現行品まで良い値段になっているのは、ちょっと加熱気味だなぁと感じるところです。

他方、この失われた味わい、一度でいいから飲んでみたいという方には、今回のテイスティングボトルである独立200周年記念ボトルがオススメです。
中身は1960年代後期の蒸留ながら、デキャンタボトルで度数も通常品より低い86プルーフなのも手伝って、同時期のスタンダードに比べればそこまで高騰していません。
勿論ギャンブル要素はあるものの、今まで何度か飲んでいますがどはずれはないですね。総じて味に緩さはあるものの、香りは柔らかく、そしてオールドバーボンらしい艶やかな甘みが現行品にはない魅力として感じられます。

ヴァンウィンクル スペシャルリザーブ 12年 Lot B 45.2%

カテゴリ:
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VAN WINKLE
Special Reserve
12 Years old
Lot "B"
Bottled by Old Rip Van Winkle Distillery
750ml 90.4Proof (45.2%)

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:不明
評価:★★★★★★(6-7)

香り:艶のある甘い香り立ち。メープルシロップ、チェリー、バニラ、ほのかに酵母を思わせるパン生地のようなアロマ。徐々にウッディーな苦味も感じれる。

味:柔らかくコクのある口当たり、ママレードジャム、徐々にトースト、ふがし、鼻抜けはふくよかでしっかりとしたバニラやカラメルの甘み。
後半はウッディーでドライ、ビターで焦げた木のフレーバーが残る。


最近オークション市場で高騰しまくりなヴァンウィンクル。12年 Lot Bは、その中でも2009~2010年頃、探せば比較的近年まで流通していたボトルです。

ヴァンウィンクルは、フィッツジェラルド蒸留所で作られていたブランドですが、買収を経て1999年にバッファロートーレス蒸留所に製造元が移った模様。しかしフィッツジェラルド蒸留所の閉鎖は1992年とされており、1999年までの約7年間に空白があります。
熟成庫のストックのみでリリースされていたのでしょうか。何れにせよ、今回のボトルは2004年以前の流通ではないため、中身はバッファロートーレスということになりますね。

あんまり知ったかぶりするとボロが出るので白状すると、自分はバーボンは結構な種類飲んでますが、製造元を意識して飲むことがあまり無かった(というか、蒸留してないのに原酒買って売ってるとか、ブランド名だけのものとか有りすぎて覚える気がしなかった)背景から、旨いと感じる銘柄の知識はあっても、製造元に関する知識が欠落しています(汗)。
ヴァンウィンクル自体もそこそこ飲んでましたが、その親元に関することを調べたのは、実質今回が初めてという状況です。
そんなわけで大変申し訳ないですが、詳しいことはぐぐってくださいということで、話を先に進めます。

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今回のボトル、香りは艶のある甘みにうっとりしますが、味はもう一つフルーティー系のフレーバーが足りず、コクのある口当たりからウッディーなニュアンスが主体的に感じられました。
開封後の時間経過で変化してしまったのかもしれませんが、八重洲のバーボンラヴァーO氏曰くこんなものだとか。

レーズン、あるいは林檎や梨など果実とあわせると良い感じに。あるいはロックにするとねっとりとした甘み、クランベリーのような甘酸っぱさが感じられ、美味しく頂けました。
ただし度数ゆえ、氷に対する持続力はそこまででもないように感じます。
テイスティンググラス、あるいはロックグラスに氷を入れず、香りを発散させながら楽しむと良さそうです。

このヴァンウィンクルですが、オークションで超高騰していたり、様々な名前のリリースがあったりします。
ウイスキー仲間に聞いた話では、
・パピーヴァンウィンクル>ヴァンウィンクル>オールドリップヴァンウィンクル。
・ファミリーリザーブ>スペシャルリザーブ>リザーブ表記なし
という位置づけなのだそうです。確かにパピーは旨かった。。。
まぁソース不明なのと実際に飲み比べたわけでもないので、この辺はご参考までで、後は飲み手自身でご確認ください。(懐が寒くなるどころか穴が空くかもしれませんが。)

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