タグ

タグ:オフィシャル

シーバスリーガル アルティス 40% ブレンデッドモルト

カテゴリ:
CHIVAS REGAL
ULTIS
Blended Malt Whisky
"5 Signature single malts
5 Master blenders"
700ml 40%

グラス:国際規格テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み(BAR LIVET)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなで軽やかな香り立ち。乾いた麦芽、微かなスパイスを伴うオーキーなフレーバーは煮たリンゴ、ビスケットを思わせる甘いアロマ。

味:少し水っぽい口当たり。ナッティーでオーキーな華やかさが広がる。薄めた蜂蜜、エステリーな熟成感。ドライオレンジピール、洋梨、中間に盛り上がるコクが、口当たりの軽さを補っている。
余韻は軽くスパイシーでウッディー。序盤に広がったオークフレーバーが鼻腔に届き、染み込むように消えていく。

ややドライだがバランスが良く、華やかな樽香と多彩な香味を備えたラグジュアリーなモルトウイスキー。スペイサイドモルトを中核としているだけあり、良くも悪くも"らしさ"のあるキャラクターが備わっている。
ストレートでじっくり楽しみたい。加水は少量までで。

昨年11月、シーバスリーガルが同ブランド初のブレンデッドモルトとしてリリースしたのが、アルティスです。
「ULTIS」は、ULTIMATE"究極"と、FORTIS"力(ラテン語)"の2つの単語を合わせた造語であり、つまるところ"究極の力"という意味。シーバスリーガルの開発、発展、そして現在の地位の確立に貢献した、5世代のマスターブレンダーへのオマージュとしての位置付けもあるのだとか。
この手のPR文は「ふーん」と右から左レベルの感想程度しか得られないことが多いわけですが、なんだか気合が入っている事だけは伝わってきます。

メーカー発表によると、アルティスを構成する主要な原酒は、ストラスアイラ、ロングモーン、トーモア、アルタベーン、ブレイヴァル。5人のマスターブレンダーとかけて、スペイサイドの5つの蒸留所がチョイスされているようです。
飲んだ印象は、まさに近年のスペイサイドのそれ。万人向け40%加水のブレンドにはどのブランドにも見られることですが、バランス良く多彩であるものの、口当たりの薄さというか香味の広がりは及第点で、突き抜けた香味を求めるコアユーザーには少々物足りない部分もあると言えます。
一方、樽由来のフレーバーはえぐみや草っぽさが少なく、丁寧な印象があり、柑橘や林檎系のフルーティーで華やかな香味。使われた原酒の熟成は平均20年程度か、未熟な要素は無く、エステリーな熟成香も漂ってきます。
おそらく、ウイスキーを飲める人なら、誰が飲んでも美味しいと感じる香味の一つですね。

5種類の主要構成原酒の中では、ロングモーンの軽やかにドライ、麦芽やナッツを思わせるフレーバーが主軸として感じられ、そこをストラスアイラやトーモア由来の柔らかくコクのあるボディが補っている印象。
経験の少ないブレイヴァルはよくわかりませんが、スパイシーで多少柑橘系に振れる要素は、ロングモーンだけでなくアルタベーン蒸留所あたりの個性かもしれません。
ちなみにかつてシーバスリーガルと言えば、キーモルトはストラスアイラとグレンキースだったわけですが、1999年から2014年までの約15年に渡る閉鎖期間の影響か、これまでのスタイルを踏襲したという中で、主要原酒に名前がないのは少し寂しいなーとも感じてしまいました。

マッカラン 25年 1962-1987 アニバーサリーモルト 43%

カテゴリ:
THE MACALLAN
Anniversary Malt
Aged 25 years
Distilled 1962
Bottled 1987
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:個人宅(KuMC)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:リッチでふくよかな香り立ち。若干古酒感のあるシェリー感、黒砂糖やチョコレート、枝付きレーズン、微かに湿った木の香り。黒砂糖系のニュアンスが強く、果実味よりもコニャックを思わせる甘みが強調されている。

味:とろんとした滑らかな口当たり。リッチな甘みはレーズンチョコレートと黒砂糖、くるみのようなほろ苦さ、タンニン、香り同様の構成。ボディは厚みがあり舌の上のコクが余韻にかけて長く感じられる。


1957年蒸留(1983年ボトリング)からリリースが始まったという、マッカランのアニバーサリーモルト。その1962年蒸留の1本です。
加水でもボディが残る、しっかりとした酒質とまろやかなコクのある口当たり。今のスタンダードスタイルとは異なる、オールドスタイルのシェリー感。そこにボトリング後25年強の経年が織りなすニュアンスも合わさって、お手本のような古酒系シェリー樽熟成のウイスキーに仕上がっています。

アニバーサリーモルトは1年毎にリリースが行われており、総じてマッカランのスタイルに忠実と言えるシェリー系の構成ですが、その年その年に微妙に、時に大きくスタイルが変わる場合があります。
例えば1962年はとろりとしたシェリー感でしたが、写真の1965年は色合いが淡く、ナッティーでバランス寄りな味わい。(フェイクではないようです。)
ではその後1966年や1967年蒸留のアニバーサリーモルトがどうかと言うと、過去の記憶を紐解けば、陶酔感もあってうっとりするようなシェリー感のモルトだった記憶があります。
1965年に樽か、1990年に原酒を確保できなかった理由があるのでしょうか。。。

以下、このウイスキーの本質的なところとはあまり関係がありませんが、小ネタとして。
芸能界の中でもウイスキー好きとして知られる福山雅治さん。福山さんがウイスキーにハマり始めた頃、既に弩級のウイスキー好きだったタモリさんに連れられて飲んだのが、マッカラン25年なのだそうです。
もっとも、25年は25年はでも、1962年ボトリングとのこと。あるとすればGM蒸留所ラベル時代の1937年蒸留の25年か。ボトリングと蒸留を言い間違えているなら、今回テイスティングしたマッカランか、クリスタルデキャンタあたり・・・ということになります。

どちらにしても、流石スゲーもん飲んでるなあという話ですが、タモリさんの哲学として「一番いいものから入ったほうがいい」というものがあり、そうすることで自分の中に基準ができて、選択の幅、様々な楽しみ方につながるとのこと。同意せざるを得ない考え方です。
これまでウイスキー分野における先人の皆様から、様々な機会を通じていいものを飲めと薦めてもらい、ご馳走になることも多々あるわけですが、間違いなく自分の中の基準というか、ウイスキーに対する受け取り方、幅は広がったと思います。

そうして今回のマッカラン1962&1965は、経験があったからこそ見えるものがあり、さらにいい経験を積ませてもらったと感じます。ありがとうございました!

バルブレア 23年 1993-2016 ロイヤルマイル 53.2%

カテゴリ:
BALBLAIR
ROYAL MILE WHISKY
Aged 23 years
Distilled 1993
Bottled 2016
700ml 53.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:自宅セミナールーム持ち寄り会
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなでドライな香り立ち、ナチュラルな麦芽、淡いドライパイナップル、少し植物系のニュアンスを伴う樽由来のアロマ。

味:ピリピリとした刺激を伴う口当たり。トーンの高い甘さ、乾いた麦芽風味、バニラウェハース、ほのかにドライパイナップル。
余韻はスパイシーでドライ、ハーブの爽やかさを伴う爽やかなフィニッシュ。

樽感は淡く、口当たりでスパイシーな刺激を伴う一方で、青っぽさなどの癖はなく非常にニュートラルなハイランドモルトという印象。加水するとまろやかで甘みを感じやすいが、ボディが軽く水に負けやすいイメージも。

ウイスキーショップ、ロイヤルマイルのオリジナルボトルの1本。
同ショップ向けのリリースは、ソサイエティでバイヤーを務めていたアーサー氏がカスクチョイスを行うなど、業界との強いコネクションを活かしたレベルの高いものが多く、このバルブレアもロイヤルマイルと聞いた瞬間、まず間違いないだろうと感じていました。

使われた樽はバーボンホグスのリフィル辺りでしょうか、オークフレーバーが適度について、樽材由来の渋みや苦味は控えめ。そこに麦芽風味とドライなニュアンスが共存しており、同蒸留所のハウススタイルを感じさせる、らしい香味が備わっています。
思い込みが強いかもしれませんが、それこそ旧ラベル時代のソサイエティがチョイスしていそうなカスクだなとも感じます。



オーヘントッシャン 12年 40% オフィシャル ブラインド

カテゴリ:
オーヘントッシャン12年
AUCHENTOSHAN
Aged 12 years
The Triple Distilled
700ml 40%

【ブラインドテイスティング】
地域:ローランド(オーヘントッシャン)
熟成年数:15年程度
度数:40%
熟成樽:シェリー樽を含む複数樽バッティング
暫定評価:★★★★(4ー5)

香り:ライ麦パンやアーモンドを思わせるやや酸を感じる樽香。使い古した油、微かに湿布のような薬っぽさ。奥から乾燥した植物っぽさ、エスニックスパイスを思わせる独特の癖。

味:軽い口当たり。パン、黒砂糖、若干の古酒っぽさを伴う甘み。サトウキビのような植物感、錠剤の薬のようなニュアンス。奥行きはあまりなく、すぐに余韻にある樽由来の苦味へと繋がる。
余韻はビター、チクチクとスパイシーな刺激が蓄積する。

使い古した油のような癖に、やや強めの樽感。その上で軽さが目立つ不思議なウイスキー。ローランドモルトだろうか。樽香は近年寄りで、昨年信濃屋からリリースされたOMCオーヘントッシャン2000と同じベクトルのアロマがあった。 


(今回のブラインドは、後述するウイスキーショップ・ドーノックの協力で実施。色の濃いほうがオーヘントッシャン。薄い方のコメントはまた後日。)

ローランドモルト伝統の3回蒸留を今に伝える蒸留所、オーヘントッシャン。
3回蒸留を行ったモルトの特徴は、香味成分がその分少なくなることに起因しての奥行きの軽さ、ツンとした刺激を伴う口当たりでしょうか。
今回のブラインド含め、これまで飲んできた3回蒸留のモルトには類似の点があるように感じます。
悩ましい出題でしたが、テイスティングの中でその要素に気がつけたのが今回の大きな収穫だったと思います。

ローランドモルト(3回蒸留)のルーツは、アイリッシュウイスキーにあると言われています。
ローランド地方はウイスキーが消費される都市圏にほど近い立地から、かつてウイスキーの一大産地としてブームを呼び、アイルランドやスコットランド全域から移民があった中で、アイリッシュの3回蒸留もまたローランド地域に持ち込まれたのだとか。 ただ、考えてみるとオーヘントッシャン以外で3回蒸留をしていたローズバンクやセントマグデランらは既に閉鎖。ボトルがリリースされる機会も少なくなってきました。

近年ではダフトミルなどの新しい蒸留所で3回蒸留が行われているようですが、オフィシャルボトルが一般に出回らない限り、ローランドモルト=3回蒸留とは言い難い状況です。
ではローランドらしさはどこにあるのか。「軽い味わいにある」なんて言い切ってしまうのも、ただ軽いだけならスペイサイドやハイランドの一部蒸留所も近年は軽さが目立っており、少々強引であるような気がします。
とすると蒸留所を取り巻く気候が影響もしての樽由来の香味や発酵への影響を考えるのが妥当か・・・テイスティングを通じてあーだこーだと考えてしまいました。


さて話は変わりますが、自分はブラインドテイスティング推進派です。
テイスティングスキルの向上はもとより、関連情報に左右されない素のウイスキー評価に繋げるため、積極的にブラインドを取り入れています。
ブラインドテイスティングは一人では出来ません。この点については行き着けのBARはもとより、ウイスキー仲間から現在進行形で多くの出題を頂いているわけですが、さらに「純粋なブラインドテイスティング」を行うため、酒販店にサンプルの選定をお願いしてみることにしました。

ドーノックブラインド

この依頼を引き受けてくださったのは、50mlの小瓶販売に特化したウイスキー販売店「ドーノック」。
「たくさんの人にウイスキーを楽しんでもらいたい」「ウイスキーファンを増やしたい」という考えから、昨年末に福井県にショップを立ち上げたばかりで、ショップページは徐々に内容を充実させているところだそうですが、既に様々なコンテンツが公開されており、見応えのあるサイトとなっています。

株式会社ドーノック

サンプルは写真の通り50ml。解答は糊付けで厳封された封筒に入って届くため、開封するまで判りません。 ボトルも1本1本シールで封止されていて、非常に丁寧な仕事です。(業界法の関係から背面に中身に関するラベルが貼られていますが、到着時に第三者に剥がして貰っています。)
通常商品の購入以外に、例えば何かのイベントやテイスティングスクールなどで使うアイテムの相談をすることも出来そうです。

今回は自分が参加しているウイスキーの勉強会、The Whisky Diversの中で有志を募って実施。第一回目ということで試験的に実施して見たところ、「出題者が見えない」このブラインドはことのほか面白く、良い刺激となりました。 
改善点等踏まえ、今後もテイスティングサンプルをお願いしていく予定です。

アードベッグ 10年 1970年代流通 オフィシャル

カテゴリ:
ARDBEG
Guaranteed 10 years old
1970's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(KuMC)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:淡い薬品香と合わせて魚介系のダシっぽさを感じるアロマ、じわじわと広がるピートスモークや牧草のニュアンス、麦芽香。時間経過でカステラのような甘みも感じられる。

味:スムーズでややとろみのある口当たり。香ばしい麦芽風味と焦げた木材、黒土系統のピートに加え舌の上には塩気とコクが感じられる。
余韻は柔らかいスモーキーフレーバーが広がり、染み込むように長く続く。

全体的に香味の角に丸みがあり、麦系のフレーバーにアイラ要素というしみじみうまいモルトウイスキー。これぞ地の酒という味わいを堪能できる。


1970年代、ハイラムウォーカー系列だった時代のアードベッグ。同銘柄と言えば濃い緑色のグリーントールボトルが一般的ですが、この時代はクリアボトルで外箱には麦の穂というデザイン。味わいのみならず見た目の雰囲気もずいぶん異なっています。

今のアードベッグはエステリーでクリア、ヨード系のニュアンスがより強調されたスタイルですが、この当時のアードベッグは麦系のフレーバーがしっかりとあり、ピートフレーバーもどこか優しく染み込むような系統。俺が俺がと主張しない、しみじみとした旨さがあります。

このアードベッグを飲んで感じるのが、当然な話とも言えますが同時期のバランタインにあるピートフレーバーです。
バランタインと言えばアードベッグを含む魔法の7柱が有名ですが、現在のバランタインはオーナー企業の違いなどから、当時とは構成原酒が異なり、キーモルトはグレントファース、スキャパ、ミルトンダフ、グレンバーギーとなっています。(そこに隠し味的に様々な原酒を使っているとのこと。)
比較的手に入るところでは1970年代初頭あたりに流通したクリアボトルのファイネストなど、余韻に広がる要素との共通点が感じられるように思います。

かつてバランタインを大きく支援した、ハイラムウォーカー社が提供した原酒の一角。今の煙とヨードにまみれるスタイルも嫌いじゃないですが、ブレンドされて生きるようなこのしみじみ感は知っておいて損なく。
今回持ち寄り会の中でテイスティングさせて頂きましたが、非常にいい体験をすることが出来ました。

このページのトップヘ

見出し画像
×