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エヴァンウィリアムズ 23年 53.5% 近年流通品

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EVAN WILLIAMS
Kentucky Straight Bourbon Whisky
23 Years old
750ml 53.5%

グラス:グレンケアンテイスティング
場所:BAR Eclipse 
時期:不明
評価:★★★★★★(6-7)

香り:メローだが溶剤感を伴うドライなアロマ。焦げ感のあるウッディさ、オレンジをコーティングしたキャラメリゼ、バニラ、チェリーを思わせる甘みのアクセント。奥にはエステリーさとりんごのような果実味もある。

味:リッチで粘性のある口当たり。チャーオーク由来の濃い甘みと焦げたウッディネスは、キャラメル、甘栗、微かにチェリー、パワフルで余韻にかけて強い主張。ビターでえぐみも軽く伴う。
余韻はドライ、タンニンとほのかな焦げ感に加えて、ふくよかな樽香が長く滞留する。

強い樽感がねっとりと舌に乗るような印象だが、度数の高さで樽香がギリギリ浮つかない。加水すると意外に香りが立たず、ドライな印象が強い。口当たりはマイルド、チェリーや加熱したリンゴのような甘みが特徴的。ロックでじっくり飲みたい。
最近姿を見なくなってきた、エヴァンウィリアムズの近年流通ラベル。2018年現在、一応このデザインが在庫として流通する現行品扱いになりますが。。。というか、現在も生産されているかはちょっと謎だったりします。(少なくともバカルディの日・米どちらのサイトにも記載はなく、蒸留所でのみ販売されている模様。)

そもそも、エヴァンウィリアムズ23年に用いられていた原酒の生産元、旧ヘブンヒルは1996年に火災消失しており、作れたとしてもここ数年前後までと言えます。加えて、移転後に作られた原酒は12年ですら原酒不足で特定地域向けになってしまっている状況を考えると、今後の復活も困難と考えて間違いないでしょう。
バーボン最高峰とも言えるエヴァンウィリアムズ23年、リリース開始から約30年の歴史に幕が降りようとしているのです。

(2000年代流通のエヴァンウィリアムズ23年。この写真では見づらいが、ラベルの上部にEvan Williamsの文字が直接プリントされている。)


(先日記事にした1990年代流通の2本。この後、上の写真のボトルのように、トールボトルがダンピー形状に切り替わる。)

今回テイスティングしたエヴァンウィリアムズも、上に写真を掲載したこれまでの23年同様に、非常に濃厚な口当たりと樽感は健在。そして50%を越える度数で、余韻にかけても香味がヘタらずパンチもあるフルボディな味わいです。
一方で、長い熟成年数ゆえ飲み口はマイルドと、相反する要素を内包しているのが、この手のウイスキーの魅力とも。一言で、美味しいバーボンと言える味わいですね。

ただ、近年のエヴァンウィリアムズ23年は、旧世代に比べて溶剤感が目立つというかドライさが強いというか、香味の"艶"は控えめで、果実味もベリー系の要素は微かにある程度。チャーオークのメローな香味が中心となっています。
この辺はまさに現行のバーボン全般に見られる要素であり、このまま販売が継続しても良い方向に転がったかは微妙であり。。。
それこそ、人気ピークですっぱり終わった連載のような、それはそれで良かったとも思えるのです。

エヴァンウィリアムズ 23年 1997年ごろ流通品 53.5%

カテゴリ:
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EVAN WILLIAMS 
Kentucky Straight Bourbon Whiskey
Years 23 old
Released in 1997
750ml 53.5%

グラス:SK2
場所:自宅
時期:開封後1年程度
評価:★★★★★★★★(8)

香り:キャラメリゼ、ベリーや柘榴、オレンジの甘酸っぱさ、艶のある香り立ち。ややドライな刺激もあるが、ハイプルーフ由来の強さが香りをより一層発散させている。

味:香り同様に甘酸っぱく、パワフルで香味にしっかりと芯のある口当たり。濃く入れた紅茶、メープルシロップ、ドライクランベリー、オレンジチョコレート。鼻腔にもしっかりと抜けていく。余韻はウッディーで微かにこげたようなニュアンスと共に、タンニンが染み込むように感じられるが、熟成感に対しては強くなくバランス良くまとまっている。

赤みがかった濃い色合いが美味しさを予感させる。陶酔感を伴う甘酸っぱい香りは、加水すると一気に開く。特にオレンジ系のニュアンスが後押しされる印象で、ロックにしても充分に長く楽しめるコシの強さがある。グラスは口がすぼまっているタイプより、多少開放的なほうがポジティブな要素を拾いやすい。

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銘酒と言われるバーボンは数多くありますが、閉鎖とか終売とか、禁酒法時代とか。。。そういう付加価値を除いてダイレクトに味だけで勝負した時。間違いなく高い評価を受けるのが、80〜90年代流通のエヴァンウィリアムズ23年であることに、異論の余地はないと感じます。

同銘柄は、1989年から1995年ごろまで、1966〜1972年蒸留の原酒をそれぞれ年毎に用いて、マッカランを思わせる熟成年数と蒸留年を表記した単一蒸留年リリースを行っていました。
ところが1973年以降の表記はリリースされておらず、流通時期としては1996年ないし1997年ごろのボトルから、熟成年表記のみに切り替わったようです。(時同じく、ボトルのデザインもやや角ばったものから、若干丸みを帯びたデザインへと変更されています。)



今回のボトルは、瓶底の加工から切り替わった直後のボトルであると推察。そうでなくとも、1990年代後半の流通品であることは間違いありません。
この仕様の変化が何を意味するかは定かではないのですが、スコッチタイプのブレンドとは異なり、バーボンでは熟成年数表記以上の原酒がふんだんに使われるような印象はなく。おそらく使われても年跨ぎか、せいぜいプラス1〜2年といったところと思われます。

パッケージチェンジであって構成原酒の条件に大きな変化があったとは考えらず、何れにせよ高いクオリティを維持しています。
長期熟成バーボンに見られる芳醇で艶のある甘みと、オールドシェリー樽にも共通するベリー系の赤い果実の甘酸っぱさを伴う豊かな樽香。熟成感に対して余韻のえぐみがあまり出ておらず、タンニンが甘みを引き締めていく。ああ、これは美味い。66年表記のボトルにも感じられるベリー感をそのまま継続し、こちらは濃縮したようなオレンジ系のニュアンスも混じる。
72年表記にも負けず劣らずで、同時開封ではないので一概に比較はできないものの、先日ウイスキー仲間との持ち寄り会で比較テイスティングした結果、むしろこちらの方がという声もあったくらいなのです。

※ご参考
エヴァンウィリアムズ23年 1966年蒸留
エヴァンウィリアムズ23年 1972年蒸留

それにしても、近年のバーボンは10年を超えない熟成でも、樽材由来と思しきえぐみが強く出ているものが少なくありません。
なぜこのエヴァンウィリアムズしかり、昔のバーボンの多くは、長期熟成であってもえぐみの少ない豊かな味わいに仕上げることが出来たのか。
製法や原料の違いもあるとは思いますが、それ以上に現行品の多くに感じられる、樽材の中に残るようなえぐみ的な香味の量等から察するに、樽材の仕上げに野外に干しておく期間が昔の方が長かったのではないかと予想しているのですが。。。その真相はオールドシェリー樽の真実同様に、予測はできても確定までたどり着けない謎の一つです。


エヴァンウィリアムズ 23年 1966年蒸留 53.5%

カテゴリ:
EVAN WILLIAMS
Kentucky Straight Bourbon Whiskey
Years 23 old
Distilled 1966
Bottled 1989
750ml 53.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:萌木の村 Bar Perch
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:力強く芳醇な香り立ち。熟成を感じさせる香りの艶、陶酔感。熟したベリー、キャラメルやチョコレートクッキーを思わせるメローでほのかにビター、チャーオーク、ナッツの香ばしさを伴う。

味:パワフルでコクのある口当たり。キャラメリゼ、シロップ漬けチェリー、濃く入れた紅茶、オレンジピールチョコレート。粘性のある甘みから徐々にほろ苦く、ウッディなタンニンを感じる。
余韻はスパイシーでドライ、焦げた木材のアクセント、バニラやメープルシロップの熟成したバーボンの芳醇な香りが口内から鼻腔に広がり、充実した長い余韻へ繋がる。

長熟バーボンらしく濃い色合いに混じる赤みがかった美しい光沢。力強くありながら、コクがある艶やかな甘み、長く残る余韻の幸福感。その一つ一つの上質さに格の違いを見せつけられるようなバーボンである。
少量加水すると赤い果実を思わせるフルーティーさが感じられる。


日本及びアジアマーケット向けにリリースされたという、エヴァンウィリアムズ23年1966年蒸留。先日1972年蒸留を記事にした際にコメント頂いたところでは、エヴァンウィリアムズ23年シリーズで、ビンテージ入りのボトルはこの1966がファーストリリースだったとのこと。
リリースの経緯は不明ですが、当時の日本市場はスコッチにしてもバーボンにしても巨大なマーケットとして注目されていたのは間違いなく、多くのボトルが輸入されていました。このエヴァンウィリアムズも同様に、バブル期の遺産といって差し支えないのかもしれません。

(エヴァンウィリアムズが作られる、ヘブンヒル蒸留所の熟成庫。スコッチのそれと違い、一昔前の団地のような外観。間隔が開いてるのは火災の際の被害を少なくするためだという。 Photo by T.Ishihara)

エヴァンウィリアムズ23年シリーズの特徴は、なんといってもバーボンにおける最長期熟成の一つにして50.5%を超えるハイプルーフ仕様にあります。バーボンの平均的な熟成期間のおおよそ2〜3倍といえる期間でありながら、高い度数を保ち、枯れずに残るボディと味わい。
おそらく60%前後を保った原酒をバッティング、少量加水して仕上げているのだと思いますが、その原酒は通常品のそれと比べて単に樽のチャーがマイルドとかの小手先だけではない、根本的な違いがあるように感じます。

全種類とまではいかないものの、過去自分が飲んできた中でどれもが素晴らしいエヴァウィリアムズ23年のビンテージ入り。この1966は特に香りが素晴らしいですね。
自分はこの手の香味を備えたバーボンのコメントで「艶がある」という表現を使いますが、そのニュアンスがパワフルで濃厚な香りの要素を繋ぎ、思わず鳥肌が立つような陶酔感を感じさせるのです。


さて、ちょっと時間が開いてしまいましたが、今日のボトルは先日萌木の村に伺った際にテイスティングした1本です。最高の1杯を、素晴らしい空間で堪能させて貰いました。
5月に新しいバーマンが着任されて、新体制で活動を開始したBAR Perch。7月から8月には今年で29回目をむかえるフィールドバレエもあり、夏を思わせる暑い日を数えるほどに、シーズン中の現地に伺いたい気持ちが日に日に強くなってきています。

エヴァンウィリアムズ 12年 101Proof 50.5%

カテゴリ:
EVAN WILLIAMS
Aged 12 years
101 Proof
750ml 50.5%

グラス:グレンケアンテイスティング
場所:自宅
時期:開封直後
評価:★★★★★(5-6)

香り:やや渋みのあるウッディネス、キャラメル、焦がした焼きプリン、ポップコーンのような香ばしい穀物香。スワリングするとセメダイン系の溶剤感やトーストの酵母。ツンとした刺激を伴う。

味:ほのかに酸味を伴うチャーオークのフレーバー、シロップのような甘み、ウッディなタンニン、チョコレートクッキー。
余韻は口当たり同様ベタつきのある樽感と、オレンジママレード、柑橘系のほろ苦さを感じる。

飲み口はメローで角が取れて適度な熟成感があるが、樽の質の関係か中間から香味にバラツキが目立つ。加水するとオレンジ、絞った柑橘の皮のようなニュアンスが強くなる。ロックも同様。


ヘブンヒル蒸留所で作られている、ケンタッキー州でのバーボンウイスキーの創始者の名を冠したブランド。もっとも、創始者の作った蒸留所は遥か昔に消滅しており、メーカーも設備も異なるもの。ブランドのみが1900年代に入って復活したという、その他のバーボンと同じような流れになります。

そのブランドはノンエイジのブラックラベル、最短熟成となる4年熟成のボンデッド、最長熟成の23年。他いくつかのグレードがあるわけですが、その中でも一番美味いと思うのが23年であることに異論の余地は無いとしても、個人的にもっともスタンダードなバーボンと感じているのが、この12年熟成です。

12年熟成品はこの10年間で2回ほど代替わりをしており、以前はラベルが艶やかな赤色で、Since 1783やKentcky 1st distillerというブランドの創業年を示す記載がありましたが、現行品の面ラベルは12年表記のみとなっています。
なんていうか上述の状況の通り、紛らわしい説明なので徐々に省いてきているのかもしれません。
当時のボトルは安価な割に味が良く、2000円くらいで美味しく飲みごたえのあるバーボンだったらエヴァン12年かターキー8年でOKというのが自分の中での評価でした。

もっとも最近は他のブランド同様にライト化が進みつつあり、特にヘブンヒル産の現行品は火災消失からの蒸留所切り替えによる影響を大きく受けているとも感じます。
どうフォローしても味の違いは。。。
また、10年以上の熟成原酒が不足気味という声は現地見学を行なったウイスキー仲間の話。12年熟成品の維持は中々苦労しているようです。(2000円台で買えていたのは日本だからという話も。最近は3000円台に値上がっていますが。)


今回も自宅樽でのバーボン熟成用にスタンダードなボトルを調達して、補充してみました。
これで4リットル弱くらいになりましたので、あと入れるとしたら1銘柄くらい。適当に現行品のみをブレンドしているのですが、いい具合にコクと複雑さが付与されてきて美味しくなってきました。
最近現行品のバーボンを飲む機会なんてなかったので、勉強にもなって一石二鳥です。

エヴァンウィリアムズ23年 1972年蒸留 53.5%

カテゴリ:
EVAN WILLIAMS
Kentucky Straight Bourbon Whiskey 
Years 23 old
Distilled 1972
750ml 53.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅@KuMC
時期:開封後1ヶ月以内
暫定評価:★★★★★★★★(7-8)

香り:リッチでふくよか、艶やかに甘い豊かな香り。少し焦げたキャラメル、フローラルな華やかさ、チェリーのシロップ漬け、微かに柘榴のニュアンスも。非常に充実している。

味:リッチな甘みのある濃厚でパワフルな味わい。キャラメルとドライベリー、林檎のカラメル煮、濃く入れた紅茶。舌あたりにベタつく感じと、やや焦げたような樽感があるがしつこく残らず余韻に消えていく。

華やかかつ濃厚でパワフル、長熟ハイプルーフバーボンの魅力が詰まった1杯。少量加水すると、ベリーや花を思わせるさらに華やかな香味が開く。


個人的に、美味いバーボンは?と聞かれたら、まず出てくるのがエヴァンウィリアムズ23年です。
時代的には焼失前の旧ヘブンヒル蒸留所での製造にあたり、スコッチモルトに対抗したのか1980年代から1990年代あたりまではこうして単一蒸留年度の表記のある珍しいリリース形態。自分は全ての年度を体験できているわけではありませんが、それぞれに異なる魅力があると聞いています。

勿論、これ以外に美味いバーボンはいっぱいあります。
現行品で衝撃を受けたフォアローゼスPBは記憶に新しく、今回のボトルを含む90年代に流通した各種長熟、ヴァンウィンクルとか外さないですね。
それ以前のオールドバーボンではヘブンヒル系列、ジムビーム系列、ターキーなどなどもうだいたい美味い。特有の赤い果実風味、うっとりするような艶やかな甘みがあって・・・と話が逸れましたが、その中でもエヴァンウィリアムズ23年はまず名前が出てくる濃さ、パワーがあります。
家に1本は開けておきたいと思っているのですが、最近その手のバーボン相場は青天井。なんとも世知辛い世の中です。

エヴァンウィリアムズ23年は、今回テイスティングしたトールボトルから、2000年前後に、上記写真のややずんぐりとした形状に変化。この時代のボトルは単一蒸留年度縛りが無くなったためか、同じベクトルでありつつも、香味のバランスが良くなった印象。例えばこの1972年蒸留のエヴァンは、樽由来のニュアンスが強く、リッチな味わいながら口当たりでベタつく感じがあります。
どちらを好むかは人それぞれだと思いますが、間違いなくバーボン好きには堪らない旨さがあるということに違いはありません。

なお、2000年前後に切り替わったラベルの上にシルクプリントでEvan Williamsの記載がありますが、近年流通ではこれが無くなり紙ラベルのみとなります。このロットであれば、今でも酒屋やBARなどで見かける事があります。
トールボトル、シルクプリント、近年流通の3種飲み比べとかやってみたいなーと思いつつ、一体幾らになるのか地味に怖い(笑)。
何れにせよ、長期熟成バーボンの魅力を感じる、古き良き時代の素晴らしい一杯でした。

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