タグ

タグ:ウイスキーベース

スペイサイド 43年 1973-2017 アーカイブス 46.8%

カテゴリ:
ARCHIVES
A Speyside Distillery
Aged 43 years old
Distilled 1973
Bottled 2017
Cask type Refill Sherry Butt
For Whiskybase
700ml 46.8%

グラス:テイスティンググラス
場所:BAR Kitchen
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(6-7)

香り:ツンとしたエッジの立った刺激、ドライで華やかな香り立ち。ココナッツやバニラを思わせる甘いアロマ、華やかさに混じる黄色い果実香は、ドライパイナップルやアプリコット、かすかに金柑、ハーブを感じさせるニュアンスも。

味:エステリーでドライ、薄めた蜂蜜、バタースコッチを思わせる甘みと麦芽風味。合わせてオーキーで、ドライパイナップルなど香り同様のフルーティーさ。余韻は心地よくドライで華やか、リキュールのようなシロップ系の甘みを感じつつ、長く続く。

近年のトレンド、スペイサイドリージョン系統の香味構成と言って差し支えない。ドライで華やかで、アメリカンホワイトオーク由来のバニラや黄色い果実味がある。長期熟成と度数落ち故に酒質が削られ、それらがより一層際立っているのも特色。時間経過でこなれる印象もあり、時間をかけて楽しみたい。


コアな愛好家にとっては所有ボトルやテイスティングコメントの管理ツールとして、また、トレードや情報収集の場として重要な役割を果たしているWhiskybaseがリリースしているアーカイブス。
近年、同リリースから日本に入荷しているのは「フィッシュオブサモア」シリーズがありますが、今回のは「オーストラリアのヒトデ」シリーズで、同時に1996年蒸留のスペイサイドもリリースされていました。こちらは並行品がWEBショップなどで販売されたようで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

1996と1973、同じ組みわせのリリースが別ルートからもありましたが、度数や樽番号から別物というより同じ一族と見るのが自然。中でも近年のニューリリースにおいて、40年を超える長期熟成スコッチのトレンドの一つとなっているのが、蒸留所不明な"スペイサイドリージョン"であり、今回のボトルはスペイサイドディステラリー表記ですが、これまでいくつか飲んだものと同系統な構成と感じます。

その香味はエージェンシーあらため、スペイサイドリージョン味。古くはダンカンテイラーでよく言われていた、ピアレス香の派生のようなものですが、こちらのほうが熟成が進んでいる分、樽感的にボトル毎に共通するニュアンスが強くなっています。
蒸留所はファークラスというのが定説ですが、熟成を通じてベースとなる酒質が削られるとともに、2〜3回目のリフィルシェリー樽(アメリカンホワイトオーク)由来の華やかな香味が強く付与されているため、何を飲んでも同じような香味に感じてしまうため、正直よくわからないないですね。
結局、ボトル毎の差は度数の違いからどれだけアタックやドライさが強いか、余韻が持続するか・・・というところだと思います。

ちなみに、この手のリリースの楽しみ方は、ストレートの場合は長期熟成のコニャックに近いものがあると考えています。
それはまず、グラスの中で時間をかけること。どうしても樽が強く、ドライさが抜けきらないので、手で温めながら華やかな香りを楽しみ、じっくりグラスの中でなじませていくのです。

テイスティングは熟成1年につき1分かける、とも言われていますが、少なくともこのボトルは1ショット30分はかけていい
思います。
ドライで刺々しかった樽感が丸みを帯び、華やかさはそのまま、全体的に一体感も伴ってくる。度数のないスペイサイドリージョンでは、こなれる前にへたってしまって難しいのですが、今回のボトルはギリギリ可能な範囲。
後はハイボールか、お湯割りですね。原価が原価なんで、かなり貴族な飲み方ではありますが、割った後でブラインドしてもそれとわかる個性は、ある意味すごいです(笑)。

トバモリー(レダイグ) 8年 2008-2016 アーカイブス フィッシュオブサモア 60.9%

カテゴリ:
ARCHIVES
THE FISH OF SAMOA
LEDAIG (TOBERMORY)
Aged 8 years
Distilled 2008
Bottled 2016
Cask type Sherry Butt
700ml 60.9%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:酸味を伴うスモーキーさ、プレーンな麦芽風味、若さに通じる微かな酵母香。奥からドライオレンジのような柑橘系のアロマも感じられる。

味:スパイシーな刺激のある口当たり。程よいコクのある麦芽風味、乳酸系の酸味、貝殻のようなミネラル感、徐々にピーティーなフレーバーが広がってくる。
余韻はクリアでほのかに柑橘の爽やかさ。ピリピリとした刺激を伴う。ピーティーでドライ、長く続く。

加水すると香ばしい麦芽風味と、塩素を思わせるアロマが開く。熟成して未熟感が取れ、樽香が付いてくるというウイスキーの分岐点。若さを楽しめる絶妙なバランス。

"フィッシュオブサモア"は、日本でもヘビーな愛好家を中心に利用者の多いウイスキーデータベースサイト「Whiskybase」がリリースするシリーズボトル。中身との関連づけは特にないですが、オセアニア、エーゲ海に生息していた魚類をラベルにしたシリーズです。
今回の中身はトバモリーのピーテッドモルトであるレダイグ。リフィルシェリー樽で熟成されたと思しきあまり樽感の出ていないニュートラルな構成で、未熟感が程よく消えた、若さを楽しめる味わいに仕上がっています。

レダイグは、アイラモルトの高騰を受け、近年ボウモアやカリラの代替品的な位置づけとしてチョイスされる事が多くなってきたように思います。
どこのキャラクターに似ているとか、ピート感はどうかとか、まず代替品ありきのような感覚と言いますか。同じ島モノという共通点はあれど、タリスカーやハイランドパーク、ジュラなど他のアイランズモルトとは違う位置づけがレダイグにはあります。
勿論、レダイグはレダイグであると考えている愛好家もいると思います。ただピーテッドというキャラクターが確立していることこそ、新しい世代のレダイグが広く認知された結果であり、トバモリー蒸留所のモルトが新時代に突入した証でもあります。

トバモリー(レダイグ)は操業の安定しない蒸留所で、1798年創業と歴史は長いものの、休止期間の方が長いのではないかという状況。近年でも1970年代に閉鎖と再稼働を繰り返し、1980年代は丸々休止。時代の良さからそれなりのモルトが生まれることもあったようですが、安定して高品質なリリースがあるとは言い難い状況でした。
また、かつてはブレンデッドウイスキー全盛の時代であるゆえ、酒質や環境を無視し、市場で求められたライトでスモーキーさの少ないスペイサイドタイプのモルトを作ろうとしていたのだとか。(ウイスキーマガジン特集記事参照)
そのため当時は今とは異なり、レダイグ表記であってもほぼピートが焚かれておらず、かといって個性の穏やかな原酒が出来たかといえば荒さのある酒質で、文字通り迷走していたわけです。

参照:トバモリー蒸留所休止とリニューアル工事を伝える記事。

1993年、バーンスチュワート社が新しいオーナーとなり、トバモリー(ノンピート)、レダイグ(ピーテッド)という役割が分担され、今の姿に落ち着くわけですが、1990年代は1970年代の原酒ストックから20年熟成のレダイグ表記のモルトがリリースされるなど、まだ区分が明確化されていたわけではなかったようです。
それが近年、1990年代から2000年代に仕込まれた原酒では、ピーティーでエッジの鋭いアタック、強めの薬品香、ミネラル、樽との組み合わせでは燻りがっこにも通じる香味で、キャラクターは確実に安定してきています。

需要増加から生産が追いつかず、2017年3月から2年間休止して製造工程のリニューアルまで行われるというニュースも飛び出し、過去の迷走時代からは想像も出来ない状況となっているトバモリー蒸留所。
個人的になぜか気になる蒸留所であるのも事実で、200年以上に渡る苦労の末に大きく羽ばたこうとしているこの状況を歓迎したいです。

このページのトップヘ

見出し画像
×