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メンヒル カラムリ プリミティーヴォ 15.5%

カテゴリ:
CALAMURI
PRIMITIVO 2015
MENHIL SALENT
750ml 15.5%

スパイシーでウッディな樽香、クローヴ、色の濃いダークフルーツのジャム、微かにハーブのニュアンスもあり濃厚な香り立ち。少し強めの酒精も伴う。
口当たりはフルボディで濃厚。甘酸っぱくリッチな果実味は、チェリー、クランベリー、ブルーベリージャムを思わせるはっきりとしたキャラクター。余韻はしなやかなタンニン、ダークフルーツの香りを口内に漂わせ、重めの甘みが残る。


なんか有名な現地ワイン専門誌で高評価を受けたとか・・・そんなワイン業界ではよくあるエンチャントが付与されたイタリア南部プーリア州の赤。
樹齢80年以上で単一畑の葡萄から作られるという濃厚なワインは、日本のユーザーからも総じて評判が良く、二千円ちょっとで甘重フルボディな赤を選ぶなら、クオリティ高く外れないチョイスであることは折り紙つきです。

飲んで見ると骨格しっかり、甘みと果実味しっかり、そしてアルコール感もソコソコ強いワインとくれば、2日目も悪くない。一度冷やしてから温度をあげていくと、いい具合のとろーっと熟した果実のような甘みに繋がります。
ちょっと陰干し系も入ってる?というくらいの糖度が感じられるのもポイントで、同じイタリアでもキャンティやバローロなどのタイプではなく、どっちかと言えば新世界系。この完熟した感じは、プーリアらしいキャラクターと言えるのかもしれません。

この手のワインはウイスキーのように濃厚で、ベースに甘みがあるタイプの酒を飲んでいる飲み手は抵抗なく飲めてしまう印象があり、オススメしやすいボトルです。
それこそ、下手に同価格帯のボルドー、ブルゴーニュに手を出すなら、この手のワインは安全牌。煮込み料理は当然として、鴨肉など癖の強い肉料理と合わせると、さらに真価を発揮してくれると思います。


年末年始で色々ワインを飲んだのですが、すっかり更新してませんでした(笑)
特に親族との集まりでは夜寝る前に語らいながらは蒸留酒、食事でワイワイは醸造酒。ワイン、日本酒、そしてビールは鉄板。。。ただシャンパンや白、華やかな吟醸系が多く、重甘系が飲みたくなってのこのワインです。
こういうのを2〜3日かけて飲むのも、なかなか良い家飲みですね。

ベルサーノ バローロ ニルヴァスコ 2010 14%

カテゴリ:
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BERSANO
BAROLO
Nirvasco 2010
750ml 14%

スパイシーで徐々にカシスやザクロ、熟した果実の甘み、リコリスなどのアクセント。熟成したワインの落ち着きのあるたおやかな香り立ち。
口当たりはスムーズだが、香り同様のスパイシーさ、角の取れた蜂蜜梅のような酸味と干草、鉛筆、ウッディーさを伴いしっかりとタンニンを感じる。

単品で飲むと序盤の果実味に対しタンニンが強い印象があるものの、スパイシーな肉料理との相性が素晴らしい。
初日はハーブとスパイスのチキンソテー、バキュバン2日目でエスニック系の味付けと合わせたところ、これが思った以上の一体感で一気に空けてしまった。。。 

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イタリアの代表的なワインの一つ、バローロ。バローロはワインの王様なんて言われてる・・・という関連の薀蓄はぐぐっていただくとして、このベルサーノのバローロは、かつてメルシャン、現在はキリンが正規輸入を行なっているため、最低限の情報は公開されており、生産者に関する情報も調べればある程度見つけることができます。この辺は、ワイン初心者の自分としては安心して手を伸ばせる指標だったりしますね。

ベルサーノは家族経営としては地域で最大級の規模を持つワイナリーで、そのバローロは伝統的な造りを踏襲しているとのこと。(バローロは熟成向きの伝統的な造りから、すぐ飲める近年寄りの造り、そしてその中間という様々な造りがあり、一概にコテコテ濃厚な赤ではないようです。)
その特徴はしっかりとしたタンニン、酸味とコク。最低3年間、うち2年間は樽で熟成させることが定められていることもあり、余韻のウッディネスはウイスキークラスタの自分としては馴染みの深い香味と言えます。

今回のボトルはボトリング後、さらに4〜5年間の瓶熟を経ており、香り立ちは時間をかけてじっくりと。タンニンや酸味も落ち着きがあり、蜜のような甘みも開いてきます。他方で、このリコリスを思わせる苦味や、余韻にかけて甘みが収束していくようなタンニンの染み込むような味わいは、ビーフジャーキーなどの水気の少ないアテよりも、加熱調理した肉などのジューシーなものと合わせた方が良いように思います。


たまたまこのベルサーノ・ニルヴァスコを2009、2010と並びのビンテージで購入していたのですが、2009を開封したところかなり熟成したような色合い、果実味も後退したような印象で開いてくる印象もあまりなく。
ビンテージチャートではどちらもいい年ということだったので、熟成したものも期待していたのですが・・・。こりゃー2010もさっさと飲まないとダメかなぁと、休日のお家ご飯で使ってみたところ、こっちは1年違いとは思えない程よい熟成感なのです。

保存状態か、あるいは2009のベルサーノは熟成向きの品質ではなかったのか、この辺は醸造酒を熟成させる面白さであり、難しさでもありますね。いずれにせよ思いがけず違いも含めて楽しませて頂きました。

サン マルツァーノ コレッツィオーネ チンクアンタ+2 14.5%

カテゴリ:
SANMARZANO
Certainly a Collezione
Cinquanta +2
750ml 14.5%

今回のワインは前回に引き続きイタリア・プーリア州から、1962年に創業したワイン製造者の協同組合カンティーネ・サン・マルツァーノが、創業50周年を記念してリリースしたブランド。価格は2000円台ですが、同社の中ではハイグレードのトップ・キュヴェに位置づけられています。
葡萄品種はプリミティーヴォとネグロアマーロ。樹齢は50年越えの古木に加え、イタリア南部で太陽をたっぷり浴びて作られるワインだけあって、しっかりと濃厚な味わいがウリ。
ファーストリリースの後は+1、+2と年数を加算する表記でリリースが行われており、2012年と2013年に醸造され、異なる熟成方法を経たワインがブレンドされているそうです。
と、WEBからの引用はこれくらいにして。。。

香りはハーブ香の混じるベリーやカシスの濃厚なアロマ、ツンとして乾いたような樽香、酸味にはまだ硬さがある。
口当たりは甘酸っぱく濃厚、フルボディ。ブルーベリー、ダークフルーツソース、どっしりとした葡萄エキス。奥には安寧芋のペーストのような蜜っぽい甘さ、そこから樽香、タンニンが尖った酸味と共に主張してくる。

濃厚は濃厚ですが、酸味を甘さと濃さで上塗りしたような味わい、樽香も浮ついていてフレーバーにバラツキがあるというか、統一感があまり感じられない。。。というのが開封直後のこのワインに対する印象。正直、買って失敗したとすら思いましたね(笑)。

   
例えば果実味に限定すると、序盤はジャムやソースのような、加工した果実の甘酸っぱさがあってこれはこれで良いのですが、後半にはまだ硬さが残る果実を食べた時のような主張の強い酸味に変わってしまう。2つ時系列の違うものがそれぞれ主張しあっていて、お互いいいものはあるのに交わっていない、そんな違和感からあまり杯が進みません。

このワインを開封したのは日曜日の夜で、半分ちょっと残してバキュバンから冷蔵庫へ。ま、平日飲めば良いか~と。しかしこういう時に限って平日の帰りが遅くなり。。。金曜深夜まで5日間丸々放置プレー。
いい加減飲まないと調理酒行きになってしまうので、18度くらいまで温度を戻して飲んでみると、「なにこれめっちゃ旨いじゃん!」というほど印象が変わっていました。


ふくよかで深い甘みと微かにハーブの漂うアロマ。硬さのないまろやかな舌触り、熟したぶどうやベリーを思わせる蜜っぽい甘酸っぱさ。余韻のタンニンもカドが取れ、濃厚な味わいにあって実にバランスがいい。
それぞれ主張しあっていたものが融和し、香りは熟した果実のように開いている。

ワインは2〜3日で飲みきるものという認識があり、2日目にカドが取れて美味しくなってることは何度かありましたが、大概は酸化が進んだり香味がぼやけたりする傾向がある中、5日経ってこうも美味しくなるとは衝撃的です。
そしてアテに買っていたパストラミビーフとの相性が激ヤバ。とろんとした甘みに黒胡椒のスパイシーさとビーフの旨味がマッチして、飲む食うの永久運動、一気に飲みきってしまいました。
(そして締めのコニャックを飲みながら、ソファーで寝落ち(笑))

この味で2500円程度なら、素晴らしいコストパフォーマンスです。
つまりそれだけポテンシャルがあるワインであり、現時点で美味しくするには今回のように時間をかけるか、あるいはデキャンタか、一手間必要と言えますが、単純に飲み頃はまだ先ということなのかもしれません。
今回はたまたまこういう形になりましたが、次は狙って開かせたものを飲んでみたいです。 

パッソ デル スッドゥ アパッシメント エディツィオーネ 15%

カテゴリ:
PASSO DEL SUD
APPASSIMENTO
EDIZIONE 2015
750ml 15%

香り:カシスやレーズンの濃厚な甘酸っぱさ、ほのかに醤油。スモーキーで甘みには天津甘栗の焦げ感、栗の渋皮を思わせる樽香とタンニン。

味:口当たりも香りで感じた同様に濃厚な甘酸っぱさ、非常にリッチ。中間はあまり変化がないが、ウェルチ、ザクロジュース、カシスリキュールを飲んでいるよう。徐々に焦げた木材。
余韻はビターで焦げ感のある樽香を伴い収束するタンニン、たっぷりとしてリッチな甘さがある。

アパッシメントらしい実に濃厚なワイン。色合いも赤みを帯びて非常に濃い。開封後、バキュバンで2日程度の保存であれば、多少丸みが出る程度で酸味も強くならずにいただける。


最近ウイスキーが続いたので、久々にワインでいきましょう。
今回は先日記事にしたカーサのアパッシメントと同じプーリア州から、全く同じ千円台中頃の価格帯でコスパの良いタイプ。ですがそのキャラクターは、樽を効かせた焦がしたようなウッディさとタンニンが豊富に感じられる、単にフルボディで甘酸っぱいだけじゃない個性が付与されている1本です。

自分周辺のウイスキー愛好家には、アパッシメントやアマローネのワインは総じて評判がいいわけですが、かく言う私も好みの部類。
葡萄を乾燥させて糖度を高めた濃厚な味わいは、時に単調気味ながら酸味以上に感じられる濃さと甘さで、ウイスキーにも通じる要素があるところ。加えて「オラ!どうだ!」と盛りよく出てくる、さながらB級グルメ的な旨さは、この価格帯のアパッシメントの親しみやすさとも思います。


ただ今回のパッソ デル スッドゥは、甘さと酸味、そして焦げと苦味の樽感とで、単品では濃厚民族な方々でも少々呑み疲れるのではという懸念も。。。
ここに合わせるオススメというか定番は、同じくこってりとした煮込み料。今回は鶏肉で合わせましたが、トリッパとかイタリアらしい料理と合わせても良いと思います。

食中酒としてワインを合わせ、食後はハイボールでこってり感をリセット。そこからウイスキーに入るなんて休日の夜の過ごし方は、家飲みで気兼ねなく使えるワインだからこそできる楽しみ方ではないでしょうか。
この満足感は、ウイスキー単体では中々出せませんね。

カ デル コンソーレ 2015 アパッシメント プーリア 14.5%

カテゴリ:
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CA DEL CONSOLE 2015
ROSSO APPASSIMENTO
PUGLIA
INDICAZIONE GEOGRAFICA TIPICA
750ml 14.5%

ローソンが扱っているアパッシメント製法のワイン。品種はメルロー、プリミティーヴォ、ネグロアマーロ。産地は南イタリアのプーリア州。
アパッシメントは葡萄を乾燥させて作るため生産量が落ちてしまい、一般に価格も高価になりがちなのだそうですが、このワインはなんと1080円です。(以前紹介したカーサも1500円前後なんで、あまり関係ないかも知れませんが。)

プーリアはブレンド用のワインを大量生産している地域でもあるようで、そういう扱いの一つなのかも知れませんが、アパッシメント製法を採用しているワインの中では、最安値なんじゃないでしょうか。
店頭で見かけてどんなもんじゃと、週末の家ご飯用に購入してみました。これで甘口濃厚で美味しければ、近場で調達出来て価格も安い、良いことづくめです。


香りは果実香主体、樽感は控えめ。カシスシロップやブルーベリージャム、所謂黒系果実香にほのかにベリーっぽさ。甘みと酸味のバランスが良く、また地域やメルロー主体な構成もあってか、濃さ、若さのわりにギスギスした感じは少なく感じられます。
口当たりはアパッシメントらしくとろりと濃厚。香り同様にあまり若さは主張しませんが、アパッシメントにしては甘みが薄いというか、酸味もそれなりにあって通常のフルボディな赤に近い印象も。余韻はブドウの皮を噛み締めたような苦味、タンニンが序盤の甘酸っぱさを引き締めてバランスよく残ります。

料理との組み合わせでは、個人的にはトマト系の煮込み肉料理など、濃い味のものと相性がいいようです。イタリアだからトマトってのは安易な話ですが、これが合うんだから仕方ない。
一方赤ワインらしい赤なので肉料理全般は間違いなさそうであるものの、ネットではスイーツやチョコレートとの組み合わせを推奨されている方も見かけましたが、自分の場合は酸味がくどく感じられて・・・。

総評としてはコスパの良いタイプですね。ちょっと濃い赤飲みたいって時にローソン行けばこのワインが買えてしまうのですから、コンビニワインだからと馬鹿に出来ないなと思ってしまいます。しかもデイリーワインに文句なしという価格なのも魅力。
勿論値段相応を思わせる、濃さで誤魔化したような弱点は無いわけではないのですが、ワインの良さって「1000円のワインでもちゃんとワインの味がする」というところかなと。当たり前の話かもしれませんが、ウイスキーだとこうはいかないんですよね。。。
ぱっと見かけて衝動買いでしたが、中々良い出会いでした。

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