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アードベッグ トリー・バン 19年 2000-2019 46.2%

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ARDBEG 
TRAIGH BHAN 
Batch No,1
GUARANTEED 19 YEARS OLD 
Distilled 2000 
Bottled 2019 
Cask type American Oak & Oloroso Sherry 
700ml 46.2% 

グラス:グレンケアン
場所:BAR Eclipse first 
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:グラスに注いだ瞬間から立ち上るヨードや潮気を含むピート香。香り立ちは柔らかく、灰っぽさや乾いた土、奥には柑橘や蜂蜜、オークのニュアンスをアクセントに、しっかりとスモーキーなアロマ。

味:マイルドな口当たり、角のとれたピートフレーバーと塩気がはっきり感じられる。乾燥させた麦芽、木屑、香り同様柑橘類の甘味と仄かな酸、含み香に松脂を思わせる要素も混じる。
余韻は塩気がそのまま残り、スモーキーでピーティー、ウッディな渋みを伴って、ほろ苦く蓄積するように長く続く。

なんとも正統派なアードベッグ。樽感は香味ともリフィル系のプレーンなタイプで、酒質を邪魔しない構成が、逆に多彩な香味と熟成感を際立たせている。この樽使いはいかにもディアジオらしい。飲み進めていくと、強い塩気と蓄積するようなウッディさが若干引っ掛かる部分もあるが、全体的には完成度の高いオフィシャルリリースである。

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9月3日、昨日発売されたばかりのアードベッグの新商品、トリー・バン。特に狙って飲みに行った訳ではないのですが、入荷しているなら1杯いっときますかと。
同シリーズはスモールバッチで毎年様々なスペックのシングルモルトをリリースしていく構想のようで、ファーストリリースは2000年蒸留で19年熟成。アイラモルトでは近年数少なくなってきた中熟仕様かつ、単一蒸留年の仕様でリリースされています。

トリー・バンはゲール語で歌う砂を意味する・・・ボトリングの日は嵐だった・・・という背面ラベルや外箱記載のエピソードはさておき。
近年ラフロイグが18年を終売にしたり、あるいはラガヴーリンがショートエイジの8年をラインナップに加えるなど、アイラ全体で15年熟成以上のリリースの話をほとんど聞かない中。アードベッグは昨年も20年熟成以上のミドルエイジリリースを限定で実施していた実績があるだけでなく、20年近いシングルモルトを2万円ちょっと、納得感のある価格設定でリリースしてきたのは素直に驚きです。

樽構成はアメリカンオーク樽とオロロソシェリー樽。味わいから察するに、アメリカンオーク樽は複数回使用したサードフィルあたりのウイスキーカスクがメイン。合わせて使われているオロロソシェリー樽はヨーロピアンオークと思われますが、これも大半がリフィルと思われます。
シェリー樽の比率はそこまで多くない印象で、酒質の個性を潰さない熟成をさせつつ、口当たりの甘味やコク、バランスを整えるために少量使っているのではと推察。
他のリリースだと、ラガヴーリンのジャズフェスボトルとかで近い作りがあったなと。あとは毎年恒例のスペシャルリリース系統ですね。いかにもディアジオらしい樽使いです。

プレスリリース等の事前情報から、シェリー樽多めかと思っていたので(色合いが"暖かみのある茶色"ってなってたし)、あまり期待してなかったというか、少なくともこの系統とは予想していませんでした。
香り立ち、味わい、オフィシャルリリースとして10年等の延長線上にある仕上がりで、価格だけでなく内容にも納得。先日のアードベッグデーでリリースされた”ドラム”も、あれはあれで若いなりに良さはありましたし、こういうので良いんですよ。
また、ボトラーズ等でもリリースが増えているヤングエイジのアイラモルトは個性の強さなどで普通に楽しめるものもありますが、今回のようなリリースを飲むと、熟成した原酒の存在は尊いものと認識させられます。

トリー・バンのファーストリリースはアードベッグ好きに是非とオススメ出来る1本。ただし余韻にかけて多少引っ掛かる酸やウッディさが気になった部分もあるので、開封後の変化も見てみたいと思います。
特にあの塩気。。。海辺で樽の乾燥でもさせていたのか、蓄積するように残る特徴的なフレーバー。アイラらしいっちゃらしいですが、この辺が馴染むとどうか。
ただそれ以外では、現時点でも総じて好印象なモルトでした。

アードベッグ ベリーヤング 1998-2004 58.3%

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ARDBEG 
Very young 
Distilled 1998 
Bottled 2004 
700ml 58.3% 

グラス:グレンケアン 
時期:不明 
場所:Bar Eclipse 
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:強くシャープ、ややクリアなピーティーさが全面にあり、ヨードと合わさって鼻孔を刺激する。土っぽいアロマ、微かにシトラス、ハーブ、金属っぽさを伴う塩気も感じられる。

味:勢いがあってパワフルな口当たり。ピーティーでビター、飲み口から鼻孔までピートスモークが広がる含み香。徐々に魚介出汁のスープのようなコクが感じられ、微かに焦げたようなニュアンスも伴う。フィニッシュは序盤同様ピーティーでスモーキー、レモンピールの柑橘系のほろ苦さを伴いつつスパイシーで長く続く。

若いアイラ特有のシャープで強いピーティーさと、ヨード香がもたらす甘さが樽材の要素にマスクされずダイレクトに感じられる。一方で若さ由来の未熟感、ニューポッティーさは香味ともほぼない。突出して素晴らしい訳ではないが、若いなりのアードベッグの良さを嫌みなく味わえるのが、このボトルの飲みどころと言えるのかもしれない。

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アードベッグ蒸留所の紆余曲折についてはこれまでも度々触れているので省略。話は1997年、グレンモーレンジに買収され、再び本格的に操業を開始した地点から。
この新生アードベッグから、将来的なオフィシャルリリースの切り替えにあたり、原酒の切り替え、新しいアードベッグのハウススタイルの体現、ブランド確立等を目的として2004年にリリースされたのが、ベリーヤング、スティルヤング、オールモストゼアー、ルネッサンスの4種類です。(以下、画像参照)

ベリーヤングが約6年熟成に始まり、それから8年、9年、10年。蒸留は1998年で同じですが、リリース毎に熟成年数を増す形式がとられており、10年のリリースを完成と考えれば他はワークインプログレスという仕様となります。
正直どれも悪くないというか、それぞれ良さはあるのですが、ベリーヤングはファーストリリースであることと、あえて約6年という短期熟成の原酒がオフィシャルからリリースされたというインパクトもあってか、実際の完成度はさておき一連のシリーズのなかで特に高い評価を受けていたように記憶しています。

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(アードベッグ10年熟成への旅、4種。良い意味で熟成と樽に邪魔されておらず、インパクトがあってわかりやすい味わいはベリーヤングであるが、逆に良い意味で熟成を通じて個性も整っているルネッサンスが個人的には好みで、完成度も高いと感じている。この辺は嗜好品故の個人個々の好みの差でもあるだろう。なおスティルヤングやオールモストゼアーは中間にあってか半端な印象があるかもしれないが、それぞれヤングアイラの特徴は捉えやすく、決して悪い出来ではない。)

自分が本格的に飲み始めた頃には、ルネッサンスに加え、スタンダードの10年がリニューアルされた後だったわけですが、アードベッグは10年より若い方がいいね、なんて評価をイベントのブース等で聞いたこともあったくらいです。
当時は長期熟成のこなれたモルトがオフィシャル、ボトラーズ問わず多くリリースされていた時期でしたので、若い原酒で樽感に邪魔されない、パンチのある味わいが逆に重宝されたというのもあるのでしょう。ピートの強さで言えば間違いなく強かったのはベリーヤングです。

今のウイスキー市場から見ればなんとも贅沢な話だったようにも思います。
一方で、この当時1990年代のアードベッグをはじめとしたアイラモルトは、若くても今ほど粗さが目立たないというか、オイリーなコクと麦感があって、それはそれで良さが感じられるモノが多いようにも感じています。
例えば、ラガ12年のスペシャルリリースも初期の頃と今とでは大きな差があります
アードベッグについても、今回久々にベリーヤングを飲みましたが、近年のボトラーズからリリースされる6~7年程度の熟成の若い原酒等のように、ただピートが刺々しく、浮わついたようにならないのが、経年での変化を差し引いても印象的でした。

アードベッグ ドラム アードベッグデー2019 46%

カテゴリ:
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ARDBEG 
DRUM 
Rum Cask Finish 
LIMITED EDITION 2019
700ml 46%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:新宿ウイスキーサロン
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ピーティーでスモーキー、焦げた木材、魚介の塩漬けや磯っぽさなどの島系の要素をしっかりと含んだアロマだが、全体的に丸みがあり、奥には杏やパイナップルジャムのような甘みも感じられる。

味:香り同様の構成。序盤はややエステリーでドライな口当たりだが、ピートの焦げたようなほろ苦さと塩気、磯っぽさが口内から鼻腔に届く。そこから徐々に黄色フルーツのジャムのような粘性を伴う甘味が余韻にかけて広がっていき、スモーキーでカカオのような苦味と共に長いフィニッシュへと繋がる。

10~12年前後の熟成と思われるスタンダードなアードベッグを、黄色い果実のジャムのような粘性のある甘味が、作為的にならない程度にコーティングしている。作り手のノウハウが活かされたような後熟具合。
ハイボールにしても香味がそのまま延びるようで崩れない。このバランスの良さは限定品としてではなく、通常品として日常的にも楽しみたいアードベッグ。

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毎年恒例、アードベッグデー向けにリリースされる限定品。2019年はラムカスクフィニッシュのアードベッグです。
「そうそう、こういうので良いんだよ」
飲んで一番最初に思い浮かんだ感想が、この一言でした。

2015年の蒸留所創業200周年記念を除くと、これまでの3年間のリリースは、
2016年:ダークコーヴ(ダークシェリーカスク原酒)
2017年:ケルピー(ヴァージンオークカスク原酒)
2018年:グルーヴス(ヘビーリチャー・ワインカスク原酒)
と、通常のオフィシャル10年と同様のバーボン樽熟成原酒をベースとしつつ、そこに何らかの樽由来の強烈な個性を持った原酒をブレンドする方向で仕上げられていました。

2016年のダークコーヴは、バーボン樽とシェリー樽(恐らくPXに類するもの)の組み合わせという元々実績のあるもので、まだなんとか・・・でしたが、ケルピー、グルーヴスはお祭り気分で悪ノリしてしまったのか、新樽、ワインのヘビーチャー、樽由来のネガな部分が出やすいチャレンジングなものが使われたこともあり、元々の味わいともあまりマッチしていない。限定品として1回楽しむなら良いけれど、定番品として飲みたいかと言われたら答えはノーでした。

一方、今回のアードベッグ ドラムですが、ベースとなる原酒とフィニッシュで使われたラム樽由来の風味のバランスが、ここ数年で一番と言えるレベルにまとまっています。
強くピーティーで島要素もたっぷり含んだ現行アードベッグのハウススタイルは、完成度こそ高いものの主張の強さから飲み疲れることもしばしば。そうした個性をラム樽由来のジャムような粘性と濃度のある甘酸っぱさがコーティング。イメージは、男性的なスタイルのアードベッグと、南国衣装に身を包んだ女性的なラムが手を取り合って踊るような・・・なんとも楽しい気分で飲み進めることが出来ました。

天国を知るためには、地獄を知っておかなければならない。
例えが些か過剰とは思いますが、アードベッグ・ドラムの向こうに南国が見えたのは、きっとこれまでのリリースの影響も少なからずあったのでしょう。


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(今年のテーマはカーニバル。確かに楽しくなる味わいだった。上記経緯から期待していなかったものの、良い意味で裏切られた愛好家は少なくなかった模様。)

これまでの3作は強烈な個性を持った原酒を新たに作って、バーボン樽熟成の原酒にブレンドする方法をとっていましたが、今年からフィニッシュに手法を切り替えたのも、仕上がりの違い、全体的な熟成感の向上に繋がっているのかもしれません。

フィニッシュに使われたラム樽は、アメリカで作られるラムの空き樽とのことですが、ディアジオ繋がりだとキャプテンモルガン(アメリカ・ヴァージン諸島)でしょうか。
仮にそうだとすると、主たるところはアメリカンオークです。ベースのバーボン樽原酒とは樽材が共通であり、ラムの風味も甘味とフルーティーさですから、それぞれ共通項が架け橋になって最終的な香味のまとまりの良さ、ハイボールにした時の伸びの良さに繋がったのではと考えています。

アードベッグドラムは、過去のリリース同様アードベッグ・コミッティ向けにカスクストレングスもリリースされています。
加水仕様が予想外に良かっただけに、これはコミッティ向けも是非飲んでおきたいですね。






アードベッグ ルネッサンス 1998-2008 55.9%

カテゴリ:
ARDBEG
RENAISSANCE
Distilled 1998
Bottled 2008
700ml 55.9%

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:Y's Land BAR IAN
評価:★★★★★★(6) (!)

香り:角の取れたスモーキーさ、塩素、乾燥した麦芽香は土っぽさを伴って素朴な印象。奥にはヨード、カシューナッツ、蜂蜜レモンのような穏やかな酸味も感じる。

味:コクのある口当たり。塩気のある魚介ダシ、貝殻のようなミネラル、燻したように香ばしさとスモーキーさのある乾燥した麦芽風味。合わせて強いピーティーさと微かな柑橘。余韻はスモーキーで焦げた干し草、パワフルで長く続く。

麦感と黄色い柑橘、そしてアイラ的な要素を伴うピーティーさ。オーソドックスなアードベッグの美味しさをストレートに楽しめる1本。経年でこなれた印象が口当たりにあり、一体感も生まれつつある。オールドボトルとしての伸び代は充分で、さらに10年後が楽しみ。


アードベッグ、"10年熟成への道"の終着点にして、現体制下で蒸留された原酒のうち、最初?の10年熟成が今回の一本。なんだかんだリリースからもう10年経つんですね。 

時は1997年、グレンモーレンジに買収される形で現在の体制に行き着いたアードベッグ蒸留所は、アライド傘下で1989年から1996年まで一定の生産は行われていたものの、それ以前の1980年代の大半は休止状態にあったところ。将来的に10〜15年熟成の原酒が不足することも予想され、如何にオフィシャルスタンダードの原酒を切り替えていくかが現体制が直面した課題の一つでした。

そこで1998年に蒸留された原酒を使い、「新生アードベッグ10年への道」として、熟成年数を段階的にリリースしながら、アードベッグのスタンダードグレードがリリース可能となるまでを辿る企画がスタート。6年ベリーヤング、8年スティルヤング、9年オールモストゼア、そして第4弾にして最終形としてリリースされたのが、10年熟成のルネッサンスです。 

(新生アードベッグのマスコットキャラクター、ショーティー。その美味さに思わず樽に顔を突っ込むほど? それにしても、まさかこれほどアードベッグが受け入れらるとは、当時アライド社は思いもしなかっただろう。Photo by K.67)

ラベルにはDISTILLED 1998 - FINAL RELASE BOTTED 2008として、ルネッサンスがシリーズのラストリリースになることが明記されています。
リリース当時の評判は悪くはなかったようですが、2008年はボトラーズを中心に長熟スコッチが安価にリリースされていた時期。逆にレアリティもあってベリーヤングの方が高評価だったりして、最近のアードベッグデーリリースのように、スポットライトが当たっていたとは言い難い状況だったようです。
(なおあくまで個人的な観点ですが、時同じくブレイクしていた某芸人のネタが、逆にルネッサンスという響きにネガティブな要素を与えた可能性も微レ存・・・。)

そんなリリースを今改めて飲むと、これがしみじみと美味い。変に飾らない樽感、麦感と淡い柑橘、そして角が取れつつあるピーティーさ。決してオールドアイラという感じではないのですが、テイスティングの通りなんともオーソドックスな味わいが琴線に響く。
少なくとも、ここ数年のアードベッグデーの妙な樽感を押し付けられた限定リリースが、総じて悪趣味に感じられるほどには、アードベッグ本来の良さを堪能できるのです。

リリースの多かった一本ですし、例えばちょっと下町のBARとかだと残っているところも多そう。今改めてオススメしたい1本です。

アードベッグ 10年 1970年代流通 40%

カテゴリ:
ARDBEG
Years 10 Old
OLD ISLAY MALT SCOTCH WHISKY
1970's "White Label"
750ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人所有スペース@NS氏持ち寄りボトル
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★(8-9)

香り:スモーキーで強いヨード香、燻した麦芽と土っぽさ、地磯の海藻が混じる海の香り。レザーを思わせるニュアンスやほのかな柑橘感もあり、実に充実している。

味:マイルドだが存在感のある口当たり。麦芽風味はコクと厚みあり、ピーティーでヨードと魚介のニュアンス、ほのかにきび糖のような甘み、ナッツの香ばしさやグレープフルーツのワタに通じるほろ苦さを伴う。
余韻はしっかりとスモーキーだが、角の取れた麦芽風味主体。じんわりと広がって長く続く。 

加水と経年でバランス良く整った香り立ちとマイルドな口当たりでありながら、当時のモルトらしい厚みとはっきりとした個性が感じられる、秀逸なシングルモルトウイスキー。是非ストレートで。


アードベッグの1970年代流通オフィシャルボトル。当時のアードベッグはハイラムウォーカー傘下で、ピーテッドモルトの需要増に伴う増産が行われ始めた時期に該当しており、加水でありながら強い個性を感じる仕上がり。今年のアードベッグデーでリリースされたグルーヴスのPRでも、その繁栄ぶりが紹介されています。 

他方、その後訪れる1980年代冬の時代についてはここで解説するまでもなく・・・。一時閉鎖を経て大改修工事が行われ、その間の原料の変化と製法も変わったためか、少なくとも当時のような存在感の強い魚介、レザー、土、あるいは消毒液的な要素が合わさったような個性は鳴りを潜めてしまいます。
蒸留所はグレンモーレンジないしディアジオ傘下で安定し、そのブランドを確立して現代に至るわけですが、少なくともそのキャラクターは酒質がクリーンでピートが悪目立ちするオレオレ系。ハイボールにするには美味いものの、当時とはずいぶん異なるように思います。

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(ウイスキー仲間との持ち寄り会にて。アードベッグ1980年代流通(左)と、1970年代流通(右)。80年代流通にはグリーントール時代もあり、流通時期で分かれると推測。その他熟成年数のオフィシャルリリース等を見るに、グリーントールのほうが後期だろうか。)

また、近年との比較のみならず、この10年間でもスタイルは異なっているようです。
今回、持ち主のご好意で貴重な飲み比べを経験させていただいたわけですが、80年代流通はスモーキーでありながら麦感伴うどこか素朴なニュアンスを伴うアイラモルトである一方、1970年代流通は香味の厚み、個性の強さ、ピートの存在感共にワンランク上。特に加水でありながら海系のニュアンスの存在感の違いをはっきりと感じます。

日本のウイスキーが樽の香味を重ね合わせるものとすれば。スコットランドのウイスキーでイメージするのは、アイラに限らず樽は酒質を育てるもので、本質的なところは麦とピートというどこか田舎くさい土着のものにあると思うのです。近年はノンピートやライトピートスタイルが増えているだけでなく、麦系のニュアンスも弱く、どちらかと言うと樽主体の構成が増えていますが、今回のようなオフィシャルボトルを飲むと、その性質の違いによる独自の魅力を改めて感じさせられます。貴重なテイスティングの機会をいただき、感謝です。


以下雑談。
今回のアードベッグのラベルを見て思い出す構図が、以前記事の挿入画像として使わせていただいたK67氏提供の1枚。
おそらくほぼ同じ地点と思しき構図(ラベルのほうがやや陸寄り)なのですが、建物が微妙に異なるなどしているのは、イラストが忠実とすれば大改修前後の変化ということなのかもしれません。また、海側も、船着場として利用できたであろう桟橋が2箇所沖まで伸びており、当時の物流で機能していたであろうことが伺えます。

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