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エライジャクレイグ 12年 バレルプルーフ 68%

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ELIJAH CRAIG 
Barrel Proof 
Kentucky Straight Bourbon Whisky 
Aged 12 years
2017-2018's
750ml 68%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後半年程度
場所:自宅
評価:★★★★★★★(7)

香り:奥行きのあるリッチなチャーオーク香。キャラメルポップコーン、オランジェットやチェリー、少し干し草や穀物っぽさも伴う。溶剤を思わせる刺激が、濃厚でスパイシーな樽香の奥で酒精の強さを主張する。

味:しっかりとメローかつ、ウッディーでパンチの強いパワフルな味わい。ハイプルーフ由来の刺激と合わせて、オレンジやベリーのドライフルーツ、ブラウンシュガーやカラメルソースの甘みと苦味が、タンニンを伴って広がってくる。
余韻は強くスパイシー、樹液のようなウッディな甘みも感じつつ長く続く。

赤みがかった濃い美しい色合い。単に荒々しいだけでなく、樽由来のメローな甘みと熟成感で、旨いバーボンとはこういうものと言える形のひとつ。まさにバーボンという印象。嫌みが少ないながら濃厚な構成であるため、加水で柔らかく芳醇な香りが、ロックでは温度差をもって口内で開く馥郁とした味わいがそれぞれ楽しめる。

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ヘブンヒル蒸留所で生産されている、エライジャクレイグブランドのスモールバッチリリース。2017年から蒸留所や一部現地ショップで販売されている限定品で、現地ウイスキー雑誌Whisky Advocateが主催したコンペでは、2017年のベストウイスキーにも輝いています。

リリースの位置付けとしては、スタンダード品のスモールバッチ&バレルプルーフ仕様ですが、そのスペックはほとんどのボトルが65%を越えており、熟成を通じて度数が上がったタイプの原酒を厳選して構成されている、特別仕様であることも伺えます。(近年流通品は、一部65%未満のリリースもあり。)

一方で、今回のボトルは12年熟成ですが、現行品はノンエイジに切り替わっている模様。補足すると、スタンダード品のエライジャクレイグは長く12年熟成品として販売されていたものの、現行品へのラベル・ボトルチェンジに伴ってノンエイジ仕様に切り替わっており、このバレルプルーフも同様の変化があったようです。
直近のバレルプルーフはロットナンバーが表ラベルに記載される一方で、熟成年数もノンエイジに。ボトル形状も現在のエライジャクレイグのすらりとしたタイプに変更されています。

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(スタンダード品の12年とバレルプルーフ。写真の12年は1990年代流通で、2016~2017年頃に12年表記が背面ラベルに移り、その後ボトルチェンジと共にノンエイジ仕様へと切り替わっている。アメリカンウイスキーにおいて10年オーバーの原酒の確保は、どのラインナップも難しくなって来ている模様。)

レビューのとおり、その香味は60%を越えるバレルプルーフらしくパワフルで、しっかりと樽の効いたメローかつスパイシー、ちょっと穀物っぽさも伴うリッチな味わいが特徴。
同じ濃厚さの中でもジャックダニエルのようにバニラ系の甘味が強かったり、ターキーなどのように果実系の要素が強いというタイプでもない。ハウススタイルを維持しながらコシが強い、スタンダードバーボンの強化版という印象を受けました。

だからこそストレートのみならず、ロックや加水で飲んでもその美味しさが持続し、それぞれ異なる魅力を楽しませてくれるのかもしれません。
スタンダードバーボンの構成が少々厳しい状況にある昨今ですが、良いものはやはり良い。疲れた体に活力を、元気を与えてくれるような旨いバーボンです。

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ノブクリーク シングルバレル 60% ジムビーム クラフトバーボン

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KOB CREEK 
SINGLE BARREL RESERVE 
Kentucky Straight Bourbon Whisky 
Aged 9 years 
750ml 60% 

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:日比谷BAR 
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディでスパイシーなアロマ。チャーオーク、バニラ、少し焦げたチョコレートクッキーのような甘み。微かにダークフルーツを思わせるアクセントも。力強い香り立ち。

味:メローでメープルシロップやワッフルを思わせる甘味、ほのかにドライクランベリーやチェリーの酸味も伴う口当たり。度数故の強いアタックが余韻にかけて存在感を増し、樽材由来のえぐみを少々感じつつ、ウッディでひりつくようなフィニッシュが仄かな焦げ感と共に長く続く。

ネガティブ要素の少ない熟成感で、パワフルなバーボンだ。少量加水すると少し果実味は減るが、樽と原料由来のバニラの要素がわかりやすい。またキャラメルポップコーンのような甘みと軽い香ばしさも感じられる。
5000円以内でオススメ出来るバーボンの一つ。


ジムビーム蒸留所がリリースするプレミアムブランド。クラフトバーボンの中で、最長熟成品が9年熟成のノブクリークです。
以前はスモールバッチシリーズとして、ブッカーズらと共に少量生産、マスターディスティラーこだわりの逸品を売りにしていましたが、いつの間にかブランド戦略を変更したようです。(知らなかった・・・w)

現在、ノブクリークは限定品を除くとスタンダード、ライベース、そしてシングルバレルの3種があり、全て19世紀の旧連邦アルコール法のボトルド・イン・ボンド(通称・ボンデッド)の区分に基づき50%以上の度数でボトリングされています。
このボンデッドは、現在は廃案になった区分で特段遵守する義務はないのですが、現在のストレートバーボンよりも厳しい基準であることから、一部の銘柄で高品質なバーボンの証明のような位置付けで掲げられています。ノブクリークにはボンデッド表記はありませんが、これこそバーボン本来の姿であるとして、禁酒法前後のバーボンに見られた平べったい形のボトルデザインが採用されています。


さて、今回のノブクリーク・シングルバレルは読んで字の如く単一樽からボトリングされたもの。つまり、60%以下に度数が下がってしまった原酒は弾かれるため、50%加水のオフィシャル通常品より選定条件が一段階厳しいということになります。ノブクリークはバレルエントリーが62.5%。マッシュビルもシングルバレルはスタンダード品と同じ、コーン75%、ライ13%、モルト12%とのことで、純粋に熟成の違いが原酒の選定を左右している模様。)

度数が高い分ボディも厚く樽香もリッチで、通常品で多少感じられるえぐみのような要素は隠れており、しっかりとパンチがある中に、メローで熟成由来のドライフルーツを思わせる甘酸っぱい香味も纏った味わいが感じられる。シングルバレルのほうはイベントでの試飲程度しかしてきませんでしたが、ちゃんとテイスティングしてこれは充分に美味しいバーボンだと感じました。
近年、この5000円以内の価格帯でオススメ出来るバーボンが少なくなって来てきており、今回のテイスティングで、50%未満の加水区分ならターキー13年、ハイプルーフゾーンではこのノブクリーク・シングルバレルが筆頭だなと、個人的な評価を更新した次第。今度家飲み用に1本買ってみたいと思います。

ワイルドターキー トラディション 1990年代流通 50.5%

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WILD TURKEY 
TRADITION 
Kentucky Straight Bourbon 
1990's (1994's)
750ml 50.5% 

グラス:テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封当日
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライな香り立ち。干し草、ドライオレンジピール、微かなえぐみを伴うウッディネス。クッキーやキャラメルポップコーンのようなメローで軽い香ばしさに通じるアロマも感じられる。

味:パワフルな口当たり。乾燥した穀物やバニラウェハース、口内で転がすと微かにオレンジママレードやメープルシロップのアクセント。カカオのような苦味と焦げ感の伴うウッディさがあり、ドライでスパイシーなフィニッシュへと繋がる。

ドライでスパイシーなキャラクターが印象的なバーボン。時期が時期なのでえぐみのような要素は少なく、メローで適度なコクも備わっているが、濃厚な味わいという程ではない。加水するとマイルドだが穀物っぽさが強く、

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1990年代、輸出向けにリリースされていた銘柄のひとつ。(2009年に14年がリリースされていますが、これは時期も構成も別物。)
同時期では、先日記事にもしたワイルドターキー・ケンタッキーレジェンドが同じく輸出向けにラインナップされていましたが、香味が似通うことの多いバーボンにありながら、ドライでスパイシーな本銘柄と、リッチでメローなケンタッキーレジェンドとで明確な違いが感じられます。

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(同時期流通のワイルドターキー・ケンタッキーレジェンド。メローなオークフレーバー、ほのかにベリーなどドライフルーツを思わせる酸味も混じるリッチな味わい。)

その背景には、熟成年数の違いがあるのではという印象。ちょっとライっぽい気もするので、通常のライ13%のマッシュビルとの違いもあるのかもしれませんが、同じ流通時期の8年50.5%と比較してもドライな構成であり、例えばケンタッキーレジェンドを10年程度の熟成とすると、今回のトラディションは6~8年、レアブリードの加水調整品的な位置付けと考えれば、しっくり来る気がします。

比較的種類のあるオールドターキーの中では、メローで濃厚、甘酸っぱい果実感に、熟成感も強いハイプルーフなものが高い評価を受けている現在の市場にあって、このトラディションはその逆をいくスタイル。当然、市場価格はそこまで高くなっておらず、5000円を下回ってリサイクルショップ等で販売されていることも珍しくありません。
確かにトレンドとは違っているのですが、ネガティブな要素が強い訳ではなく、特に現行品との比較ではそう悪くないとも感じられます。そういう系統のバーボンとして考えるなら、案外お買い得な1本かもしれません。

ワイルドターキー ケンタッキーレジェンド 1990年代流通 50.5%

カテゴリ:
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WILD TURKEY 
Kentucky Legend 
Kentucky Straight Bourbon 
1990's 
750ml 50.5% 

グラス:国際規格テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封当日
評価:★★★★★★★(7)

香り:濃厚で芳醇。しっかりと力強いメローな香り立ち。チャーオーク、チョコレートクッキー、微かな焦げ香や溶剤と合わせ、レーズンやベリーのドライフルーツの果実香がアクセントになっている。

味:濃厚で甘酸っぱい口当たり。チェリーやベリーなどの赤い果実と、カラメルソースのようなほろ苦い粘性が舌に絡み、芳醇な樽香と微かにフローラルなニュアンスが鼻孔に抜けていく。
後半は徐々にビターでしっとりとしたウッディネス、ピリピリとスパイシーな余韻となって長く続く。

リッチな樽香に、熟成感も備えた上等なバーボン。オークフレーバーに混じるスパイシーさと果実味が、まさにオールドターキーらしさである。ストレート以外にロックなどでも楽しめる。1本自宅に常備しておきたい。


ワイルドターキーの3代目マスターディスティラーである、ジミー・ラッセル氏が選定したという特別な一樽からボトリングされたのが、ワイルドターキー・ケンタッキーレジェンドです。
同品には今回紹介するくびれのあるボトル形状の加水調整&複数樽仕様の他、ずんぐりとした形状のシングルバレル&バレルプルーフ仕様があり、それなりに量も生産されていたようです。

香味からは濃厚なチャーオーク香、熟成を感じさせる力強さを併せ持ったメローな甘みとウッディネスの中に、オールドターキーらしい赤い果実味も備わっていて上々な仕上がり。ウッディなえぐみが少ないのもポイントで、個人的にはドライでスパイシーさが強く感じられたシングルバレル仕様より、加水品のほうがバランスが良いように感じます。

他方で、特別な一樽と言っても基準の詳細なところは定かではなく。膨大なワイルドターキーの貯蔵原酒のなかから樽を選ぶなど時間がいくらあっても足りないため、恐らくある一定の基準を満たした(例えば熟成年数に到達した)原酒に対して、官能評価をしているものと思われます。
上述の通り濃厚でメローな構成ですが、同時期にリリースされていた12年ゴールドラベルほどは樽感が濃くないため、熟成の最低ラインは10年程度だったのではないかと推察します。

ケンタッキーレジェンドの加水品は1990年代前半に流通しており、裏ラベルにボトリング時期が記載されているものは詳細な時期を絞り込むことができます。今回のボトルはそのどちらも確認できませんでしたが、この時期の10年以上かつハイプルーフなバーボンウイスキーは質の良いものが多く、これまで飲んで来た同銘柄の中身は総じてレベルが高い印象です。
こういうバーボンが1本あると、家飲みが充実していいんですよねえ。


余談:写真のボトルはローヤルのキャップが刺さっていますが、開封時にコルクが折れたための代用品で、実際は楕円形で空飛ぶターキーのイラストが書かれたものが使用されています。
お酒の美術館神田店、提供されるモノはそう悪くないのですが、コルクブレイクが多いんですよね・・・。オールドのコルクは折れやすいものの、経験上リカバリー出来るものも多いので、もうちょっと慎重に開けて欲しいなあ、なんて。

オールド1889 ロイヤル 12年 1980年代流通 40% 特級表記

カテゴリ:
OLD 1889 ROYAL
(HEAVEN HILL)
Kentucky Straight Bourbon Whisky
Aged 12 years
1980's
750ml 43%

グラス:スピリッツスニフター
場所:BAR Sandrie
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

柔らかく角の取れた香り立ち。しっかりと濃厚でメロー、メープルシロップ、チェリーのシロップ漬け、クランベリー。微かに赤い果実感をアクセントに、奥にはワックス、少しソーピーな要素も感じさせる。
口当たりは若干ベタつきもあるマイルドなウッディさから、ドライなフィニッシュ。微かに干草のようなニュアンスも。


しっかりと濃厚でメロー、オールドスタイルなバーボン。作り手はOld 1889 Distillery Companyとなっていますが、勿論そんな蒸留所が存在するわけがなく。中身はバーズタウン、つまりは消失前のヘブンヒル蒸留所で作られた原酒を12年間熟成したもので、実態としてはヴァージンやアンダーソンクラブなど、当時多々あった関連銘柄の一つということになります。

このバーボンは「オールド1889ロイヤル」がブランド名ではなく、正しくは「オールド1889」のロイヤルグレード、12年熟成という整理のようです。
古くは4年熟成のものや、蒸留所違いと思しき"ブランド6年"というバーボンがリリースされており、6年はMEADOLAWN Distillery表記。企業が統合される中でヘブンヒルに加わっていったものと推察されます。
こちらは日本ではまず見かけない銘柄ではありますが、オールドバーボン全般ハズレがないので、なんともそそられますね。


(画像引用:Old 1889 BRAND 6 years old。1960年代以前に流通しており、86Proofと100ProofのBONDED仕様があった模様。)

なお今回の12年熟成のオールド1889は、1980年代後期から1990年代。バーボンブームだった日本に入ってきた銘柄ですが、現地ではそこまでモノが出回っていないようです。
現地が4年、6年、アジア圏では12年というのは、長期熟成の濃厚なタイプの方が需要があったことからの差別化でしょうか。個人的には濃厚なタイプのほうが好みなので、これもまた嬉しい遺産なのです。

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