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アラン 12年 2006-2018 プライベートカスク ウイスク・イー 57.5%

カテゴリ:
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ARRAN 
PRIVATE CASK 
FOR WHISKY-E LTD 
Aged 12 years 
Distilled 2006 
Bottled 2018 
Cask type 1st fill Bourbon Barrel 
700ml 57.5% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:Bar LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでウッディ、華やかなオークフレーバーとあわせてやや強い木材感。バニラ、ココナッツ、ファイバーパイナップルの淡いフルーティーさと籾殻のような乾いたアロマ。

味:度数相応に強い口当たり。香り同様にオークフレーバー主体でドライでウッディなアタックが広がったあと、奥から樹液のような粘性、蜂蜜レモン、黄色いフルーティーさを思わせる樽由来の近年系トロピカルフレーバーが顔を出す。
余韻はスパイシーでドライ、オーキーな華やかさが鼻腔に抜けると共に、酒精が喉をひりつくように刺激する。

加水すると華やかさはそのままだが、少し木のえぐみが残りやすい。バーボンバレルでアメリカンオークそのもののようなキャラクターの塊。安定の味。


ウィスク・イーが先日リリースしたプライベートカスク。アランらしい仕上がりというか、THE BOURBON BARRELって感じの味ですね。
アランはスペイサイドとハイランドを足して2で割ったような酒質をしているというのが、自分の印象。タリスカーやジュラ等の他の島系と異なり、ベンリアックやロングモーンなどのスペイサイドモルトであっても、同じ樽を使えば近い味のものが出来上がったのではないか。。。という、印象を持つリリースはこれまでもいくつかありました。

そのため、こうしたボトルは現行品のスコッチモルトを代表するような1本とも言えます。
それが決して悪いわけではなく、外れのない安定して美味しい構成であることは間違いありません。
華やかで、バニラの甘味や黄色系のフルーティーさもある分かりやすい味わい。ただ、バーボンウイスキーの銘柄毎の違いがあまり大きく無いように、この手の系統のスコッチモルトもまた、樽由来の香味主体故に銘柄毎の違いが楽しみづらくもあるのです。

強いて言えば、これが熟成場所の違いか、例示したスペイサイドのそれらの蒸留所よりも、熟成年数に対して樽が少しばかり強く出る傾向があるようにも感じます。
また、酒質も癖が少なく素直、麦系の甘みと適度な厚みで樽感との馴染みが良く、短熟から20年クラスまで安定して美味しい仕上がりになるのはまさに素性の良さ。今回のボトルもその視点で見ると、アランらしさが出ている1本と言えるのかもしれません。

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さて、このアランをリリースしたウィスク・イーが、先日、THE WHISKY CREWという紹介制の会員サービスを開始しました。
新規会員になるには現在会員になっているメンバーの紹介が必要ですが、会員になると同社が扱う商品を特設サイトからサービス価格で購入できるだけでなく、今回のようなプライベートボトルも会員向けのモノが用意されていく予定とのことです。

同社に関連する蒸留所だと、アランの他、スプリングバンク、キルケラン、グレンアラヒー、キルホーマンがありますが、ボトラーズブランドも扱っていますし、今後の展開が楽しみです。
現実的なところで、スプリングバンク系列は人気なので難しいかもしれませんが、キルケランや近年期待値上昇中のキルホーマンあたりはありそうだなと。
また、例えばスプリングバンクがケイデンショップなどに卸しているDuty paid sampleみたいな、若くても個性やスペックの尖った面白いリリースが扱われると良いなと感じています。

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ちなみに、そのPB第一段としては、アラン8年 2010-2018 クォーターカスク 57.3%がリリースされています。
「えっ、ファーストリリースが8年?」って熟成年数だけ見るとつい感じてしまうのですが、よく見ると樽がちょっと珍しい。スタンダードラインナップではボシーが18ヶ月クオーターカスクで追熟してリリースされるものはありましたが、それのみというのは無かったように思います。

上述のように近年のアランの酒質は、癖の少なさからか樽と馴染みやすい傾向があるため、今回のようにバレルサイズで12年でもかなり樽の個性が出ていたところ。さらに小型のクォーターカスクなら、8年クラスで丁度良いフルーティーさが得られるかもしれません。
こちらのボトルは、ウイスキー仲間のYakuさんがレビューされています。(ご参考:ドリンカーズラウンジ
レビューを見たところ、予想通り短熟ながら丁度良い具合に仕上がってそうですね。お値段以上アラン、自分も後日飲んでみます。

アラン 21年 オフィシャルボトル 2018年リリース 46%

カテゴリ:
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The Arran Malt 
Aged 21 years 
Release in 2018 (1st lot) 
700ml 46%

グラス:グレンケアンテイスティング
時期:開封後2ヶ月程度
場所:Bar Eclipse
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディでドライフルーツやフィナンシェなどの洋菓子、あるいは色の濃い蜂蜜も感じさせる甘味とビターな香り立ち。合わせて若干サルファリーなニュアンスも伴う。

味:ウッディでスパイシー、ねっとりとした舌当たり。香り同様の構成で樽感強く、樽由来の香味が重なりあったような木材感がある。余韻はオーキーなフルーティーさも若干混じるが、基本的にはシーズニングシェリーのウッディさと、微かにカカオ、サルファリーでビターなフィニッシュが長く続く。

シェリー樽圧殺というような構成ではないが、使われたシェリーとバーボン、2タイプ由来の樽材感が強いウッディな仕上がりという構成。そのため、酒質という以上に樽由来の香味が主体で、こてこてとしていて、なかでもシェリー系のニュアンスが強く残っている。
ストレートでは少々飲み疲れる部分もあるが、加水するとオーキーでアメリカンオーク由来の華やかさも混じるようになるので、開封後時間経過での変化が期待できそう。

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昨年12月にリリースされたアラン・オフィシャル通常ラインナップの最長熟成品。
これまでシングルカスクや何らかの限定品で20年、21年はリリースされてきていましたが、創業開始から23年たち、ようやく通常ラインナップとして21年熟成を安定してリリースできる目処が立ったということなのでしょう。

構成はシェリー樽とバーボン樽熟成の複数樽バッティング。テイスティングの通り結構シェリー樽の個性が強く出ていますね。
色合いからリフィルホグス、バーボンバレルも相応に使われているとは思いますが、これらの樽に求めるフルーティーさはストレートでは控えめで、むしろ一番効いているのがシェリー樽。それも創業初期のアラン蒸留所の樽に多いタイプです。

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(2016年にリリースされた、アラン蒸留所創業20周年記念の20年熟成。濃厚なシェリー感のあるボトルだったが、合わせてサルファリーさもあり、初期のアランの原酒らしいキャラクターだった。恐らくこの系統の原酒も使われているのだろう。)

アラン蒸留所は厳密に言えばアイランズモルトの区分に入りますが、島といいつつもその酒質はタリスカーやジュラのような個性的なものではなく、ハイランドモルトの王道を地でいくようなミディアムボディで素直かつ癖の少ないキャラクターです。
そのため、樽さえよければ化ける蒸留所であり、近年ではアメリカンオーク樽との組み合わせにおいて、フルーティーさのしっかり出たリリースが多くあります。
また、例えばスコットランドの北端に位置するオークニー諸島と比較すると、平均気温(主に最低気温)で約5度前後暖かく、その影響か20年経たず樽感の主張が強いリリースが見られるのも特徴といえます。

今回のリリースは21年分の樽感が感じられるリッチでややクドさの残った味わいである一方で、アランの2000年代のリリースなどでも見られた、蒸留所としての酒質の方向性や樽の調達で苦労していたことがうかがえる姿が思い出されるような懐かしい味わいでした。
アラン21年は、当面は年間9000本限定のスモールバッチでリリースされていくとのことで、使われる原酒の傾向もリリース毎に異なっていくものと思われます。
となると、代を重ねることでより洗練されて、近年のアランに近づくのかもしれません。

アラン10年なども、初期の頃はそこまで安定してはいなかったと記憶していますが、最近は優良オフィシャルとしての評価を確立しつつあります。
それこそ近年のシングルカスクリリースなどから原酒の傾向をピックアップし、将来の21年に個人的な好みを押し付けさせてもらえば・・・アメリカンオークホグスヘッドのトロピカルなフルーティーさを主体に、バーボンバレル由来の強烈な華やかさ、シェリー系のニュアンスで少しコクと厚みを加えて加水でまとめるようなリリースが出たらいいなあとリクエストして、この記事の結びとします。
アラン蒸留所と、21年の今後を楽しみにしています。

アラン ピーテッド 10年 2005-2016 バーボンバレル 59.3%

カテゴリ:
ARRAN Peated
Private Cask for Japan
Aged 10 Years
Distilled 2005
Bottled 2016
Cask tyep Bourbon Barrel #101
700ml 59.3%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーでスモーキーな香り立ち。濃い目の樽香と麦芽香が、バタークッキーの甘い香りやおしろいの白っぽさ、ドライフルーツの華やかな酸味に通じる。

味:ねっとりとした口当たり、香り同様バーボンオークのフレーバーが主体で、奥には白っぽい麦芽の甘みが味に厚みを出している。蜂蜜、バニラ、ドライオレンジ。
余韻はスモーキーでピーティー、ピリッとしたスパイスを舌先に感じ、オークとグレープフルーツの華やかで長い余韻。

2005年から仕込みが始まったアランのピーテッドモルト。今回のボトルは熟成期間満10年を迎えた初めての日本向けのカスクという事ですが、思いもかけぬ良い出来栄えにびっくりしました。
まずここ最近の傾向として、あまりピート麦芽を使ってこなかった蒸留所が仕込むピーテッドは、それが際立って強くアンバランスな傾向があったように思います。しかし今回のアラン10年は、それほど自己主張していないというか、バランスの良いタイプなのです。

10年でカスクストレングスというだけあって、まだ荒い部分は残っており、★7にはもう一歩という感じですが、アランの素直な酒質を考えると、これが第一の飲み頃と感じます。
麦感は厚めでおしろいのような麦の芯を感じる白っぽい甘み、そこにバーボン樽特有の華やかでフルーティーなオークフレーバーが強めに乗っかっており、パワフルでリッチな飲み心地です。
ここまでは純粋にアランそのものというか、普段ならここで終わって、後は余韻が華やかでオーキーでドライで・・・となるところ、今回はピーテッドです。スモーキーで程よいピートフレーバーが余韻にかけて仕事をして、ただ華やかで終わらないのもポイントです。

アランでピーテッドというとマクリムーアが加水もハイプルーフもリリースされていましたが、その完成度は頭一つ以上今回のボトルのほうが抜け出ています。
今すぐ開けて飲んでも楽しめますし、開かせても樽感が馴染んでバランスが良くなるでしょう。10年くらい置いて一体感が出てから飲んでも良い方向に作用すると思います。

タリスカー ノース 57% オフィシャル現行品

カテゴリ:
 
TALISKER  
57 North
700ml 57%  
 
【ブラインドテイスティング】
地域:アイランド
年数:15年程度
度数:46%
樽:オフィシャルバッティング
 
グラス:創吉テイスティング
量:30ml程度
場所:BAR(TWDイベント)
時期:開封時期不明
暫定評価:★★★★★(5)
 
香り:アーモンドを思わせる香ばしさと乾いた草や土っぽさを伴う内陸系のピート香。
徐々に焦げた木のような苦みとほのかにメープルシロップの甘み、梅っぽい酸味も若干感じられる。グラスにはクレゾールを思わせる消毒臭が残る。
 
味:粘性がありシロップのような甘味とスパイシーな口当たり。徐々にアプリコット、クルミや甘栗、焦げた木を思わせる香ばしさと苦みから、余韻は黒土を思わせるピートフレーバー。スモーキーで最後までスパイシー。



タリスカーのオフィシャルラインナップの一つ。バリバリの現行品。
同蒸留所が北緯57%に位置することにちなんで、度数57%とハイプルーフでボトリングされています。
使用されている樽は100%アメリカンオークのリフィル樽で、バーボンだったり、シェリーだったり、色々使われているのだと思いますが、リフィルという割には木材系の主張が強く感じられる香味に仕上がっています。熟成年数はノンエイジですが、価格等から考えると10年程度でしょう。

このボトルは先日のTWDでテイスティング。
自分のテイスティングを見直すと度数でやらかしてますが、実は蒸留所の絞り込みとしてタリスカー以外にレダイグのがよぎっていたので、そこに引っ張られてしまった感があります。
冷静に飲みなおしてみると57%とまではいかずとも、50%はあると感じるアタックの強さでした。ここが判断できてればアイランド、高度数、オフィシャルで銘柄指定まで辿り着いたかもしれませんが、ちょっとした思い込みに流されるのは、修行が足りませんね。
とはいえ、アイラではない島っぽさ、特に荒々しさを売りとする個性は十分感じられるボトルだと思います。

自分はそもそも、この粗い酸味と若さの残る風味があまり好きではなく、評価は辛め。しかしTWDメンバーのテイスティングでは、自分を除く平均スコアは3.5と中々好評。香り、バランス、複雑さ、熟成感等も平均以上に感じられるという評価でした。 
タリスカーは18年などの値上げもしてませんし(そのうちするんでしょうけど)、ラインナップも豊富でオフィシャルが面白いですね。
 
余談ですが、つい先日ちょうどタリスカー・ノースの旧ボトルを飲んでいました。
旧ボトルは麦芽とスモーキーさが主体的で、現行品はより粗々しい個性や樽感が強くなったように感じます。
今回のテイスティングは図らずも非常に良いタイミングで、その違いがよくわかりました。 

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