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タリスカー ディスティラーズエディション2017 45.8%

カテゴリ:
TALISKER
Distillers Edition 2017
Distilled 2007
Bottled 2017
Amoroso Cask Finish
700ml 45.8%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封後数日以内
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:焦げたような樽香、塩素、ヨード、ほのかにアーモンドや梅干しの酸味に通じるシェリー香もあるが、焦げたようなアロマが強い。

味:マイルドな口当たりから焼き芋を思わせるチャーオーク系の樽香、徐々にピートや燻した麦芽、ビターでスモーキーな風味が盛り上がる。
余韻は焦げ感、ピーティーでほのかにピリッとした刺激。ベタつきはなくスッキリしている。

好みを分ける樽香が香味共に前面にあるが、荒さをさほど感じないのはフィニッシュのシェリー樽由来のコクがカバーしているのだろうか。シェリー感はそこまで強くなく酒質主体のピーティーさ、麦芽風味も伴う。
時間経過で焦げ感は落ち着く印象があり、開封後の変化に期待したい。


今年日本でリリースされたDE(ディスティラーズエディション)2017の中で、違和感のあった2本のうちの1つ。
これまでタリスカーDEはシェリー系の甘味の濃さ、あるいは酸味といったニュアンスが特徴としてありましたが、それが近年は年々薄くなっている印象があり。。。昨年のボトルは塩気や焦げ感が強くなっていたところ、今年のボトルは昨年のそれからシェリー系のニュアンスが落ちて、コクのある甘み程度になってしまったようなイメージなのです。

この焦げ感はピートではなく樽由来のもの。アモロソシェリーはオロロソとPXのブレンドで、焦げに繋がる香味ではなく。また、他のDEにもここまでの強い香味は感じられないため、フィニッシュ用の樽を作る際、リチャーの工程で焼きを強くするなど他と異なる仕様として差別化につなげているか、あるいは、ベースとなる原酒がこのタイプの樽で熟成されていたのではないかと推察します。
実際、タリスカーはダークストームなどでそうした樽を使っている実績もあります。

(タリスカー蒸留所のポットスチル。その特徴とも言えるのが、初留釜の独特なラインアーム形状。直角に伸びた先で再度直角に折り曲がる。これによって蒸気の還流を促している。Photo by T.ishihara)

タリスカーは波飛沫の舞う海辺のロケーションに、爆発するようとも例えられるスパイシーさ、あるいは酒の王者とも賞されることから、ついヘビーでパワフルな酒質を連想しがちですが、近年は然程ヘビーというわけではなく樽によっては比較的マイルドに仕上がるウイスキーです。(昔のボトルはかなりどっしりした味わいでしたが、原料のみならず、蒸留の速度なども関係しているのかもしれません。)

他方、だからこそ近年のそれはピリッとしたスパイシーな刺激が際立つのでしょうか。メーカー側もその点を意識した樽使い、ブレンドをしているように感じます。
今回のDEは現時点でマイルド寄りなタリスカーでしたが、個人的には何方も好みなので、あとは違和感になる樽香が馴染んでくれればいいなと感じています。



ハイランドパーク 17年 ザ・ダーク 52.9% ファーストリリース

カテゴリ:
HIGHLAND PARK
THE DARK
17 years old
First Release 2017
1 of 28000 bottles
700ml 52.9%

グラス:サントリーテイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:BAR飲み@GOSSE
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:黒砂糖やかりんとうを思わせる甘いシェリー香、ほのかにハッカ、干し草、アーモンド。時間経過で蜜っぽく豊かな香り立ち。

味:コクと甘みのある口当たり。ダークフルーツケーキやかりんとう、干し草、乾いたウッディネス、微かな硫黄もあるが嫌味ではなく、あまり気にならない。
余韻はドライ、じわじわとピーティーで土っぽさを伴う。

ダークというほどの色合いではないが、シェリー感が程よく感じられると共に、ボディにコクがあり、干し草のを思わせるヘザー感、ピートフレーバーに蒸留所のらしさもあるバランスの良いモルト。 



 ハイランドパーク ザ・ダーク17年は、オークニー諸島の四季を表現したリリースの第一弾。現地でのリリースは昨年末ですが、先週3月12日から日本でもリリースされたところ。
近年のハイランドパークブランドは、ヴァルハラ、ヴァイキング、ヴァルキリーと、北欧神話とリンクするPR戦略をとってきましたが、今回はこれまでとは異なる、島の"風土"へとステージを移してきたようです。

気温が低く日照時間の短い、オークニー諸島の秋から冬にかけてを、ボトルの色合いとシェリー樽による原酒構成で表現。
ただ、ボトルに描かれた模様は北欧神話のドラゴンをモチーフとしており、ハイランドパーク=ヴァイキング文化は引き続き継続中。ドラゴンの中、上下二つの輪は夏至と冬至の太陽をイメージしているそうですが、ここまでくると「なるほど、わからん」という世界。カッコいいんですが、カメラ泣かせなボトルでもあります(笑)。

(ハイランドパークではウイスキー製造に用いられる麦芽のうち、全体の約2割、ピーテッドモルトを蒸留所内でモルティングしている。キルニングには地元産のピートも使われており、シーズン中のパゴダ屋根からはピートを炊く煙も見られる。Photo by K67)

先に一部書いたように、ザ・ダークはシーズニングのファーストフィル・シェリーホグスヘッド(ヨーロピアンオーク)で、17年以上の熟成を経た原酒で構成されています。
おそらく250リットルサイズの小さいサイズのシェリー樽、しかもカスクストレングスというスペックにしては、酒質由来の香味も残してバランス寄りな仕上がりが特徴的。
それこそもっと色濃く、ウッディに仕上がっていてもおかしくないワケです。

その樽構成、実はリフィルも含めたバッティングかとも思ったのですが、海外サイトにも該当する記述はなく。シーズニングの期間が短く、シェリー感が弱い樽に加え、年間平均気温8度というオークニーの環境がなせる技か。少なくとも、日本のそれとは異なる仕上がりです。
価格はいつも通り強気ですが、こういう熟成感のボトルは中々沁みます。

スキャパ 8年 1989-1997 ジョンミルロイ セレクション 59.5%

カテゴリ:
JOHN MILROY SELECTION
ORKNEY ISLANDS
EXTREME NORTHERN HIGHLAND
(SCAPA)
Aged 8 years
Distilled 1989
Bottled 1997
700ml 59.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:少々硬さのあるハイトーンな香り、注ぎたては青みがかった麦感から、カステラやバニラウェハースを思わせる甘みが開いていく。

味:アタックの強い口当たり。ナチュラルオーク、まだ硬さのある洋梨、青いバナナ。唾液と混じるとオイリーでカステラのような甘みも感じられる。
余韻はハイトーンでドライ、ほのかに麦芽由来のほろ苦さを感じるヒリヒリとした余韻。

経年変化で角は取れつつあるが、短熟ゆえ樽感は淡く、硬さとアタックの強さがある程度残っている。少量加水するとまろやかさ、さらなる甘みが引き立ちグッド。


蒸留所名称ははっきりと書かれていないものの、オークニーモルトでエクストリーム・ノーザン・ハイランド表記、つまりスキャパ蒸留所というボトル。
スキャパ蒸留所が1994年に一時閉鎖される前の蒸留で、愛好家を逆に惹きつける8年という短熟仕様。旨さもさることながら、個性を求めるコアなドリンカー向けの1本です。

昨日記事にしたハイランドパークも樽感の淡い構成ながら、同じオークニーモルトとは言え酒質の違いは歴然。ピートのニュアンスも穏やかでニュートラルな作りに加え、ボディもそこまで厚いわけではないですね。
ただ20年という瓶熟から角が取れつつありますが、ボトリング当時はもっとバチバチでアタックの強い味わいだったのだと思います。

かつてスキャパの原酒は殆どがブレンドに使われ、ボトラーズリリースでしかそれを味わえなかった時期がありました。
この1980年代〜1990年代前半の原酒が熟成され、加水されて作られていくのが今は亡き12年、14年、16年と熟成年数を推移したスキャパ・オフィシャルボトルシリーズ。
今でも飲めて共通点がわかりやすいのは16年。この8年熟成原酒をバーボン樽あたりに突っ込んでさらに熟成し、40%あたりまで加水すると。。。あんな感じで華やかなモルトウイスキーになるかなと。原酒の繋がりでイメージするのも面白いですね。


今回のボトルは、連日の更新同様にウイスキーラバーズ名古屋2018のIANブースでテイスティングが可能です。
美味しさというより面白さ、経験値を求めるボトルですが、中々機会も限られるボトラーズ・オークニーモルト飲み比べもいい経験になるのではないでしょうか。

ハイランドパーク 1978-1996 サマローリ オークニーモルト 45%

カテゴリ:
HIGHLAND PARK
SAMAROLI "COILLTEAN"
Aged 18 years
Distilled 1978
Bottled 1996
700ml 45%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:やや青みがかった淡い樽香、洋梨やアロエ果肉、蜂蜜とバニラの甘み、奥からスモーキーなピート香。ナッツの香ばしさ、スワリングで干し草のような植物感もある。

味:コクのある口当たり。蜜っぽい甘みは蜂蜜檸檬、麦芽風味、乾いた牧草、青みがかった甘さのアクセント。徐々にスパイシーなオーク、ボディが厚く、奥行きのあるフレーバー。
余韻は染み込むようにピートが広がり、スモーキーフレーバーが強く感じられる。

恐らく2nd〜3rdフィルあたりのアメリカンホワイトオーク(シェリーカスク)             の熟成か。やや青みがかったプレーンな樽香に、ハイランドパークらしい甘み、麦感、スモーキーさと酒質ベースの味わいが楽しめる。少量加水すると華やかなオーク香、甘い麦芽風味が引き立つ。


BAR Y's Land IAN ウイスキーラバーズ名古屋出展ボトル。先行テイスティング会でのテイスティング。

昨年故人となってしまったサマローリ氏が、まだ現役だった時代のハイランドパークボトリング。近年、ハイランドパークはボトラーズに原酒を売らなくなってきていて、特に長期熟成原酒は益々貴重にという話も業界サイドから聞くところ。そう言えば70年代蒸留のそれは久しぶりに飲んだ気がします。

今回のボトルの特徴は45%加水でありながら残るボディの厚み、酒質由来の味わいの強さでしょうか。うまい具合に加水が効いて、飲み口のバランスは熟成年数以上に良いですね。
60年代に続き、70年代のハイランドパークは評価の高いボトルが多いわけですが、この酒質で良質なシェリーカスクなどが組み合わされば、混ぜても加水でも単一でも旨くなるよ、という土台の良さを学ぶことができるボトルだと思います。

なお、伝聞情報ですが、当時のサマローリはケイデンヘッドから樽(原酒)を買っていたとのこと。
同時期のケイデンヘッドのリリース、グリーントールのオーセンティックコレクションも今回のように酒質ベースで樽感の淡いものが多く、それを加水で出したかカスクストレングスで出したかという、納得できる共通項も感じられました。

ハイランドパーク ヴァルキリー 2017年リリース 45.9%

カテゴリ:
IMG_5779
HIGHLAND PARK
"VALKYRIE"
Viking Legend Series
2017's
700ml 45.9%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月以内
評価:★★★★★(5)

香り:生っぽいウッディさの漂う淡いシーズニングシェリー香、ほのかにサルファリーさも漂う。時間経過で黒砂糖、奥には若さと熟成感の混じったような酸味、華やかなモルティーさが穏やかなスモーキーさと共にスワリングで交互に感じられる。

味:クリーミーでシロップのような甘みを感じる口当たり。ローストした麦芽の香ばしさと苦味、乾燥した植物感、ジンジャー、シェリーのコクとほのかな硫黄。後半には土っぽいピートも感じる。
余韻はドライで焦げたホットケーキのようなほろ苦さ、口の中に張り付くシーズニングシェリーの甘みを伴い長く続く。

オフィシャルらしく複雑さとそれなりのバランスを備え、なんとなく飲めてしまうボトル。万人向けと言えばそれまでだが。。。個人的に求めているハイランドパークはコレジャナイ。少量加水で硫黄が浮つく傾向はあるが、一定以上加水すると樽感と麦芽風味がメインで広がり、ピートも残る。加水、またはロックで。


日本では先月11月下旬に発売されたばかり、ハイランドパーク・バイキングレジェンドシリーズの第一弾。戦乙女として知られるヴァルキリーの名を冠したニューリリースです。

「死の、先を行く者達よ!」と言えば、自分世代の男性陣には結構通じるだろう、北欧神話におけるヴァルキリーの基本設定(ちょっと違う?w)。
ただ、最近のハイランドパークの限定リリースは、中身とネーミングとの関連がほぼ無いといっても過言ではなく。それこそ、流行りの漫画ラベルのようなイベントボトルと違いがない世界でもあります。
まあそれを否定する訳ではありませんが、初期のヴァルハラシリーズは、コンセプトと中身のリンクが多少なりにあったんと思うんですけど、流石にネタ切れ。。。でしょうか。


(ヴァルキリーは戦場で優れた武功を挙げた戦士を天上界、ヴァルハラへ迎え入れるという。個人的に天上界のイメージに近いのがこの写真。オークニー島、ストーンサークルにてK67氏撮影。) 

そんなわけで中身の話。ハイランドパーク・ヴァルキリーの樽構成は、シェリー樽原酒とバーボン樽原酒のバッティングである旨が公開されているところ。
飲んだ印象では、シェリー樽といってもファーストフィル以外にリフィルも使われている印象で、比率は1st fill シェリー2、2nd fillシェリー4にバーボン4くらい。熟成感は10〜15年程度で極端に短熟や長熟が使われているという感じでもなく、ピートも穏やか。淡いシーズニングシェリーのフレーバーがメインに感じられる、バランス型の仕上がりです。

コアな愛好家からすれば半端な感じは否めませんが、価格的にはエントリー寄りのミドルグレードで、そもそもブランドの位置付けが半神のヴァルキリーの序列をイメージしているのかもしれません。(または、エントリーグレードのウイスキーで経験を積んだ飲み手を、ヴァルハラという名のさらなる沼に引きずり込むというグレード設計か。)

新しくボトルデザインに関わったJIM氏のそれは、バックバーにあって目を引く高級感。中身も突き抜けないながら上手くバッティングして万人向けと言える味わいに仕上げているため、BAR等での使い勝手は良さそうです。

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