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タリスカー 1954 GM イーグルラベル 40%

カテゴリ:
TALISKER
Isle of Skye Pure Highland Malt
Gordon & Macphail
Distilled 1954
1980's
750ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(KuMC)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★★(9)

香り:ベリー感を伴う落ち着いたシェリー香に麦芽香。チョコレートクッキー、枝付きレーズン、古いウェアハウス。妖艶で土っぽいピート香も感じられる。

味:とろりとリッチな甘み、ベリージャム、カステラ、微かにカカオ。強い麦芽風味と染み込むようなピートフレーバー。40度加水とは思えないボディの厚みがある。
余韻は古典的な麦芽風味、序盤から続くシェリーの甘みを黒土を思わせるほろ苦さが引き締め、スモーキーで染み込むように長く続く。

オールドシェリーとそれを受け止める分厚い酒質、スモーキーフレーバー。加水で調整されたウイスキーならではの負担のない飲み口。蒸留所云々を差し引いても、長期熟成ウイスキーとして整った旨さがしっかりとある。
こうしたウイスキーを量産できていた当時のGMは、やはりどこかおかしい。


1954年蒸留のタリスカー。ーグルラベルのタリスカーは長い期間結構な種類がリリースされていましたので、ボトリング年の特定はできません が、ラベル形状等から1980年代流通で、中身は25から30年熟成といったところと思われます。

少しラベルが退色していたので、開封前はフェイク疑惑も話題にありましたが、中身は間違いなく本物です。
オールドシェリーの傾向の一つとも言える、カラメルソースを思わせるとろりとした甘さ、それを支える分厚い麦芽風味、タールや黒土のようなピートフレーバー。。。
これはGMが凄いのか、それとも1950年代のタリスカーのポテンシャルゆえか。あるいはそのどちらも凄かったというこというか。シェリー感の強いバージョンや麦芽風味が強いバージョンなど、構成にばらつきはありますが、兎に角、これまで飲んできたどのボトルを思い返しても、この時代のGMタリスカーはハズレなしどころか、安定して突き抜けている印象があります。

先日開かれたウイスキー仲間との持ち寄り会では、1950年代蒸留の短熟オフィシャルと、長熟タリスカーの超豪華な飲み比べとなり、それぞれの良さを堪能させていただきました。(写真の並びは参加メンバーが高評価したボトルの順。。。タリスカー2本はダントツでした。)

短熟オールドの経年で丸みを帯びつつも個性がわかりやすい味わいも文句なく良かったですが、個人的には熟成を経たことで備わったオールドシェリーの妖艶な甘さと、どっしりとしつつも落ち着きがあるピーティーなニュアンスがどストライク。
むしろ短熟を飲んでいたからこそ、このボトルの良さがわかりやすかったのかもしれません。

なお、これを飲んだからといって現行品不甲斐ないなどと言う話ではなく、もはや同じ名前をした別な何かと考えています。
言わばパラレルワールドのようなもの。機会があればこうして覗かせてもらうわけですが、その世界は困ったことにとんでもなく魅力的なのです。

タリスカー 8年 1960年代流通 TDラベル 43%

カテゴリ:
TALISKER
Pure Malt Whisky
Over 8 years old
1960's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
量:ハーフショット強
場所:個人宅(KuMC)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★★★(8-9)

香り:リッチな麦芽香、熟成した葉巻を思わせる妖艶なスモーキーさ、土っぽいピート香にプラムやママレードを思わせる酸味、ほのかにヨードのようなニュアンスが混じってくる。

味:とろりとした口当たり、香り同様に強い麦芽風味、塩キャラメル、土っぽいピートに湿ったウッディネス。コクと厚みのあるボディ。
余韻は古典的な麦芽風味、微かにオレンジジャムを思わせる。スモーキーで染み込むように長く残る。

経年によりやや熟れすぎた感はあるが、それにしても素晴らしいボディの厚み、ピート、古典的な麦芽風味。。。スコッチモルトたる要素が充実している。今の時代よりも遥かに強い個性の存在感。これを普通に飲めた時代がなんとも羨ましい。


1980年代以前のタリスカーのスタンダードである、TDラベル。
現行品のようにただ荒さの残る味わいではなく、深いコクと染み込むようなピートを感じるそれらは「この時代こそ」と愛好家から高い評価を受けています。
ラベル遍歴としては、マップ(1990年代から)→JW(1980年代後期)→TDという順に古く、JW時代、TD時代には8年と12年がリリースされており、特に今回の1960年代は、日本国内への輸入がなかったことに加え、後述する理由から現存するボトルそのものが少ないという状況、自分も初めてのテイスティングになりました。

随所に時代を感じさせるラベルデザイン、Pure Malt Whisky表記にDistillery Isle of Skye表記、見た目からしてそそられますが、味も古酒らしいこなれた香味に麦由来の強い風味がしっかりと備わって、ウイスキー好きの本能に訴えかける魅力があります。
また、この時代の短熟オフィシャルの特徴として、8年表記でありながら若いニュアンスはなく、長期熟成原酒とのバッティングでバランスがとられているであろうことも伺えます。
(タリスカー蒸留所外観。目の前には海、背後には不毛の大地。華やかという単語は似合わないが、この環境が詰まっていると思うと納得出来る味わいがタリスカーにはある。 Photo by T.Ishihara)

この時代のシングルモルトは、いくつかの要因で物が少ないと言われています。
一つが当時のウイスキー市場はブレンデッドウイスキーが全盛だったこと。まあこれはシングルモルトの生産量が、ブレンデッドに比べて少なかったという話で、今の時代もスコッチ業界全体としてはこの流れですね。
そしてもう一つが、当時のこうしたボトルは「あくまでスタンダードの一つ」であり、普通に飲まれてしまったために"残り辛かった"ということにあります。

マッカランなどのようにビンテージ入りだったり、ボトラーズリリースだったり、あるいは何かしらの限定品であればコレクションされていたものが後々流通してくることもありますが、このタリスカーなどは当時の愛好家からすれば、ただのオフィシャルの8年ものなのです。

今我々がタリスカーをじゃぶじゃぶハイボールにしてしまうように、こうしたオフィシャルが日常的に消費されたであろうことは想像に難しくありません。
ボットリングから半世紀の時を超えて、こうして目の前にボトルがある、その機会を頂けただけでも感謝です。

ハイランドパーク 25年 48.1% オフィシャル

カテゴリ:
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HIGHLAND PARK
Aged 25 Years
750ml 48.1%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:力強くどっしりとした香り立ち。黒蜜や黒砂糖の甘み、イチジクの酸味を伴うシェリー香。みたらしを思わせる古酒感に、じわじわとスモーキーで土っぽい香りもある。

味:リッチだがやや荒さのある口当たり、古酒系のシェリー感、黒蜜、ドライプルーン、オランジェット。徐々にスパイシーでピート、乾いた植物のほろ苦いニュアンス。微かにダシっぽさも感じられる。
余韻は力強く、スモーキーで乾いたウッディネスが長く続く。

リフィルと1stフィルシェリー樽のバッティングからくる濃縮感のあるリッチな香味、そしてスモーキーフレーバー。スパイシーで アタック強く、やや荒さも感じるが、ハイランドパーク好きが求めるフレーバーが備わっている。ストレートから少量加水で楽しみたい。


気がつけばずいぶん高嶺の花になってしまった1本。
同蒸留所のオフィシャルボトルは限定品、免税向けも合わせると把握しきれないほどのラインナップがあり、今尚精力的にリリースが拡充されていますが、その中で25年は代々ハイランドパークの本流とも言える味わいが特徴。5年ほど前は1万円程度だったボトルですが、今は流通量少なく、あっても高騰。すっかりお見かけしないボトルになってしまいました。

今回はウイスキー仲間の持ち寄り会で久々のテイスティング。ラベルやボトル形状は現行品ですが、度数が48.1%なので厳密には現行品から1世代前の25年となります。(現行品の度数は45.7%)
まろやかで円熟味を楽しめる30年や、フルーティーさが際立った18年と異なり、この25年は少々やんちゃ。アタックの強さが特徴的ですが、テイスティングで記載したように"らしさ"がしっかりと備わっており、ハイランドパークが好みな人は間違いなくストライクゾーンに入ってくるボトルだと思います。

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(ハイランドパーク蒸留所のウェアハウス外観と内部。同蒸留所の1970年代以前は当たりが多い。1979年蒸留の詰まったこの樽はまさに生唾もの。。。Photo by K67)

自分の周囲のウイスキー仲間を見ていて思うのですが、ハイランドパークはウイスキー愛好家の琴線に響く、不思議な魅力を備えていると感じます。
それは樽なのか、植物主体のオークニー島のピートなのか、フロアモルティングによる麦芽の処理なのか。。。複雑でコクのある甘みとスモーキーフレーバーが、スコッチモルトを飲んでいるなという満足感を感じさせてくれるのです。

現行品の25年は中々手を出しにくい価格帯ですが、ハイランドパークは普及価格帯の12年もその魅力の一端をちゃんと備えており、作り手の努力を感じる銘柄。
また、たまに国内に流通する以下の免税向けやボトラーズモルトなど、きらりと光るリリースもあるので、オークニーモルトの旅は中々に冒険と発見に満ちています。
HIGHLAND PARK 1998-2011 For Global Travel Retail 700ml 40%
テイスティング@BAR GOSSE

アイルオブジュラ 19年 1996-2016 チーフタンズ 50%

カテゴリ:
ISLE OF JURA
Chieftain's
Aged 19 Years
Distilled 1996
Bottled 2016
Cask type Bourbon Barrel
700ml 50%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(持ち寄り会@マッスルKさん)
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:クリーンで透明感のある香り立ち、徐々にオーキーでカスタードやバナナを思わせる甘いアロマ、乾いた麦芽。淡いスモーキーさも感じる。

味:ややドライな口当たりから徐々にスパイシー、バタークッキーやワッフルを思わせる甘み。じわじわと灰っぽさのあるピートが、若干の草っぽさと煮た林檎などのオーキーなフルーティーさと合わせて余韻にかけて盛り上がってくる。
ボディはミディアムから少し軽め、フィニッシュは甘みが長く残る。

非常に優等生で、良い意味で近年のジュラらしくない綺麗なジュラ。バーボンバレルだがホグスヘッドのように樽感に引っかかりがなく、度数以上にスイスイ飲める柔らかさからストレートで十分楽しめる。他方、加水するとボディが嘘のように弱くなる一面も。


「このジュラは美味しかった、どこで飲んだか覚えてないけど試してみれくれよ。」
などと意味不明な供述で推薦を受けたボトルであり、当然「何を言ってるのかわからんw」と返していたところ、「ボトルで買っておいたぜ!」とマッスル氏の男気を見せられました(笑)。

とは言えジュラか・・・近年モノだとオフィシャルベースなら荒さもありそうだし、バーボン樽って事はフルーティーでもドライで仕上がりは単調気味でだろうな。。。と、先入観増し増しで、様子見のハーフショットだったのですが、一口飲んで「!」となり、「も、もうちょっともらって良い?」と1ショットに切り替える、という家飲みならではのやりとりもありました。
樽の質はもとより、度数50%という仕様や味わいから少量の加水が行われていると推察。それがバーボン樽のフレーバーを整え、酒質と絶妙なバランスが取れた結果ではないかと考えます。

個人的にジュラは好きな蒸留所の一つです。
オフィシャルのオールドや、ボトラーズの長期熟成品はウイスキー好きのツボにくるモノがあると思っています。スティルマンズやOMCなど魅力的なボトルも結構ありました。
ただ近年のモノはボディが軽くなり、草っぽさや酸味が強く、ピートもパッとしない、そんな印象があった中で上手く仕上がったボトルに出会うと嬉しくなりますね。

今回のボトル以外で最近「おっ」と思ったボトルを合わせて紹介すると、それはシグナトリーのジュラ1989ヘビリーピーテッド。一昨年は25年、去年末には写真の26年がリリースされており、どちらもパワフルでエステリーなフルーティーさと強いピートが一体となって、ほのかに感じられる草っぽさも良いアクセントになっています。
ジュラのオフィシャルでもヘビーピートはリリースされていますが、それとは違うボトラーズだからこその楽しみと完成度。
チーフタンズ1996とは対極にある構成が、これもジュラの魅力の一つとして楽しめると思います。

タリスカー 25年 1975-2001 リミテッドエディション 59.9%

カテゴリ:
image
TALISKER
Aged 25 Years
Distilled 1975
Bottled 2001
Natural Cask Strength
One of only 6000 Limited Edition
700ml 59.9%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
時期:1~2年程度前
評価:★★★★★★★★(8)

香り:最初は焦げたようなスモーキーフレーバーとレザーを思わせる香りが主体だが、徐々に黒土、林檎のカラメル煮を思わせるエステリーな熟成香、乾いた木のようなハイトーンなアロマも広がる。
少量加水すると陶酔感のある熟成香が開き、ヨードを伴うスモーキーさと、土っぽさ。焼きドーナッツのような甘い香りが鼻腔を擽る。

味:強いコクとタールを思わせるパワフルな口当たり。厚みのあるボディに古酒系のカラメルやウッディーなニュアンス。香り同様のエステリーさ、アプリコットジャム。余韻はややドライでスパイシーでスモーキー。どっしりと存在感のあるピートフレーバーが長く続く。
少量加水するとフレーバーが伸びて一体感が増す。特に熟成感が全体をカバーして、まろやかでコクのある味わいと、それでもなお存在感のあるスモーキーフレーバーが堪能できる。

余韻にかけてのフレーバーの広がりが素晴らしく、特に加水後の味わいは昔のオフィシャルスタンダードに通じるものがある。
ハイボールにしてみるとヨードが強く磯っぽさが混じるが、ボディの厚みが炭酸を受け止めコクのある甘味、スパイシーさも失われず美味。
お久しぶりのタリスカー・リミテッドエディション2001年リリース。
タリスカーはボトラーズに加えてオフィシャルから2000年以降ほぼ毎年リリースされるリミテッドリリースが潤沢にあり、1970年代後半からのキャラクターに触れる機会が多かった蒸留所であると言えます。

その構成はディアジオ(かつてのUD)らしく、リフィルシェリーでプレーンな樽感。同じリミテッドの20年がシェリーのしっかり効いたタイプでしたが、25年は総じて樽感はあまり強くなく、麦芽由来の酸味、ピート、パワフルでスパイシーでコクのある酒質由来の味わいを感じるボトルが多い印象。
今回紹介する2001年リリースの25年は、そうしたプレーンな構成に加えてシェリー感の残っている樽も使われたようで、うっすらとシェリー、後は微かにチャーオークのニュアンスも。それらはストレートでは少々チグハグな感じもしましたが、加水すると一気にまとまり、スモーキーで陶酔感を感じる素晴らしい味わいに変化します。

1975年というと、現在高い評価をされているオフィシャルボトルの蒸留時期ですから、そのポテンシャルも納得です。
むしろ探せばまだ飲めるこのボトルは、かつてのタリスカーの魅力を学べる教材としても、ここ最近で飲み始めた人達にオススメしたいですね。
現在の相場は決して安価とは言えませんが、度数も高くヘタっている度合いも少ないでしょうし、それこそTDやJWラベル時代のオフィシャルを買い求めるよりは。。。

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